大亀流(おおがめりゅう)
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「我間乱〜GAMARAN〜」の記事における「大亀流(おおがめりゅう)」の解説
海原藩の藩境に位置する、人里離れた山奥に道場を構える剣術流派。創設二百年を越える古参の流派で、雷・火・空・水・土の五つの型からなる「五行(大亀流五剣)」を軸とした独自の術技体系を持つ。 かつて大亀流では、黒鉄陣介と妙画鉄斎という2人の天才剣士が当主の座を争っていた。当時の当主であった大泉亀伝坊は、陣介の内に秘められた野心を見抜きながらも、わずかに腕の勝る彼に当主の座を託した。 しかし大亀流は、剣と流派の力を用いて権力を得ようとする陣介の派閥と、武術流派としての大亀流を守ろうとする鉄斎の派閥に分裂。両派の溝は埋まらず、ついには同門同士で殺し合うという事件に発展した。この事件で、鉄斎と彼の支持者たちの多くが死亡し、陣介は自分の支持者達を引き連れて姿を消した。この事件で生き残った門下生は、陣介の息子である黒鉄我間とその兄弟子である千石伊織、桜真ノ丞、一ノ瀬善丸の4人のみ。のちに3人の兄弟子たちは陣介の行方を追って道場を離れ、現在は我間と隠居した亀伝坊、その娘である千花の3人が道場に居残っている。 黒鉄我間(くろがね がま) 本作の主人公。黒鉄陣介の一人息子で、父譲りの銀髪が特徴の15歳の少年。実年齢以上に小柄で幼い容姿だが、9歳の頃からの5年間たった一人で他藩からの道場破りに勝ち続けてきたほどの実力の持ち主。特に身のこなしや動体視力、反射神経など、あらゆる面で人間離れした「疾さ(はやさ)」を持つ。大亀流の剣士は、修行の初めに「五行」の第一式の技すべてを習得するが、我間は疾さ重視の五剣ノ一「雷電型」のみ第二式まで習得している(後に伊織の特訓により第三式まで習得)。反面、体格的に非力であるため、威力重視の型である五剣ノ二「焔燃型」は苦手とする。観察力や学習能力にも優れ、敵の技を一見しただけで自分のものにし、あまつさえ独自に改良を加えるなどの創意工夫を見せる。 普段は年相応に生意気な性格で、年上や目上の人間に対しても基本的に敬語は使わない(「さん」など最低限の敬称を付ける程度)。下の毛がまだ生えていないことを非常に気にしており、道場の仲間からことあるごとに「つるちん」呼ばわりされムキになることが多い。一方で、剣術に対しては日々の鍛錬を欠かさず真摯な姿勢で臨み、武芸者として確固とした信念と覚悟を持つ。また、自分が強さを認めた相手に対しては、たとえ敵であっても敬意を払う。かつて同門の仲間たちを殺した父・陣介を深く憎んでおり、いつしか自分の手で彼を倒すことを悲願としている。 続編の『-修羅-』では、可士太郎との修行の旅の最中に幕下百剣に番付5番で百剣士に選ばれることに。伊織を超え、天下無双となるべく参加。折りしも年を経て剣士として最も成長する時期に入っており、海原大仕合をも凌ぐ成長速度を見せる。可士太郎からは陣介以上の天凛を持っていると評価されており、我間の戦いを見た伊織からは陣介に被って見えると言われた。 無宝流の残党や直善との再会を機に、かつて陣介が歩もうとした道について今一度考えることになり、思慮の末陣介を知り超える為に無宝流の当主となる事を決断。 千石伊織(せんごく いおり) 我間の兄弟子であり、幼少時からの師匠的存在。後ろに束ねた癖毛と鋭い双眸が特徴の男前で、羽織と煙管を愛用する洒落男。24歳。陣介に「自分のすべてを叩き込んだ」と言わせるほどに認められた高弟であり、我間と同等の疾さに加え、片手の斬撃で鉄製の武具ごと相手を両断するほどの圧倒的な膂力を兼ね備えている。我間の師だけあって雷電型を多用する傾向にあるが、元々の攻撃力がずば抜けているため流派の技を使うことは少ない。刀を両手で握ることはなく、片手一本か、脇差との二刀流で戦うことが多い。戦闘後の刀の手入れを面倒臭がっており、抜く価値がないと判断した相手に対しては、基本的に素手か手近な武器を奪って戦う。傲岸不遜かつ掴み所のない性格の持ち主で、よく我間をからかい彼が怒る姿を見て楽しんでいる。 9歳の頃、自分の両親を殺した不良侍二人に陵辱されかけたところを陣介に救われ、その圧倒的な強さに魅かれ大亀流に入門した。以来、陣介を実の父親のように慕っていたが、のちに覇道を歩もうとする陣介の誘いを断り決別する。陣介を止めるべく、鉄斎派との抗争前日に一騎討ちを挑むが敗北。この戦いは我間と亀伝坊以外には知らされておらず、のちの真ノ丞との軋轢を生む要因となった。 ほかの弟子たちとは別行動で陣介の行方を追っていたが、陣介が海原大仕合に参戦している可能性があるという情報を掴み帰還。我間と鏡千流との決戦の場に姿を現し、愛弟子である我間の成長を確信しつつも問題点を指摘。二回戦を前に我間に自らの技を伝授するなどの修行を施し、海原大仕合二回戦開戦後は再び別行動を取るが、明神流戦で真ノ丞と合流する。 対四神槍戦では圧倒的実力を見せ、神野一翁をわずかこぶし2発で撃破。海原城へ単身突入した際も、鞍四伝・林慶・前園兆栄・那須早雲(それぞれが軍団団長)などを圧倒的な技量差で斬り倒す。その後、陣介の前で大亀無宝流間の一年間の休戦協定を締結させ、姿を消すが裏では内通者の月影、神成流の鬼崎玄斎らと連携して無宝流打倒のための準備を行っていた。一年後、大亀流と無宝流の決戦が始まった後、再び我間達に合流する。 続編の『-修羅-』では、陣介亡き後の天下無双として無芸者から狙われながら修行の旅を続けていた。陣介の死に囚われる面が現れており、鈍くなった己の剣が天下無双とされることへの苛立ちも心の底で抱えている。 陣介が座した天下無双とは何かを求める中で幕下百剣として幕下大仕合への参加を要求され、真の天下無双を掴むべく参加を承諾する。 桜 真ノ丞(さくら しんのじょう) 我間の兄弟子の一人で、伊織と肩を並べる実力者。束ねた長い黒髪と切れ長の目が特徴の美男子。24歳。通称は「真さん(伊織は真と呼ぶ)」。疾さと技巧を兼ね備えた剣士で、五剣ノ四「水龍型」に代表される流麗な太刀捌きが特長。涼しげな容姿に反して相当な毒舌家であり、特に後輩の善丸に対しては辛辣な発言が多い。また極度の方向音痴であり、海原城下に到着するまでに二日以上森を彷徨ったことがある。 10年前までは一天流(いってんりゅう)という他流の道場に在籍しており、当時14歳にして道場の跡取りを嘱望されるほどの腕前を持っていた。しかし、突如道場に現れた双燕流当主・二階堂美作に仲間や道場主の娘である許婚の幸を殺され、これに激昂して美作に挑むも圧倒的な実力差の前に惨敗を喫し、長らく強いトラウマを抱えるようになる。その後、美作に指摘された自分の剣に足りない「狂」の強さを得るべく、大亀流の門戸を叩いた。 海原大仕合二回戦より善丸とともに参戦。四神槍との戦いに向かう道中で美作たちと再会し、他の仲間を先に行かせ単独で因縁の私闘に臨む。切り札である二刀流を解放した美作に手こずりつつも、10年間で磨かれた技で圧倒し見事敵討ちを果たす。四神槍戦には伊織とともに途中から合流するも、突如として現れた馬庭重法を筆頭とした無宝流第二遊撃師団の攻撃を受ける。その際、大宮万里、馬庭重法の二人を相手にすることとなるが、神野一翁の乱入もあり、馬庭重法を一撃で斬殺する。 戎簾の里では、空席となっていた大亀流当主を決めるべく、伊織に戦いを申し込む。数々の技巧で伊織を苦戦させるも、伊織の膂力の前に徐々に押され始める。最終的には後から駆け付けた亀伝坊が仲裁に入り、勝負はお預け。流派を守ろうとする意志の強さは伊織も認め、亀伝坊の最終判断で、大亀流当主となる。 続編の『-修羅-』では、大亀流の道場主として後身の育成に精を出している。幕下百剣に選ばれ招待状が届いてはいたが、海原大仕合の際に負った傷が原因で腕を十全に使えなくなっていたこと、何より大亀流という家族を守る在り方を決めていたために不参加を表明した。我間との手合わせで負けたことで自身の巻物と陣介が大亀流時代に使っていた刀の千我村雨を我間に譲渡した。その後利虎の手紙によって我間が無宝流の当主になったことを知ると千花を連れて江戸に向かった。 一ノ瀬善丸(いちのせ ぜんまる) 我間の兄弟子の一人で、体格のいい長身の男。風貌通りの豪快かつ単純な性格で、真っ先に敵の罠に嵌り窮地に陥ることが多い。その気質は剣術にも表れており、威力重視の技である「焔燃型」を最も得意とする。その戦い方ゆえに周囲から口々に馬鹿力と呼ばれるが、本人はあくまで技であると強調している。先輩である真ノ丞の毒舌の最大の標的であり、「サル」「筋肉バカ」などと呼ばれ年甲斐のない罵り合いをしている。しかし、自分に没頭しやすい大亀流の面々の中では人を見ており、所謂ツッコミが多い。腰の大小に加え、自分の身の丈ほどの長さを誇る怪刀「久夛良木定長(くたらぎさだなが)」を携えている。海原大仕合二回戦より真ノ丞と共に参戦。 実家の一ノ瀬家は大実賀藩で剣術師範を務める一千石取りの武門の大家で、我間を愕然とさせるほどの名家の御曹司。家門に相応しい武名を揚げ、陣介とともに大亀流を裏切った兄・可偉を倒すために修行に打ち込み、戦いに身を置いている。 続編の『-修羅-』では、一ノ瀬家の道場の一つを任されている。海原大仕合の後もひたすらに鍛錬に打ち込み自身を定長に特化させており、定長を使用するとなれば幕下百剣内では下位であった周囲評を容易く覆すほどの力量を見せる。一方で死線や窮地から長らく距離を置いていたこともあり、修羅場となる幕下大仕合に身を投じたことを度々危惧されることも。 大泉亀伝坊(おおいずみ かめでんぼう) 大亀流の先代当主で、陣介の師匠。我間や伊織からは「亀じい」と呼ばれている。普段はひょうきんな好々爺を装っているが、その実力は健在。道場を離れていた伊織達に代わって我間を鍛え上げた。海原の猛者たちの実力を知っており、我間が直善の下につくことを渋っていた。作中で我間を「つるちん」呼ばわりした初の人物。 大泉千花(おおいずみ せんか) 亀伝坊の娘で道場の家事手伝い。見た目麗しい妙齢の女性だが、本性はずぼら。日向兄弟が住み込みで働くようになってからは、彼らに雑用を押し付け、自分は好物の団子ばかり食べている。このためやや体型が崩れがちで、伊織や日向兄弟からは「ブタ」「メスブタ」呼ばわりされる始末。容姿のいい男や裕福な男に目がなく、気に入った男が道場を訪ねて来ると、入念な厚化粧をして出迎える。伊織に好意を持っているが、彼からはまったく相手にされていない。 妙画鉄斎(みょうが てっさい) 陣介と並び称された天才剣士。陣介と大亀流当主の座を争っていたが、結局は実力でわずかに上回っていた陣介が当主に選ばれることとなった。大亀流を利用して権力を得ようとする陣介と違い、大亀流を守ることを最も大切なことだと考え、陣介の野望に反対する門下生たちの中心になっていた。5年前に陣介派との抗争で陣介に敗れ命を落とした。 椿原宗助(つばきはら そうすけ) 過去の大亀流の門下生で、我間の1年先輩。短期間で自分を追い越して行った我間の才を羨んでいたが、それを妬むことなく親友として我間に接していた。大亀流の内紛で陣介派の攻撃から我間をかばい命を落とした。
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雷・火・空・水・土の五つの型からなる「五剣(五行)」と、これらの系統に属さない複数の技で構成される。熟練者は複数の型を同時にあつかうことも可能。
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