resilience
「resilience」とは、回復力・復元力・弾力を意味する英語表現である。
「resilience」とは・「resilience」の意味
「resilience」とは、主に「回復力」「立ち直る力」「復活力」「復元力」「弾力」などを意味する英語表現。品詞は名詞である。回復力や弾力と訳されるが、近年注目を集めている外来語としてそのまま「レジリエンス」と表記されることも多い。心理学でも登場する概念であり、単にストレスに強い打たれ強さではなく、困難に直面しても不利な状況から再起できる力を表す。「resilience」と「resiliency」の違い
「resiliency」は「回復力」「弾力性」などを意味する表現である。接尾辞「-cy」は抽象名詞に用いられるので、「resiliency」は抽象的に「反発する傾向」、「resilience」は具体的に「反発する行為」のように区分することもできる。「resiliency」は北米で、「resilience」は北米以外でよく用いられるという地域性の違いもある。
「resilience」の発音・読み方
「resilience」の発音記号は「rɪˈzɪl.jəns」であり、前半「-si-」にアクセントが置かれる。カタカナで表記する場合、「リィズィリャァンス」のような音。アメリカ英語とイギリス英語で同じ発音記号である。「resilience」の語源・由来
「resilience」の語源は、ラテン語の「resiliens」「resilire(跳ね返る)」である。「re(逆に)」「salire(跳ねる)」の要素から成る。「salient(顕著な、突出した)」や「result(結果)」も同じ語源である。「resilience」と「resilient」の違い
「resilience」と「resilient」には品詞の違いがある。「resilience」は弾性、回復力などを意味する名詞。その形容詞表現が「resilient」で、「立ち直りの早い」「弾力的な」などの意味がある。「resilient」は、「Optimists argue that the economy may prove more resilient.(楽観論者は、経済がより回復力を持つことを証明するかもしれないと主張している)」のように使用する。「resilience」を含む英熟語・英語表現
「show resilience」とは
「show resilience」とは、「回復力を見せる」という意味の英語表現である。「This reduction was largely achieved on a voluntary basis, and our employees showed remarkable resilience and loyalty, despite such difficulties.(この削減はほぼ自主的に行われたものであり、このような困難な状況にもかかわらず、従業員は著しい回復力と忠誠心を示した)」のように用いられる。
「build resilience」とは
「build resilience」とは、「回復力を高める」という意味の英語表現である。「Whether you're going through a tough time now or you want to be prepared for future challenges, you can build resilience by this method.(今が大変なときでも、将来の困難に備えたいときでも、レジリエンスを高めるには、この方法がある)」のような使い方がある。
「resilience」に関連する用語の解説
「resilient」とは
「resilient」とは、「resilience」の形容詞表現である。語源はラテン語の「resilire」「resilio(跳ね返る)」で、「re(後ろに)」「salire(跳ねる)」の要素に分解できる。困難な問題に直面しても停滞を続けずに状況を立て直し、物事を改善させていける能力のことを表し、「弾力のある」「快活な」「すぐに立ち直れる」「すぐ元気になる」といった訳し方がある。
「Resilient person」とは
「Resilient person」とは、「回復力のある人」のことを意味する表現である。ストレスを感じても、状況にうまく適応し回復できるプロセスを持った人のことを表し、精神医学でもその条件として「変化や挑戦を恐れない」「ユーモアのセンスを持つ」「まず行動ありきのアプローチ」などが定義されている。
「resilience」の類語
「resilience」の類語は、「回復力」という意味で、「buoyancy(快活さ)」「adaptability(適応性)」「strength(強さ)」「toughness(強靭性)」がある。また「弾力」という意味では、「elasticity(伸縮性)」「flexibility(柔軟性)」が類語として挙げられる。「resilience」の使い方・例文
レジリエンス、回復力という意味では、以下のように用いられる。「Having a place that's theirs alone and that doesn't necessarily involve their mom or dad helps kids build resilience and problem-solving skills.(自分だけの場所、必ずしも母や父が関与しない場所を持つことで、子どもたちはレジリエンスと問題解決能力を身につけることができるのである)」「What we are starting to see is the resilience of the U. S. economy.(私たちが目にし始めたのは、米国経済の回復力である)」弾力という意味で、次のような文章がある。「Bone mineral density is the measure physicians use to determine bone strength and resilience.(骨密度とは、医師が骨の強さや弾力性を判断するために用いる指標である)」「Collagen provides the skin with strength, flexibility and resilience and helps combat wrinkles.(コラーゲンは、肌に強さ、柔軟性、弾力性を与え、シワとの戦いを助ける)」
反発力という言い方では、以下のように用いられる。「Seat cushions filled with high resilience foam and polyester fibre wadding provide great seating comfort.(高反発フォームとポリエステル繊維の中綿を入れたシートクッションは、快適な座り心地を提供する)」
心理学で用いられるレジリエンスとして、以下のような表現がある。「This video sees developmental psychologist guide you through the nuts and bolts of resilience, so that the wheels don't fall off your study-coaster this school year.(このビデオでは、発達心理学者がレジリエンスのコツについて説明し、今年度の学習コースターから車輪が外れないようにする)」
レジリエンス
「レジリエンス」とは・「レジリエンス」の意味
レジリエンスとは、変化やストレスに対する回復力や立ち直る力のことである。英語のレジリエントは物質的な意味での弾力や柔軟性、弾性を指すことだが、レジリエンスは人間が持つ精神的な力を示す言葉であり、例として「レジリエンスを高める」という使い方をする。ビジネスシーンや心理学、精神看護の世界でも使用される言葉で、精神科の医療現場では患者が病気から立ち直る過程に際して、薬物療法などと共にレジリエンスは療法として含まれることもある。また、勤務が不規則であったり夜勤が入ったり、人間関係の複雑さや患者の命に関わるというプレッシャーによるストレスも多い看護師に対してもレジリエンスは必要な力であると認識されている。患者に対してレジリエンスを引き出す、高める医療行為は勿論のこと、看護師本人も円滑な人間関係でスムーズに業務を行い、ストレス耐性を身に付けて看護師としての成長を促すものだ。
さらに、環境や社会、ガバナンスの3つの英単語の頭文字からなるesgに関してもレジリエンスは重要な位置を示していて、企業にはesgに貢献するだけではなくレジリエンスをも取り入れ、変化していく環境や社会に対してしなやかに状況に応じた行動を取る力が求められている。なお、頻発する自然災害や気候変動などから起こる様々な弊害に対して用いられる言葉でもあり、復興や生活再建を目指すポイントして防災上の観点からもレジリエンスは注目されている。
「レジリエンス」の熟語・言い回しレジリエンス教育とは
レジリエンスは家庭や教育などに取り入れられるケースもあり、レジリエンス教育とは、子供達が困難な状況などに悩んでいる時に気持ちに寄り添った言葉かけやアプローチ、アドバイスなどを行うことである。この教育によって、感情のコントロールや悩みを乗り越える力、友達と良い関係性を築く力などを子供が身に付けられるように指導をしていく、比較的新しい教育法だ。
ビジネスレジリエンスとは
ビジネスレジリエンスとは、ビジネス上に起こる、あるいは起こった出来事に対して求められる柔軟性や楽観性、構築力のことである。グローバル化が進んだ世界では、いつ何時どのような変化が訪れるか予測がつかないため、社員一人一人のレジリエンスと共に業務や意思決定、制度や文化など、組織としてのレジリエンスが求められるものだ。
電力レジリエンスとは
電力レジリエンスとは、災害などでライフラインの一つである電力の供給が止まった時に速やかに復旧するための活動や対策のことである。復旧するべき電柱の場所の把握、作業車両や現場の作業員がどこにいるのか、などの情報をいち早くキャッチし、ジャンルを超えた様々な人や組織とコミュニケーションをとって復旧に当たるなど生活再建には欠かせない力となっている。「レジリエンス」の使い方・例文
レジリエンスの使い方としては、「子供のレジリエンスを育む」や「部下のレジリエンスを鍛える」、「私はレジリエンスをもっと高める」など人間の精神性に働きかける言い方をする。例文には、「彼女のレジリエンスからは学ぶことが多いね」や「これからは授業の一環としてレジリエンスを取り入れていきたいと思います」、「レジリエンスの高い企業はこの先も生き延びることができるだろう」、「レジリエンスを防災教育に組み込んでみてはどうでしょうか」などが挙げられる。
また、「レジリエンスは誰でも今から鍛えることができるから、一緒に学んでみないか」や「レジリエンスの導入はわが社にとっても社員にとってもプラスになることでしょう」、「レジリエンスについてもっと研究をして地域に貢献したいのです」「レジリエンスはこの先、もっと注目されるキーワードになりますよ」なども例文として挙げられる。
レジリエンス
レジリエンス (曖昧さ回避)
レジリエンス(英語: Resilience)とは、適応力、即ち「変化に対処する能力」である。脆弱性(英語: vulnerability)の反対語の意味で使われる。
レジリエンスはまた、次を指す場合もある。
自然科学
- レジリエンス(環境)
- 環境分野における、レジリエンスは、生態系が被害に抵抗して迅速に回復することによって、摂動または外乱に対応する能力である。そのような混乱と外乱には、火災、洪水、暴風雨、昆虫の人口爆発、森林伐採、石油採取のための地面の荒れ、土壌に散布された農薬、外来植物や動物種の導入などの人間活動が含まれる。
- レジリエンス(気候変動)
- 土壌レジリエンス
社会科学
- レジリエンス(経営・組織)
- レジリエンス (心理学)
- 人間力レジリエンス
- エネルギー開発#レジリエンス、エネルギーの開発
工学
- レジリエンス(工学・建築・防災)
- レジリエンス(ネットワーク)
- コンピュータネットワークにおける、レジリエンスとは、障害や通常運用の困難に直面しても、許容できるレベルのサービスを提供し維持する能力である。
- レジリエンス(材料工学・物性)
その他
- クルードラゴン・レジリエンス :スペースXが製造した有人宇宙船
- レジリエンス (曲) - 彩音の曲。ゲームソフト『メモリーズオフ -Innocent Fille-』オープニングテーマ。
脚注
- ^ Folke, C (2006). “Resilience: The emergence of a perspective for social-ecological systems analyses”. Global Environmental Change 16: 253–267. doi:10.1016/j.gloenvcha.2006.04.002.
- ^ Nelson, Donald R.; Adger, W. Neil; Brown, Katrina (2007). “Adaptation to Environmental Change: Contributions of a Resilience Framework” (PDF). Annual Review of Environment and Resources 32: 395–419. doi:10.1146/annurev.energy.32.051807.090348 .
レジリエンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 05:34 UTC 版)
2005年の分析では、危機的状況が企業の運営にどのように悪影響を及ぼし、事業復元力 (レジリエンス) へ投資してさまざまな不測の事態に備えることが、備えのない競合企業と比べて競争優位性をもたらせるか、当時の一般的な事業継続計画の実践を拡張した。アメリカ合衆国競争力評議会などの企業組織は、このレジリエンスの目標を取り入れた。 明らかにゆっくりとした、より進化的な方法で(時には何年または何十年にもわたって)変化に適応することは、よりレジリエンスがあると説明されている。「戦略的復元力」という用語は、いまや一時的な危機に抵抗することを超えて使用されており、"変化が明らかになる前に"、継続的に少しずつ適合する方法が取られている。 この手法は、災害への備え、保護、対応、復旧と呼ばれることがある。 レジリエンス理論は、パブリック・リレーションズの分野と関係がある。なぜなら、レジリエンスは、市民、家族、メディアシステム、組織、政府によって日常会話や仲介された会話を通じて構築されたコミュニケーションプロセスであるからである。 この理論は、パデュー大学のブライアン・ラムコミュニケーション大学院の教授であるパトリスM.ブザネルの研究に基づいている。彼女の2010年の記事、「レジリエンス:話し、抵抗し、ニューノーマルを想像する」で、 ブザネルは、抵抗を構築することによって危機を経験した後、組織が繁栄する能力について論じた。ブザネルは、レジリエンスを維持するために個人が用いる5つの異なるプロセス「正常を作る」、「アイデンティティアンカーの確認」、「通信ネットワークの維持と使用」、「代替ロジックの機能」、「否定的感情の隠蔽と肯定的感情の露呈」があると述べた。 レジリエンス理論を見ると、危機コミュニケーション理論と似ているが、同じではない。危機的コミュニケーション理論は会社の評判に基づいているが、レジリエンス理論は会社の復旧過程に基づいている。レジリエンスには5つの主要な要素「正常を作る」、「アイデンティティアンカーの確認」、「通信ネットワークの維持と使用」、「代替ロジックの機能」、「否定的感情の隠蔽と肯定的感情の露呈」があり、各プロセスは危機的状況にある企業にも適用でき、企業が予行演習を行う際に気にすべきポイントである。 危機的状況の影響を受ける主なグループは「ミクロ(個人)」、「メソ(グループまたは組織)」、「マクロ(国または組織間)」の3つある。レジリエンスには、"プロアクティブレジリエンス"と"ポストレジリエンス"の2つの主要な種類がある。プロアクティブレジリエンスは、危機が訪れる前に、会社の強固な基盤を構築して備えること、ポストレジリエンスは、従業員とのコミュニケーションや安否確認の継続を行うことである。プロアクティブレジリエンスは、問題が発生する前に問題に対処し、ポストレジリエンスはコミュニケーションを維持し、危機発生後の機会を受け入れることである。レジリエンスはどの組織にも適用できる。
※この「レジリエンス」の解説は、「事業継続計画」の解説の一部です。
「レジリエンス」を含む「事業継続計画」の記事については、「事業継続計画」の概要を参照ください。
レジリエンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 20:51 UTC 版)
このスイッチには可動部品がないため、ほとんどメンテナンスフリーで完全にフェイルセーフである。これは、非常に急な勾配を持つこの種の鉄道にとって重要な利点である。
※この「レジリエンス」の解説は、「アプトスイッチ」の解説の一部です。
「レジリエンス」を含む「アプトスイッチ」の記事については、「アプトスイッチ」の概要を参照ください。
レジリエンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 06:07 UTC 版)
※この「レジリエンス」の解説は、「ポジティブ心理学」の解説の一部です。
「レジリエンス」を含む「ポジティブ心理学」の記事については、「ポジティブ心理学」の概要を参照ください。
レジリエンス
- レジリエンスのページへのリンク