MOTHER (ゲーム)
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
---|---|
対応機種 | ファミリーコンピュータ(FC) |
開発元 |
エイプ パックスソフトニカ |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー |
山内溥(エグゼクティブプロデューサー) 宮本茂 |
ディレクター | 糸井重里 |
デザイナー |
糸井重里 久礼深雪 |
シナリオ | 糸井重里 |
音楽 |
鈴木慶一 田中宏和 |
美術 |
南伸坊 石井達矢 |
シリーズ | MOTHERシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア | 3メガビット+64キロRAMロムカセット[1] |
発売日 |
FC![]() Wii U ![]() ![]() ![]() ![]() |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象)[4] ESRB:T(13歳以上)[2] PEGI:3[3] |
コンテンツアイコン | ESRB: Fantasy Violence, Suggestive Themes, Use of Alcohol |
その他 | 型式:HVC-MX |
『MOTHER』(マザー、英題: EarthBound Beginnings)は、エイプとパックスソフトニカが開発し任天堂より1989年7月27日に発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフト。コピーライターの糸井重里がゲームデザインを手掛けるコンピュータRPG「MOTHERシリーズ」の第1作目。
概要
1980年代のアメリカ合衆国を舞台にした作品である。SFファンタジー的な設定やストーリー、ポップミュージック基調のBGMやカートゥーン風のキャラクターデザインなどの要素が多く含まれている。物語は、アメリカの架空の町に住む主人公の少年が、各地で発生する様々な怪奇現象の原因を探るべく、仲間と共に冒険するさまが描かれる。
発売当時放映されたテレビCMでは「エンディングまで、泣くんじゃない。」「名作保証」というキャッチコピーが用いられていた。これはコピーライターの一倉宏が手がけたフレーズである[5]。
2003年6月20日には、本作『MOTHER』とシリーズ2作目『MOTHER2 ギーグの逆襲』を1つのソフト内に収録した移植作品『MOTHER1+2』が発売。ファミリーコンピュータ版から一部のテキストやグラフィックが変更されたほか、エンディングでは主人公たちのその後の様子を描いたエピローグが追加されている。
2015年に米国で開催されたゲームイベント「任天堂ワールド・チャンピオンシップ2015」の中で糸井が映像で登場し、本作の日本国外版がWii Uバーチャルコンソールとして『EarthBound Beginnings』のタイトルで配信されることが発表された。その後、北米では同年6月14日から、欧州では6月15日から配信を開始した。日本においても、6月15日に国内版が配信されている。
2022年2月10日には、Nintendo Switch Onlineの加入者向け特典である『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』にて配信が開始された[6][7]。
システム
特徴的な基本システム
- 移動時に、上下左右方向だけでなく、コントローラーの十字キーの上/下と左/右を同時に押すことで斜め方向にも移動できる[注 1]。
- 町とフィールドは同じ尺度で描写されている。これは当時のRPGで一般的だった、フィールド上にある町のシンボルに重なると町のマップに切り替わるという構成とは異なるものである。基本的には町の中では敵は出現しない。
- 建物内やダンジョンでは他の部屋や他の階層に移動するたびに画面が切り替わる。また一般的なRPGにおける宝箱の代わりに「プレゼントの箱」が存在する。
- 主人公たちは、バット・フライパン・エアガン・ナイフなどの道具を武器に、コイン・腕輪・ペンダントを防具に用いる。また、敵との戦闘で経験値を得てレベルが上がることで「PSI」と呼ばれる超能力を会得する。このPSIが一般的なRPGにおける魔法に相当し、攻撃用、回復用など様々な種類がある。一般的なRPGでいうところのMPにあたる、PSIを消費する際に消費する数値は、PP(サイパワー)と称する。
- 冒険データのセーブは、町の店の中などに設置されている公衆電話や黒電話から主人公の父親(パパ)に電話をかけることで行う。公衆電話は、1ドルを支払うか、アイテム「テレホンカード」を用いることで利用できる。
町の施設
町には多数の建物が建っているが、すべての建物が中に入れるわけではなく、中に入れない建物もある。上部が丸いドアのついた建物と、看板のある建物は中に入ることができる。
- デパート - 様々なアイテムを販売している高層の店。1階ではキャッシュディスペンサー、公衆電話があるほか、返品(アイテム売却)も受け付けている。
- ハンバーガーショップ - オレンジジュース、フライドポテト、ハンバーガーを販売している(いずれもHP回復効果がある)。
- ホテル - 宿泊費を支払いHPとPPを全回復させることができる。
- 病院 - 有料で毒状態や風邪状態(徒歩移動中にダメージを受ける状態)を治療したり、意識不明(HPが0の状態)のキャラクターをカムバック(復活)させたりできる。
- ヒーラーの家 - 有料でPPの回復や石化状態(行動不能状態)の治療の施しを受けることができる。
- JACKの店 - 小規模の町で様々なアイテムを販売する店。デパートと違いアイテムの返品はできない。
このほか、町によって、町役場、小学校、ライブハウスなどの施設がある。
移動手段
以下の手段を用いることで、現在地から離れた場所へ素早く移動できる。
- パラダイス鉄道
- 多くの町を結ぶ大陸横断鉄道。駅で距離に応じた運賃を支払って乗車し目的の町まで行くことができる。
- テレポーテーション
- これまで訪れた町へ瞬時に移動できるPSI。使用すると高速で助走し始め数秒後に目的地へ転移する。助走中に障害物にぶつかると失敗し黒焦げになる(ダメージは受けない)。十字キーで助走方向を変えることができる。
- めのうのつりばり
- マジカント(後述)に一瞬で移動できるアイテム。
- パンくず
- アイテム「パン」は、食べるとHPを回復できるが、「つかう」ことで「パンくず」になる。以降、フィールド上を歩く際にはこのパンくずを撒き続け、後にこのパンくずを辿って使い始めた場所まで戻ることができる。パンくずはキャラクターごとに1つだけ所持でき、それぞれ別の場所で用いることができる。使用中に上記の3つの移動手段をとった場合は効果が消えてしまう。
戦闘
フィールドやダンジョンを歩いていると一定確率で敵に出会い、画面が切り替わって戦闘が開始される(ランダムエンカウント方式)。
各キャラクターの行動を入力したあと、ステータスの一つ「スピード」(素早さ)の値が大きいキャラクター(敵味方含む)から順番に行動する。また、「オート」を選択するとキャラクターの行動をコンピュータに任せることができる。
敵に勝利した際には、「○○はわれにかえった」や「○○はおとなしくなった」など敵の種類により異なるメッセージが表示される。戦闘後には経験値を得られるが、一般のRPGとは異なり、お金はその場では得られない。倒した敵の種類と数に応じて主人公の銀行口座にパパからお金が振り込まれ、それを各地にあるキャッシュディスペンサーなどから引き出すことで使用できるようになる。まれに戦闘後に敵がアイテムを落とすことがある。
主人公たち全員が意識不明あるいは石化状態になると全滅になる。本作では全滅した際、ドラゴンクエストシリーズのように所持金を半分にした上で全滅直前の状態で再開するか、ファイナルファンタジーシリーズのように前回のセーブデータに戻るか、プレイヤーが選択することが可能である。全滅後にもう一度チャレンジするかどうか尋ねられたときに「はい」を選ぶと前者となり、主人公だけが復活し、所持金が半分に、主人公のPPが0になった状態で最後にセーブした場所からゲームが再開される。「いいえ」を選ぶと後者となり、タイトル画面が表示され、前回セーブ以降のプレイはすべて無効となる。
戦闘時のコマンドは以下のようになっている。
- たたかう - 装備している武器で通常の物理攻撃を行う。
- PSI - 習得しているPSI(超能力)を使用する。他のコンピュータRPGの呪文・魔法コマンドに相当する。PSIを使用することによりそのPSIに応じたPPを消費する。PSIを使えないキャラクターのコマンドウィンドウには表示されない。
- グッズ - 持っているグッズ(アイテム)の中から1つ選んでグッズを使う。おともだち専用のグッズもある。
- チェック - 敵の能力や弱点を調べる。
- オート - オートバトルモードとなり、プレイヤーキャラクターが自動的に行動する。Bボタンを押すことで解除できる。
- ガード - 防御をして受けるダメージを減らす。
- にげる - 戦闘から逃げる。成功するとは限らない。各メンバーが個別に本コマンドを選択することができ、誰か1人でも成功すると全員が逃げ出すことができる。
- うたう - 最終ボスとの戦闘の途中から登場する。
ストーリー
![]() | この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
1900年代の初頭、アメリカの田舎町・マザーズデイで、ひと組の夫婦が行方不明になった。その後、2年程して夫のジョージだけが町に戻ってきた。しかしジョージは自らの身に起きたことについて一切語らず、不思議な研究に没頭し続けた。そして、妻のマリアが戻ってくる事はなかった。
時は流れ1988年、マザーズデイの町外れの一軒家では、ジョージとマリアを曽祖父母に持つ少年が母親と双子の妹、そして愛犬とともに暮らしていた。ある日、少年の家で突如、家具や人形がひとりでに動き出し少年に襲い掛かった。戦いの末に事態を収め、動かなくなった人形を調べると、オルゴールが鳴り出し、最初のメロディを覚える。少年が自宅の広間へ向かうと、単身赴任中の父親から電話がかかってきた。そこで少年が直前の出来事について話すと、父親は、その現象が曽祖父の研究と関係しているのではないかと語った。話を聞いた少年は自宅の地下室から曽祖父が残した日記と古びたバットを持ち出し、怪奇現象の謎を探るべく旅に出た。
主人公の少年は世界中を旅しながら3人の仲間と出会い、エイトメロディーズの断片のメロディを1つずつ覚え、やがて仲間とともに強大な敵が数多く棲息する山・ホーリーローリーマウンテンに登ることになる。ホーリーローリーマウンテンの一角で曽祖父ジョージが残した巨大ロボットのイヴが仲間に加わるが、山の中で敵の巨大ロボットの襲撃を受け、イヴは相討ちとなり壊れてしまう。イヴの残骸から7番目のメロディを覚えた主人公たちは夢の国マジカントの女王・クイーンマリーのもとに導かれる。主人公たちからメロディを聞き、エイトメロディーズを完全に思い出したマリーが最後まで歌い上げるとマジカントは消滅し、主人公たちもホーリーローリーマウンテンの最奥部に飛ばされる。
そして、主人公たちは完全に覚えたエイトメロディーズを引っ提げ、この世界に異変をもたらしている元凶・ギーグに挑戦する。
舞台
現代アメリカを舞台としているが、登場する地域名はすべて架空のものとなっている。町の名前はアメリカの祝日や年中行事の名称から採られているものが多い。大陸横断鉄道「パラダイスライン」により、サンクスギビング、レインディア、ハロウィーン、スノーマンの4つの町が結ばれている。
なお、英語表記が2種類あるものはそれぞれ「日本国内版 / 日本国外版」を表す。
マザーズデイ / Mother's Day / Podunk
前町長の「口笛を吹きたくなる町にしよう」というスローガンに基づく施政によって周辺地域が整備されている。隣町サンクスギビングのベッドタウンでもある。カーネーションの花はこの町のシンボルとなっている[8]。
- マイホーム
- 主人公の自宅。町の北のはずれに建てられている。
- 南の墓場 / South Cemetery
- 町の南に広がる町立共同墓地。1864年創立[9]。何者かの力によりゾンビが現れ、辺りを徘徊している。
- カナリア村 / Canary Village
- 町の北西にある、カナリアの生息地。1907年創立[10]。
- シュークリーム動物園 / Chou a la Creme Zoo / Choucream Zoo
- 町の北にある動物園。1985年創立[11]。飼育されていた動物たちが突然凶暴化したため、外へ逃げ出さないよう閉鎖されている。他では見られない「歌うサル」がいる。
マジカント / Magicant
一面に桃色の大地が広がる異世界。女王であるクイーンマリーが統治している。
- マジカントの町
- マジカントの住人が暮らす町。桃色の貝殻のような形をした建物が並んでいる。
- クイーンマリーの城 / Queen Mary's Castle
- クイーンマリーがいる城。入り口の前には、なぞなぞ好きの守衛が立っている。
- クイーンマリーの泉
- 城の西にある泉。泉の水に触れるとHPが全回復するほか、辺りに生えている赤い草を浸すとHP回復アイテムの「マジックハーブ」に変わる。また、泉に向けてPSIの「テレパシー」を使うと「おたすけじいさん」が現れて毒状態や石化状態を治療でき、『MOTHER1+2』ではさらに銀行に預けたお金を引き出すこともできる。
- フライングマンの家 / Flying man's house
- 城の北にある、鳥人「フライングマン」たちが住む家。
- 地下大河 / Underground
- マジカントの地下に広がる空間。その奥では巨大なドラゴンが眠っている。
サンクスギビング / Thanksgiving / Merrysville

マザーズデイの隣町。実業家ゴルドリッチ・ダンカンの手によって急速に発展したが、近年ではストリップ劇場「ナンバー1」(『MOTHER1+2』では「れいのみせ」と表記)[12]の建設を巡り町政が紛糾している[13]。町の北側には、大陸横断鉄道の駅「サンタクロース駅」がある。
- ティンクル小学校 / Twinkle Elementary School
- 当初はサンクスギビング小学校という名称だったが、マザーズデイから贈られた鐘にちなみティンクル小学校と呼ばれるようになった。内部の理科室には「ヴィムシュタイン」なる科学者が出没し、効果不明の機械類を販売している[14]。
- スイートリトル工場 / Sweet Little Factory / Sweet's Little Factory
- 町の南にある工場。1955年創業[15]。かつてはミサイル生産工場だった。ダンカン工場が完成して以来は稼動を停止している。
- ダンカン工場 / Duncan Factory / Duncan's Factory
- 町の北にある巨大な工場。1969年創業[16]。最上階にはロケットが設置されている。
レインディア / Reindeer
高級住宅が建ち並ぶ町。他の町に関する様々な噂話が飛び交っている。
- 預言者の館
- 町の北西にある建物。300年生きていると噂される預言者の老人が暮らしている。
ハロウィーン / Halloween / Spookane
怪物たちに占拠された町。かつては鉱山の町として賑わっていたが[17]、現在は住人が山の手に避難している。住人のいなくなった中心街には敵が出現する。
- 幽霊屋敷 / Ghost House
- 町の高台に建てられた屋敷。現在では幽霊の巣窟と化し、ここで暮らしていたローズマリー一家は高台の麓に移り住んでいる。屋敷の奥にはひとりでにメロディーを奏でるピアノがある。
スノーマン / Snowman
雪に覆われた町。町中では風邪が流行している。
- 教会 / Church / Chateau
- 町から東に大きく離れた山奥に建っている教会。
アドベント砂漠 / Advent Desert / Yucca Desert
大陸の北側に広がる砂漠。この東に位置する遺跡にはかつて多くの盗掘者や調査隊がやってきたという。砂漠の一角には、過去の大戦の際に埋められたままの地雷や顔のついたサボテンの生息地もある。伝承では1000年に一度イエス・キリストが再臨する地とされており、「アドベント」の名もそれに由来する[18]。
- 遊覧飛行場
- 砂漠のオアシスの近くで、退役した老人が複葉機を用いた遊覧飛行を運営している。搭乗の際に受け取る半券を10枚集めると戦車に乗車できるサービスも行われている。
- 遺跡 / Historic ruins / Ruins of Desert
- 砂漠にある古代遺跡。入り口は巨大なロボットにより守られている。内部では多くのサルが棲息している。
イースター / Easter / Youngtown
アドベント砂漠の南にある森の中の町。大人たちが空飛ぶ船「マザーシップ」によって連れ去られ、町中には子供だけが取り残されている。町の北部にある駅はパラダイス鉄道の一方の終点であるが、隣のサンタクロース駅との間に架かる鉄橋が崩落し線路が途切れており、汽車は運行していない[注 2]。
- ガリクソン家
- 町の西側の家に住む一家。特殊能力を秘めた赤ん坊がいる。
湿地帯 / Swamp
イースターの東に広がる湿地帯。氷河が長い年月をかけて地面を削り取り、迷路のように入り組んだ地形となった。国内唯一のバッファローの狩場[19]。
バレンタイン / Valentine / Ellay
湿地帯の北部にある町。1950年代には自動車産業が盛んだったが、現在は衰退している[要出典]。若者の風紀が乱れ、町中では不良集団「ブラックブラッド団」(通称ブラブラ団)が闊歩している。また、警官による不法行為の横行も問題になっている。
- ライブハウス / Live House
- 元ロックンロールミュージシャンが経営するライブハウス。ブラブラ団の溜まり場でもある。
- 展望台 / Look-Out Tower
- 町の北部の港にある展望台。屋上に設置された望遠鏡からは、一軒家のある小島が見える。
ホーリーローリーマウンテン / Holy Loly Mountain / Mount Itoi
バレンタインの東にそびえ立つ山。標高1,013メートル[20]。
- 山小屋 / Mountain hut
- 中腹にある山小屋。老人が一人で暮らしている。
- 工場 / Factory
- 中腹に広がる湖の底に造られた工場。中には巨大ロボットが安置されている。
- 山頂 / Summit
- 巨大な船「マザーシップ」が停泊している。その前には「XX」と刻まれた石碑がある。
登場人物
プレイヤーキャラクター
以下の4人が操作できるキャラクター(プレイヤーキャラクター)として登場し、4人とも名前を任意で設定できる。「ぼく」「おんなのこ」「おともだち」「もうひとりのおともだち」は説明書における呼び名。
- ぼく / Ninten
- マザーズデイに住む少年。本作の主人公。12歳[21]。青いつばのついた赤い野球帽をかぶり、黄色と青色のボーダーシャツを着ている。動物の言葉を理解する能力を持つ。母親のキャロル、双子の妹ミミー、ミニー、飼い犬のミックと共に暮らしている。単身赴任中の父親はどこか遠い所にいるらしく、長らく会っていない。
- 主な武器はバット。HPと攻撃力と防御力、スピード等のステータスが全体的に高め。戦闘補助系や回復系のPSIを多数会得するが、おんなのこが使う攻撃系PSIは覚えない。喘息持ちで、戦闘時に敵の排気ガス攻撃を受けると発作が起き一切の行動が取れなくなる。
- 大の野球好き。守備は右翼手。サンフランシスコ・ジャイアンツのファン。メジャーリーグベースボールの観戦でたまたま隣の席になったシゲオ・ナガシマからサインボールをもらい、宝物にしている[22]。
- 『マザー百科』『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では「ニンテン」、小説版では「ケン」、ゲームブック版では「ダグラス」、『大乱闘スマッシュブラザーズX』では「にんてん」の名前が用いられている。
- おんなのこ(アナ / Anna / Ana)
- スノーマンの教会で父親と暮らしている少女。金髪で桃色のワンピースを着ている。
- 無くしていた帽子を届けにきた主人公たちとの出会いをきっかけに、行方不明の母親を捜すため主人公たちの仲間に加わる。
- 主な武器はフライパン。レベルが上がるとPPが大きく上昇し多くの種類のPSIを覚え、その中でもぼくが扱えない様々な攻撃PSIを得意とする。反面HPや攻撃、防御力は全キャラ中最低である為打たれ弱い。スピードも控えめ。
- 幼い頃からピアノに親しんでいる。ボランティア活動の一環で使用済み切手を集めているほか、趣味として様々な封筒と便箋をコレクションしている。また、日本のペンフレンドのヨシエが送ってくれたアキコ・ヤノのレコード『ただいま』を宝物にしている[23]。
- おともだち(ロイド / Loid / Lloyd)
- サンクスギビングのティンクル小学校に通う少年。銀髪でメガネを掛け赤いシャツを着ている。
- 学校では周りの子供たちからいじめられ、屋上のゴミ箱に身を隠している。自分の元を訪れた主人公と共に工場のロケットを探しに向かい、以降も旅に同行する。
- 主な武器はエアガンなどの銃。PSIは使えないが、様々な専用の特殊アイテムを使用できる。機械の扱いに詳しく、他のメンバーには操作できない機械を扱うことができる。このため仲間に加わっていないとストーリーを進められない箇所がある[注 3][注 4]。HPや攻撃、防御力は控えめで、特にスピードは全キャラで一番低い。
- 3歳のときに相対性理論の本を見て以来、自分がアインシュタインの生まれ変わりだと確信している。科学的根拠のないものを認めないが、スーパーマンだけは例外で、クラーク・ケントが普段は冴えない「フリ」をしていることに共感を覚えている[24]。
- もうひとりのおともだち(テディ / Teddy)
- バレンタインにはびこる不良集団「ブラックブラッド団」(ブラブラ団)のボス。リーゼントの髪型でサングラスをかけ、赤いタンクトップを着ている。
- ホーリーローリーマウンテンの化け物に両親が殺されて以降、荒れた生活を送っていたが、自身が活動するライブハウスにやってきた主人公と1対1で戦った後、両親の敵討ちのため共に冒険する。メンバー加入時には「おともだち」がメンバーから外れる。
- 主な武器はナイフ。PSIは使えない為PPは無いが、その他のステータスの成長率は全キャラ中最高。
- 歌が好きで、ロカビリーナンバーをよく聴く。『MOTHER1+2』や日本国外版のエンディングでは、ライブハウスのトップシンガーとして活躍する姿が見られる。ブラブラ団の構成員である日系人のコヤノから送られた、E.YAZAWAの自叙伝『成り上がり』を愛読する。人の好意を無下にできない性格でもあり、対立するギャンググループ「ジェットリザード団」との抗争で勝利を収めた際、忠誠の証として送られたイグアナを渋々ながら飼っている[25]。
サブキャラクター
- キャロル / Carol
- 主人公の母親。主人公が家に帰った際には好物を作りパーティ全員を無料で泊めてくれる。
- ミミー&ミニー / Mimmy & Minny / Mimmie & Minnie
- 主人公の双子の妹たち。ミミーはミニーと間違われることを嫌がる。ミニーは主人公たちのアイテムを預かる。預けたり持ち出したりする際に料金等は一切不要。
- パパ / Papa
- 主人公の父親。単身赴任で長期間自宅を離れているが、電話をかけると話すことができ、セーブしてくれる。また主人公の銀行口座にお金を振り込み、電話で話すと前回以降の振込額と現在の口座の残高を教えてくれる。
- ゲームを数時間連続でプレイしていると、どこからか電話がかかってきて「少し休憩してみてはどうかね?」と促す。
- ファミリーコンピュータ版では姿を一切見せないが、『MOTHER1+2』や日本国外版のエンディングの最後では、ハットを被り外套を着用した後姿が表示される。
- ミック / Mick
- 主人公宅の飼い犬。首輪には家の地下室のカギが掛かっている。
- 名前の由来は主人公の母親の初恋の相手である[26]。
- ピッピ / Pippi
- 主人公の家の近くの一軒家に母親とともに住む赤髪の少女。マザーズデイ南の墓場に迷い込み行方不明となる。墓場内を探し助け出して家に連れ帰ることになるが、連れ帰っている間はパーティーメンバー扱いとなり、戦闘にも参加しコマンド入力も可能である。この時のステータスは「もうひとりのおともだち」のものが参照されているため、レベルを上げると主人公を超える高ステータスになるが、ピッピを家に帰さないとストーリーを進めることができない。家に帰すと主人公と別れ、その際に「フランクリンバッヂ」をくれる。
- のちにイースター東の湿地帯にある別荘にも姿を見せる。
- ローラ / Laura
- カナリア村にいるカナリア。周囲の人間から「歌姫」と呼ばれるほどきれいな声でさえずる。しかし子供が行方不明になっているらしく、現在はさえずる事もなく姿を隠している。
- クイーンマリー / Queen Mary
- マジカントの女王。ある歌を忘れたことで思い悩んでいる。
- フライングマン / Flying Man
- マジカントの北部に住んでいる5人の鳥人。話し掛けるとそのうちの1人が仲間になり、身を呈して主人公を守り続ける。一定のダメージを受けると力尽き、その後、自分たちの家の前に墓が建てられる[注 5]。戦闘中に攻撃もするが、コマンドを入力することはできず、アイテムやPSIなどで体力を回復させることもできない。
- マジカントの外へ連れていくことはできない。フライングマンがいるときにマジカントから脱出するとフライングマンは姿を消す[注 6]。
- ドラゴン / Dragon
- 地下大河で眠りについているドラゴン。強い者の気配を感じると目を覚まし襲い掛かってくる。古い楽譜を所有している。
- 忘れられた男 / Forgotten Man
- 地下大河の出口を塞ぐように立っている厭世的な男。この男が出す質問への答え方によっては、主人公が別の場所に転移させられる。
- ガリクソン家 / Garrickson
- イースターに住む一家。この家の赤ん坊にテレパシーで呼びかけると「テレポーテーション」のPSIを習得できる。
- ジョージ / George
- 主人公の父方の曽祖父。すでに他界している。かつて妻マリアとともに行方不明になり2年後に1人で帰ってきたが、その後は行方不明中の出来事を周囲に明かさず奇妙な研究に明け暮れた。自宅地下室に日記を残している。
- マリア / Maria
- 主人公の父方の曽祖母。夫のジョージとともに行方不明になり帰ってこないままとなっている。絵とピアノとパッチワークを得意とし、チャリティー活動に熱心な良妻であった[27]。
- イヴ / Eve
- 主人公の曽祖父・ジョージが開発した巨大ロボット。ホーリーローリーマウンテンの湖底の工場で主人公たちの訪れを待ち続け、主人公たちを守るべく仲間に加わる。
- ギーグ / Gyiyg / Giegue
- 地球征服を企む宇宙人。細長い人型に尻尾が生えた体を持ち、液体で満たされた球体の中に入っている。主人公に対し敬語で話しかけてくる一方、地球人全体を侮蔑する言葉も吐く。主人公たちに向けて正体不明の強力な攻撃を繰り出す。
他機種版
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 売上本数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | MOTHER1+2 | ![]() |
ゲームボーイアドバンス | 任天堂 | 任天堂 | 64Mbitロムカセット | - | - | |
2 | MOTHER | ![]() ![]() ![]() |
Wii U | エイプ パックスソフトニカ |
任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | - | |
3 | ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online |
![]() ![]() ![]() |
Nintendo Switch | エイプ パックスソフトニカ |
任天堂 | ダウンロード | - | - |
開発
コピーライターの糸井重里は、RPGを将棋のようにかったるいと感じて好きになれなかったが、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』を遊んだことで考えが変わった[28]。他者の仕事に対してヤキモチを妬く性格だったことに加え、考えるうちにRPGに対する疑問(「なぜ、鎧・兜・盾に剣という装備でなくてはならないのか」、「なぜ主人公は勇者でなくてはならないのか」)も浮かんだ[28]。さらに考える中でスティーヴン・スピルバーグがRPGを作ったらどうなるのかという発想に至り、様々なアイデアが浮かんでそれをノートに書き留めた[注 7][28]。
その後、糸井はテレビでファミリーコンピュータについて語る機会を得て、その際『スーパーマリオブラザーズ』への恩義[注 8]からゲームに対して好意的な発言をしたところ、番組を見た当時の任天堂の社長である山内溥から1987年に発売された『中山美穂のトキメキハイスクール』のサジェスチョンとして招かれた[28]。
その機会に、糸井は書き溜めていたアイデアのノートを宮本茂に見せたものの、想像と違う宮本の冷淡な対応にとまどい、帰りの新幹線の中では人生最大級の無力感を味わい涙したという。東京に戻り普段の広告業をこなす日々がだいぶ経った頃、突然任天堂からスタッフを集めたので会ってほしいと電話がかかり、そこからようやくゲーム開発が始まった[28]。
その後、千葉県市川市のアパートに開発拠点を据え、彼らとの信頼関係を築く中で、アイテムのネーミングをユーモラスにするというアイデアが生まれた[28][注 9]。これまでの開発現場では「言葉の専門家」がおらず、コピーライターである糸井のアイデアを宮本茂も高く評価していた[28]。
本作の作風はスティーヴン・スピルバーグの冒険映画がモチーフとなっており、父親が登場しないのは『E.T.』のオマージュである[29]。同様の理由からおんなのこの家を教会にしたほか、「Eight Melodies」も讃美歌を意識したものとなった[30]。一方、主人公が喘息持ちという設定は前述の糸井の体質に由来しており、同様の持病を持つプレイヤーを励ましたいという意向もあった[29]。また、ゲーム本編の中でプレイヤーの本名を入れた後、エンドロールでそれが表示されるという演出は、映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』の劇中でメンバーのジュリー(沢田研二)が観客に向かって声をかけてくれと呼びかける場面をヒントにしている[28]。
タイトルの『MOTHER』については「今のゲームって非常に父性的なんですよ。父親の罠を息子が攻略していくみたいなね。だから母性的な匂いのするものを作りたかったんです」と語っている[31]。また、「母船」を意味する「マザーシップ」や「物語の母」というテーマ、さらにジョン・レノンのソロアルバム『ジョンの魂』の1曲目の「マザー」からも影響されていると語っている[32]。
パッケージ・ロゴデザイン
本作のパッケージとロゴのデザインは、当時西武百貨店の広告制作に携わっていたアートディレクターの髙田正治が手掛けている。当時は糸井も西武百貨店のキャッチコピーを制作しており、髙田との仕事の繋がりがあった[33]。
パッケージのデザインは、赤[注 10]一色の下地にタイトルロゴ等の文字だけが表記されているというシンプルなものになっている。赤色にしたのは糸井の提案によるもので、エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズのアルバム『ブラッド&チョコレート』のジャケットのオマージュとなっている。一方、髙田は本作がストーリー重視のRPGであることを考慮し「ドーンとタイトルロゴがあって、それだけで訴えられる感じのほうがいい」としてキャラクターを排したパッケージにすることを提案した。こうしたことには、子供向けのデザインが多かった当時のパッケージとの差別化を図る狙いがある[34][35][5]。
『MOTHER』の文字の書体はBank Gothicを元に調整したものだが、「O」の部分はリアルな地球として描写されている。『MOTHER』というタイトルについて糸井から「母」「マザーシップ」というキーワードを聞いた髙田は「地球」を連想し、『MOTHER』という母船が地球を包み込んでいるというドラマチックなイメージで描いた。この地球のデザインは、髙田の事務所にあった地球儀の写真を複数枚組み合わせてトレースしたもので、実際の地球の地形と異なるものになるよう意図的に描かれている[35][36]。
なお、髙田は、『MOTHER2 ギーグの逆襲』のパッケージとロゴのデザイン、および『MOTHER3』のロゴデザインの草案[注 11]も手掛けている[37]。
スタッフ
- ディレクション:糸井重里
- ゲーム・デザイン:糸井重里、久礼深雪
- ミュージック・プロデュース:大森昭男、上村律夫
- ミュージック・エフェクト:鈴木慶一、田中宏和
- キャラクター・デザイン:南伸坊、石井達矢
- フィギュア・モデリング:トットリ
- プログラム:なかたにかずや、小野寺正、安間基夫
- シナリオ・アシスト:亀山雅之、今栄生、前岩克知、桜井邦子
- コーディネート:立本正博、川口孝司、加藤圭三、いしいもとひろ、戸田昭吾、さいとうゆかり
- プロデュース:宮本茂
- エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥
反響
糸井が漫画家・田中圭一との対談で語ったところによると、大ヒットというよりはむしろカルト的な人気に近かったという[28]。
評価
評価 | ||||||||||||
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- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・8・8・7の合計31点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得しており[41][38]、レビュアーは、「バランスがイマイチだとか、ストーリーの方向性が希薄だとか、いろいろ賛否はあると思うけど、このゲームはやっぱり力作といってもいいと思う」、「こまかい不満はあるけれど、でもグローバルな目で見たら許せる範囲のもの」、「音楽は必聴に値します」などと評している[41]。
- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は25.50点(満30点)[1]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 4.30 | 4.46 | 4.17 | 4.37 | 4.02 | 4.18 | 25.50 |
- ゲーム誌『ユーゲー』では、「徹底された視点の低さは、12歳の男の子から見た『世界』を鮮やかに描き出す。異様にだだっ広いマップは世界の大きさを、独特のパースのついたグラフィックは、そびえ立つ建物の高さを強烈にイメージさせた」、「いつまでも終わらせたくない、心からそう思えるRPG」と評している[39]。
- ゲーム誌『CONTINUE』では、「『名作保証』。傲岸不遜な宣伝文句で登場した第3のRPG『MOTHER』は、やはり名作だった」と評している[40]。
関連商品
書籍
攻略本
- MOTHER マザー必勝攻略法 完全版(1989年9月、双葉社、ISBN 4-575-15145-9)
- 本作の攻略本。メロディーがすべて揃う所まで攻略されている。
- MOTHER 完全攻略本(1989年10月、辰巳出版)
- 本作の攻略本。スノーマンでおんなのこを仲間にする所までしか攻略されていない。
- マザー攻略マップ 裏ワザ大全集(1989年10月、二見書房、ISBN 4-576-89147-2)
- 本作の攻略本。ゲーム画面をつないで作られたフィールドマップを折り畳んだものが綴じられている。
- ファミコン必勝攻略ブック MOTHER 完全版(1989年10月、実業之日本社)
- 本作の攻略本。メロディーがすべて揃う所まで攻略されている。
- MOTHER探検マニュアル(1989年10月、ビジネス・アスキー、ISBN 4-89366-246-5)
- 本作の攻略本。ぼく視点の文章による攻略となっている。最後まで攻略されており、マップはダンカン工場とホーリー・ローリー・マウンテンへ続く洞窟のみ掲載。
小説・ゲームブック
- MOTHER―The Original Story(1989年8月、久美沙織、新潮社 新潮文庫、ISBN 4-10-116611-0)
- 本作の小説化。おんなのこ(アナ)の視点で物語が展開される。物語の大枠は本編と共通しているものの、登場人物の容姿や性格設定などが原作とは大きく異なり、結末も違っている。あとがきによれば、ゲーム完成前のROMのプレイと初期設定資料集を元に書かれているとのことである。
- マザー 未知からの挑戦(1989年12月、樋口明雄 / スタジオ・ハード、双葉社 冒険ゲームブックシリーズ、ISBN 4-575-76132-X)
- 本作の物語を基にしたゲームブック。
その他
- マザー百科(1989年10月、小学館、ISBN 4-09-104114-0)
- 本作の公式ガイドブック。ゲームの攻略方法を重視した、いわゆる攻略本とは違い、実在の町や人物の写真を用いて世界を表現するなど、旅行本さながらの装丁となっている。
- 1ページを割いた「ZIGEN SLIP」の欄には橋本治、いとうせいこう、ホイチョイプロダクション、中沢新一、宮本茂、毛利公信らが、小欄には鴻上尚史、竹田青嗣、井上陽水、久美沙織、天野祐吉、井崎脩五郎、すぎやまこういち、南伸坊らがそれぞれ寄稿している。
- アイテム造形はカナイヒロミ、PSIシンボルマークデザインはタナカノリユキ、モンスター造形はトットリ君がそれぞれ担当した。
- 編集チーフは義江邦夫。執筆陣として、義江邦夫、石井基博、戸田昭吾がクレジットされている。
- ゲームソフト『MOTHER1+2』の発売日と同日の2003年6月20日に復刻版が発売された。
音楽
- MOTHER オリジナル・サウンド・トラック(1989年8月21日、ソニー・ミュージックレコーズ)
- 本作のサウンドトラック。海外歌手を起用したボーカルアレンジ曲がメインで、全11曲内、2曲がインストアレンジ曲となっている。最終トラックには、ゲーム中の使用BGMの原曲をゲーム進行に沿った形でメドレー形式で編集・収録した『THE WORLD OF MOTHER』が約16分に渡り収録されている。
- 収録された『Eight Melodies』(主人公たちが集めるメロディ及びエンディング)は本作のCMのBGMとして使用された他、教育出版が1992年に発行した小学6年生向けの音楽の教科書『新版 音楽6』には楽譜が掲載された。
- 2004年2月18日にはデジタルリマスター版がソニー・ミュージックダイレクトから発売された。『THE WORLD OF MOTHER』の内容が一部変更されているほか、シリーズ2作目『MOTHER2 ギーグの逆襲』の曲『Smiles And Tears』のデモバージョンが追加収録されている。
- songs of instrumental(2006年11月8日、SAKEROCK、カクバリズム)
- インストゥルメンタルバンド「SAKEROCK」の2ndアルバム。5曲目に『Eight Melodies』のカバー曲が収録されている。
- MOTHER MUSIC REVISITED(2021年1月27日、鈴木慶一、日本コロムビア)
- 『MOTHER オリジナル・サウンド・トラック』収録のボーカル曲を作曲の鈴木自身がリアレンジしボーカルも担当した楽曲を収録。
- DELUXE盤はCD2枚組となっており、2枚目はゲーム音源を収録している。
ゲームソフト
- 大乱闘スマッシュブラザーズDX
- 対戦ステージ「オネット」のBGMとして「Bein' Friends」「Eight Melodies」をアレンジしたメドレー曲と、「Pollyanna (I Believe In You)」のアレンジ曲が、それぞれ「マザー」「マザー裏」のタイトルで用いられている。
- 大乱闘スマッシュブラザーズX
- ゲーム内の収集要素である「シール」の一つとして、本作の主人公が「にんてん」の名前で登場する。BGMには、前作の2曲に加え、「Humoresque Of A Little Dog」(ドラッグストアのBGM)と「Snow Man」のアレンジ曲が新規に収録されている。また、ネスとリュカの乱闘勝利ジングルとしてアレンジされた「Mother Earth」(タイトルBGM)が採用されている。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U
- 『for Nintendo 3DS』では本作の「マジカント」が対戦ステージとして登場する。この中では時折背景に本作の一場面が表示されるほか、5人のフライングマンが登場し、倒された際には原作同様に家の前に墓が建つ。また、モードの一つ「フィールドスマッシュ」では本作の敵キャラクター「スターマン」と「マッドカー」が登場する。
- 「スターマン」は『for Nintendo 3DS / Wii U』双方で、対戦を支援するキャラクター「アシストフィギュア」としても登場する。また、BGMには『DX』の2曲と『X』の「Snow Man」のほか、前述の「マジカント」ステージ曲として、「Magicant」と「Eight Melodies」のアレンジメドレー曲が「マジカント/エイトメロディーズ(MOTHER)」のタイトルで収録されている。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL
- 前作に登場した対戦ステージの「マジカント」、アシストフィギュアの「スターマン」が続投されている。前作までに登場した本作を出典とする楽曲は全て続投された他、新たに「Magicant」が桜庭統の編曲により「マジカント」のタイトルで収録されている。また、ネスとリュカの乱闘勝利ジングルにアレンジされた「Eight Melodies」の一節が使用されている。
- 本作からの新システム「スピリッツ」にはニンテン、アナ、ロイド、テディなど、本作のキャラクターも採用されている。
脚注
注釈
- ^ 森のやや木の間隔が広い場所では、斜め移動することで、木の間をすり抜けるように移動できる。これを使わないと行けない場所がある。
- ^ イースター駅とサンタクロース駅の間はシナリオを進めても開通しない。
- ^ 仲間に加わっていても意識不明の場合はストーリーを進められない。
- ^ おんなのこ・もうひとりのおともだちは仲間に加えなくてもクリアが可能である。
- ^ この墓のグラフィックは、ファミリーコンピュータ版では十字架を模したデザインだが、『MOTHER1+2』では別のデザインに変更されている。
- ^ 地下大河の出口から脱出した場合は自分の家に戻っているが、テレポーテーションで他の町に移動した場合は死亡し墓が建てられる。
- ^ 例:「平凡な日常の中でポルターガイストが発生して冒険が始まる」、「普通の少年が身の丈だけでモンスターに立ち向かう」
- ^ もともと糸井は喘息をかかえており、症状をしのぐために『スーパーマリオブラザーズ』を遊んでいた。
- ^ 例:「ボロのバット」や「とびきりのフライパン」などアイテムの等級を子どもが使うような平易な言葉にする[28]。
- ^ 正確には、マゼンタ100%とイエロー100%を合わせた「金赤」という色に黒を数%混ぜたもの[5]。
- ^ 2000年にNINTENDO64版『MOTHER3』が開発中止となったことで髙田は制作から離れ、後の2006年に発売されたゲームボーイアドバンス版『MOTHER3』のロゴは髙田の草案を元に整えられた[37]。
出典
- ^ a b c 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、175頁。
- ^ a b “Earthbound Beginnings for Wii U - Nintendo Game Details”. Nintendo of America. 2017年2月9日閲覧。
- ^ a b “EarthBound Beginnings”. Nintendo UK. 2017年2月9日閲覧。
- ^ a b “MOTHER|Wii U”. 任天堂. 2017年2月9日閲覧。
- ^ a b c “第4回 「マザー・レッド」は金赤じゃない?|『MOTHER』のロゴの地球はなにが元になっているのか?”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2022年7月30日). 2023年12月11日閲覧。
- ^ a b “『MOTHER』『MOTHER2 ギーグの逆襲』が「ファミリーコンピュータ&スーパーファミコン Nintendo Switch Online」で本日追加。プラチナポイント交換グッズも登場。”. 任天堂 (2022年2月10日). 2022年2月10日閲覧。
- ^ a b “Nintendo Switch Onlineに『MOTHER』と『MOTHER2 ギーグの逆襲』が追加。糸井重里氏からファンに向けたメッセージも公開【Nintendo Direct】”. ファミ通.com. KADOKAWA (2022年2月10日). 2022年2月10日閲覧。
- ^ エイプ 1989, p. 30.
- ^ エイプ 1989, p. 40.
- ^ エイプ 1989, p. 38.
- ^ エイプ 1989, p. 42.
- ^ エイプ 1989, p. 152.
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- ^ エイプ 1989, pp. 56–57.
- ^ エイプ 1989, p. 59.
- ^ エイプ 1989, p. 60.
- ^ エイプ 1989, pp. 72–74.
- ^ エイプ 1989, p. 80.
- ^ エイプ 1989, pp. 91–92.
- ^ エイプ 1989, p. 100.
- ^ “MOTHER 主人公達”. 任天堂. 2017年2月9日閲覧。
- ^ エイプ 1989, pp. 18–19.
- ^ エイプ 1989, pp. 22–23.
- ^ エイプ 1989, pp. 20–21.
- ^ エイプ 1989, pp. 24–25.
- ^ 「糸井重里Q&A」『マザー攻略ガイドブック』小学館、1989年9月10日、[要ページ番号]頁。ISBN 4-09-104113-2。
- ^ エイプ 1989, pp. 12–17.
- ^ a b c d e f g h i j “若ゲのいたり ゲームクリエイターの青春『MOTHER』編”. 電ファミニコゲーマー (2017年10月26日). 2018年8月8日閲覧。
- ^ a b “WILD MOTHER PARTY(3/8)”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2018年12月21日). 2020年11月8日閲覧。
- ^ “WILD MOTHER PARTY(4/8)”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2018年12月22日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “糸井重里インタビュー記事3”. 2025年4月16日閲覧。初出:『The 64DREAMS』1996年11月号(創刊号)
- ^ 糸井重里(インタビュー)「第6回 ことばだけど、ことばだけじゃない」『糸井重里が語る『MOTHER』のことば。』、ほぼ日刊イトイ新聞、2021年2月2日 。2025年4月16日閲覧。
- ^ “第1回 糸井重里との出会い|『MOTHER』のロゴの地球はなにが元になっているのか?”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2022年7月27日). 2023年12月11日閲覧。
- ^ “WILD MOTHER PARTY(1/8)”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2018年12月19日). 2020年11月8日閲覧。
- ^ a b “第2回 真っ赤なパッケージが生まれた理由|『MOTHER』のロゴの地球はなにが元になっているのか?”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2022年7月28日). 2023年12月11日閲覧。
- ^ “第3回 『MOTHER』のロゴの地球マークは|『MOTHER』のロゴの地球はなにが元になっているのか?”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2022年7月29日). 2023年12月11日閲覧。
- ^ a b “第5回 『MOTHER』のデザインの強さ|『MOTHER』のロゴの地球はなにが元になっているのか?”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2022年7月31日). 2023年12月11日閲覧。
- ^ a b “MOTHER まとめ [ファミコン]/ ファミ通.com”. KADOKAWA CORPORATION. 2015年3月21日閲覧。
- ^ a b 池谷勇人「ユーゲーが贈るファミコン名作ソフト 100選」『ユーゲー 2003 Vol.07』第7巻第10号、キルタイムコミュニケーション、2003年6月1日、25頁、雑誌17630-2。
- ^ a b 飯田和敏「20th Anniversary 僕たちの好きなファミコン100」『CONTINUE』Vol.13、太田出版、2003年12月18日、9 - 59頁、ISBN 4-87233-822-7。
- ^ a b 『ファミコン通信』第16・17合併号、アスキー、1989年8月4日。
参考文献
- エイプ『マザー百科』小学館、1989年10月20日。ISBN 4-09-104114-0。
- エイプ『マザー百科 新装復刻版』小学館、2003年。ISBN 4-09-106112-5。
外部リンク
マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜
![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2015年4月) |
マザー・ゲーム 〜彼女たちの階級〜 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
脚本 |
荒井修子 武田有起 千寿みのり |
演出 |
塚原あゆ子 竹村謙太郎 福田亮介 村尾嘉昭 |
出演者 |
木村文乃 長谷川京子 貫地谷しほり 瀬戸康史 岡田義徳 安達祐実 上地雄輔 豊原功補 室井滋 竜雷太 檀れい |
エンディング | Superfly「Beautiful」 |
製作 | |
プロデューサー | 新井順子 |
製作 |
ドリマックス・テレビジョン TBSテレビ |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 2015年4月14日 - 6月16日[1] |
放送時間 | 火曜22:00 - 22:54 |
放送枠 | 火曜ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 10 |
公式サイト | |
特記事項: 初回は15分拡大(22:00 - 23:09)。 |
『マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜』(マザー・ゲーム かのじょたちのかいきゅう)は、2015年4月14日から6月16日まで、TBS系「火曜ドラマ」枠(毎週火曜日22:00 - 22:54[2])にて放送されたテレビドラマ[3][4]。木村文乃は当作が連続ドラマ初主演となる。
東京近郊の名門幼稚園を舞台に、バツイチでシングルマザーの貧乏主婦と裕福な家庭で暮らすセレブ主婦たちの友情と葛藤を描いたヒューマンドラマ。
あらすじ
弁当屋を立ち上げるため、祖父の家で多忙な毎日を送るバツイチのシングルマザー・蒲原希子は、仕事のため5歳になる息子・陽斗を預ける保育園を探していたが、保育園児童待機の問題で、なかなか見つからずにいる。
そんな中、奈良岡フミの誘いで、彼女が園長を務めるしずく幼稚園に入園を決めるが、そこは登園時には高級外車がプチ渋滞を起こし、高級ブランド品を身につけた富裕層が集まる名門幼稚園だった。しかも、園内には徹底したママカーストが存在していた。
陽斗がしずく幼稚園に入園した後、希子は矢野聡子率いるいじめグループに目をつけられるなどのトラブルに遭うが、持ち前の気丈さと正義感で立ち向かっていく。
キャスト
主要人物
- 蒲原希子(かまはら きこ)
- 演 - 木村文乃
- 本作の主人公で、陽斗の母。料理学校卒で、調理スタッフとしてホテルでの勤務経験あり。明朗活発な性格をしており、誰にも公平に接し、言うべきことをハッキリと言う気丈さと、曲がったことを嫌う強い正義感を持ち合わせている。秀徳と恋愛結婚するも、やがて子育てと仕事を巡る考えの行き違いで離婚し、以降は陽斗を一人で育ててきた。入園前より、子育てと並行して、弁当屋「デリキッチン・ごはんや」を開店し、店を一人で切り盛りしている。幼い頃に両親と死別しており、母方の祖父・徹治と今は亡き祖母に育てられた。秀徳との恋愛を巡って喧嘩した果てに生家を飛び出し、一時期離れて暮らすが、彼との離婚を機に徹治の下に再び身を寄せている。
- フミの計らいにより、4月付で陽斗をしずく幼稚園に通わせることになる。離婚以来、秀徳を強く拒絶しており、陽斗には「すでに死んでいる」と言い聞かせていたが、秀徳本人が陽斗の姿を探して奈良岡塾主宰のサマースクールに乱入してきた一件を機に、陽斗に謝罪して事の真相を明かし、陽斗が秀徳を「お父さん」と呼ぶことを認めるようになる。しかし、その後も「秀徳がまたお金を持ち出して、自分と陽斗を置いてどこかに行ってしまうかもしれない」という不安から、秀徳へのわだかまりを解くことができておらず、フミの言葉を受けて、陽斗と秀徳がときおり会いに行くことを認めるも、再婚するまでには至らなかった。
- 当初は、セレブや富裕層の多い周りから浮ついた雰囲気から、多くの保護者や信之助からは疎んじられ、聡子たちからもいじめのターゲットにされていたが、みどりや聡子らのしずく幼稚園の保護者たちが抱える悩みに立ち向かう正義感の強さから、毬絵を始めとする保護者の理解を少しずつ得るようになる。しかし、信が起こした騒動を機に毬絵の家族が抱える問題を知ったことで、毬絵との確執が生じたことで意気消沈するが、信之介や周りの保護者たちからの励ましを受けて、自分なりのやり方で小田寺家の問題と向き合い、毬絵の信頼を取り戻す。
- 矢野聡子(やの さとこ)
- 演 - 長谷川京子
- 優輝の母で、3人の子供をしずく幼稚園に入園・卒園させたベテランママ。元々は矢野クリニックで看護師をしていたが、院長の息子である夫の正輝に見初められ結婚。幼稚園では、イベントや集まりにおいて保護者のまとめ役を務めるなど、園内のママカーストでは上位な立場にあり、その一方で園にはふさわしくないと判断した人間には冷酷ないじめを徹底的に行う。しかし、家庭内では、自分の学歴・経歴・家柄を気に入らない姑・静子による執拗な嫁いびり(モラルハラスメント)を長年受け、ノイローゼ寸前にまで苦しめられるなど複雑な立場にあるが、「矢野家にふさわしい嫁」になるべく努力し、常日頃必死に耐え抜く生活を送っていた。
- 転園してきた希子に当初こそは愛想よく接する素振りを見せていたが、裏では自身の取り巻きであるママ友や由紀を巻き込んで、園のこれまでの雰囲気とは異なる彼女を園から追い出す目的で、陰湿な嫌がらせを画策する。希子の転園前は一匹狼のみどりをいじめのターゲットにしており、梨香の保育園通所経験をネタに誹謗中傷していた。しかし、希子が自身のために立ち上がり、当人の責任が及ばなかった優輝の事故の件で静子から責め立てられているところを庇った上、正輝の父親としての無自覚や無責任さを叱責してからは、少しずつ希子に対する態度を軟化させる。また、この一件を機にいじめ行為を辞め、かつて自身がいじめの標的にしていたみどりに対しても、静子による嫁いびりに苦しむ立場から自分なりの助言をしている。
- 合唱コンクールにおける優輝の一件から、家族の幸せのために自分が望むことを叶えるためにも静子とは対等な関係でやり直す決意を固め、家庭内の問題に自分なりの決着をつける。優輝のお受験の合格発表当日に体調を崩してしまい、病院での検査の結果、第四子を妊娠していることが判明し、希子たちから祝福された。
- 神谷由紀(かみや ゆき)
- 演 - 貫地谷しほり
- 桜子の母。希子とは小学校時代からの幼馴染。セレブの生活に羨む余りに、見栄を張ってセレブ御用達のしずく幼稚園に娘を入園させて以来、自分の家庭をセレブに見せようとして、無理な出費を重ね、金策に追われている。決して悪い人間ではないが、自分に自信が持てない日和見主義者で、聡子らセレブママ友の誘いを断れずにおり、園のママ友の前では希子とは表立ったコミュニケーションを避けている。
- いわゆるパチンコ依存症で、家族や周囲には内緒でパチンコを利用し、出費を補っている。しかし、あたりが出ないことへの苛立ちでパチンコ台を故障させる騒ぎを起こしてパチンコ店の出入りを禁止されてからは、闇金融から大金を前借りをしたり、「マリエ」という源氏名で水商売に手を出したりするようになる。
- 想像力豊かで賢い息子を儲け、ママカーストの最上位にある毬絵とも比較的懇意な希子に対して、複雑な感情を抱えている。隆吾と希子が、とあるレストランで会っている場面を偶然目撃し、スマホでそのシーンを映した写真を毬絵へ渡るよう仕向けるも、それが発端となって信がサマースクールの最中に川で溺れかける事件が発生し、罪悪感を感じていた。しかし、合唱コンクールの指揮役が陽斗に選ばれたことを機に、希子への劣等感や嫉妬心を更に深める。
- 後に売春相手の老人(演 - 浜田晃)から、「マリエ」が偽名であることや自身の家族のことを突き止められて脅迫を受け、自身の身辺にも闇金の取立人や、勤め先のキャバクラの客引きにしつこく追い回され、返済を迫られる。更には老人から肉体関係を迫られるが、秀徳の連絡を受けた希子によって救われた。その後、希子の叱咤激励を受けて、希子や園のママ友に対するコンプレックスを克服し、漸く希子と和解する。その後、園のママ友や桜子に謝罪し、これからは桜子に無理強いさせないことや、人前で背伸びをしすぎないことを誓う。しかし、その後も取立人や客引きからの追跡が止むことはなく、やがて水商売や借金のことを恭二に知られてしまうが、恭二が自らの肩代わりをしてくれたことを機に改めて家族での幸せを実感する。
- 後藤みどり(ごとう みどり)
- 演 - 安達祐実
- 梨香の母。1982年5月26日生まれ。モノトーンもしくは寒色系のファッションを好む。ファッションの美しさが周りに負けないほど美しい。クールで独立心が強い一匹狼タイプ。夫の修平から、日常的にモラルハラスメント及びDVを受けており、不得手な家事と育児のストレスから家庭内は冷め切っている。娘の通うスポーツスクールのコーチで、疲れ切った自分に優しく気遣ってくれる磯山と浮気関係に陥ってしまう。
- 修平と同じ広告代理店で優秀な女性社員として活躍していたが、子育てに専念するために退社し、梨香をしずく幼稚園に入園させる。しかし園では長らく娘を保育園に預かっていたことをネタに、聡子たちから誹謗中傷された上、夫婦不仲に加えて、自身の子育てが上手く行かないことなどが原因でヒステリーを起こし、梨香に対してヒステリックに接するようになっていたが、希子の言葉と毬絵からの娘への励ましの言葉で梨香に対する態度を少しずつ軟化させていく。
- 梨香と共にサマースクールから帰宅した際、修平と樹里が自宅に泊まっているところを目撃し、2人の不倫を知ってしまう。そのショックが原因で修平と夫婦喧嘩を起こし、梨香と一緒に磯山や蒲原家に世話になっていたが、合唱コンクールを控えたとある日に、しずく幼稚園に乱入してきた修平に罵倒された挙句、彼に自身の「母親」としての努力を否定され、梨香を強引に連れ出され、引き離されてしまう。修平には内緒で梨香と会話するうちに、娘を守りたいという気持ちを強めたことで、修平との決別を決意し、探偵を通して手に入れた樹理との不倫の証拠を盾に、梨香の親権を勝ち取り、最終的には正式に離婚を取り付ける。梨香の卒園後は、子育て支援の会社を設立して、キャリアウーマンとしての再出発を図り、卒園式ではシングルマザーとして奮闘する希子に改めて感謝した。
- 小田寺毬絵(おだでら まりえ)
- 演 - 檀れい
- 信の母。不動産業・レジャー業を営む大企業グループの令嬢(家付き娘)で大物与党議員の姪。年収は5億3000万円であり、幼稚園の保護者の中でもトップクラスのセレブであり、園内のママカーストの最上位に位置付けられている。上品で常に凛とした振る舞いから、他の保護者達からも畏敬と憧れの目で見られてはいるが、自分の家系や名誉を鼻に掛けたり、権力を笠に着て弱い者をいじめたりすることは決してせず、園のママカーストからも距離を置いている。聡子たちからのいじめに毅然とした態度を取った希子に対して一目置き、最も早く親身な態度で接する。
- その一方、引きこもりとなった長男・彬と上手に接することができないという悩みを抱えており、家名にこだわる両親や親族からの責めもあって、彼の問題に「タイムリミットが迫っている」という焦燥感に追われ、普段は仕事で忙しい隆吾との擦れ違いに加えて、彬への想いと親族からの責めとの板挟みから、精神安定剤なしに生活できないほど不安定な状態に陥っている。一時期、由紀が無記名で送ってきた写真を機に希子に対して僅かな不安や不信感を抱くが、最終的には希子から事情を聞かされたこともあって、この時には辛くも和解した。
- しかし、合唱発表会を終えて帰宅した際、彬から「僕のことを蒲原希子に話すの?」と訊ねられたことで、希子が彬と面識があったことを知って、希子に対する不信感を抱いてしまう。その後、親族から責められて、彬に何の相談もせずに立翔高校を受験させようとした際に隆吾に諭されたことで、隆吾に対しても不信感を募らせる。
- 信がお受験の会場から姿をくらました一件の後、彬に関する情報が週刊誌やネット上に流出したのを機に、幼稚園での立場も事実上失い、更には彬の引きこもりの件で毬絵を中傷する内容のメールが次々と送られたようになった上、親族からも自分の家族のことを罵倒され、精神的に追い詰められてしまう。その過程で感情を爆発させた彬の「死にたい」という言葉に呼応するように彼を扼殺しかけ、間一髪で駆け込んだ希子に制止されるが、完全にヒステリーを起こしてしまい、長らく園に姿を見せなくなる。卒園式を間近に控えた日に訪れた希子の説得を受け、彬のこれまでの真の気持ちを理解したことで彬との関係を修復する。その後、当日の卒園式にも信や隆吾を引き連れた上で無事に出席することができ、改めて希子に感謝の念を示した。
蒲原家
- 蒲原徹治 (かまはら てつじ)
- 演 - 竜雷太
- 希子の母方の祖父。物語開始時点で妻とは既に死別している。希子の実の両親である娘夫婦の急死を受けて、孫娘を引き取った。希子と共に、その子供で曾孫である陽斗を可愛がり、彼女のシングルマザーとしての生活を支える自称・樹木医の好々爺。
- 秀徳に対しては、料理の修業のために勝手に希子の貯金を持ち出した上に、陽斗の子育てを希子一人に押し付けて蒸発し、希子に苦労をかけさせてばかりいたことから、当初は厳しい態度を取っていたが、彼が内心では罪悪感を抱いていることを感じてからは少しずつ軟化させ、秀徳が生きていることを隠し通していた希子にも、いつかは陽斗に真実を告げるように忠告していた。その後、陽斗が本心では実父・秀徳と一緒に暮らすことを望んでいることを知ったのを機に、「自分に万が一の事があった時に、陽斗にあまり苦労をかけさせたくない」という思いから二人が縒りを戻すことを望むようになる。秀徳の仕事を世話しようとした際に利用した駅の階段で足を踏み外し、転倒して足を捻挫してしまうが、軽い症状で済んだ。
- 蒲原陽斗(かまはら はると)
- 演 - 横山歩
- 希子の一人息子。優しく利発な性格で絵が上手。地頭が良く、柔軟な考え方が出来る優秀な子供。毬絵の誘いと信の一緒に勉強をしたいという願いから参加した初めての奈良岡塾では、絵を見て話を考えるという問題で、優希を抑えてトップの成績を出した。その優秀さと他の児童の刺激としての価値を奈良岡フネに見出され、年間150万円の学費を免除する特待生としてのオファーを提案された。
- 実父・秀徳の蒸発以来、父親の姿を探し求めており、希子の迎えが遅いことについても内心では寂しさを感じているが、彼女の母親としての愛情を深く理解している。そのため、サマースクールに秀徳がやって来たときに、すぐさま秀徳本人だと見抜いていたが、希子の心情を気遣ってそのことを黙っていた。
- コンクール当日の帰り際に、清応大学の生徒たちがペットボトルロケットを打ち上げる姿を見て感動したのと、陽斗に対して小野寺隆吾が「ここで(清応)いっぱいお勉強をしたら、お母さん楽になる」と言われ、「お母さんを守りたい」の気持ちが膨らんだ事で清応大学に入ることを夢見るようになり、お受験に一切関心がなかった希子の考えに少しずつ影響を与えていたが、そのことで結果的に希子に会えない寂しさに苦しみ、希子に「受験しなくていい、陽斗と一緒に居たいよ」と言われたのも期して 結局は受験をやめることにしている。卒園後は公立の小学校に入学した。
矢野家
- 矢野正輝(やの まさき)
- 演 - 桜井聖
- 聡子の夫で、優輝の父。静子の息子であり、矢野クリニック院長。年収3500万円。心優しく気前の良い性格で、妻子を心から愛してはいるものの、反面気が弱く、妻を嫁いびりをする強い母親・静子には頭が上がらないでいる。その上、自分だけ耳栓をして母親の嫁いびりを見て見ぬふりをするなど、父親兼保護者としての責任感と自覚に欠けている節があった。
- 自身の監督不行き届きから起こった優輝たちのケガの一件を機に、父親及び夫としての自覚の無さを希子から一喝されてからは、耳栓をすることを辞め、自分なりのやり方で嫁いびりや子供たちに対する束縛から庇い、静子とも対等な関係を築くようになる。
- 矢野静子(やの しずこ)
- 演 - 長谷川稀世
- 聡子の姑で、正輝の母。学歴や家柄を何よりも重視する教育ママで、矢野家の実権を握り、家族に対して威圧的な態度を取っている。大卒でなく高卒で看護学校出の聡子を「財産目当てで正輝を騙してたぶらかし初めて自分に刃向わせた田舎育ちで看護婦上がりの女」と見下し、日常的な嫌味も含む屈辱的な嫌がらせを加えている。孫・優輝を猫可愛がりする一方で、孫娘2人には常に児童虐待(精神的虐待)同然の差別的な言動を取り、自分が溺愛する優輝にも習い事をさせる際には徹底して厳しく接する。また、優輝が習い事に対するプレッシャーに押しつぶされそうになっていることを理由に、聡子に対する嫁いびりをもエスカレートさせ、稽古中の優輝に対しても更に厳しい態度を取るようになる。その一方で、家族の心境・都合よりも自分の都合を優先したり、見栄を張ることに血道を上げている節も多く見られる。サマースクールで優輝と一緒に家を留守にすることになった聡子から、留守の間の怜奈達の世話を任されたにも拘らず、一人だけ友人と一緒に温泉旅行に出かけていた。また、家族の了承も付けずに独断で怜奈を無理矢理スイスへ留学させようとした。
- 合唱コンクールにて優輝がバイオリンの担当に選ばれたのを機に、孫たちへの厳しい態度をさらに強めたことで、優輝を更に精神的に追い詰めてしまう、本番にて緊張とストレスの余り演奏を中断する騒ぎを招いた。しかし、それでも優輝に対する自分の厳しい仕打ちを棚に上げて、聡子や優輝を責め立てたため、それを見かねた希子に諭された上に、聡子からも初めて家族への思いを打ち明けられ、家族の幸せのためにも対等な関係を気付いた上でやり直したいと懇願され、息子家族へのいじめや厳しい躾を辞めてからは性格も丸くなる。改心後は、優輝のお受験合格の際には抱きかかえながら大喜びするなど、孫たちとも融和の兆しを見せるようになる。
- 矢野怜奈(やの れいな)
- 演 - 香音
- 矢野家長女。女児を気に入らない祖母・静子から、妹・衿奈共々冷遇に加え精神的虐待を受けている。祖母に逆らえずにいる両親の背中を見て育った影響で、母・聡子に強く反発している。静子からスイス留学を一時強要されたが、最後には聡子の反対もあって取り消しになる。静子の改心後は、聡子の妊娠後は家の仕事を進んで手伝うなど、家族関係修復への兆しを見せる。
- 矢野衿奈(やの えりな)
- 演 - 渡邊れいら
- 矢野家次女。女児を気に入らない祖母・静子から、姉・怜奈共々冷遇に加え精神的虐待を受けている。弟・優輝が毎日厳しい習い事を望んでいないことを知りつつ、静子からは冷たくあしらわれており、内心では怜奈と同じく静子に反感を抱いていた。聡子によると、怜奈と同様家族へのわだかまりが無くなり、彼女の妊娠後は家の仕事を進んで手伝っている。
- 矢野優輝(やの ゆうき)
- 演 - 大江優成
- 矢野家長男。末子で一家で初の男児であることから、祖母・静子からは溺愛されているが、母親と2人の姉が差別や嫌がらせを受けている光景を目の当たりにしていることから、自分だけが区別されているのを敏感に察知している。
- 矢野家の跡継ぎにしたがっている静子に押し付けられた習い事や厳しい躾に追われる日常に息苦しく感じて、日々のプレッシャーとストレスから精神的に追い詰められ、合唱コンクールの練習中に体調を崩し、その後嘔吐してしまう。しかし、それでも静子からの稽古中の厳しい躾が収まらず、本番にて緊張とストレスが爆発して、演奏ができなくなるハプニングを引き起こしてしまうが、陽斗や周りの子供たちの励ましもあって、何とか最後まで演奏を終わらせた。その後、両親や姉たちから緊張に耐えながらも懸命に演奏をやり終えたことを褒められるも、静子からはきつく責められ、更に聡子にも飛び火させたため、涙ながらに母親を懸命に庇う。静子の改心後は、厳しいしつけを受けることがなくなったため、少しずつ関係修復への兆しを見せ、これまでのストレスによる体調不良の後遺症と闘いながら、何とか第一志望であった清応大学の付属校に合格した。
神谷家
- 神谷恭二(かみや きょうじ)
- 演 - 篠田光亮
- 由紀の夫。地元の役所に勤める地方公務員。年収700万円。のんびりした性格で保護者参加のイベントでは、自ら進んでテント設置の作業も手伝うなど非常に親切な一面を持ち合わせている。役所の仲間とよく飲みに出かけており、時折帰りが遅くなるが、由紀との関係は比較的良好だが、桜子を小学校受験させることには懐疑的である。しかし、ある日に、借金取りから送られた催促状などで、由紀の水商売や借金のことを知ったショックで家を飛び出してしまうが、結局は彼女に対する愛情まで失うことはなく、彼女の借金を自分の貯金で肩代わりした。
- 神谷桜子(かみや さくらこ)
- 演 - 後藤由依良
- 由紀・恭二の娘。優しいが、気弱で自己表現が苦手。由紀にお受験を強いられており、本心では受験を嫌がっていたが、母親を気遣って言い出すことができず、最終的にはカンニングをしてまで高得点を取るまでに及ぶようになっていた。しかし、最終的には改心した由紀からの謝罪を受けて、無理な勉強をやめることを許される。その後は私立校の受験を諦め、国立の小学校を受験するが、合格できず、結局は陽斗と同じ公立の小学校に通うことになった。
後藤家
- 後藤修平(ごとう しゅうへい)
- 演 - 丸山智己
- みどりの夫で梨香の父。大手広告代理店に勤務しており、幼少期より名門校の付属校に通う御曹司。年収は1500万円。表向きは愛想が良いが、本性は傲慢な亭主関白で、家庭内ではみどりに対して威圧的な態度を取る上にDVを加えており、夫婦間の関係が冷え切っている。同じ会社に勤め、みどりの悪口を言いふらす樹里と不倫をしていた。
- 後に樹里との不倫関係をみどりに知られる。みどりとの夫婦喧嘩の後、彼女が磯山と会っている現場を捉えた写真をネット上に流す。合唱コンクールを控えていたしずく幼稚園に押しかけた際、自身の不倫については全く悪びれた様子を見せず、希子や他の保護者達の目を気にも留めずにみどりを罵倒し、「母親」としての努力を続けているみどりを「欠陥品」と罵ったことに激怒した希子に叱責されても態度を改めず、梨香を強引に車で連れ出した。その後も自分の不倫を棚に上げ、娘に会わせる代わりに磯山と別れるようみどりに強要したり、みどりと梨香がお互いに連絡を取り合ったりするのを禁止したり、如何なる手段を用いてでも梨香の親権を自分のものにしようとしたりするなど、一緒にいられないことへの妻と娘の寂しさや恋しさを蔑ろにする横暴な振る舞いを続け、みどりから離婚を突き付けても頑なに拒否したが、樹理との不倫を続けていることを盾に、結果的に梨香の親権を失った挙句、みどりから正式に決別されてしまう。離婚届に署名させられる際に初めて、自らの仕打ちや自分の浮気を悔やむそぶりを見せたが、彼女の固い決意の前には通用しなかった。
- 後藤梨香(ごとう りか)
- 演 - 矢崎由紗
- みどり・修平の娘。活発で男勝りな性格。母親同様頑固でマイペースな面が強く、時々他の児童とケンカするなど問題行動を繰り返していたことが、みどりのヒステリーの一因となっていた。みどりのヒステリックな態度を見て、一時期「母から嫌われた」と思い込むが、希子の言葉や毬絵の励ましでみどりの本心と苦悩を理解するようになる。
- 修平と樹里の不倫にショックを受けたみどりと一緒に磯山のアパートや蒲原家等を転々としつつも、何日もの間、幼稚園に行けなかったこともあり、「幼稚園に行きたい」「父親に会いたい」という気持ちを抑えきれずにいた。合唱コンクールの練習をするために、陽斗と一緒に久しぶりにしずく幼稚園に行くが、陽斗が自分の父・秀徳の為に作った合唱コンクールの招待状を破いた。その後、しずく幼稚園に押しかけてきた修平により、強引に連れ出され、みどりと引き離されてしまう。修平に無理やり連れ出された後もみどりを恋しがり、修平からは連絡を一切禁じられるが、みどりが修平との決別の意を強める結果となり、卒園と両親の離婚後は国立の小学校に通いながら、みどりと二人で親子関係をやり直す。
小田寺家
- 小田寺隆吾(おだでら りゅうご)[5]
- 演 - 豊原功補
- 突然、何食わぬ顔で希子の前に現れ、彼女の経営方針や売込みに対して辛辣な発言を繰り返し、的確なアドバイスで「ごはんや」を少しずつ繁盛させるきっかけを作ったが、その正体は毬絵の一族が営むレストラン企業・ホテルの運営者(代表取締役)で毬絵の夫。信の実父であるが、小田寺一族に婿養子として入ってきているため、妻とは敬語で会話している。
- いつも自分が気にかけている希子と妻の毬絵が親交があることを知ったときは大きな驚きを見せ、思わずあたかも初対面であるかのように接していた。隆吾自身は機会があるまで、希子との交流を妻に話すつもりはなかったが、サマースクールでの信の一件もあって、結局希子の側から説明を受けている。
- 元々、貧しい家庭に育ったが、勉学に励み続けたことで富裕層から学費を援助してもらっていた上で、清応大学に入学できた経緯から「格差を超える唯一の方法は『教育』だ」と考えている。自身の出身大学の学生による水ロケット打ち上げの公開実験に興味を示した陽斗に、入学を勧めている。
- 引きこもりとなった彬に関わる事情について「タイムリミットが迫っている」と焦る毬絵に、ゆっくり時間をかけて解決すればいいと諭すなど、妻子のことを自分なりに気にかけている一方で、仕事の多忙さに加えて、婿養子であるゆえの小田寺一族内における立場の弱さから、家庭内の問題に対してやや控えめな態度を取っている。このため、彬と初めて会って以来その存在を気にかけている希子から事情を聞かれても、「信に兄はいない」として彬の存在そのものを真っ向から否定して頑なに語ろうとせず、毬絵が彬に何の相談もせずに立翔高校を受験させようとした際に制止したことで、彼女から誤解を受けることになってしまう。しかし、信の一件や彬や毬絵を取り巻く騒動が勃発したのを機に、仕事を理由に婿養子の立場の弱さに甘んじる姿勢を希子に諭されて考えを改め、今後は家族の問題に真正面から向き合うことを決意し、これまで仕事で家庭を顧みなかったことを涙ながらに彬に謝罪した。
- 小田寺信(おだでら まこと)
- 演 - 五十嵐陽向
- 毬絵・隆吾の次男。成績優秀で明るい性格の少年。転園以来、陽斗とは仲が良い。また、感受性が非常に強く、他人の気持ちに敏感な一面を持ち合わせており、由紀から送られた希子と隆吾との写真を機に、母親が不安な面持ちになっていることをすぐに感付いたこともある。
- サマースクールの後、自分を家まで送り届けてくれた希子が彬と対面した際、彼女に「お兄ちゃん(彬)に会ったことは、母に内緒にしてほしい」と頼んだ。しかし、お受験当日に試験に対する恐怖心で、会場から行方をくらます騒ぎを起こしてしまう。その後、聡子から連絡を受けた希子や両親によって彬の部屋から出てくるところを発見されるが、「自分もお兄ちゃん(彬)のようになってしまうかもしれない」という不安を打ち明ける。彬の一件で母親の精神状態が崩壊した影響から長らく幼稚園を欠席したが、毬絵が立ち直ったことで無事に卒園式に顔を見せることができた。
- 小田寺彬(おだでら あきら)
- 演 - 望月歩
- 毬絵・隆吾の長男で信の兄。かつては私立の小学校に通っていたが、友達の家を小田寺グループが倒産に追い込んだことで学校の同級生からいじめを受けて不登校に陥り、自分の部屋に長らく引きこもっている。毬絵と信がサマースクールで家を留守にしている間、家中を荒らし回り、希子にその姿を見られてしまう。これ以来、世間体を重んじる親族達から引きこもりの件で疎んじられている自分の存在が表沙汰になることを恐れ、希子を強く警戒するようになり、毬絵に匿名のメールで釘を差したことで、希子と毬絵が疎遠になってしまう。引きこもりに至るまで事情から、部屋にある教材や参考書を片っ端から破るほど、勉強そのものを激しく嫌悪しているが、その一方で真夜中に家を出て、かつての通学路に向かうなど、外へ出て未来へ踏み出したいという気持ちを微かに持っていた。
- しかし、自身の引きこもりについての情報がマスコミに出回り、信がお受験の会場から姿をくらました一件に対する罪悪感に加え、処方箋と処方された薬を見て毬絵の精神状態を知ったことで、激しい自責の念の末に「死にたい」という言葉を口にしてしまい、毬絵に扼殺されかける。その後、親族の強い意向で急遽別居させられることになるが、自分を常に気にかけていた希子の作る料理に関心を示し、自分の部屋にその弁当を配達させる。しかし、そこにやって来た隆吾に感情を爆発させてしまうが、希子の言葉で初めて自分と向き合おうとする父の姿勢に心を動かされ、紆余曲折を経て、毬絵との和解もようやく果たすことができた。
- 小田寺早苗(おだでら さなえ)
- 演 - 金沢きくこ
- 毬絵の母親。
しずく幼稚園関係者
- 奈良岡信之助(ならおか しんのすけ)
- 演 - 瀬戸康史
- 陽斗が入ったクラスを受け持っている教員であり、園長・フミの実の息子。小学2年生の時に両親が離婚し、母親のフミに育てられてきたが、離婚以来、フミの意向もあって生き別れた実父に会う機会が得られず、離婚してから10年後にクモ膜下出血で死去したため、生きているうちに再会できなかった過去を持つ。母親の影響で幼稚園で働く夢を持つようになるが、理想と現実のギャップに失望し、教育に対しての熱意を失っている。このため、園の安定した経営だけに固執しており、フミがこれまでの幼稚園のイメージに合わない希子の息子である陽斗を入園させたことには強く反対したが、一方では最も母親が迎えに来るのが遅い陽斗には幼少時代の自分と重ね合わせていた。そのため、希子には厳しい態度を取りつつも、蒲原親子には不器用ながらも自分なりの気遣いを見せるようになる過程で、当初は疎んじていた希子なりの正義感も徐々に認めるようになった。次第に希子に惹かれていくようになり、「陽斗の卒園後も会いたい」と告白するが振られてしまう。しかし「希子に出会ったおかげで働く女性の子供を幼稚園で受け入れる覚悟が出来た」と感謝した。
- 山川真美子(やまかわ まみこ)
- 演 - 映美くらら
- 幼稚園のセレブママ友の一人。ショートヘアーが特徴。角田と共に、常に聡子の取り巻きで動いている。聡子や角田と共に、希子に対する陰湿な嫌がらせに加担し、彼女の転園前にもみどりに対するいじめに加わっていた。由紀の一件では、聡子や角田と同様、寛容な態度を見せたが、彬の一件で毬絵に対する態度を一転させたため、希子や由紀に一喝され、聡子からも距離を置かれるようになる。
- 角田佳代(かくた かよ)
- 演 - 富永沙織
- 幼稚園のセレブママ友の一人。ロングヘアーをヘアゴムでまとめた髪型が特徴。山川と共に、常に聡子の取り巻きで動いている。聡子や山川と共に、希子に対する陰湿な嫌がらせに加担し、彼女の転園前にもみどりに対するいじめに加わっていた。由紀の一件では、聡子や山川と同様、寛容な態度を見せたが、彬の一件で毬絵に対する態度を一転させたため、希子や由紀に一喝され、聡子にも距離を置かれるようになる。
- 奈良岡フミ(ならおか ふみ)
- 演 - 室井滋(フネと二役)
- しずく幼稚園の園長であり、陽斗たちの担任・信之助の母。小学校受験合格者を輩出した功績を喜ばしく思いつつも、受験のプレッシャーから行き詰った児童たちの将来をも危惧し、これまでの園の雰囲気を改めるべく、陽斗の幼稚園を探し求める希子に声を掛け、しずく幼稚園に誘った。
- 穏やかで心優しい性格で、園児からも慕われており、保護者からの信頼は厚い。離婚歴があり、夫と別れてからは信之助を女手一つで育ててきた経緯から、シングルマザーとしての希子の心境を理解しており、彼女の良き相談相手でもある。その一方で信之助に関しては、離婚した後、彼を父親に会わせまいと躍起になり、信之助が中2の時に父親がクモ膜下出血で亡くなるまでお互いに顔を会わせる機会を一度も作らなかったことに罪悪感を抱いている。そのため、自分と同じ境遇の彼女とは同じ苦しみを味わって欲しくないと思っており、希子が秀徳へのわだかまりを少しずつ解かすきっかけとなる。正反対の性格である双子の妹フネとは、子供たちの教育のあり方を巡り、姉妹仲が悪化している。
- 奈良岡フネ(ならおか ふね)
- 演 - 室井滋(フミと二役)
- 小学校受験専門の幼児向けの学習塾「奈良岡塾」を経営・主宰するフミの双子の妹で、信之助の叔母。姉とは対照的に厳格で淡々とした性格で、徹底した能力主義者兼成果主義者。
- 「愛情」「真心」「信頼」などは、受験にとって一切無駄なものだと考えつつも、子供たちには厳しくも温かい指導を施し、これまで幾多の子供を名門校へと進学させてきた。柔軟な発想力で質問に答える陽斗に可能性を見出し、塾へ勧誘しようとする一方、子供たちのことを塾の実績や収入を上げる手段としか見ていない節があり、子供たちに真摯であろうとする正反対の教育方針と教育理論を持つフミとは姉妹仲が非常に悪い。姉の望む教育の場の実現を打ち壊すべく、しずく幼稚園の運営権を奪うことを狙うも、塾に通う子供たちの数の減少や信のお受験を巡る一件などもあって、最終的にその野望は潰えることになった。
その他
- 磯山琢己(いそやま たくみ)
- 演 - 上地雄輔
- 小学校受験を希望する児童向けのスポーツスクール「SAS」のコーチ。元プロサッカー選手だが、試合中の事故で引退し、現職に就く。穏和で爽やかな性格から、保護者からの人気は高い。家庭内の問題と梨香の問題行為に悩むみどりを気遣ったことがきっかけで彼女と内通している。
- 引退のきっかけとなったケガ以降、生きがいを失っており、現職に関しても自信が持てないでいる。磯山がみどりと会っているところを目撃した修平がその現場を捉えた写真をネット上に流したことが原因で、勤務先から謹慎処分を受ける。その後、みどりの心情を察して、修平の下に陳謝に向かうが、一蹴される。その後、もう一つの夢であった理学療法士を目指すために、スポーツスクールを退職し、金沢に移住した。
- 柏木薫平(かしわぎ くんぺい)
- 演 - 渋川清彦
- 希子の弁当屋「デリキッチン・ごはんや」で働く男性従業員。愛称は「くんちゃん」。ひげを生やした強面だが、性格はネガティブ思考かつ寡黙で人見知り。
- 樫山秀徳(かしやま ひでのり)
- 演 - 岡田義徳
- 希子の元夫。陽斗の実父で、希子と同じく料理人であり、彼女と勤め先で知り合った。やがて交際を経て、希子と婚約し、息子の陽斗を授かるが、結婚後も自分の腕前を精進するため世界を回り続けたい自分の望みと、子育てに専念すべく引っ越しに対して消極的な希子の気持ちとはすれ違うようになり、自身の武者修行のため勝手に希子の貯金を持ち出してしまったことがきっかけで、陽斗が3歳になったときに離婚を突き付けられた。
- 料理人としては一流であるが、離婚後も料理の勉強のために希子に「必ず返す」と言っては金を無心しにやってくることがあり、彼の存在を快く思っていない希子は陽斗に「既に死んでいる」と長らく言い聞かせていた。しかし、内心では自分の修行のためにお金を持ち逃げしたことを深く反省しており、店の調理器具が故障して悩んでいるごはんやのために、自分が購入した新たな道具を譲りに来たりしている。
- 息子に会えない寂しさから、陽斗の姿を求めて度々希子の周辺を訪れており、最終的にはサマースクールにおいて陽斗との再会を果たしている。また、これまで持ち逃げしたお金を全額きちんと返済した上で、希子と縒りを戻したがっているが、再度の蒸発を恐れている希子の気持ちを変えることはできなかったため、これまでの自分を初めて省みる。再婚を取り付けるまではできなかったものの、陽斗との再会を本格的に許され、アルバイトとして希子の弁当屋に雇われたり、時折互いに連絡を取り合うまでに至るなど、少しずつ希子との和解への兆しを見せている。
- 崎坂樹里(さきさか じゅり)
- 演 - 中山由香
- みどりと修平の勤める広告代理店の女性社員で、みどりの後輩。社内きってのやり手だったみどりが退社してからは、彼女に対して常に嫌味っぽく接しており、社内ではみどりへの悪口を流している。修平の愛人でもあり、時々みどりや周囲に対して出張と偽って二人で旅行に出かけている。
- 後に修平との不倫関係を知ったみどりから平手打ちを受けても、最後まで修平との不倫関係を続けたため、みどりが夫との決別を意に決するという結果を招いてしまう。
- 墨川区役所職員・タナカ
- 演 - 田中直樹
- 区役所の保育課に所属する職員だが、仕事ぶりはあまり良くなく、保育園を探し求める希子の要求を呑み込むことができていないため、希子からは毎度仕事の処理能力の悪さを叱咤されている。陽斗の入園が決まった後、同じ市役所に勤める女性職員(演 - 平田敦子)と婚約する。
- はんぺん
- (犬種) - フレンチ・ブルドッグ
- 希子の弁当屋「デリキッチン・ごはんや」の向かい側におでん屋の番犬。
スタッフ
- 脚本 - 荒井修子、武田有起、千寿みのり
- 音楽 - 遠藤浩二
- 主題歌 - Superfly「Beautiful」(ワーナーミュージック・ジャパン)
- プロデューサー - 新井順子
- 演出 - 塚原あゆ子、竹村謙太郎、福田亮介、村尾嘉昭
- 製作 - ドリマックス、TBS
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 視聴率[6] |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 4月14日 | 庶民シングルマザーがセレブに挑む!? 女の階級と暗黙のルール |
荒井修子 | 塚原あゆ子 | 9.8% |
第2話 | 4月21日 | 女の幸せは何で決まる? 隠された素顔と母の涙 |
武田有起 | 竹村謙太郎 | 8.7% |
第3話 | 4月28日 | 女の価値は何で決まる? 母親の見栄とプライド |
荒井修子 | 塚原あゆ子 | 7.3% |
第4話 | 5月 | 5日姑のモラハラと耳栓夫… 父親の存在意義とは?女達の光と影 |
福田亮介 | 8.5% | |
第5話 | 5月12日 | 子供を守るための嘘…? 扉の奥に隠してきた衝撃の真実! |
武田有起 | 竹村謙太郎 | 7.7% |
第6話 | 5月19日 | 許されない妻の逃避行…! 秘密の裏に隠された本当の顔…? |
千寿みのり | 塚原あゆ子 | 8.3% |
第7話 | 5月26日 | ついにモラハラ姑に反撃!?... 合唱発表会で涙する女たちの事情 |
荒井修子 | 村尾嘉昭 | 9.5% |
第8話 | 6月 | 2日禁断の愛人契約...!?お受験本番迫る! すれ違う母と子の絆... |
武田有起 | 福田亮介 | 9.0% |
第9話 | 6月 | 9日母親失格...?セレブ一家の崩壊! 息子へ...最後の愛の証明 |
竹村謙太郎 | 8.6% | |
最終話 | 6月16日 | 今夜、最終回!旅立ちの時... 彼女達の選ぶ未来とは |
荒井修子 | 塚原あゆ子 | 10.5% |
平均視聴率 8.8%(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ社調べ) |
- 最終回は同枠初の二桁を記録するも、全体の平均視聴率は8.8%と低視聴率を出してしまった。
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脚注
- ^ TVガイド2015年5月30日 - 6月5日 ドラマガイドp.82 - 84
- ^ 初回は15分拡大(22:00 - 23:09)。
- ^ “連ドラ初主演の木村文乃「3色弁当のようなドラマ」”. Smartザテレビジョン (2015年4月7日). 2015年6月18日閲覧。
- ^ “木村文乃主演作は高級ブラントとのコラボにも注目!”. Smartザテレビジョン (2015年4月14日). 2015年6月18日閲覧。
- ^ 第3話の終盤までは「謎の男」という役名で、本名や職業については伏せられていた。
- ^ マザー・ゲーム〜彼女たちの階級 Archived 2015年5月26日, at the Wayback Machine.〜 スポニチアネックス、2015年6月23日参照
関連項目
- 三ヶ島幼稚園 - ドラマのロケ地となった幼稚園。
- ママカースト
- #家族募集します - 2021年7月期に金曜ドラマ枠で放送され、本作で主演を務めた木村文乃がヒロインで出演しているが(主演は重岡大毅)、この作品でも木村はシングルマザーの役で出演している。
外部リンク
- 火曜ドラマ『マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜』 - TBSテレビ
- マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜(TBSチャンネル)
- マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜 - U-NEXT
- マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜 (@mothergame_tbs) - X(旧Twitter)
TBS系 火曜ドラマ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
まっしろ
(2015.1.13 - 2015.3.17) |
マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜
(2015.4.14 - 2015.6.16) |
ホテルコンシェルジュ
(2015.7.7 - 2015.9.23) |
「マザー (ゲーム)」の例文・使い方・用例・文例
- いつか彼女は日本のマザーテレサになるだろう
- マザーボード
- マザーテレサは人生を最も貧しい人たちのために捧げた
- 彼女はワーキングマザーです。
- 彼女はリップクリームをホストマザーに買ってもらった。
- ホストマザーが言ってる英語をよく理解できませんでした。
- ホストマザーが言ってる英語を理解できませんでした。
- あのマザーファッカーのせいでさんざんな目にあった。
- 彼はマザーファッカーだ。
- ふざけるな、マザーファッカー!
- 私はシングルマザーとして頑張ります。
- 私はシングルマザーとして息子達と頑張ります。
- ホストマザーは、温かい紅茶を作ってきてくれました。
- ウチは俗に言うシングルマザーの家庭だ。父親の顔を僕は知らない。
- 少子化からの脱却には、非婚マザーの増大が必須なのに、日本の世論はなぜかこの議論を避けている。
- 最初、人々はマザー・テレサに反対していたが、彼女は決してあきらめなかった。
- マザー・テレサはノーベル賞を受賞した。
- マザー・テレサはインドのカルカッタに住んで働いていたカトリックの修道女であった。
- マザー・テレサはインドと世界各地で貧しい人々を助けるためにその賞金を使った。
- マザー・テレサは1910年にユーゴスラビアで生まれた。
- マザー・ゲームのページへのリンク