ピサロとその手下・関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 06:07 UTC 版)
「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」の記事における「ピサロとその手下・関係者」の解説
ここでは、最終ボスであるピサロと、彼と関連の深い妖精ロザリー、およびピサロの手下であることが作中で明らかになっている敵の魔物たちを挙げる。 ピサロ〔魔族の王〕 声 - 池田秀一(CDシアター版) / 小野大輔(『ヒーローズ』) 魔族の王であり、第五章の最終ボス。世界征服の野望からデスピサロを名乗って邪魔な勇者の出現を阻止しようと目論み暗躍。部下に命じて各地の子供をさらわせる一方、自身は武術大会に出場して対戦相手を殺戮(弱すぎるという理由で殺さなかった者もいる)、最終的に勇者の村を突き止めて襲撃し、住民を皆殺しにした。その強さと冷酷さにより人間には恐れられているが、指導者に相応しい厳格さと器を持つため部下の魔物たちからは崇拝されており、ロザリーヒルの住民にも信頼されていた。また、他のシリーズの魔王とは違い、自ら前線に赴くことが多い。人間に襲われていたロザリーを助けた後、2人で暮らしていたが、ある日世界征服の野望を抱いて村を飛び出したことが、住民によって語られている。世界を魔族のものにするべく、地獄の帝王の復活のために奔走し、ロザリーに対し人間を根絶やしにする決意を語る。その後、ロザリーを人間に殺されたことで憤怒と狂気に任せ、さまざまな研究・実験の末に完成させた進化の秘法を自らに施す。その結果、肉体は比類なき強力なものになったが、精神がそれに耐えられずに自我が崩壊。記憶は失われ、人間を根絶やしにするという意思のみで存在している。デスキャッスルを抜けた大きな山「エビルマウンテン」の奥にて勇者たちを待ち受ける。小説版では魔界の王ニュイイの息子で魔王ナルゴスの孫であり、ナルゴスから期待されているという設定が存在する。 歴代ボスの中でも細かい形態変化をとる。第一形態はエスタークの色違いで、ダメージを与えるごとに腕や頭部が消滅していくが、途中で体色が変化して腹部に新たな顔が発生する。その後に腕が再生、脚部が太く強靭になり、最後に頭部が再生して最終形態となる。FC版では作品の最終ボスであり、最後は主人公たちに敗れて身体が崩壊し、魔族の姿に戻って絶命。その亡骸はエビルマウンテンの崩落によって進化の秘法もろとも地の底へと消えた。 リメイク版ではある条件を満たしロザリーを復活させた状態で対面すると導かれし者たちと同様の扱いで、以後離脱することのない仲間となる。初期状態から既に即戦力になるほどの実力を持っており、ムーンサルト・ジゴスパークなどの特技のほか、ザラキーマ・ベホマラー・バイキルトといった攻撃・回復・補助呪文もバランスよく習得する。また、パルプンテの呪文の効果以外では混乱状態にならない、呪いの装備を不利な効果を受けずに装備できるといった特徴も持つ。 仲間になったあとも、勇者たちの存在は認めつつも「人間は愚か」という考えはどこかに持っており、モンバーバラの夜の劇場においてそういうセリフを聞くことができる。また、勇者の村を滅ぼした件についても自分の信念のためやったことだと、反省も後悔もしていない。また、天空城の中には立ち入ろうとせず、その際のみパーティから離脱する。ただし、マスタードラゴンからは認められた。ちなみにクリア後はロザリーヒルでロザリーと静かに暮らしたようである。 普段の魔族姿は、FC版発売当時は特に公式の設定イラストが存在せず、当時の書籍や関連商品に描かれている姿はドット絵を元に独自解釈されたものである。リメイク版では公式にキャラクターデザインが作られ、黒を基調にした服装で毛皮のマントを纏い、銀色の長髪と赤い瞳を持つ青年の姿となった。 以降の作品では、魔族姿が「ピサロ」(姿は上記のデザインに統一)、最終形態の姿が「デスピサロ」として区別されることが多い。 「ピサロ」は『モンスターバトルロードシリーズ』(『II』以降)で再登場。魔王クラスのボス敵と「スペシャルカード」使用時の味方の双方で登場し、「魔剣士」の肩書を持つ。『バトルロードビクトリー』では王者決定戦で優勝するとゲームの世界から乱入してきてプレイヤーのチームに挑んでくる(この時、一人称が「私」から「オレ」に変わっている)。 一方の「デスピサロ」は『IX』や『モンスターズシリーズ』、『モンスターバトルロードシリーズ』(『II』以降)などで再登場。また、『モンスターズ2』では記憶や理性を取り戻したという設定(3DS版ではリメイク版の設定との兼ね合いから「完全なる力を得たと言われている」という設定に変更)の「サイコピサロ(上半身は第1形態で下半身が最終形態という姿で、マントを纏う)」が、『モンスターバトルロードシリーズ』では「真・デスピサロ(最終形態とほとんど同じ姿だが、目が赤く輝き、若干体色が変化)」というオリジナルの強化形態が登場。 ロザリー 声 - 潘恵子(CDシアター版) / 島本須美(ライバルズエース) ルビーの涙を流すというエルフ。それゆえ、捕まえて大金持ちになろうと目論む人間たちに狙われている。ルビーの涙にはエルフ族の強い想いが込められていると言われており、普通の人間では手にした瞬間に砕ける。ピサロによって保護されていたが、エビルプリーストの謀略によって人間に襲われ、ピサロの願いもむなしく命を落とす。それがピサロを復讐と狂気に走らせる要因となる。 リメイク版では当初名前が無く、人間に襲われている所をピサロに助けられ、彼が住んでいた村ロザリーヒルにちなんで「ロザリー」と名づけられたことが語られる。 デスキャッスルの魔物 エビルプリースト 声 - 西村知道(CDシアター版) / 島田敏(ライバルズ) 邪心に満ちた大神官。人間を仕向けてロザリーを殺害させた真犯人である。闇の世界でデスキャッスルの結界を守る四天王のひとりとしてスモールグールを従えて登場する。FC版ではピサロに完全な王となって欲しいという過剰な忠誠心から前述の暴挙を独断で行っており、CDシアター版ではロザリーをさらわせた理由として、「進化の秘法の完成には地獄の業火よりも熱い憎しみが必要であるからだ」と語っている。 小説版では古代に進化の秘法を発明した元天空の神官で、本名はジャコーシュ。魔界の牢獄に封印されていたが、魔族の王子ミアソフによって牢から出されその参謀格に収まり、その後ミアソフの父ヘイゲンとピサロの王位継承争いの中ミアソフを操りヘイゲンとミアソフを殺し、ピサロの側近に収まる。己を堕天した天空界、ひいてはマスタードラゴンに復讐するためピサロや魔族、古代に自分を神(エビルプリースト)と崇めた人間達の末裔を利用して長年にわたり暗躍していた。魔族の王子であるミアソフを自害させ、ピサロですら解呪できない魔力を持った仮面を作るなどその魔術は強力で、魔族とは別系統の術を会得していた描写がある。 リメイク版ではピサロに忠誠を誓っているのは表向きであり、本当の忠誠心は皆無に等しく、ピサロに取って代わって魔族の王にならんと企んでいる。第六章では、真の最終ボスとしてデスパレスに君臨することになる。第五章クリア後もデスピサロを倒して再びエンディングを迎えることも可能だが、ある場面まで進めてしまうと、2度とデスピサロと戦うことができなくなり、エンディングを迎えるにはクリア後のエビルプリーストを倒さなければならなくなる。この際にはピサロと同様に進化の秘法を使用するが、より改良されたものとなっているようで、自我を保ったままピサロ以上の戦闘能力を持つ怪物となる。 外伝作品では『DQMジョーカー2 プロフェッショナル』に登場している。 アンドレアル エビルプリーストとともにデスキャッスルの結界を守る魔物。ドラゴン系の魔物。エビルプリーストと同じく幹部級のモンスターであるが、戦闘時は3体で登場し、同種の魔物を倒されても何度も呼び出す。高熱のガスで全体攻撃を仕掛ける。デスピサロに対する忠誠心の篤さは、今際の際の台詞から見て取れ、ロザリーを失ったピサロの悲しみを勇者たちに訴えていた。 『VII』以降の作品(モンスターズ含む)でザコモンスターとして再登場している。 ヘルバトラー エビルプリーストとともにデスキャッスルの結界を守る魔物。太い角とコウモリのような羽、蹄のある人面の魔物で、奇跡の剣を所持している。高い攻撃力とイオナズンなどの全体攻撃で猛攻を仕掛ける。ピサロに対して最も高い忠誠心を持つモンスターの1匹である。 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』以降(モンスターズでは『テリー3D』以降)の作品にも登場しているほか、『X』では中ボスとして登場している。 ギガデーモン エビルプリーストとともにデスキャッスルの結界を守る魔物。棍棒を持った巨躯の魔物で、後述するバルザックの亜種(FC版では全く同じ色)。打撃攻撃はミスが多いが、時折、痛恨の一撃も出す。その外見からかリメイク版ではマーニャに「アタマの弱そうなの」と形容されるが、主人公に背後の床を調べさせてその隙に不意打ちを仕掛けようとする狡猾さも持っている。 『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』、『モンスターバトルロードIIレジェンド』で単独で中ボスクラスの敵として登場しており(FC版同様、バルザックと同じ色である)、DQMシリーズでは『ジョーカー2』のプロフェッショナル版に登場している。 ピサロのてさき 声 - 龍田直樹(CDシアター版) バトランド北西の湖の塔に潜むデスピサロの部下。本作最初の中ボス。空飛ぶ靴でイムルの村の子供たちを拉致し、伝説の勇者を子供のうちに殺害しようと企む。巨大な目玉を持つ魔物大目玉と一緒に現れる。メラ・ギラの呪文と火の玉を使う。『モンスター物語』では「カロン族ルブル」、小説やCDシアターでは「アシペンサ」(名前は同じだが性別は異なり、前者は女性・後者は男性)という名前が設定された。 バルザック 声 - 島田敏(CDシアター版) エドガンの弟子(二番弟子)でありながら進化の秘法を欲して師を殺した張本人でマーニャとミネアの仇敵である。キングレオ城の王・キングレオをバックに付けて進化の秘法を自らの体に施し、魔物と化す(オックスベアの色違い、『イルとルカ』などでは第五章の形態と区別するため「バルザックビースト」と呼ばれる)。強力な呪文攻撃を仕掛けてくる一方でベホマの呪文で完全回復するので静寂の玉を入手していないと長期戦になる。マーニャとミネアに倒されるも、完全には倒されておらず、第五章ではさらに強化し人々が居なくなった後のサントハイム城を占拠するが、非常に高慢な態度をとり、部下の魔物たちからも嫌われている。ここではヒャダルコや吹雪といった氷の攻撃を得意とする(リメイク版のモンスター図鑑では「バルザック+」と表示。ギガデーモンの色違い)。本人は、神に近い肉体を得たと豪語しピサロを超えたつもりでいたが、実はピサロに黄金の腕輪無しでの進化の秘法の限界を計るための実験台に使われていただけであり、勇者たちに倒されると配下の魔物から罵られながら最期を遂げる。小説版ではこの第二段階の進化には味覚が魔物と化しつつも感性は人間のままであるという副作用が描写され、裏切り者への懲罰を含んだ報酬の形とアリーナとの交流による悔恨ともとれる場面が描写されていた。『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』では第五章の巨大化した姿として登場。またオンラインモードの3.0から登場したカジノのすごろくではボスの1人として登場。 外伝では『ジョーカー』『ジョーカー2』以外のモンスターズシリーズに登場。 キングレオ 声 - 岸野幸正(CDシアター版) キングレオ城を支配している、手足を合計8本生やした巨大なライオンの魔物である。最初はバルザックを配下に置いていたが、バルザックがさらなる力を手に入れたため、捨てられる形となった。リメイク版では、キングレオ城の王子が進化の秘法を使った姿であるという、『知られざる伝説』や小説版に近い設定が追加された。 第四章はバルザックが敗れた後に現れマーニャたちと戦う。イベントとしての戦闘であり、通常のプレイではどのようにパーティのレベルを上げても絶対に倒すことはできない(→ボスキャラクター#倒せないボス)。第五章の戦闘後はFC版では主人公たちに倒されるとそのまま息絶えるが、リメイク版では人間に戻り、怪物化していた時の記憶はすべて失くした状態となる。呪文と吹雪による全体攻撃と高い攻撃力による打撃で連続攻撃をする。『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』では魔法の迷宮のボスとして登場。 ピサロナイト ロザリーヒルでロザリーの護衛をする鎧の魔物。さまようよろいの色違い。相手の呪文を封じる静寂の玉を持ち、戦いでは何度も使用する。シナリオの進め方次第では彼の居場所を訪れない=戦わない事も可能(前述のロザリーが連れ去られるイベントのあとは消える)。ただ、ピサロナイトはモンスター図鑑に載るため、戦わないでストーリーを進めてしまうと、モンスター図鑑を完成させることが不可能となる。『知られざる伝説』や小説版では、本名は「アドン」となっており、その過去について詳しく語られている。そして勇者・ピサロともに純粋な剣技だけでは彼に敵わず呪文を使って勝利した、という点で両者にとって「鏡」と言える存在となった。 外伝作品ではDQMシリーズの『ジョーカー』以降に登場している。
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