スーパー・サイエンス・ハイスクールとは? わかりやすく解説

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スーパーサイエンス‐ハイスクール【super science high school】

読み方:すーぱーさいえんすはいすくーる

科学技術理科数学教育重点をおき、その目的合わせた教育課程指導方法などについて実践研究する高校および中高一貫校平成14年度(2002)より文部科学省実施する教育改革一つで、指定校大学・研究機関連携したり、科学技術振興機構支援受けたりすることができる。期間は3年SSH


スーパーサイエンスハイスクール

【英】: Super Science High-school, SSH
文部科学省定める、科学技術理科数学教育重点的に行う高等学校のこと。文部科学省では、2002年度から、科学技術理科数学教育重点的に行う高等学校を「スーパーサイエンスハイスクール」として指定し理数系教育に関する教育課程改善資する研究開発行っている。

主な取り組みとしては以下のとおりである。

(1)学習指導要領によらない教育課程の編成実施などにより、高等学校および中高一貫教育校における理科数学重点置いたカリキュラム開発

(2)大学研究機関などと連携し生徒大学授業受講大学教員研究者学校授業を行うなど、関係機関などとの連携方策研究

(3)論理的思考力創造性独創性などを一層高めるための指導方法などの研究

(4)科学クラブなどの活動充実

(5)トップクラス研究者技術者などとの交流先端技術との出会い全国のスーパーサイエンスハイスクールの生徒相互交流など

なお、2005年度においては指定期間の延長国際化高校・大学連携重視することが見直された。2007年度は、新規に31校を指定され継続指定70校(2005年度は、新規に22校が指定され継続指定60校(2002年度指定14校、2003年度指定26校、2004年度指定20校、2005年度指定22校、2006年度指定31校)となり計101になった。またSSH校への支援は、独立行政法人科学技術振興機構JST)が実施している。

スーパーサイエンスハイスクール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 20:45 UTC 版)

スーパーサイエンスハイスクールとは文部科学省が科学技術や理科数学教育を重点的に行う高校を指定する制度のことである。SSHと略記される。2002年平成14年)度に構造改革特別要求として約7億円の予算が配分され、開始された。

2007年(平成19年)度予算では約14億4443万円、2010年(平成22年)度予算では約20億6500万円、2011年(平成23年)度予算では約24億400万円が配分されており、増額傾向にある。

目的

目的は「高等学校及び中高一貫教育校における理科数学に重点を置いた高レベル教育カリキュラムの開発、大学や研究機関等との効果的な連携方策による研究推進と、将来的に有為で突出した科学技術系人財の育成に資する」とされている。

なお、第二次世界大戦末期にも同様の目的を持った「特別科学学級」という制度が存在した。

内容

  • 学習指導要領によらない教育課程を編成・実施し、理科・数学に重点を置いたカリキュラムを開発する。
  • 大学や研究機関等と連携し生徒が大学で授業を受講、大学の教員や研究者が学校で授業を行うなど、関係機関等との連携方策を研究する。そのための体験実習や合宿なども行われている。
  • 論理的思考力、創造性や独創性等を高めるための指導方法等を研究する。テーマに基づいて研究を行い、その成果を発表する活動などが行われている。
  • 科学クラブ等の活動を充実させる。また、各種のコンテストなどへの参加も活発に行われている。
  • トップクラスの研究者や技術者等との交流、先端技術との出会い、全国のスーパーサイエンスハイスクールの生徒相互の交流等を行う。

指定校数の変遷

年度ごとの指定校数は以下の通り。

  • 2002年(平成14年)度 - 26校
  • 2003年(平成15年)度 - 26校
  • 2004年(平成16年)度 - 20校
  • 2005年(平成17年)度 - 22校(2002年(平成14年)度指定校の新規指定10校含む)
  • 2006年(平成18年)度 - 31校(2003年(平成15年)度指定校の新規指定12校含む)
  • 2007年(平成19年)度 - 31校(2002年(平成14年)度~2004年(平成16年)度指定校の新規指定18校含む)
  • 2008年(平成20年)度 - 13校(2003年(平成15年)度~2004年(平成16年)度指定校の新規指定5校含む)
  • 2009年(平成21年)度 - 9校(2006年(平成18年)度指定校の新規指定2校含む)
  • 2010年(平成22年)度 - 36校
  • 2011年(平成23年)度 - 38校(2006年(平成18年)度指定校の新規指定18校含む)
  • 2012年(平成24年)度 - 73校(2007年(平成19年)度指定校の新規指定38校含む)
  • 2013年(平成25年)度 - 43校
  • 2014年(平成26年)度 - 9校
  • 2015年(平成27年)度 - 新規25校(内・開発型1校、実践型24校)、科学技術人材育成重点枠5校
  • 2016年(平成28年)度 - 新規24校(内・開発型6校、実践型18校)、科学技術人材育成重点枠10校
  • 2017年(平成29年)度 - 新規77校(内・開発型13校、実践型64校)、科学技術人材育成重点枠8校
  • 2018年(平成30年)度 - 基礎枠49校(内・開発型15校、実践型34校)、科学技術人材育成重点枠6校
  • 2019年(平成31年)度 - 基礎枠32校(内・開発型14校、実践型18校)、科学技術人材育成重点枠4校、科学技術人材育成重点枠高大接続1コンソーシアム
  • 2021年 (令和3年) 度 - 基礎枠21校(内・開発型・実践型20校、先導的改革型1校)、科学技術人材育成重点枠4校

2021年(令和3年)度現在218校が指定されている。指定校の選考においては研究内容・方法、研究計画、研究体制、評価方法・計画等が整っているかを中心に企画評価協力者(学識経験者等)が審査し、地域バランス等も考慮して行われている。

  • 開発型:従来のSSHと同様に、研究仮説を一から設定し、新規性のあるカリキュラム等の研究開発を行うもの
  • 実践型:過去にも指定を受けている学校が、これまでのカリキュラム開発を基礎として、より実践的な研究開発を行うもの
  • 科学技術人材育成重点枠は最長3年で2015年度新設、2019年度から最長5年
  • 科学技術人材育成重点枠高大接続は2019年度新設、最長5年

制度への批判

国立天文台普及室長の縣秀彦は、SSH指定校からすばる望遠鏡の見学要請を受けた際、望遠鏡のあるハワイ島のマウナ・ケア山(標高4205m)は16歳未満の登頂が禁止されている山であるにもかかわらず、一部の高校の連絡や準備が不十分であったという経験を引いて、SSHの教育活動に「科学技術系人材の育成」という本来の目的だけではなく、「学校の面目や先生の個人的な動機」が介在していると事業に疑問を呈した。またSSHは指定された一部の高校に予算を集中させる制度であるため、教育の機会均等の観点から好ましくなく、「SSHの隣の高校にも理科好きの生徒はいるのですから」と予算を全国の科学館博物館の充実に向けたほうがよいと指摘した[1]

2002年(平成14年)度指定校

指定期間は2002年(平成14年)度 - 2004年(平成16年)度までの3年間で、既に終了

現在、山形県立米沢興譲館高等学校新潟県立長岡高等学校以外の高等学校は2005年(平成17年)度に新規指定もしくは終了経過措置校に指定されている。

2003年(平成15年)度指定校

指定期間は2003年(平成15年)度 - 2005年(平成17年)度までの3年間で、既に終了

なお、山口県立岩国高等学校三重県立四日市高等学校以外の高等学校は2006年(平成18年)度に新規指定もしくは終了経過措置校に指定されている。

2004年(平成16年)度指定校

指定期間は2004年(平成16年)度 - 2006年(平成18年)度までの3年間で、既に終了

なお、山口県立山口高等学校以外の高等学校は2007年(平成19年)度に新規指定もしくは終了経過措置校に指定されている。

2005年(平成17年)度指定校

指定期間は2005年(平成17年)度 - 2009年(平成21年)度までの5年間で、既に終了(2002年(平成14年)度指定校の新規指定も含む)。

新規指定校

新規指定校(2002年(平成14年)度指定校)

2年間の終了経過措置校(2002年(平成14年)度指定校の継続指定)

終了経過措置期間は2005年(平成17年)度、2006年(平成18年)度の2年間で、既に終了。なお、筑波大学附属駒場高等学校愛知県立岡崎高等学校高知県立高知小津高等学校西大和学園高等学校は2007年(平成19年)度に、岡山県立岡山一宮高等学校は2009年(平成21年)度に新規指定されている。

2006年(平成18年)度指定校

指定期間は2006年(平成18年)度 - 2010年(平成22年)度の5年間で、既に終了(2003年(平成15年)度指定校の新規指定を含む)。

新規指定校

新規指定校(2003年(平成15年)度指定校)

2年間の終了経過措置校(2003年(平成15年)度指定校の継続指定)

終了経過措置期間は2006年(平成18年)度、2007年(平成19年)度の2年間で、既に終了。なお、広島大学附属高等学校は1年の終了経過措置を経て、2007年(平成19年)度に新規指定されている。また、秋田県立大館鳳鳴高等学校新潟県立新潟南高等学校福井県立高志高等学校愛知県立一宮高等学校は2008年(平成20年)度に新規指定されている。

2007年(平成19年)度指定校

指定期間は2007年(平成19年)度 - 2011年(平成23年)度まで(2002年(平成14年)度 - 2004年(平成16年)度指定校の新規指定を含む)。

新規指定校

新規指定校(2002年(平成14年)度指定校)

新規指定校(2003年(平成15年)度指定校)

新規指定校(2004年(平成16年)度指定校)

2年間の終了経過措置校(2004年(平成16年)度指定校の継続指定)

終了経過措置期間は2007年(平成19年)度、2008年(平成20年)度の2年間で、既に終了。なお、兵庫県立神戸高等学校は2008年(平成20年)度に、福井県立藤島高等学校は2009年(平成21年)度に新規指定されている。

2008年(平成20年)度指定校

指定期間は2008年(平成20年)度 - 2012年(平成24年)度まで(2003年(平成15年)度 - 2004年(平成16年)度指定校の新規指定を含む)。

新規指定校

新規指定校(2003年(平成15年)度指定校)

新規指定校(2004年(平成16年)度指定校)

2009年(平成21年)度指定校

指定期間は2009年(平成21年)度 - 2013年(平成25年)度まで(2002年(平成14年)度・2004年(平成16年)度指定校の新規指定を含む)。

新規指定校

新規指定校(2002年(平成14年)度指定校)

新規指定校(2004年(平成16年)度指定校)

2010年(平成22年)度指定校

指定期間は2010年(平成22年)度 - 2014年(平成26年)度まで(2005年(平成17年)度指定校の新規指定を含む)。

新規指定校

新規指定校(2005年(平成17年)度指定校)

2011年(平成23年)度指定校

指定期間は2011年(平成23年)度 - 2015年(平成27年)度まで。

*…過去にも指定を受けている学校 ※…平成18年度指定で、平成23年度新規指定に採択された学校

2012年(平成24年)度指定校

指定期間は2012年(平成24年)度 - 2016年(平成28年)度まで。

*…過去にも指定を受けている学校 ※…平成19年度指定で、平成24年度新規指定に採択された学校

2017年(平成29年)度指定校

指定期間は2017年(平成29年)度 - 2021年(令和3年)度まで。

2018年(平成30年)度指定校

2019年(平成31年)度指定校

平成31年度基礎枠内定校 及び 科学技術人材育成重点枠内定校

基礎枠・開発型

基礎枠・実践型

科学技術人材育成重点枠(基礎)

12校応募

科学技術人材育成重点枠(高大接続)

3コンソーシアム応募

接続大学 - 千葉大学

2020年(令和2年)度指定校

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)令和2年度基礎枠 及び 科学技術人材育成重点枠 内定校

基礎枠・開発型

基礎枠・実践型

基礎枠・先導的改革型

科学技術人材育成重点枠

2021年(令和3年)度指定校

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)令和3年度基礎枠 及び 科学技術人材育成重点枠 内定校

基礎枠・開発型・実践型

38校応募・指定20校。指定期間5年。

先導的改革型

5校応募・指定1校。指定期間3年。

科学技術人材育成重点枠

9校応募・指定4校。指定期間最長5年。

2022年(令和4年)度指定校

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)令和4年度基礎枠 及び 科学技術人材育成重点枠 内定校

基礎枠・開発型・実践型

脚注

  1. ^ 縣秀彦「集中よりも機会均等を」あめはれくもり 朝日新聞 2007年平成19年)7月1日

関連項目

外部リンク


スーパー・サイエンス・ハイスクール (SSH)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 03:15 UTC 版)

東京都立戸山高等学校」の記事における「スーパー・サイエンス・ハイスクール (SSH)」の解説

2004年度都立高校として初のSSH指定(期間3年間)を受け、2007年度に再指定(期間5年間)、2012年度から2年間の経過措置期間を経て2014年度から3期目指定(期間5年間)、2019年度から4期目(期間5年間)を受けている。第4期テーマは「世界舞台SDGs実現に導くグローバルサイエンスリーダーの育成」である。 1・2年次にSSIII数学物理・化学生物地学情報受講できる文科省の特別措置により、それぞれ情報芸術・知の探究時間などの振り替え扱いとなる)。その成果戸山祭学校説明会の際の発表掲示によって見ることができる。また、例年SSH全国大会東京都SSH指定校発表会関東近県SSH指定校合同発表会参加し他校様々な研究触れることによって、さらなる研究発表の向上に努めている。2012年度からは、都立高校としては初の試みである専門家他校招いてSSH生徒研究成果合同発表会 (TSS) が同校にて行われている。 その他に1年次にはクロスカリキュラムという地歴科地理)、家庭科理科化学)の連携による学習総合時間取り入れられていたり、地学基礎授業一環として城ヶ島にてフィールドワーク行ったりと、SSH受講生以外への理数系教育充実化も図っている。 また、夏休みにはオーストラリア研修冬休みには、アメリカサイエンス研修がある。(1年生1・2年生のSSH受講者特定のクラス集められている(2クラス)。これは現在のSSH指定校では戸山高校だけに見られるシステムである。また、3年次にはSSIIIをSSIII受講していたもの限り自由選択することができるが、例年ほとんどいない。隣接する早稲田大学はじめとする複数大学との連携実習が行われている。SSH講演会では東京大学大学院教授をはじめ、様々な理系教授招いており、年に数回保護者の参加可能な講演会開いている。 2006年8月SSH全国大会ポスターセッション受賞2008年日本地球惑星科学連合大会で最優秀賞受賞2013年8月SSH生徒研究発表会全国大会)でもポスター発表受賞2015年7月全国高等学校総合文化祭自然科学部門文化連盟受賞同年8月開催されSSH全国大会ではSSIII物理コース学校代表として出場し最優秀賞科学技術振興機構理事長賞を受賞

※この「スーパー・サイエンス・ハイスクール (SSH)」の解説は、「東京都立戸山高等学校」の解説の一部です。
「スーパー・サイエンス・ハイスクール (SSH)」を含む「東京都立戸山高等学校」の記事については、「東京都立戸山高等学校」の概要を参照ください。

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