ウルトラマンの能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 04:02 UTC 版)
ウルトラマンは様々な特殊能力や格闘術を持っている。作中で名称が明言されたのは「スペシウム光線」と「テレポーテーション」のみで、その他の名称は書籍や年代によってばらつきがあったが、後年には円谷プロにより統一されている。技の一部は後のウルトラマンたちにも継承されている。 スペシウム光線 ウルトラマンが使う代表的な必殺技で、左右の手刀を十字型に交差させて体内のスペシウムエネルギーをスパークさせ、右手から発射する破壊光線である。右腕にマイナス、左腕にプラスのエネルギー(磁場)が蓄えられ、それをスパークさせて発射すると設定されている。そのエネルギーはすさまじく、相手を爆破または炎上させる効果がある。決まり手として多用される一方、通用しない敵も数体いる。連射や長時間照射も可能。この光線には火星に存在しバルタン星人が苦手とする架空の物質スペシウムが多量に含まれているとされ、作中では第2話でムラマツがそのことを指摘したのを受けてフジ隊員が命名する。50万度の威力がある。 「スペシウム」の名称は「スペース(宇宙)」+「イウム(「物質」を意味する接尾語)」から成り、命名とポーズの考案は脚本・監督の飯島敏宏によるもので、飯島によれば「十字ポーズは忍者が手裏剣を投擲する際の動作が元になっている」とのことである。 白色の光線だが、後年の作品にゲスト出演する際は色が異なっていることがある。 本作品以降も、こうした「腕を交差または組むことで放たれる必殺光線」はウルトラ戦士の特徴となっている。ほとんどのウルトラ戦士が何らかの必殺光線を有しており、それを得意技としている。 映画『新世紀ウルトラマン伝説』によると、全ウルトラマンの光線技の原点とされ、すべてのウルトラマンがその構えをしている。エフェクトは光線を描く人物が変わっても、同じに見えるようなシンプルなものにするために、光のラインが流れるようなものが考案された。 スーツアクターの古谷敏によるスペシウム光線のポーズは左手の甲から指が下向きの弧を描いているが、これは古谷自身の日本舞踊の経験が活かされているという。ポーズは力道山の空手チョップを参考にしており、右手を手刀にして縦にしたものだが、そのままでは合成した際にぶれてしまうことから右手は反らずに少し力を抜いて、左手を添えて腕を十字に組んだものとなった。 第19話は円谷英二が撮影に参加しており、一部演出を円谷が担当したことから、設定を無視して3連発で放っている。 スペシウム光線のポーズをとる古谷敏(2019年にルイビルで開催されたギャラクシーコン(英語版)にて) スペシウム光線のフォーム 八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ) スペシウムエネルギーを円盤ノコギリ状に丸めた光のカッターで、外周にのこぎり状態の突起がある。相手の体を切断するために使う。まず両手を胸の前に水平に構えた後、挙げた右手を振り下ろして投げる。第16話でバルタン星人(2代目)に対して初使用。空中で2つに分離してレッドキング(2代目)を3つに切り裂くシーンもある。投げ返されたり、バリアーに防がれるなど、通用しないことも多い。 『ウルトラマン80』では第45話で80がバルタン星人(6代目)を倒した八つ裂き光輪は初代ウルトラマンから教わったと言及されている。 『ウルトラマンメビウス』以降の作品へのゲスト出演時にもたびたび使用され、その際には高速追尾機能を追加したり、左手に発生させて直接斬りつけて頑丈なキングジョーブラックの腕を切断したり、ゴーグファイヤーゴルザの破壊光線を跳ね返したりと、特殊な使用例を見せる。 ウルトラアタック光線 両腕先に発生させた高熱エネルギーを左手に発生させた爆発光線を右腕に集中させて絡ませスプリング状の光線にして放ち、相手の全身をエネルギー波動で覆い、凝固させた後念波を送り粉砕する技。作中では第31話でスペシウム光線の効かないケロニアを倒すのが唯一の使用例である。資料によっては火に弱い敵に有効な熱線、スペシウム光線にも勝る強力光線であるなどの説明もあるが、シナリオによればリング状光線から相手の爆発まで一連の技である。『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』でも使用、モルド・スペクターとの戦いで至近距離から二発発射する。 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では同様にスペシウム光線が効かないアントラーを倒す際に使用。『ウルトラマンギンガS』の前日談小説『マウンテンピーナッツ』では、再生能力でスペシウム光線と八つ裂き光輪に耐えたノスフェル(SD)を粉砕した。 透視光線(ウルトラ透視光線) 両目から放って透明な敵や円盤を可視化したり、壁の向こう側を見通す光線。バルタン星人(初代)の宇宙船や、透明化したダダを発見するために使う。 ウルトラアイスポット(ウルトラ眼光) 両目から放つ光線。八つ裂き光輪も防ぐバルタン星人(2代目)の光波バリヤーを無効化する。 スラッシュ光線 両掌を重ねて連続発射する矢尻状の光線。第33話で使うが、メフィラス星人の光線に相殺される。 キャッチ・リング(金縛り光線) 相手の動きを封じるための3本の光輪。空中で高速スピンを行いながら発生させた3本のリング状の光線を敵の体にはめて動きを抑える。第39話で使用し、ゼットンの体を一度は拘束するが火球でスピンを止められ、引き千切られる。 リバウンド光線(ウルトラバリヤー) 手の先から発するエネルギーで光の壁を前面に発生させ、攻撃を遮って跳ね返す。第37話で使用し、ジェロニモンの無重力光線を跳ね返す。『ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、光の国の氷結から逃れる際にセブンと共に使用する。『ウルトラマンVS仮面ライダー』では、サソリガドラスの光線を防ぐのに使った。 ウルトラ念力 強力な念力を放って物体を粉砕したり、静止させる能力。アボラスの吐いた溶解泡を吹き飛ばし、ジェロニモンが放った大量の羽根手裏剣を止める。『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、ハヤタの状態で使用する。 ウルトラエアキャッチ(ウルトラ反重力光線) 両手先から放射するウルトラ念力の一種で、空中へウルトラ念力で持ち上げた敵の動きを抑制させることができる念力波。第25話でレッドキング(2代目)に使う。 ウルトラサイコキネシス 両掌から放つ渦巻き状の光線で相手の意識を喪失させて動きを抑え、左右の手の指先でその動きを操り、空中に持ち上げて遠方に飛ばし、爆破させる技。第38話でスペシウム光線や八つ裂き光輪が効かないキーラに使用する。 ウルトラ水流 念力で空気中の酸素と水素を集めて融合して水を発生させた後、両手を組み合わせ、その間から高圧の水を放射する技。構えは2種類存在する。第13話では、ペスターが起こした石油コンビナートの大火災を鎮火するために使う。また、第23話では、胸で腕を合わせて、水を弱点とするジャミラに浴びせて倒す。 ハイスピン 体を地上でコマのように高速回転させる能力。これによりブルトンが作り出す四次元空間から脱出する。 テレポーテーション 精神統一をした後、顔の前で×字に交差させた腕を解いて、頭から順に消えていき、別の場所で頭から順に現れる。別の星に移動できるほどだが、膨大なエネルギーと強靭な精神力を要するため、著しく寿命を縮める。第16話で使用し、R惑星から地球へ移動した。戦闘終了後、ハヤタはテレポーテーションの後遺症で気を失う。 光線白刃取り 第31話でケロニアの熱線を合掌した両手で受け止めて周囲に散らして無力化した技。 飛行能力 大気圏内だけでなく宇宙空間を自由に飛行する能力を持っている。大気圏内での飛行速度はマッハ5。超光速で宇宙空間を飛行する時は赤い光の球で全身を包む(第1話)。 地中突進能力(地中進行能力) 地中を掘り進む能力。第29話で使用。 巨大化能力 第28話でダダのミクロ化器(縮小光線銃)により等身大にされた際にのみ使用。胸の前で両手を合わせてスパークさせ、変身時と同じプロセスで再度巨大化する。 空中体当たり 高速飛行しながら落下してくる敵に空中激突する。ガマクジラとスカイドンを倒す。第14・34話では激突時の飛行ポーズが異なる。 ウルトラ頭突き ダイヤモンドの100倍の硬さがあるといわれる頭頂部を使い、低い姿勢から勢いよく飛び出して敵の顔面に打ち込む技。 ウルトラチョップ 手刀で相手の弱点を打ち据える。ウルトラダブルチョップ 敵の胸に左右の手刀を素早く打ち込む ウルトラかすみ斬り(ウルトラ霞斬り) 敵目掛けて走り込み、すれ違いざまに敵の頭部に手刀を打ち込み、致命傷を与える技。第10話で使用し、ジラースを倒す。 ウルトラパンチ 敵の弱点を見極めて打ち込むストレートパンチで、インドゾウ50頭分の破壊力があると言われているが、真偽は不明。 蹴り技 ウルトラキック 足に体内の全パワーを集中して素早く打ち込むストレートキック。ウルトラマンの関節は「三重関節」と呼ばれ、キックなどの威力が数百倍になる。 急降下キック 高空から敵めがけて急降下する力を利用して、両足で一気に怪獣を蹴り倒す技で、グリーンモンス、レッドキング、ゴモラ、ジェロニモンに使用する。 回転首締め(回転首絞め) 両脚を敵の首に挟み込んだまま転倒させて、ともに大地に横たわった状態で12万トンの怪力で強く締めつけて地面に叩きつける、プロレス技に似た戦法。第28話で使用し、ダダを苦しめる。 投げ技 ウルトラスウィング(ハンマー投げ) 敵の頭部や尻尾を掴んで振り回し、地面や空中に勢い良く放り投げる。 岩石落とし 怪獣にダメージを与えて、ひるんだところを両腕の怪力で頭上高く持ち上げ、勢い良く地面に叩きつける大技。テレスドンを頭から地面に投げつけて倒した。 背負い投げ 相手の首を後ろ手に掴み、肩に担ぎ上げて地面に投げ飛ばして地面に叩きつける大技。レッドキング、テレスドンを一撃で倒している。 巴投げ 大地に倒れ込んで、相手の突進してくる力や動きを利用するようにして、両足の力で投げ飛ばす技。 ネックハンギング 両手で怪獣の首を締め上げたまま体を吊り上げ、気絶させる技。この技で怪獣を弱らせ、投げ技へとつなぐことが多い。 ヘッドロック 両腕で怪獣の首を押さえて締め上げ、動きを一時的に封じる技。戦況に応じて、片手で締めたり両腕を使って挟んだりする。怪獣が突進してきた瞬間に抱え込んで、そのまま投げ飛ばす技に転ずることも多い。 闘牛戦法 ジラースから引きちぎった襟巻きをマントに見立て、闘牛士のように戦う戦法。 角折り戦法 パワータイプの怪獣の角を叩き折ることで、戦意を喪失させる戦法。 馬乗り戦法 上空から勢いよく四足歩行の敵の背後にのしかかり、馬乗りになって動きを抑え込みながら攻撃を加える戦法。 くすぐり戦法 相手の首や脇腹をくすぐって戦意を奪い、隙を作り出す技。第11話で使用し、馬乗りになったギャンゴから逃れた。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}防御能力 高い防御力を有し、特に熱に対しては強い。跳ね返されたスペシウム光線を受けても軽傷で済み、原子爆弾の爆発に巻き込まれてもほとんどダメージを受けない。化学的な耐食性も高く、アボラスの溶解泡も弾き散らす。電撃に対しても耐性があり、ネロンガの電撃を胸に受けても平然とし、『ウルトラマンメビウス』に客演したときにも、メフィラス星人のグリップビームを真正面から受けながら難なく弾き飛ばす。[独自研究?]
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