ウルトラマンの敵対者
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「ウルトラマンR/B」の記事における「ウルトラマンの敵対者」の解説
愛染 マコト(あいぜん マコト) / 憑依生命体 チェレーザ 第1話から第16話に登場。名前の漢字表記は誠。「愛と善意の伝道師」を自称する、アイゼンテック社の社長兼研究総責任者で、33歳のAB型。白いスーツと自信に満ち溢れた雰囲気、独特の格言が特徴。研究者としても経営者としても非凡な才覚をもち、綾香市のセレブとして街のあらゆる人々に認知されている。市民や社内の他の研究員とも気さくに接するなど人格面でも優れ、社内外から信頼を寄せられている。 その正体は、15年前にウルトラマンの力を求めて地球に来訪したガス状の精神寄生体。幼少期にウルトラマンオーブに助けられたことでウルトラマンに憧れ、光の力を我が物とするために愛染に憑依し、クリスタルを収集している。愛染はチェレーザによって本来の人格を封じられている。ウルトラマンの在り方に並々ならぬ拘りを持ち、偶然力を手に入れた湊兄弟をウルトラマンに相応しくないと怪獣を差し向ける。 拉致した複数の市民と怪獣クリスタルによって、オーブダークへの変身能力を得てからは湊兄弟に取って代わってヒーローになろうと画策。自分のためだけに戦う姿勢を逆に兄弟から非難されて2度目の戦いで敗北し、一度はオーブリングNEOを取り上げられてオーブダークへの変身能力を失ったが、ホロボロスに敗北した兄弟からオーブリングNEOを奪い返し、再びオーブダークに変身。ホロボロスを撃破して市民の人気を集め、さらに召喚したベゼルブを自ら倒してさらなる人気を得ようとするも、ロッソとブルによって阻止される。直後、サキが召喚したホロボロスに挑んで敗北し、オーブリングNEOもアサヒの手に渡る。その後はサキと接触し、彼女から貸し与えられたジャイロでグルジオキングに変身してロッソやブルに一度は勝利するが、再戦時に兄弟が変身したルーブに敗北。満身創痍でアイゼンテック本社に戻るが、そこをサキによって愛染の身体から分離させられ、本体を換気システムに吸収される。自我を取り戻した本来の愛染はアイゼンテック社長を辞任(実質的には美剣によって解任された)し、自転車で世界一周の旅に出る。メイン監督の武居は、愛染のキャラクターについて80年代の男性アイドルをイメージしたと述べている。演じる深水元基の起用も武居の提案による。キャラ作りも『オーブ』のジャグラー同様、ある程度深水の演技に委ねているという。また、シリーズ構成の中野は定番のボスキャラ像の逆を意図している。円谷プロプロデューサーの鶴田幸伸は、愛染に悪意はないためウルトラマンと絡ませるのが難しかったことを反省点として挙げている。敵が前半と後半で変えるということは当初から意図していたものではあるが、前半の展開で存在感のあった愛染が突然いなくなるのは残念に思う人もいるため、不自然さを払拭するために取りついていた悪いものがいなくなったということとなった。 格言をしたためる際に必ず筆を持った腕を上げてから書くというのは、田原俊彦のサインを書く際の癖を元にしている。 美剣 サキ(みつるぎ サキ) / グリージョ 第11話から第24話に登場。蒼い瞳を持つ、見た目はアサヒと同年代の少女。名前はアサヒとの初対面時に初めて名乗ったもので、それ以降もそのまま使用している。名前の漢字表記は沙姫。アサヒは「ツルちゃん」と呼んでおり、当初はそう呼ばれるのを嫌がっていた。地球の歴史上の偉人たちが残した格言を、「古き友は言った」から言い始めて引用する。基本的には無表情で感情を表に出すことは少なく、発言も非常に高飛車で高圧的だが、アサヒのペースに巻き込まれて普通の女子高生らしい振る舞いをすることもある。 基本的に上半身のアンダーが黄色い以外は黒づくめの服を着ているが、本人は無自覚のうちにコスプレのようなことを何度かしている(看護師、ブレザーの女子高制服、ハロウィン衣装、セーラー服など)。強烈なショック波を手から撃ち出したり、超能力を駆使する。 その正体は約1300年前に地球を守ろうとした先代ロッソとブルの妹で、兄たちが果たせなかったルーゴサイトへの復讐のために一人で敵に立ち向かおうとしている。 複数のクリスタルや専用のジャイロを所有し、ホロボロスの召喚を皮切りに行動を開始。愛染をグルジオキングとして暴走させた後、愛染に憑依していたチェレーザを排除してアイゼンテックの新社長になるなどウルトラマンたちと敵対するが、その一方でアサヒを介してクリスタルをカツミとイサミに渡したり、キングジョーの中に閉じ込められたアサヒをカツミとイサミの協力を得て身体を張って助けるなど、ウルトラマンの味方になることもしており、特にアサヒには自分と同じ「ウルトラマンの妹」ということで関わることが多く、自分の気持ちも変わっていったようで、第23話でアサヒに別れを告げた後には涙を流すなど、最初の頑なな性格も変化していった。 第24話でルーゴサイトの攻撃をまともに受け、その際に致命傷を負ってしまい、アサヒの腕の中で自分のジャイロを託して、心の底からの微笑を浮かべながら兄たちと同じように星屑になって昇天した(「笑う」と言うだけならば、地球爆破宣言をした時にもしているが、こちらはアサヒから「笑って可愛く言えば、大抵のことは通る」と言われたのを真に受けて「演技」として行なっている)。グルジオボーンらの冠する「グルジオ(GRIGIO)」は「グリージョ」を読み替えたものである。 企画当初に登場が予定されていたミオが敵役ではなくなったため、それに代わる存在として追加された。女性の敵役は企画で通りづらいが、本作品では前作・前々作との差別化として認められた。一時期はアサヒを登場させずサキが湊家に妹として迎え入れられるという展開も検討されており、先代ウルトラマンの妹という設定はこの案の名残である。最終話の結末でもアサヒが消滅してサキが代わりに妹になるという案も存在した。 当初の脚本では過激なキャラクターとして描かれていたが、愛染がコミカルな路線であったことや絡みの多いアサヒとの対比から寡黙なキャラクターに改められた。口癖などは愛染と重複すると思われたため、格言を言うこととなったが、普通の格言では面白くないことから、オスカー・ワイルドなど聞いていて少し嫌な気持ちになるような格言が選ばれた。 小説『蒼い瞳の少女は灰色と名乗った』によれば、グリージョら3兄妹は惑星サンジャの戦災孤児で、育ての親であるバクバーバによって宇宙ギャングの裏の仕事を請け負う配下として育てられた。 ダーリン アイゼンテックの秘書AI。若い女性の声を発する。名称はDigital Response Language Networkの略(D.R.L.N.)である。本社のシステム管理の他、ドローンを操作して怪獣クリスタルの回収も担当する。愛染の僕としてその計画を補佐していたが、サキの登場後はあっさりと彼女の指示に従うようになる。ただし、愛染やサキに完全に従順な訳ではなく、反発することもある。
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