『新/⊿』の闇狩人及び関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/07 23:04 UTC 版)
「闇狩人」の記事における「『新/⊿』の闇狩人及び関係者」の解説
士堂 瑠璃(しどう るり) 演 - 田辺留依 『新 闇狩人』および『闇狩人⊿』の主人公で、間とユキエがかつて通っていた南町学園高等学校の2年4組(『⊿』ACT 22で3年に進級)に在籍する女子高生。アパートに一人で暮らしている。おかっぱの髪型で眼鏡をかけており、B91cmでFカップの巨乳で安産型の体型が特徴だが、後述の諦観もあって自身に男性を喜ばせる魅力があるとは考えておらず、男子生徒などからのセクハラ行為にもやや無頓着。物静かで控えめだが、自分の好きなものになるとやたらと喋り、ダイエットはしていないが食べっぷりはいいという印象もある。漫画家志望で「しどうるり」のペンネームで月例賞投稿などに邁進しているが、それ以外の夢を持っておらず、未来に対してはある種の諦観すら抱いている節がある。漫画家「あいだたけし」こと間の大ファンで、担任のユキエから紹介の話があった時には「生きててよかった」と涙すら流して喜ぶほど。 読唇術など時折、謎の特技を見せることがある。実家がかつてサーカス団を経営しており(彼女が中学生の時に父親が亡くなったのを機に畳んだ)部屋に写真が飾ってある他、幼いころは前座や幕間で曲芸を披露していたためかなりの身軽。母親は彼女が幼少時に離婚届けを置いて家を出ており実質「母親に捨てられた」形になっている。この経験から、いわゆる「親子の情」に対しては幻想であるかのような意識と強い猜疑を抱いている節がある。 その正体は現代に生きる「闇狩人」の一人。兄と小泉の仕事に巻き込まれて闇狩人となった。本来は兄らの事情による臨時の闇狩人であったが、自分が誰かの役に立つのならとして続けていくことになる。尖端の墨入れクチバシを平らに鋭く研いだカラス口を武器としており、使用時はカラス口を十字架に形を変えた後で敵の首の後ろの骨の間まで刺し、テコの原理の要領で刺したカラス口を持ち上げつつ首の骨を外してショック死させる(作画ではレントゲンを使って首の骨を外す場面が書かれている)という戦闘スタイルの持ち主。仕事時には眼鏡を外し、大きなリボンで髪を結っている。これで大きく印象が変わる他、リボンは薄手だが頑丈で顔を隠す覆面やロープの代用としたりする。『新』の初期は制服姿(スカートを短くしている)や太ももにガーターリング(予備のカラス口を収納)を装着して仕事をすることもあった。前述の特技でもある読唇術も裏の仕事で生かされ、遠距離から標的の会話を読んだり、口を利けなくなった状態の人物から依頼を受けたりもしている。 『新』LAST ACT(最終回)で自らの手で始末しようとした母親を間によって目前で始末されたことで目的は達成されなかったが、その後もそれまでと変わらぬ関係を続けている。まだまだ未熟ではあるが、母親譲りの割り切りの良さは受け継がれている。 一方で駿河修とは海水浴で足を運んだ先で知り合い、後に上京した時には標的となった相手を先に仕留めた人物ではと勘づいていた。その後同じ標的を相手にした仕事では秋月の指示で顔を隠していたため後に街中で会っても修からは気づかれなかったが、秋月から招集をかけられたときに初めて顔を合わせ、間と共に裏で一緒に仕事をする。表の顔の時(特に同級生と一緒にいるときなど)は裏で顔見知りであることをほかの人に知られないよう一歩引いた立場にいることもある。 第1シリーズ復刻版1巻のカバー折り返しに「新闇狩人?」(”新たな闇狩人”という意味で『新 闇狩人』のタイトルではない)としてカラス口を咥えた瑠璃に似た人物のカットが入っている。 間 武士(はざま たけし) 演 - 鈴木コウタ 第1シリーズの主人公で、『新』のACT・3および『⊿』のACT 2から登場するプロの漫画家。「あいだ たけし」のペンネームは本シリーズでも引き続き使用されている。あごの周りに剃り残しとも思えるわずかな無精髭を生やしている。瑠璃が大ファンの漫画家でユキエの実家が管理するマンション「メゾン美崎」の一室(3階の305号室)を購入して住んでいる。漫画家歴は15年で、瑠璃が中学一年生の時に「音使いのハル」という作品を連載し、『新』初登場時は「ゴッドロワイヤル」という漫画を月刊誌で連載していた。ユキエにより瑠璃を紹介され彼女の漫画を評価した上で弟子(アルバイトのアシスタント)に取る。 瑠璃曰く「中肉中背の年より若く見える普通の人」ではあるが、ムッツリスケベで巨乳好きなのは現在も変わっておらず、瑠璃に対して幾度となく鼻の下を伸ばす描写がある。 ユキエとは結婚せずに本人達曰く「友達以上恋人未満の知り合い」、岩井曰く「高校時代からの腐れ縁」としての関係を続けている。大学時代一時期付き合ったこともあり、今更感でギクシャクした結果元の関係に戻ったと瑠璃に語っているが、実は10年前にユキエの婚約者から一方的に敵意を持たれて襲われた結果その婚約者を殺害している。 かなりのヘビースモーカーで、作業机の上にある灰皿には常に吸い殻が山盛りになっている。反対に甘いものは苦手で、過去にユキエからもらった8年分のバレンタインチョコを押し入れの中に隠していたことが発覚し、背後からカカト落としを喰らわされたこともある。 (闇狩人として)裏の仕事は「開店休業中」と称し秋月に復帰を促されても漫画家として収入があり、現代の様々な事情から当初は断り続けていた。しかし、「ゴッドロワイヤル」の単行本の売れ行きが芳しくないことから打ち切りの憂き目に遭い、INTERSECTION編より闇狩人として復帰した。引き続き日本刀型のステンレス定規を使った急所刺しと丸ペンを投げて敵の動きを封じるのを得意とする。復帰当初は長年のブランクがあったせいか、数日後に筋肉痛になっている姿もある。ただし向かってきた車を飛び越えるなど運動神経は衰えていない。 秋月から「新人」の存在は聞いているがそれが自分のアシスタントである瑠璃とはお互い知らずにいた。ただし、のちに彼女の使うカラス口に違和感を覚えていたことが明かされる。『新』LAST ACTにおいて、瑠璃が依頼で母親を殺すのを阻止する目的で秋月から「新人」の正体を明かされて瑠璃が闇狩人であることを知る。そして秋月の依頼を受けて「表も裏も面倒を見る」覚悟の元、瑠璃の母親を彼女の眼前で殺害したことで互いの正体を知り、その際に瑠璃に対して「どんな経緯であれ、親殺しは結構残る」と諭すとともに「許せなけりゃ、いつでも殺しに来い」と宣言しているが、彼女とはその後も漫画家とアシスタントとして関係を継続しており、『⊿』では裏の仕事でもコンビを組むことがある。 その一方で上京し闇狩人になる駿河修の初仕事の見届け役をしており、街中で顔を合わせ声をかけられた時は「気軽に声をかけるな」と注意をし、闇狩人としてのイロハと心得を教えている。 自動車運転免許を保有しているが、『⊿』ACT 17で京介の車を運転していた時に自分がペーパードライバーであることをぼやいていた。 駿河 修(するが しゅう) 演 - 汐谷文康・中澤まさとも S県麻比木町出身の22歳の青年。『新』ACT・11および『⊿』ACT 4より登場。同町において町の風習から外れて無体を成す者を、町の「裏の掟」によって祭りの「事故」に見せかけて誅を下す家の末裔のひとり。地元では酒屋の配達のバイトなどをしていた。海水浴で比名ヶ浜を訪れた瑠璃らとも面識があり、秋月とは上京後に無料の法律相談会で知り合い、間には初仕事の見届け人になってもらった。ボクサー志望者だがプロテストには合格できず、それでも夢を諦めきれずに上京。だが故郷から長距離をスクーターで飛ばしたために熱中症になり、そのまま現地のホームレスたちに助けられて彼らと共に過ごすこととなった。ホームレス仲間のひとりである「ゴンさん」こと権田の恨み(後述)を晴らすため自ら「仮免許中の闇狩人」を名乗り「始末」に乗り出すが、相手は何人もの闇狩人を返り討ちにしていた常習の快楽殺人者であったために追い詰められ、最終的に瑠璃と秋月に助けられる。その後もホームレスの「健さん」と共同生活を続けていた。『⊿』ACT 4で通勤時間帯の電車が爆破されて川に落ちた死傷者が流されてくる事件に出くわし、その犯人を突き止めた際に自首を勧めるが、犯人の証人潰しに健さんが巻き込まれたことで正式に闇狩人としての初仕事を果たす。正式加入後は新聞店の配達員を表の顔として活動しており、特に高齢者の多い団地では上階でも玄関先まで届けることで好評を得ている。 その動体視力とパンチの速度・正確さは群を抜いており、自らの拳そのものを凶器として急所を殴打してダメージを与えるという近接戦闘が得意なタイプだが、本来競技であるボクシングでは相手の意識を刈ることはできても殺害に至るには決定打不足だった。そのため『⊿』ではT字型のマイナスドライバーを指の間に挟んでのパンチで標的を仕留めるスタイルに変えている。また瑠璃や間と組んで仕事する場合は自ら囮となりその隙に標的の始末を任せている。 第1シリーズの陣内力と同じく善意から闇の世界に入ったこともあって先行きを心配され、同時に危険視されてもいる。そして、名前は出ないが陣内と生き様が似ていると口にする者もいる。瑠璃や秋月から見てもプロテストに合格しなかったことを不思議に思われていたが、しのぶが公園でうたた寝している修を見つけた際に緩和ケア用のモルヒネを見つけたことで明かされた事実によると末期癌を患っており、余命は1年を切っている。癌が発覚したのはプロテスト中のメディカルチェックで、病院で再検査を受けた時点で手の施しようがない状態だった。 秋月 智(あきづき さとる) 演 - 内匠靖明・加藤将之 『新』ACT・2より登場。瑠璃に闇狩人としての仕事を仲介している「つなぎ屋(情報屋)」であり、間からは元締と認識されている。「つなぎ屋」ということもあり殺しの技術は持っていない。年齢は30代前半で怜悧で端整な顔立ちをした男性。現職の弁護士でもあるが、元々は検察側で検事をしていた、いわゆるヤメ検弁護士。検事時代においては非常に優秀であり、ヤメ検にならなくても順調にキャリアを積んでいればエリートとして将来を約束されていたことから、警察・法曹界の事情通間では変わり種のヤメ検として知られている。弁護士としての責務を果たした上で弁護対象者が正確に裁かれることを望んでおり、依頼人に対しても依頼を受ける前にまず法的な措置を勧めることが多い。最近ではネット関係の仕事がメインとなりつつあるが、標的が関わる事件の被害者の会の弁護士も務めることもあり、家族を亡くして感情的になる遺族に説得を働きかけたりしている。 瑠璃とは『新』ACT・6で兄である誠から引き継いだ小泉の仕事を代わりにこなしたことで接触を図ろうと考えている描写があったが、どのような形で接触したかまでは描かれていない。のちに瑠璃を巻き込んだ(裏の世界に関わることとなった)ことで誠から恨まれているだろうと呟いている。 間も同様にどのような経緯で接点を持ったかは現時点で不明だが、表の仕事が順調でいわゆる「開店休業中」だったときは画材の買い出しに出る日を狙って顔を出していた。仕事を依頼する際は巻紙に依頼者と標的の名前が書いてあるタバコを差し出す。間ほどではないが喫煙者でもある。 闇狩人の「つなぎ屋」としては瑠璃の後見人やトレーナーのような立場にもあり、その立場から『新』LAST ACTにおいては瑠璃の「親殺し」を看過できず、間に瑠璃の正体を明かして緊急の依頼を出した。 のちに発覚する修の病状についてはどのタイミングで聞いていたかは不明だが確認している模様で、病状が芳しくないことから焦りを感じているのではないかと修に聞いている。 1年中常に同じスーツを着ているが、クローゼットの中には同じ仕立てのスーツが複数着用意されている。 下の名前は2018年6月の坂口のTwitterで出した名前が公式のフルネームであることを『Δ』単行本6巻巻末にて記されてある。『Δ』LAST ACTで名前の『智』が「さとる」ではなく「とも」のルビが振ってあったが、単行本では「さとる」に修正されている。
※この「『新/⊿』の闇狩人及び関係者」の解説は、「闇狩人」の解説の一部です。
「『新/⊿』の闇狩人及び関係者」を含む「闇狩人」の記事については、「闇狩人」の概要を参照ください。
- 『新/⊿』の闇狩人及び関係者のページへのリンク