『新』長編の主要人物
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仁科 春樹(にしな はるき) ACT・4 - 6の主要人物の一人で、秋月が馴染の客としてタバコを買いに行くコンビニの店員。だが真の正体は記憶を失った殺人犯であり、瑠璃の兄である誠を交通事故に巻き込んだ張本人。 1年近く前に好意を寄せていたアルバイト先の同僚で大学生の倉持唯(くらもち ゆい)の結婚話に激高し、それを阻止すべく唯の家に乗り込んで両親と婚約者を殺害、証拠隠滅のため火をつけようとしたところ漏れていたガスに引火して爆発。そのショックで記憶喪失となる。そのため起訴されるも自供を得られず裁判は一時中止となり、別人格として仮の生活を送っていた。 記憶が戻った事で、逆にその間の記憶を失い戸惑いながらも、用意されていた手紙や日記を利用して記憶を失ったふりを続けて唯とよりを戻そうと探し出すが、倉持家の墓前で唯が亡くなったことを知り茫然としていたところに現れた秋月から記憶が戻ったことを問いただされ、記憶喪失後のことや唯についての全ての真実を聞かされる。その上で裁判を再度受けるか聞かれたところ拒否して襲い掛かったため背後から現れた瑠璃がカッターナイフで首を刺す。そして秋月から自らのしてきた行為について「全てを諦めざるを得なくなった彼女の最後の希望を奪った、ただの悪質なストーカーに過ぎない」と断言されて更に激昂し、首に刺さったカッターナイフを自ら抜いたことによる大量出血で死亡した。 正木 始(まさき はじめ) ACT・7 - 10「INTERSECTION」編の主要人物で、町工場で働く21歳の青年。15年前に三枝将が請け負った依頼で殺した男・正木徹の息子。2年前に母親を失う。父親の死から15年間虚無的に生きてきたが、6億円の宝くじに当選。その資金で多数の殺し屋に将殺しを依頼する。工場ではプリント基板の加工を担当しており、その技術で意図的にバッテリーが破裂するよう改造したフィーチャー・フォン(ガラパゴス携帯)を殺し屋との連絡用に配っていた。 ターゲットを狙って第3者を巻き込む真似をした殺し屋を前述の携帯を使って殺害するが、その殺し屋の家族が犯罪者の身内と発覚して苦しんでいるのを目の当たりにして思い悩むなど本人はいたって善良。闇狩人から立て続けに依頼を断られたことで自分の父も悪人だったのかと疑問を持つが、ターゲットである将本人から真相を知らされ、それを聞いて安堵した矢先に彼の資金を狙った殺し屋に狙撃された上、喉を切り裂かれる。命のあるうちに最後の力で依頼をすべてキャンセルし、現場に駆け付けた秋月と瑠璃に仕事を依頼した。奪われそうになった資金(5億7626万2000円)は彼の遺言を受け取った瑠璃の手で事故犯罪遺児支援団体に寄付された。 菊地 次郎(きくち じろう) ACT・11 - 12「バトン」編の主要人物。54歳。16歳(高校2年)の時に同級生の女子生徒を「誰でもいいから、人を殺してみたかっただけ」という理由で殺害し、14年の実刑判決を受ける。出所して2年後に住んでいたアパートの隣人を殺害してアパートに放火。13人に及ぶ死傷者を出して逃亡。殺人罪の時効が撤廃される前年に時効が成立し、現在は川崎市郊外で農業をしながら暮らしている。 実際には現在も享楽的な殺人を続けており、いなくなっても騒がれることのない不法就労者やホームレス、更には依頼を受けた闇狩人も少なくない数を返り討ちにしている。被害者の遺体は生ごみ処理用のコンポストで処分している。農業をしているのも武器として転用しやすい園芸用具を揃えるためという側面が強く、闇狩人すら殺害対象の方から来てくれると歓迎している根っからのシリアルキラー。秋月曰く「危険なうえに狡猾かつ大胆」と瑠璃に注意を促し、権田との戦いの様子を見た瑠璃も「対応力の凄さと躊躇のないところ」に怖さを感じていた。最初の殺人事件被害者の恋人からバトンを受け、3年掛けて探し当てた権田も返り討ちにするが、さらにバトンを受け取った修と戦っていた際に後ろから瑠璃に仕留められた。 権田(ごんだ) / ゴンさん ACT・11 - 12「バトン」編の主要人物の一人で、喜多川の乾橋の下に住むホームレス。菊池次郎の2歳上、下の名前は不明。ホームレス仲間からは「ゴンさん」と呼ばれており、スクーターで炎天下を長距離走って倒れた修を助ける。修曰く「命の恩人」。 40年近く前に菊池に殺害された後輩の女子生徒(氏名不詳)と、仇討ちのために菊池の居所を突き止めたものの、志半ばで倒れた中学からの友人である中島(なかじま)のために菊地を長年探していた。修からは闇狩人を探したほうがいいと勧められるも、「闇狩人を頼るのは自分が死んでから」と言い、せめて自分の手で一発殴らないと気が済まないと返す。その後、3年間の放浪の末に漸く菊地の居所を突き止め、修に後を託す手紙を遺して菊地の家に向かい、返り討ちにされる覚悟のもと「自分の手で一発入れる」目的のために菊地に挑む。結果的には帰らぬ人になるもその目的は果たした。 菊地に挑む直前に自らを振り返り、3年の放浪で出会った人たちに思いを馳せる。自身についても「父親は7年前に死亡、認知症になった母親は退職金で介護施設に入れた(だから自分が殺人犯になっても返り討ちに遭ったとしても、悲しむことはないだろう)」と、中島へは「俺はこの世で殺す、お前はあの世で殺せ」と呟いている。 『⊿』ACT 10では依頼人である老人の身の危険を察知し現場に向かう修の脳裏に浮かんだ姿としてもう一人のホームレス仲間だった健さんと共に登場している。
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