『新しい記録と良き統治』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/28 08:34 UTC 版)
「ワマン・ポマ」の記事における「『新しい記録と良き統治』」の解説
ポマの『新しい記録と良き統治』はコペンハーゲンのデンマーク王立図書館の古記録コレクションと題された記録紙の中に埋もれており、ドイツゲッティンゲン大学教授リヒャルト・ピーチュマンによって1908年に「発見」された。ピーチュマンは1912年にロンドンで開催された「アメリカニスト会議」にてこの手稿を発表、研究者の間にワマン・ポマという人物の存在が知られる事となる。その後フランスのポール・リヴェーによって1936年、『新しき記録と良き統治』は公刊されることとなった。 しかしこの当時重要視されたのはポマが本当に訴えたかったスペイン征服史の裏側に潜んだ問題提起や証言ではなく、プレインカ時代に関するアンデスの歴史や文化に関しての部分であり、そしてそれらを伝える為に豊富に用いられていたポマの挿絵であった。これに異を唱えたのがメキシコのミゲル・レオンであり、彼の独自の解釈によって提唱された『征服の裏側』によって被征服者であるインディオから見たスペイン征服を知る上での重要な証跡史料としてその価値を見直されるようになった。 『新しい記録と良き統治』は目次を含め1179ページから成り、そのうち456ページを挿絵が占める。本作は大きく二部で構成されており、435ページまでが『新しい記録』と名付けられた古代からスペイン人征服までのアンデスの歴史を綴るもので、以降が『良き統治』と名付けられたスペイン支配下でインディオが受けた虐待行為や搾取の告発とその改革案から成っている。
※この「『新しい記録と良き統治』」の解説は、「ワマン・ポマ」の解説の一部です。
「『新しい記録と良き統治』」を含む「ワマン・ポマ」の記事については、「ワマン・ポマ」の概要を参照ください。
- 『新しい記録と良き統治』のページへのリンク