海岸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 23:20 UTC 版)
海岸の環境と生物
海岸にはたくさんの生物がすんでいるが、それらの生物は潮の満ち引き具合、海岸の底質(干潟・砂・岩礁)、食物の分布などに応じて細かくすみわけている。岩礁の場合、水準によって岩の上に付着する生物が違うため、帯状分布が観察しやすい。
海岸の生物の生息場所を表す方法のひとつとして、潮の満ち引きによる区分がある。満潮時の海岸線を満潮線、干潮時の海岸線を干潮線とよび、海岸をその2つの線で区切ると以下3つの地帯ができる。
- 潮上帯
- 満潮線より上の地帯で、いつも陸上となる部分。飛沫帯(ひまつたい)ともいう。ふつうの植物は塩分に弱いので海岸から距離を置く必要があり、植物が生えきれない砂浜や岩場は乾燥が激しい。よってここには乾燥と潮風に耐えうる生物だけが生息できる。
- 潮間帯
- 満潮線と干潮線の間の地帯で、1日のうちに陸上になったり海中になったりする部分を潮間帯という[9]。河川や海水が無機塩類を運搬するうえ潮が引くと日光がよく当たる。生物にとって栄養と太陽光は充分だが、日射や降水によって塩分濃度や温度が急激に変わり、また強い波浪にも対応する必要がある。よってここには環境の変化に強い生物が多い。干潮時に海水が残る部分を潮だまりといい、生物の生活の上では重要である。
- 潮下帯
- 干潮線より下の地帯で、いつも海中となる部分。生物にとっては安定した環境だが、干潮線の直下などでは強い波浪に対応する必要がある。
- 海岸の型
- 生物にとっての海岸は、その地形や条件によって異なり、それは地理的な分類とはまた異なっている。また、どの生物を中心に考えるかによっても、見方が違う場合がある。
- ^ a b c “海岸 > 渚にまつわるetc > 用語集”. 茨城県. 茨城県. 2020年5月9日閲覧。
- ^ a b ミシマ社: 松本健一『海岸線の歴史』p.26-p.27
- ^ [1]
- ^ a b c “海岸工学 講義スライド 第2回(海岸形状と港湾構造物)” (PPT). 山口大学工学部社会建設工学科水工学研究室. 2020年5月9日閲覧。
- ^ 「かいがん‐せん【海岸線】」 大辞泉[リンク切れ]
- ^ 豊島吉則 「海岸線(かいがんせん)」 日本大百科全書(小学館)[リンク切れ]
- ^ ミシマ社: 松本健一『海岸線の歴史』p.18
- ^ ミシマ社: 松本健一『海岸線の歴史』p.30
- ^ “沿岸海域土地条件図 地形区分等”. www.gsi.go.jp. 国土地理院. 2020年5月9日閲覧。
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