営業職 営業職の概要

営業職

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/07 09:35 UTC 版)

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概説

販売を主たる業務とするが、ひと口に営業職と言っても、実際にはその仕事内容は様々であり[1]業界業種、扱う商品サービスあるいは会社の規模などによって大きく異なるともされる[2]。ただし、いずれにせよ、営業職の原点は、人と人とのお付き合いであるという点では同じ[3]とも、「コミュニケーション能力」と「意思決定を促す力」が必要とされる点では同じだ[4]ともされる。

切り口により、営業の分類はさまざまである。決まった契約済み顧客を回る「ルートセールス」と「新規開拓営業」[5]、顧客の種別による「法人営業」と「個人営業」[6]、活動地域による「国内営業」と「海外営業」などである。訪問形態による「アポあり」と「アポ無し」などの分類がなされることもある。

営業職に専従する者は俗に「営業マン」、「営業員」と称される。個人消費者の自宅を訪問して営業活動を行う者は、特にセールスマンセールスウーマンとも呼ばれる。一方、企業、あるいは個人事業主を訪問する法人営業を行う者は、営業マンと呼ばれることが多い。

営業職の内容

営業職従事者の主たる業務は自社の商品を販売する事であるが、加えてそれに付随する作業全般も含まれるため、販売だけでなく企画調査接待アフターサービスといった要素を求められることもある。企業によっては、営業職と企画や広告職、宣伝職を区別しない事がある。特に小規模事業所では、技術職以外の事務、庶務等も行う事までもある。営業職には多様な要素が含まれているため、ある程度、役割が分担されている事も多い。なお、営業事務職は本来、営業部局でのデータ作成・分析や営業マンへの連絡が主な業務であり外回りはしない事が多い。しかしさまざまな理由から、実際は営業職であるにも拘らず「営業事務」として求人が掛けられていることも多い。

新規客を開拓するセールスマンの多くは、事前のアポイントメント(面会の約束。"アポイント"は誤用。略称アポとも)なしで一方的に訪問する(俗に言う飛び込み)ことが多く、営業活動や取引契約に際して、しばしばトラブルの原因ともなる。また、アポに基づいて訪問するタイプの営業であっても、元のアポ自体はほとんどの場合強引な無差別電話勧誘(テレマーケティングの一部)によるものであり、こちらもトラブルの原因となっている。個人宅への営業活動は押し売りなど消費者とのトラブルも多く、訪問販売の一つの形態として特定商取引に関する法律が適用され、消費者保護が図られている。また、最判平成20年4月11日によれば、飛び込み営業が住居侵入罪に該当する可能性も出てきた。

一般に営業職の行う作業には以下のようなものがある。

顧客の開拓
営業による新規顧客の開拓手法としては、見込み顧客へ営業を掛けて積極的に売り込む方法と、広告を出して顧客からの反応を待つ方法、および両者を併用する方法の3通りがある。それぞれの例を挙げると、売り込み型は事務機器リフォーム配置薬企業間取引、待ち型は注文住宅(住宅展示場)、併用型はマンション販売である。
営業先の選定方法は、既存顧客からの紹介や名簿の購入など業種により様々である。
約束のない相手に営業活動を掛ける事を「飛び込み営業」という。電話をかけてアポイントメントを取ること、または商品やサービスを売り込むことだけに専念する「電話営業」を行う部署や、それを専門に請け負う会社も存在する(コールセンターのアウトバウンド業務など)。
商品の売り込み
各種のプレゼンテーションを行って、潜在顧客に商品を購入してもらう。商品の性能だけでなく、自社のブランド、用途の提案、他社商品との比較、個人的信頼関係の構築など様々な角度からの売り込みが行われる。
売込みにはコミュニケーション能力だけでなく、商材の内容・特徴を熟知している事が求められる。自社以外の商品を売り込む営業を代理店営業と呼ぶ。代理店営業では複数社の商品を扱う事も多く、商品間の差異をより正確に把握しておく必要がある。
顧客のニーズに合わせた商品提案、もしくは潜在ニーズを顕在化させる商品提案を行う営業を「企画営業」「提案営業」と呼ぶ事がある。
契約の締結
他部門(法務、財務、総務)と協力して、必要な契約書を作成する。
既存の顧客ケア
自社を代表して、既に商品を購入した顧客との窓口になる。営業職は、販売までの過程により顧客と接している事が最も多く、販売後も引き続き窓口になった方が効率的である事が多い。
大量販売商品を扱う場合は、コールセンターと呼ばれる専門の顧客相談窓口が用意される事がある。
製品開発部門と顧客との橋渡し
顧客から得られる情報には、商品に対する問題点や新たなニーズなどの有益な情報が含まれる事が多く、適切な部門へのフィードバックが求められる。
顧客と製品開発部門とは求めている方向性が違う(要求と技術的解法)ため、意思疎通が難しい場合もある。又、専門性の強い商品の場合、営業活動にあたって技術的な部分のやり取りが必要となる事が多い。そのため、技術の分かる営業が中に入って、双方の言葉を翻訳、あるいは営業活動のサポートをする事が求められる。このような作業を行う営業を「技術営業」「セールスエンジニア」と呼ぶ事がある。
販売促進・調査
販売活動を効果的に行うために、市場調査や、各種広告を行う。マーケティングや商品企画といった専門の部署で行われる事が多い。
予算管理、スケジュール管理
営業には、達成すべき予算が割り振られる事が多く、目標予算に対する現在の進捗度などを管理する必要がある。又、営業活動は複数の相手に対し同時並行的に行われる事が多いので、そのスケジュール管理も重要になる。

営業職の成立

現代のような営業職が成立した理由の一つとして、社会的分業システムの深化が挙げられる。大規模化した企業を効率的に運営するために分業化が進み、営業職は事務職や販売職、製造部門(技術職)と分離され独立した。営業職を独立させる事により、効率的な生産が可能になった他、プレゼンテーション技法の高度化などがもたらされた。しかし、営業と製造部門を分離しすぎたため、売るべき製品に対する営業職従事者の愛着が失われ、モチベーション低下を招いている例もある。




  1. ^ 永井滋『今日から営業マン』
  2. ^ 『営業職大事典』p.6
  3. ^ 永井滋『今日から営業マン』p.11
  4. ^ 小笹芳央『モチベーション・マネジメント』p.29
  5. ^ 「近代中小企業 2007年3月号」p.11
  6. ^ ビジネス自体は「B to B」、「B to C」と区分することがある
  7. ^ 中村亜紀子、錦戸典子 他「営業職における抑うつの実態と関連要因」(産衛誌 47巻)


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