五千円紙幣 2024年度発行予定の新紙幣

五千円紙幣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/01 14:17 UTC 版)

2024年度発行予定の新紙幣

  • 日本銀行券
  • 額面 五千円(5,000円)
  • 表面 津田梅子
  • 裏面 の花
  • 印章 〈表面〉総裁之印 〈裏面〉発券局長
  • 銘板 国立印刷局製造
  • 記番号仕様
    • 記番号色 黒色
    • 記番号構成 記号:英字2文字+通し番号:数字6桁+記号:英字2文字
  • 視覚障害者用識別マーク 上下隅に斜線の連続模様(深凹版印刷)
  • 寸法 縦76mm、横156mm
  • 発行開始日 2024年(令和6年)上期予定
  • 未発行

2024年(令和6年)上期を目処に、偽造抵抗力の強化やユニバーサルデザインへの対応など目的として[29]一万円券・五千円券・千円券の3券種が同時に改刷される[45]。これまでの例に従えば「F号券」と呼ばれると推測される。

刷新後の五千円紙幣はD五千円券E五千円券と同様の紫色系を基調とした色合いで[46]、表面の肖像は教育者の津田梅子[47]、裏面は日本固有種の植物である藤の一種のノダフジ(野田藤)[48]の花が描かれた図案に変更予定である。

表面の肖像画・透かし・額面の基本的なレイアウトはD五千円券のものに似た配置に戻されたほか、D号券・E号券では漢数字で額面が記載されていた箇所にアラビア数字で「5000」と大きく描かれ、漢数字による額面の「五千円」は左上隅に、従来右上隅にあった「5000」の額面は右下隅に入れ替わる形で配置されている。裏面の右上隅のアラビア数字も非常に大きく描かれており、従来の日本銀行券とは印象が大きく異なる。

記番号も9桁から「AA000001AA」のような形式の10桁に変更される[47][注 6]

公表されている新たな偽造防止技術としては、高精細すき入れ模様とストライプタイプのホログラムが導入される予定である[49]。高精細すき入れは、津田梅子の肖像の透かしの背後に緻密な格子模様をすき入れたものである[50]。ホログラムの図柄は3Dホログラムで、見る角度によってホログラムの図柄の津田梅子の肖像の顔の向きが連続的に変化して回転しているように見えるものであり、紙幣の偽造防止対策として採用されるのは世界初である[50]。この他、E号券でも搭載されていた、マイクロ文字特殊発光インキ深凹版印刷潜像模様、パールインク、すき入れバーパターン等の偽造防止技術も引き続き採用される[51][52]

視覚障害者のための識別マークは券種識別性向上のため形状が変更され、左右隅に深凹版印刷による斜線の連続模様が配置されている[49]。また券種ごとにホログラムや透かしの位置を変えるなど識別マーク以外でも区別しやすいよう考慮されている[49]

券面の寸法については変更すると自動販売機ATMなどの紙幣取扱機器への影響が大きいため、従来通りとなっている[46]

2019年(平成31年)4月9日に改刷が発表され[45]2021年(令和3年)11月26日より新五千円券の製造が開始された。発行予定日の5年も前に改刷が発表され2年半ほど前から製造されたのは、前回のE号券への改刷時に準備期間が短かったために自動販売機やATMの改修が間に合わず半数程度しか対応できなかった反省から[53]、自動販売機やATMその他の新紙幣を扱う各種機器の改修の際にテストを入念にし、障害やトラブルが起きないようにするためとされる[54]

2021年(令和3年)9月に発表された新五千円券の見本のデザインでは、2019年(平成31年)4月の改刷発表当時に公表された当初のラフスケッチ[45]からの変更点として、表面の額面金額の大きなアラビア数字「5000」の下の発行元銀行名「日本銀行」の文字の更に下に「BANK OF JAPAN」の発行元銀行名の英語表記が追加されているほか、視覚障害者のための識別マークの斜線が9本から11本に増やされている[55]


注釈

  1. ^ 日本銀行本店3号館は1938年(昭和13年)建築。
  2. ^ B号券以降の日本銀行券の中で記番号が4ヶ所に印刷されている紙幣は、この紙幣とC一万円券のみである。
  3. ^ 改造紙幣には神功皇后の肖像が描かれていたが、これは日本銀行券ではなく政府紙幣であった。また、二千円券の裏面には紫式部が描かれているが、これは肖像画ではない。
  4. ^ マイクロ文字、特殊発光インキ、深凹版印刷、潜像模様、パールインク等。
  5. ^ このほか、E一万円券は「左下隅L字・右下隅逆L字」、D二千円券は点字の「に」を模した「丸印が縦に3つ」、E千円券は「横棒」の識別マークである。
  6. ^ B号券からE号券までの紙幣では全券種ともに製造番号の両端の英字が各1桁、つまり「A000001A」から始まっていた。「Z900000Z」まで使い果たすと左側の英字だけ「AA」と2桁に変わるが、右端の英字は必ず1桁であったため最終番号は「ZZ900000Z」となり、それを使い果たすと文字色を変更して「A000001A」に戻る形式だった。新紙幣では1桁制が廃止され両端とも初めから2桁の英字、すなわち「AA000001AA」から製造開始される形となった。

出典

  1. ^ a b c d e 現在発行されていないが有効な銀行券 五千円券” (日本語). 日本銀行. 2021年6月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 1957年(昭和32年)9月17日大蔵省告示第200号「昭和三十二年十月一日から発行する日本銀行券五千円の様式を定める件
  3. ^ a b c d e f 大蔵省印刷局 『日本銀行券製造100年・歴史と技術』大蔵省印刷局、1984年11月、306-313頁。 
  4. ^ 大蔵省印刷局 『日本のお金 近代通貨ハンドブック』大蔵省印刷局、1994年6月、242-255頁。ISBN 9784173121601 
  5. ^ 植村峻 2015, pp. 215–216.
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 植村峻 2015, pp. 216–222.
  7. ^ “悲鳴を上げる窓口 小銭扱う興行街や駅など”. 朝日新聞 朝刊 (東京): pp. 7. (1953年9月3日) 
  8. ^ 日本銀行調査局 『図録日本の貨幣 9 管理通貨制度下の通貨』東洋経済新報社、1975年、219-220頁。 
  9. ^ 日本銀行調査局 『図録日本の貨幣 9 管理通貨制度下の通貨』東洋経済新報社、1975年、214-216頁。 
  10. ^ 日本銀行調査局 『図録日本の貨幣 9 管理通貨制度下の通貨』東洋経済新報社、1975年、218-221頁。 
  11. ^ 日本銀行調査局 『図録日本の貨幣 9 管理通貨制度下の通貨』東洋経済新報社、1975年、190頁。 
  12. ^ 植村峻 『紙幣肖像の歴史』東京美術、1989年11月、198-203頁。ISBN 9784808705435 
  13. ^ a b c d e f g h i j k l 1984年(昭和59年)6月25日大蔵省告示第76号「昭和五十九年十一月一日から発行する日本銀行券壱万円、五千円及び千円の様式を定める件
  14. ^ 鈴木和三郎 『日本の現行貨幣 収集の手引き』内外貨幣研究会、2011年11月、72頁。 
  15. ^ a b c d e f 植村峻 2015, pp. 232–234.
  16. ^ a b 植村峻 2015, pp. 234–237.
  17. ^ a b c d 植村峻 2015, pp. 239–241.
  18. ^ a b c 植村峻 2015, pp. 243–244.
  19. ^ a b c d e f g 1993年(平成5年)6月24日大蔵省告示第134号「平成五年十二月一日から発行する日本銀行券壱万円、五千円及び千円の様式を定める件
  20. ^ a b c d e f g 植村峻 2015, pp. 248–249.
  21. ^ a b c d e 2001年(平成13年)3月30日財務省告示第85号「平成十三年五月十四日から発行する日本銀行券壱万円、五千円及び千円の様式を定める件
  22. ^ a b c d e 2003年(平成15年)6月13日財務省告示第482号「平成十五年七月一日から発行を開始する日本銀行券壱万円、五千円及び千円の様式を定める件
  23. ^ a b c 植村峻 2015, pp. 245–246.
  24. ^ 大蔵省印刷局 『日本のお金 近代通貨ハンドブック』大蔵省印刷局、1994年6月、162-164頁。ISBN 9784173121601 
  25. ^ 大蔵省印刷局 『日本のお金 近代通貨ハンドブック』大蔵省印刷局、1994年6月、195-196頁。ISBN 9784173121601 
  26. ^ 植村峻 2015, pp. 246–247.
  27. ^ "追跡・聖徳太子拾万円札プラン 日の目見なかったデザイン再現"『朝日新聞』1988年12月6日
  28. ^ a b c d e f g h i j 2004年(平成16年)8月13日財務省告示第374号「平成十六年十一月一日から発行を開始する日本銀行券壱万円、五千円及び千円の様式を定める件
  29. ^ a b 向山勇 2019, p. 3.
  30. ^ 大内聡 2004, p. 19.
  31. ^ a b 植村峻 2015, pp. 261–264.
  32. ^ 大内聡 2004, pp. 21–22.
  33. ^ a b 植村峻 2015, pp. 265–267.
  34. ^ 大内聡 2004, pp. 22–23.
  35. ^ a b 大内聡 2004, pp. 19–20.
  36. ^ a b c 植村峻 2015, pp. 275–277.
  37. ^ 植村峻 2015, pp. 270–273.
  38. ^ a b c 大内聡 2004, p. 20.
  39. ^ お札識別アプリ「言う吉くん」
  40. ^ 識別性向上のため、五千円券のホログラムを改良しました。”. 国立印刷局. 2021年9月28日閲覧。
  41. ^ a b “新様式の日本銀行券5千円券の発行開始日を決定しました” (プレスリリース), 財務省, (2013年12月2日), https://www.mof.go.jp/policy/currency/bill/issued/20131202.htm 2014年3月3日閲覧。 
  42. ^ a b c 2013年(平成25年)12月3日財務省告示第374号「平成二十六年五月十二日から発行を開始する日本銀行券五千円の様式を定める件
  43. ^ 福沢諭吉の1万円札、製造終了…渋沢栄一の新紙幣は6月から量産中”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2022年11月4日). 2022年11月5日閲覧。
  44. ^ a b 植村峻 2015, p. 273.
  45. ^ a b c d 新しい日本銀行券及び五百円貨幣を発行します” (日本語). 財務省. 2019年4月9日閲覧。
  46. ^ a b 向山勇 2019, p. 9.
  47. ^ a b 政府、紙幣刷新へ 1万円札は渋沢栄一” (日本語). 日本経済新聞. 2019年4月9日閲覧。
  48. ^ 新五千円札裏面の「ノダフジ」 実は大阪・福島発祥” (日本語). 産経新聞. 2021年4月14日閲覧。
  49. ^ a b c 向山勇 2019, p. 6.
  50. ^ a b 西方建一、堀納隆成 (2021年10月). “新日本銀行券印刷開始式について”. 広報誌 ファイナンス. 財務省. 2021年11月22日閲覧。
  51. ^ 偽造防止技術~4つの「分かる」~”. 日本銀行. 2022年2月11日閲覧。
  52. ^ 新しい日本銀行券と現行の日本銀行券の比較”. 日本銀行. 2022年2月11日閲覧。
  53. ^ 向山勇 2019, p. 10.
  54. ^ 新1万円札の実物を初披露、流通は24年度上期めど”. 朝日新聞デジタル. 2021年9月2日閲覧。
  55. ^ 新しい日本銀行券の外観 - 新五千円券”. 日本銀行. 2021年9月30日閲覧。
  56. ^ a b 新たな1万円札と「キャッシュレス化」”. 公益財団法人 国際通貨研究所 (2021年4月). 2021年9月26日閲覧。






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