E号券
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/23 14:35 UTC 版)
E号券(イーごうけん)は、日本銀行券(紙幣、お札)の種類の一つ。E券とも呼ばれる[1]。券種は、E一万円券・E五千円券・E千円券の3種である。D号券の後継として、2004年(平成16年)11月1日発行開始[2]。後継としてF号券が発行された2024年(令和6年)7月現在もE号券は発行中であるが、F号券が十分に出回ったと日本銀行が判断したときに発行が終了する予定である。
E号券の一覧
券種 | 表面 | 裏面 | 発行開始日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
E一万円券 | ![]() 福澤諭吉 |
![]() 平等院鳳凰堂鳳凰像 |
2004年(平成16年)11月1日[2] | 発行当初は記番号黒色。 記番号の組み合わせ枯渇のため、2011年(平成23年)7月19日より記番号褐色のものが発行開始。 |
E五千円券 | ![]() 樋口一葉 |
![]() 尾形光琳筆『燕子花図』 |
2004年(平成16年)11月1日[2] | 発行当初は記番号黒色。 マイナーチェンジのため、2014年(平成26年)5月12日より記番号褐色のものが発行開始。 |
E千円券 | ![]() 野口英世 |
![]() 富士山と桜 |
2004年(平成16年)11月1日[2] | 発行当初は記番号黒色。 記番号の組み合わせ枯渇のため、2011年(平成23年)7月19日より記番号褐色のものが発行開始。 記番号の組み合わせ枯渇のため、2019年(平成31年)3月18日より記番号紺色のものが発行開始。 |
脚注
注釈
出典
- ^ “お札が「E一万円券」、「D千円券」などとアルファベットを付けて呼ばれることがあると聞きましたが、なぜですか?”. 日本銀行. 2022年11月19日閲覧。
- ^ a b c d 2004年(平成16年)8月13日財務省告示第374号「平成十六年十一月一日から発行を開始する日本銀行券壱万円、五千円及び千円の様式を定める件」
E号券
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 15:24 UTC 版)
2004年(平成16年)8月13日の財務省告示第374号「平成十六年十一月一日から発行を開始する日本銀行券壱万円、五千円及び千円の様式を定める件」で紙幣の様式が定められている。主な仕様は下記の通り。 日本銀行券 額面 千円(1,000円) 表面 野口英世 裏面 富士山(本栖湖に映る逆さ富士)と桜 印章 〈表面〉総裁之印(特殊発光インキ) 〈裏面〉発券局長 銘板 国立印刷局製造 記番号仕様記番号色 黒色/褐色/紺色(製造時期により3種類あり) 記番号構成 記号:英字1 - 2文字+通し番号:数字6桁+記号:英字1文字 視覚障害者用識別マーク 横棒(深凹版印刷、左下隅・右下隅) 寸法 縦76mm、横150mm 発行開始日 2004年(平成16年)11月1日 発行中 有効券 D号券3券種の発行開始からおよそ20年が経過し、印刷技術の革新や複写機やイメージスキャナ、コンピュータの画像処理ソフトウェアなどの普及・高性能化を背景に2002年(平成14年)頃から偽造券の発見が急増するようになってきたことや、諸外国でも新たな偽造防止技術を盛り込んだ紙幣が1990年代末期以降続々と発行されており、日本だけが旧世代の紙幣の発行を続けると国際的な偽造団による標的となる恐れがあることを踏まえ、E一万円券、E五千円券、E千円券の3券種が同時に改刷された。 表面右側に細菌学者の野口英世の肖像が描かれており、裏面左側には日本を代表する山である富士山および本栖湖に映る逆さ富士の風景が描かれている。これは写真家の岡田紅陽が山梨県南巨摩郡身延町の本栖湖畔で撮影した「湖畔の春」という写真を基にしたものであり、原画はD五千円券と同じではあるものの、風景の細部が若干異なるほか左側にあった赤松に代えて桜花が描き加えられている。この他、地模様として裏面右端の方にも桜花があしらわれている。 偽造防止技術にはD二千円券に新たに採用されたもののほとんどが採用されたが、このうちパールインクはE一万円券、E五千円券と同様に券の左右両端に配置されている他、E千円券ではさらに左下の潜像模様に重ねて「千円」の文字として印刷されている。また新たに表から見て右側に用紙を薄くしてすき入れした「すき入れバーパターン」が採用され、E千円券には肖像の右側付近に縦棒のすき入れが1本入っている。特殊発光インキについては表面の印章および地紋の一部に紫外線発光インクを採用しており、ブラックライトを照射すると表面の印章「総裁之印」がオレンジ色に発光する他、表面・裏面の地模様の一部が黄緑色に発光する。ミニ改刷後のD号券と異なり裏面の印章「発券局長」は発光しない。なおE一万円券、E五千円券と異なり、ホログラムは採用されておらず、D二千円券で採用された光学的変化インクも使用されていない。 公式に発表されていないが、表面と裏面に「ニ」「ホ」「ン」(日本)の片仮名がシークレットマーク(暗証)として入っていることが確認できるほか、D二千円券に引き続いてユーリオンも採用されている。 記番号は発行当初黒色で印刷されていたが、129億6千万枚を発行して同色刷の記番号の組合せが枯渇したため、2011年(平成23年)7月19日より記番号が褐色の券の発行を開始した。さらに、この褐色記番号の券も129億6千万枚を発行してその組合せが枯渇したため、2019年(平成31年)3月18日発行分より紺色に再変更された。日本銀行券において、記番号の組み合わせ枯渇によって2回連続で記番号の印刷色が変更されるのは史上初めてである。 E千円券の変遷の詳細を整理すると下表の通りとなる。 発行開始日記番号色変更理由2004年(平成16年)11月1日 黒色 2011年(平成23年)7月19日 褐色 記番号の組み合わせ枯渇 2019年(平成31年)3月18日 紺色 記番号の組み合わせ枯渇 視覚障害者が触覚で券種を識別できるようにした識別マークについてはD一万円券、D五千円券、D千円券で採用されていた透かしによるものから変更され、紙幣の表面下端の左右に深凹版印刷によりインクを盛り上げて凸凹を感じられるようにした方式が取られている。E千円券には「横棒」の識別マークが施されている。また国立印刷局によりスマートフォンで金種の判別・読み上げができるアプリ「言う吉くん」を提供されている。 透かしは肖像と同じく野口英世である。紙幣用紙は三椏やマニラ麻などを調合したものが用いられている。 使用色数は、表面13色(内訳は凹版印刷による主模様2色、地模様9色、印章1色、記番号1色)、裏面7色(内訳は凹版印刷による主模様1色、地模様5色、印章1色)となっている。基調となる色はD号券と同系統の色調を受け継いでおり、E千円券はD千円券と同じく青色系の色合いとなっている。
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