手まりとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 手まりの意味・解説 

て‐まり【手×鞠/手×毬】

読み方:てまり

まるめた綿を(しん)にし、その上色糸巻いたまり。また、それを手でつく遊び今は表面彩色施したゴム製のものが多い。《 新年》「焼跡遺る三和土や—つく/草田男

手鞠花(てまりばな)」の略。


手まり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/19 02:46 UTC 版)

手鞠
手まり遊び(明治時代)

手まり(てまり・手毬・手鞠)は、日本に古くからある遊具・玩具(おもちゃ)の一つである。「新年」の季語。当初は、芯に糸を巻いただけの物であったが、16世紀末頃より、芯にぜんまい綿などを巻き弾性の高い球体を作り、それを美しい糸で幾何学模様に巻いて作られるようになった[注 1]ソフトボールよりやや大きく、ハンドボールよりやや小振りのものが多い。

婦人や女児が屋内外で、下について遊んだ。室内ではひざまずいてつくこともある。江戸時代中期以後とりわけ流行し[1]、特に正月の日の遊びとして好まれた[2]

明治時代中期頃からゴムが安価になり、よく弾むゴムまりがおもちゃとして普及して、手でつく(地面にバウンドさせる)か、あるいは、空中に打ち上げて遊ぶ。女児のおもちゃで、江戸から明治期には正月の遊びとされたが、現在では通年の遊びとなっている。

蹴鞠と手まり

日本には、「まり」と呼ばれるものが2つある。ひとつは蹴鞠で、これは2枚の鹿の皮を縫い合わせて作り、主に男子の貴族が楽しむスポーツまたは神事として行われた。もう一つが手まりで、女児の遊びであるが、江戸時代には男児も一緒に楽しむことがあった。歌人としても知られる越後の禅僧・良寛は子供たちとよく手まりで遊んだ。

ゴムまり

ゴムまりとは、弾力の強いゴムで作った中空のボールである。20世紀に入ってから急速に普及した。1909年に発表された夏目漱石の小説『それから』に護謨毬(ごむまり)という語句が見える[注 2]

それまでの、木綿を芯にした手まりは、よく弾ませるにはよほどの力が必要で、幼い子はしゃがんで[注 3]1か1尺3寸くらいの高さでついていたが、護謨毬なら3尺くらいからでも楽につけ、楽しさも数倍になった。この頃から戦後まで、まりつきは最も人気のある女児の遊びだった。多くの手まり歌が作られたのも、明治後期である。

おもちゃから工芸品へ

手まりの製造

近年では、おもちゃとして遊ばれる事は少なくなっており、伝統工芸品の手まりが装飾品として喜ばれている。

伝統的手まりの生産地

伝統に沿った手まりの産地は北海道以外の日本各地に知られていて、南部姫鞠(青森県八戸市)、本荘ごてんまり(秋田県由利本荘市)、御殿まり(山形県鶴岡市)、栃尾手まり(新潟県長岡市栃尾)[3]、野州てんまり(栃木県宇都宮市)、須坂の手まり(長野県須坂市)、松本てまり(同松本市)、加賀てまり(石川県金沢市)、小松の口かがり糸まり(静岡県浜松市)、紀州てまり(和歌山県和歌山市田辺市など)[4]、松山姫てまり(愛媛県松山市)、博多てまり(福岡県福岡市)、肥後てまり(熊本県熊本市)、琉球手まりなどがある。[5]

琉球手まり

沖縄県には、ウチナーグチで「マーイ」と呼ばれる琉球手まりが伝わっている。紅型琉球舞踊を模すなどした独特の文様で飾る。女児が13歳になると祖母や母親が手作りのまりを贈る「十三マーイ」という風習があった[6]

参照項目

脚注

出典

注釈

  1. ^ これらのまりは、非常に弾性が高くて、よく弾む。例えば野球の硬球も、中はコルクに糸を巻き付けたものを革で包んだ物である。
  2. ^ 「代助は昨夕床の中で慥かに此花の落ちる音)を聞いた。彼の耳には、それが護謨毬を天井裏から投げ付けた程に響いた。」
  3. ^ 平出(1902年)138頁にはふたりの少女が向かい合ってしゃがみ、手まりをついている挿絵がある。まりをついている方の少女は長いたもとを左手で押さえている。もう一方の少女が履物を履いていることから見て屋外である。

参考文献

関連項目


手まり(てまり)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 08:01 UTC 版)

妖怪倶楽部」の記事における「手まり(てまり)」の解説

ステージ6登場その場ピョンピョン飛び跳ねている。

※この「手まり(てまり)」の解説は、「妖怪倶楽部」の解説の一部です。
「手まり(てまり)」を含む「妖怪倶楽部」の記事については、「妖怪倶楽部」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「手まり」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「手まり」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「手まり」の関連用語

手まりのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



手まりのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの手まり (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの妖怪倶楽部 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS