植物種とは? わかりやすく解説

植物種

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 22:04 UTC 版)

エバーグレーズの外来種の一覧」の記事における「植物種」の解説

生態学環境研究分野発展するにつれて外来種以前よりも注目を浴びるようになり、その影響明らかになってきた。20世紀半ば当時外来種に関する知識が、環境はほとんど影響受けない仮定していたので、外来種に関する生物学教科書は、警告よりも満足感の方を多く反映していた。1960年代、トマス・ロッジは、原生種ではない植物動物が南フロリダ生きているという証拠があるが、特に注目するほどではないと記している。しかし、過去数十年間外来種の数とその広がり劇的に増えた。 もともとエバーグレーズ在来植物相として1,301種を抱えていた。それらは熱帯性から亜熱帯性のものであり、約5,000年前フロリダ半島到達した。風、熱帯性植物の大半運んできた。亜熱帯種はより北の方から広がった2010年時点で、それらに追加してフロリダより外来植物が1,392種が同定され,それらはこの地に定着している。意図的にしろ偶然にしろそれらの種が人為的に持ち込まれたのであり、それには様々な経路があった。すなわち農業実験輸送用コンテナ、あるいは自動車への付着などである。南フロリダは、アメリカ合衆国カリブ海および中南米との輸送交通の中心である。1990年1年間で、3億3,300植物マイアミ国際空港入って来ている。アメリカ合衆国農務省フロリダ食糧農業科学大学の双方フロリダ州全体にある研究所植物の実験行っている。 地方、州、連邦政府の機関多額の金を遣ってフロリダから外来種取り去ろうとしており、またこれ以上地域入って来るのを防止しようとしている。フロリダ入って来た植物は「制限付き」か「禁止」かに区分されるが、新し区分考案されており、新区分である「植物危険性分析未承認 (Not Authorized Pending Pest Risk Analysis (NAPPRA))」では、科学者がその外来種が南フロリダ環境与えるかもしれない害を評価することを認めている。フロリダ外来有害植物委員会呼ばれる非営利団体外来種カテゴリー分けた表を作成している。カテゴリーIは、「原生種に置き換わることで原生種の生態系改変し、生態系構造あるいは生態機能変化させ、あるいは原生種と雑種生じるもの」であり、カテゴリーIIは、「量的に分布的にも増殖するが、カテゴリーI見られるほどフロリダ植物生態系変えないもの」となっている。100種以上の植物種がカテゴリIに登録されてきたが、その中でも数種の植物は、繁殖速さによって潜在的な生態系対す破壊力最大であること、群生日陰形成などによって原生植物に取って代わってしまうこと、エバーグレーズ環境対する高い適応能力エバーグレーズ遠く離れた地域まで生息地広げてしまう可能性もしくは既に広げた証拠)といった点で抜きん出ている。 学名和名(英名)原産地 / 導入導入の目的Melaleuca quinquenervia (メラレウカカユプテwhite botlebrush tree) オーストラリアニューギニアソロモン諸島 / 1906年 景観作り排水 エバーグレーズ浸水している土地から吸い上げさせるために、メラレウカの種が航空機撒かれた。1970年代まで優れた景観作る樹木と見なされており、土壌安定化させるためあるいは防風林として運河にそって植えられた。メラレウカ原産地でよりも著しく高く育ち大変に密にを茂らせ、それは翼長大き大型渉禽類その間を羽を広げて飛んで通り抜けられないほどであった。また大変急速に成長した。火や浸水条件にも強い耐性があった。1本の木から1年で2,000個の種を作ることが出来る。管理当局樹木並び孤立させたり、既にある木を伐採したり、除草剤使ったりしてメラレウカ繁茂制限しようとしている。また枯死させる能力があるキジラミ1種(Boreioglycaspis melaleucae)やゾウムシ1種(Oxyops vitiosa)を放ったことで、ある場所では過去10年間でメラレウカ成長85%を減らさせ、それらの場所では植物多様性が4倍になったメラレウカ制御は南フロリダ水質管理地区主要な成果だと考えられ1993年から2008年メラレウカ生息範囲推計2,000 km2 (50エーカー) から1,100 km2 (273千エーカー) まで減少できた。 Lygodium microphyllum イリオモテシャミセンヅルOld World climbing fern直訳すれば「旧世界登りシダ」) 熱帯アジアアフリカオーストラリア / 1958年には既に到来していた 目的不明 イリオモテシャミセンヅル日本では八重山諸島のみに見られシダ類では珍しい他の樹木巻き付く形で成長するエバーグレーズ北部にあるロクサハッチー国定野生生物保護区樹木島(tree island同種の樹木群生する地帯)で、その樹木幾らかを完全に覆い、あるいはより背の低い植生巻き付き在来種芽生え陰にして、樹木埋め込んでしまうことで島を奪い取っててしまった。鹿や亀といった中型から大型動物対す致命的な罠として働いたという証拠もある。野火がこのつるの幾らかを燃やすこともあるが、燃えるつるの部分離れて野火をさらに速く広がらせることもある。つるが林冠まで伸びたときには「火の梯子」が形成され糸杉その他の木な耐火性があるはずの高さよりも上まで火が及ぶことになる。厚い葉軸があるつるの作るマットは、火から逃げようとする動物を掴まえてしまうこともある。南フロリダ生態的外部要因に対して敏感な地域でこの外来植物取り去ろうという計画は無いが、除草剤制御しながら野火広げることで除去する可能性探索されている。メイガ科1種(Neomusotima conspurcatalis)やフシダニ1種(Floracarus perrepae)のような本種を餌にして一部破壊する天敵2008年放たれ、その総合的な評価が行われている。 Schinus terebinthifolius サンショウモドキ、ブラジル・ペパー、フロリダ・ホリー、クリスマス・ベリー、ペパー・ツリー ブラジルアルゼンチンパラグアイ / 1840年代 景観作り ブラジル・ペパーはモチノキ対す南部代替物として市場出されている。小さな動物がその赤い実を食べ消化したあとに種を出すことで広げてきており、ふつうなら届くはずのないかなり遠く地域まで広がり制御難しくしている。低木は、農地運河電線の下、ハリケーンの後自然地域など大い障害のある地域では大変繁茂している。密度が濃いので、集中した形成して在来植物に置き換わり、その植物絶滅危惧種にしている。密度の濃い所では渉禽渡って来たときの餌場を奪っている。エバーグレーズ国立公園以外では極めて稀である松岩場の生態系にとって特に危険である。ブラジル・ペパーは建設機械物理的に取り去られ大きなものは除草剤与えている。 Casuarina equisetifolia, Casuarina glauca, Casuarina cunninghamiana トクサバモクマオウグラウカモクマオウカンニンガムモクマオウ(オーストラリアマツ、モクマオウオーストラリア南太平洋諸島東南アジア / 19世紀終盤 景観作り 日本ではモクマオウ総称され、英名では3種樹木集合的にオーストラリアマツと呼ばれる(ただしマツ科でも裸子植物でもない)。20世紀半ばに、運河農地沿って防風林として、また日陰作る木として植えられた。耐塩性があり、海浜でよく育ち海岸浸食、特に熱帯低気圧のような障害の後の浸食を防ぐ在来種に置き換わった。絶滅危惧されるアオカイガンスズメ(Ammodramus maritimus mirabilis)の生息域が、モクマオウによって直接危険に曝されている。原生種のモクマオウ作る日陰枯れ、さらに厚く積もった枯葉日光受けられなくなっている。モクマオウの浅い根はウミガメアメリカワニCrocodylus acutus)のように海岸に巣を作る動物にも障害になりうる。除草剤モクマオウ除去するのに有効である。野火も有効であることが分かっているが、制御容易でない。 Colubrina asiatica ヤエヤマハマナツメ(ラザーリーフ、アジアあるいは共通のコラブリナ、アジアヒロハセネガ) 1850年代アジア貿易業者がジャマイカもたらした / 1933年までに南フロリダ帰化した 医薬品 ヤエヤマハマナツメは密なマット状に成長し在来種植物群落絡みつき、あるいは日陰作り幾つかの種に絶滅の危惧与えている。フロリダキーズあらゆる保護地域繁茂しエバーグレーズ国立公園遠隔地にも広がり海岸硬木マングローブの島に脅威与えている。容易に成長するが、数を増やして広がりはしない。既にあるヤエヤマハマナツメを物理的に取り除き定期的に若いチェックすることで制御できるEichhornia crassipes ホテイアオイ(ウオーターヒヤシンス、ウォーターオーキッド) アマゾン川流域 / 1884–1890 水上景観作り ホテイアオイ浮遊型であり、フロリダ北部水路では特に問題があるが、エバーグレーズで育つようになって以来、その急速な繁殖力6日から18日の間に個体数が2倍になり、障害無ければ1か月水面25%を覆うまで増える)の故に運河水量制御する装置を塞ぐことで、水の制御放出妨げている。水質悪化させ、他の自然の水生植物密生させる。運河など人工構造物大半制限され制御する方法として除草剤が最も効果的であることが分かっている。 Pistia stratiotes ボタンウキクサ(ウオーターレタス、ウォーター・キャベツ) アフリカあるいは南アメリカ / 1774年までにフロリダ おそらく偶然 ボタンウキクサホテイアオイと同様浮遊型であり、急速に個体数増やし運河水量制御装置を塞ぐ。またマット形成して水中植物動物に対して日光酸素遮断することもある。ホテイアオイ同様な方法排除しようとしている。 Neyraudia reynaudiana (ビルマアシ、シルクアシ、ケーングラス、フォールスアシ) 南アジア / 1916年 アメリカ合衆国農務省試験庭園から脱出 ビルマアシは大きく乾燥したのような小花咲かせるであり、州内で最も危惧される生息域である松岩生態系侵入して野火誘導する松岩生態系野火維持されているが、ビルマアシは3.6 m (12フィート) の高さになり、高温でかつ高い位置燃えるので、炎は9 m (30フィート) に達し在来種スラッシュマツPinus elliottii var. densa)を燃やしてしまう。非常に繁殖力が強い。1つ植物体から12個の種子作ることが出来る。 Hydrilla verticillata クロモ(ヒドリラ、ウォーター・タイム、フロリダ・カナダモ) スリランカ / 1950年代 恐らくアクアリウムから広がった南極除きすべての大陸見られる 他の水生植物と同様急速に繁殖する浮遊型ではないが、早く成長して水面上がって来る。細片分かれる新し個体形成できる水路塞ぎ日光遮蔽し、溶存酸素量下げる。そうでなければ水中化学的組成変化させる魚類動物性プランクトンにも害を与える。キシミー湖、ハッチネハ湖、トホペカリガ湖などキシミー湖群では、このクロモ蔓延した物理的に除去することで管理されており、水路から草本全て取り去ることは、今後蔓延避けることと一意である。除草剤効果様々な要素依存しているが、その効果評価されている。キシミー湖群からヒドリラを除去しないまでも少なくとも管理でき、許容できるレベル抑えられるクロモを餌にする草魚Ctenopharyngodon idella)を放流することで対応することもある。しかし、草魚在来種植物食べるので、その効果が有害とならない場合にのみ放流されている。 Dioscorea bulbifera エアポテト、ポテトヤム、エアヤム air yam アジア: 奴隷貿易の間に導入された / フロリダでは1905年までに導入 アメリカ合衆国農務省試験庭園から脱出景観作り エアポテトは成長著し蔓植物であり、地中よりも外部塊茎出ており、地面落ちた時に急速な成長促進できる。南フロリダ硬木叢林松岩のような乾燥した状態で成長し林冠まで在来植物を完全に覆ってしまうことも多く、特にハリケーンのような異常事態の後に、在来植物戻って来る機会持てる前に辺り支配してしまう。 Cupaniopsis anacardioides キャロットウッド、ビーチタマリンド、ミドリハタマリンド、タッカルー オーストラリア/ 1960年代 景観作り キャロットウッドは南フロリダの海岸砂丘海浜沼地松岩場、叢林マングローブ林糸杉湿地など多く生息域容易に成長している。が実を食べて、種を地域に落とすことで広がっている。キャロットウッドの木についてあまり知られていないが、南フロリダに多い多様な生息域条件対応できる故に固有の環境破壊する可能性のある外来種挙げられている。 Rhodomyrtus tomentosa テンニンカ、ダウニーローズマートル、ヒル・グーズベリー、ヒル・グアバ アジア / 1924年には到来していた 景観作り テンニンカ松岩場の生態系占領する傾向にあることで、対応優先度の高い外来種加えられたところである。通常の松岩場は、ノコギリヤシSerenoa repens)の下小さなハーブの上聳えるスラッシュ・パインで構成されている。頻繁にある野火でその生態系維持されている。しかしテンニンカは南フロリダ全体で見いだされノコギリヤシ役割代替し、野火によってその蔓延加速されている。以前効果のあった除草剤に対して耐性見せている。

※この「植物種」の解説は、「エバーグレーズの外来種の一覧」の解説の一部です。
「植物種」を含む「エバーグレーズの外来種の一覧」の記事については、「エバーグレーズの外来種の一覧」の概要を参照ください。

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