その広がり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 00:50 UTC 版)
2004年7月時点の、アメリカ数学会のサービスを元にしたデータでは、単著のみで共著を書いたことのない者は約84,000名、共著を書いたことはあるがエルデシュとつながっていない者は約50,000名、有限のエルデシュ数を持つ者は約268,000名であった。有限のエルデシュ数を持つ者のみで考えると、その最大値は 13、中央値は 5、平均値は 4.65 であり、8 以下の者が99.5パーセント以上を占めた。2014年までのフィールズ賞受賞者は、全員 5 以下のエルデシュ数を持っている。 今日、異分野間の共同研究も盛んに行われているため、数学者でない科学者でエルデシュ数を持つ者も多い。例えば、政治学者のスティーヴン・ブラムス(英語版)のエルデシュ数は 2 である。同じくエルデシュ数 2 を持つ統計学者のジョン・テューキーを通じて、生物医学の分野もエルデシュとつながっている。多くの共同研究がある遺伝学者のエリック・ランダー(英語版)は、数学者のダニエル・クレイトマンと共著があり、クレイトマンのエルデシュ数は 1 であるため、多くの遺伝学者がエルデシュ数を持つ。また、言語学者のノーム・チョムスキーのエルデシュ数は 4 であるため、言語学の分野もエルデシュとつながっている。研究者というよりは技術者(ないし実業家?)だが、マイクロソフトのビル・ゲイツは数学の論文を一本書いており(パンケーキソート(英語版)を参照)その共著者のクリストス・パパディミトリウのエルデシュ数が 3 のため、ビル・ゲイツのエルデシュ数は 4 である(コンピュータ業界の著名人には研究者も多く、エルデシュ数 2 を持つ者もいるので、業界周辺で最小というわけではない)。アラン・チューリングのエルデシュ数はビル・ゲイツより大きく 5 である。 昔の数学者は現代の数学者よりも発表論文が少なく、共著となるとさらに稀であった。エルデシュ数を持つことが判明している最古の数学者としては、リヒャルト・デーデキント(1831生まれ、エルデシュ数 7)やフェルディナント・ゲオルク・フロベニウス(1849年生まれ、エルデシュ数 3)がいる。それ以前の人物は、例えばエルデシュよりも論文数が多いとされるレオンハルト・オイラー(1707年生まれ)でさえ、エルデシュ数を持たないようである。
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