総合的な評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 18:10 UTC 版)
鷲見昌勇はオグリキャップが3歳の時点で「五十年に一頭」「もうあんなにすごい馬は笠松からは出ないかもしれない」と述べている。安藤勝己は初めて調教のためにオグリキャップに騎乗したとき、厩務員の川瀬に「どえらい馬だね。来年は間違いなく東海ダービーを取れる」と言った。安藤のオグリキャップに対する評価は高く、3歳の時点で既に「オグリキャップを負かすとすればフェートノーザンかワカオライデンのどちらか」と考えていた。 河内洋は初めて騎乗したペガサスステークスについて「とても長くいい脚を使えたし、これはかなり走りそうだと思ったよ。距離の融通も利きそうだったしね」と回顧し、ニュージーランドトロフィー4歳ステークスのレース後に古馬との比較について問われた際、キャリアの違いはあったものの「この馬も相当の器だよ」とコメントした。自身が騎乗した4歳時のジャパンカップまではGIで勝利を挙げられなかったものの、次走の第33回有馬記念以降から長く厳しいレースをしながら最後まで丈夫に走り続けたことについて、「本当に野武士のような馬だったね」と述べている。 第33回有馬記念で騎乗した岡部幸雄は、オグリキャップとシンボリルドルフとを比較し、力を出す必要のない時に手を抜いて走ることができるかどうかの点で「オグリキャップは他の馬よりはそれができるけれど、ルドルフと比べるとまじめ過ぎる感じ」という評価を下し、また2000mから2200mがベスト距離のシンボリルドルフがオグリキャップのベスト距離である1600mで戦った場合についても、調教を通して短距離のペースに慣れさせることで勝つだろうと述べた。ただし岡部幸雄はオグリキャップの能力や環境の変化にすぐに馴染める精神力のタフさを高く評価し、アメリカでも必ず通用するとしてアメリカ遠征を強く勧めた。 南井克巳は初めて騎乗した京都4歳特別についてこの時にも強いと感じたが、オールカマーで騎乗した際には「本当に強い馬だなと感じましたね。とにかく力が抜けていました」と回顧し、自身が騎乗したレースの中で最も強さが出ていたレースとしてオールカマーを挙げている。自身がオグリキャップに騎乗したことについては「自分にとっても勉強になったし、瀬戸口先生がああいう馬を作られたことがすごいと思います」、「いろんないい馬に乗せていただきましたが、あれだけの馬に乗せてもらえて本当に良かったですよ」と述べている。 武豊は自身が騎乗するまでのオグリキャップに対して「にくいほど強い存在でしたし、あこがれの存在でもありました」と述べ、初めてコンビを組んだ安田記念は「自分でも乗っていて、ビックリするというか、あきれるくらいの強さでした」、「当時海外遠征のプランもあったんですが、これなら十分通用するなという気持ちがありました」と回顧し、「どんな条件でも力を発揮するわけですから、競走馬としての総合能力は相当高かったと思います」と総評した。オグリキャップが自身に与えた影響についても「競馬の素晴らしさ、騎手という職業のすばらしさを感じさせてくれた馬です。オグリキャップに乗ることができたのは、自分にとって大きな財産です」と述べている。 大川慶次郎は、フジテレビが放送した第35回有馬記念の最後の直線でメジロライアンの競走馬名を連呼したことから競馬ファンからオグリキャップが嫌いだったのかと思われることもあったというが、本人はこれを否定し、同馬を「顕彰馬の中でもトップクラスの馬」、「戦後、5本の指に入るほど、魅力的な馬」と評した。 競馬評論家の合田直弘は、日本国外においてアイドル的人気を博した競走馬との比較において「底辺から這い上がった馬である」、「力量抜群ではあったが、一敗地にまみれることも少なくなかった」、「最後の最後に極上のクライマックスが用意されていた」点で、オグリキャップに匹敵するのはシービスケットただ1頭であると述べている。
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