日本関連の記事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 07:05 UTC 版)
「ニューヨーク・タイムズ」の記事における「日本関連の記事」の解説
ニューズウィーク誌は、ニューヨーク・タイムズの報道姿勢について「同紙が日本関連の記事を書くときは、いつも好意的に書かないのに決まっている」と評する。また東日本大震災におけるニューヨーク・タイムズの報道を賞賛する一方で、「かつて日本に関してステレオタイプな記事を掲載し続けた」と指摘している。北朝鮮による日本人拉致問題では、社説において拉致問題は解決済みとする立場を表明したことがある。 ノリミツ・オオニシ記者の日本関連の記事 「ノリミツ・オオニシ#主な署名記事の一覧」も参照 ニコラス・クリストフ記者の日本関連の記事 「ニコラス・クリストフ#日本に関する記事」も参照 1991年の湾岸戦争の際、同紙の女性コラムニストが「日本は国際的責任分担をしておらず、無責任」とする著名入り社説を掲載。現在、この女性コラムニストが同紙編集長である。また一貫した強硬な「反捕鯨」論調でも知られる。 1995年に起きた沖縄米兵少女暴行事件を速報せず、3日後にようやくベタ記事にした。さらに東京支局長だったニコラス・クリストフは「日本女性が読む野蛮なコミック」と題して、同事件に触れて日本人が憤慨しているとした上で、「『レイプを称賛する』かのような、アメリカ人の感覚からするとエロティックというより病的な内容の女性向け漫画、レディースコミックを日本の女性の多くが読んでいる」との記事を掲載した。 1998年には見かねたニューヨーク在住の女性を中心とする日本人7人が、同紙のこれまでの日本関連記事から最も誤解の酷い10の記事を選んで検証・批判した『笑われる日本人 -- ニューヨーク・タイムズが描く不可思議な日本』を日米同時に自費出版し、「米国メディアの日本報道に見る誤解」と題するパネルディスカッションを上野千鶴子らを招いて開催した。上野は「米国が捏造する日本」、「米国だけが世界だなんて狭すぎる」と厳しく批判した。また、同著の編集長である大竹秀子はAERAの取材にて「どの記事も、色眼鏡を通して日本を見ていることが問題だ。全体像を見せることなく、センセーショナルな見せ物的報道をばらばらに報道されると、それが積み重なって『日本ってヘンな国だ』という認識が出来上がり、ステレオタイプを助長してしまう」と同紙の報道姿勢を厳しく批判している。 2006年12月 「北朝鮮による日本人拉致問題について、本来の拉致問題解決に焦点を絞らず、北朝鮮・中国に対する日本国民の嫌悪感をあおり、そうした世論を憲法改正問題などの政治的問題にも利用しようとしている」とする記事を掲載。後日、日本政府はこの報道を問題視し、中山恭子・首相補佐官(拉致問題担当)の反論文を同紙と、同紙の姉妹紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンに投稿。後者へは26日付で掲載されたが、同紙には掲載されなかった。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}2007年3月には安倍晋三首相(当時)の強制連行否定発言を受け、安倍晋三を「国家主義者」と呼び、日本政府の対応を批判する従軍慰安婦特集記事を一面に掲載した。[要出典] 2008年、麻生太郎首相就任の2日後に「好戦的な民族主義者」と社説で主張した。これに対し日本政府は同紙に対し公式な反論文を送付し、10月5日付けで掲載された。 2009年8月に、鳩山由紀夫民主党代表(当時)がPHP研究所発行の「Voice」に寄稿した論文を無許可で転載しただけでなく、内容を改変・削除し、鳩山代表が「反米主義者」であるとの印象を米国政府に与えた。また、同紙は過去にも、ジェイソン・ブレア記者による記事捏造・盗作がスキャンダルとなっている(注:この件は全くの別件で、ジェイソン・ブレアの事件は社内で詳細な調査を行った)。 2010年8月29日、2009年に京都朝鮮第一初級学校が公園を不法占拠しているとして、在日特権を許さない市民の会が抗議行動を行ったことを紹介し「日本社会の下層の青年たちは、自らの生活に対して失望、落胆した感情をインターネットなどを通じて外国人への排斥につなげている。そして、こうした日本人はネット右翼とも呼ばれる」とした。また、ネット右翼の日本人の多くは若い男性で、給与額の低い仕事に従事しているとした上で、根拠を示すことなく「9,000人の組織化された会員がネット上で時間や場所を決めたうえで、外国人に向けたデモ活動や、キリスト教に対する排斥運動を行っている」と掲載した。 2010年10月17日、「日本ほど急激に経済的な繁栄が逆転した国は歴史的にも珍しい」とし、日本人の苦しい生活の様子を紹介した。これに対し、在ニューヨーク日本総領事館は「記事は日本の社会経済状況を過度に単純化したもので、木を見て森を見ないものだ」とし「外交政策や若者たちの活力をみれば、日本が引き続き世界で指導力を発揮していることは明らかだ」と反論した文が、11月1日の電子版に掲載された。 2011年3月25日、津波の被害を受けた宮城県石巻市鮎川浜の捕鯨産業の被害に焦点を当て「津波が、これまで欧米の環境保護団体の抗議・妨害活動でもおよばなかった日本の捕鯨産業の支柱を倒してしまった」と津波被害の深刻さと現地の悲しみを報じた。一方、在ニューヨーク日本総領事館は同日「津波が捕鯨産業の終えんに『成功』したとの報じ方をするのはあまりに冷酷だ」として同紙に抗議した。 2011年3月11日の東日本大震災直後から現地入りし、地震、津波被害の状況を伝えた。また、原子力事故の記事では、日本の報道に先駆けてメルトダウンについて報じた。日本から撤退する外国メディアが多い中で、精力的に取材する姿勢はニューズウィーク誌からの賞賛を受けた。独自の調査報道により「国土を破壊し、原子力事故を引き起こした津波、地震後、日本政府が隠蔽した一連の深刻な失敗を力強く調査したことにより(ピューリッツァ賞ウェブサイトより)」、2012年ピューリッツア賞のファイナリスト(次点)にノミネートされた。また、調査記事チームとして、米国海外報道クラブ(Overseas Press Club of America)のハル・ボイル賞(Hal Boyle Award)の次点、またアジア出版協会から調査報道として最優秀賞を受賞した。そのほか、2011年のエネルギー関連報道で世界エネルギー賞の最優秀賞を獲得した。 2013年4月26日、猪瀬直樹東京都知事による『(2020年の夏期五輪招致のライバルである)イスタンブール批判』を田淵広子記者とケン・ベルソン記者がスクープし話題となった。これについて猪瀬は謝罪をしたが、同時に「質問者に一定の誘導があった」との主張もしている。田淵記者は橋下徹の慰安婦に関する発言についても「日本の男の品格は最低である」という趣旨の記事を書いている。 2013年6月11日、田淵広子記者は上田秀明人権人道担当大使の「シャラップ」発言をTwitterで伝えた。これは拷問禁止委員会における苦笑に対して行われたものである。笑ったのは日本のNGOのみだという見解もある(「もちろん、我々は大使の激怒と反論の馬鹿馬鹿しさに笑ったところ」と当事者が証言)が、いずれにせよ大使の怒声は国連委員会の会場中に響き渡った。翻訳家で英会話学校を経営するデイヴィッド・セインによると、"Shut up!"(シャラップ)は日本語で「黙れ」を意味する言葉だが、英語圏では「てめえ、黙りやがれ」といった強いニュアンスで用いられることが多く、知的な表現ではない。また"Shut up!"は普通しゃべっている人を黙らすときに使われるもので、笑っている人に言うのは不自然である。上田の発言は日本のイメージダウンにつながりかねない不適切なものだといった批判があいつぎ、辞任を求める声も上がった。日刊ゲンダイの取材に応じた外務省関係者によると、上田はもともと英語をあまり得意としておらず、AFP通信も上田の英語力について「あまり得意とは見受けられない」と評している。また、上田が「中世」を意味する"the Middle Ages"と言うべきところで、「中年」を意味する"middle age"(定冠詞 the がなく、age が単数形)と発声したことが失笑を買った原因だったのではないかとする説も挙げられた。外務省は翌6月17日までに上田に口頭で注意を行い、その後、9月20日付で上田は人権人道大使を退任し、外務省参与の職も辞した。外務省では辞任は上田から辞職願が提出されたためであり「シャラップ」発言とは無関係であるとしている。 2015年2月12日、田淵記者はラッツ&スターとももいろクローバーZがテレビ番組の収録の中で一緒に黒塗りメークで撮った写真がツイッター上に公開されたことにツイッター上で抗議(最初のツイートは削除されている)し「Why Japan needs to have a conversation on racism(なぜ日本人は人種差別の議論を呼ぶのか?)」などと投稿。ネットでは賛否両論となり、黒人からは批判もあり、ももクロは2月17日に予定されていた日本外国特派員協会での会見をキャンセルした。 2019年5月5日、「New Emperor, Old Throne」と題し、皇后が低い地位に置かれている日本の皇室制度を揶揄する風刺画を掲載し、日本側から抗議の声も上がった。
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