墜落原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 07:11 UTC 版)
カリタック級水上機母艦、ノートン・サウンドから放出されるスカイフック気球(1949年3月31日) その後、この事件は全米のマスコミに報じられた。アメリカ空軍当局は当初、「金星を未確認飛行物体と誤認して高高度に飛行し、酸欠状態に陥って意識を失い墜落したものと考えられる」と発表し、さらにその1年後には「海軍がテスト飛行させていたスカイフック気球を誤認した」と説明を変えた。スカイフック計画は海軍の秘密計画だったため、空軍に情報が渡るまで1年かかったためであった。 最終的に空軍は、マンテル大尉が当時UFOとよく誤認されたスカイフック気球を追跡して高度をあげるも、酸素系の故障か酸素マスクの付け忘れによって意識を失い、墜落したのだろうと発表した。残骸の調査では減速のための操作をした形跡があるため、墜落中に意識を取り戻していたと考えられている。なお、当日早朝に近隣のミネソタ州リプリー基地からスカイフック気球が打ち上げられ、事件後の当日午後4時にケンタッキー州でスカイフック気球が目撃されている。
※この「墜落原因」の解説は、「マンテル大尉事件」の解説の一部です。
「墜落原因」を含む「マンテル大尉事件」の記事については、「マンテル大尉事件」の概要を参照ください。
墜落原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 05:16 UTC 版)
「マレーシア航空17便撃墜事件」の記事における「墜落原因」の解説
墜落直後に米国とウクライナの当局者は、9M38シリーズの地対空ミサイル攻撃が原因だった可能性が最も高いと語った。その場合、ミサイルはソ連が設計した移動式ミサイルシステムのブークから発射されたことになる(当時ブークは、この地域に配備されていた商業巡航高度に達することが可能な唯一の地対空ミサイルシステムとして知られていた)。専門家の分析によると、航空機破片の塗装に見られる熱変成がミサイル攻撃特有のもので、また恐らくエンジンの熱源追尾型ではなくレーダー誘導でコックピットを狙った、ブークのような近接信管の弾頭を持つミサイルだとされた。 墜落直後、ドンバス分離主義の指導者イーゴリ・ギルキンがウクライナのAn-26 輸送機を撃墜する成果を挙げたとフコンタクテに投稿していることが報じられた。このニュースはイタルタス通信他ロシアの報道各社で報じられたのだが、その後で分離主義者は同高度で標的に命中させる装備がなく訓練も受けていないとして関与を否定した。またアレクサンドル・ボロダイ(ウクライナ語版)(自称DPRの首相)が墜落の40分後に、民間航空機を撃墜してしまったようだとモスクワのメディア上層部に電話していたこともロシアメディアが報じている。 事件当日、トレス(英語: Torez、チスチャコヴェ(ウクライナ語版))やスニジネ(いずれもグラボベ近郊)でブークと思しき目撃情報がAP通信などで報じられていた。その目撃報告は、ネット上に投稿された反政府勢力領土内のブーク発射台の写真や動画でも裏付けられた。 7月19日、ウクライナ保安庁 (SBU) の諜報局長が「我々はこのテロ行為がロシア連邦の支援と共に実施されたという説得力ある証拠を掴んでいる」と記者会見で語り、分離主義者の会話記録(航空機撃墜に至ったことでロシア諜報機関に感謝を表明している)と呼ばれるものを提示した。分離主義者の一人はこの会話がなされたことを認めたが、自分達のMH17墜落関与については否定し、ウクライナ政府がそれを撃墜したと非難した。SBUは、MH17が撃墜される2分前に親ロシア分離主義の指導者イゴール・ベズラー(ウクライナ語版)が航空機の接近について語っているという別の録音も公表した。ベズラーは、この録音は本物だが別の事案に言及したものだと語った。SBU長官のバレンティン・ナリバイチェンコ(ウクライナ語版)は後に、反政府勢力はロシアにウクライナ侵攻の口実を与えるため偽旗作戦でロシアの旅客機を撃墜するつもりだったが、誤ってMH17を撃墜したと主張した。 ウクライナのスニジネにいたAP通信の記者は、ブークが「独特のロシア語訛り」で話す男に操縦されて撃墜が起きた方向に移動した様子を伝えている。またウクライナのテロ対策責任者ヴィタリー・ナイダによると、分離主義者の指示のもと旅客機を墜落させた後でロシア人の発射台操縦者は急いで国境を越えロシアへと戻っていった。 7月22日、反政府軍の戦闘員は仲間の分離主義者が自分の部隊に語ったこととして、航空機が撃墜されたのはそれがウクライナのものという仮定のもと墜落現場で「パイロット」を逮捕するように命じられたためだと主張した。ミサイル経路の追跡感知、残骸に残った榴弾痕、自分達が命中させたと語る分離主義者の会話分析、ソーシャルメディアにある写真その他のデータ、その全てがロシアの支援を受けた分離主義者がミサイルを発射したことを示している、と米国の情報当局者は主張した。米国の当局者は、赤外線センサーによる衛星データがMH17便の爆発を検知しており、発射軌道の分析からミサイルがトレスやスニジネ近郊から発射されたことを示唆していると語った。 デイリー・テレグラフ紙は発射地点を恐らく墜落現場の南約19kmのトウモロコシ畑だと報じ、他の情報筋では分離独立主義の支配するChernukhinoという町からだと示唆された。ガーディアン、ワシントン・ポスト、シドニー・モーニング・ヘラルドほか複数のメディアは、反政府勢力のミサイルによって墜落したと考えられていると概要を報じた。 米国の情報当局者はマレーシア航空MH17便が親ロシア分離主義者により誤って撃墜された可能性があるとの見解を示し、分離主義者がブーク地対空ミサイルを発射したという証拠を挙げた。この当局者は、その反政府勢力が親ロシア分離主義に寝返った元ウクライナ軍の隊員だった可能性があると語ったほか、MH17が回避行動を取ったというロシア側の主張を否定し、ウクライナ政府には反乱軍の支配する地域にこうしたミサイルシステムがないため、ウクライナ政府がMH17を撃墜したとの主張は現実的ではないと語った。イギリス外務省は、ロシアの支援を受けた分離主義者によって支配された地域からミサイルが発射された可能性が「非常に高い」と述べた。 ロシア軍によると、上述の事は「ロシア陰謀説」と呼ばれるもので、MH17は地対空ミサイルか戦闘機のいずれかによってウクライナ側に撃墜されたという。7月21日、ロシア国防省 (MoD) は記者会見を開き、衛星写真では墜落数時間前の朝、反政府勢力の支配する領土付近の地域にブーク砲台をウクライナ軍が移動したことが示されていると主張した(彼らはその設置が7月18日までに再び撤去されたと語った)。またMoDは、自分達はウクライナ空軍のSu-25を検知しており、この地上攻撃機がマレーシア旅客機の残骸から3-5km以内に接近したと主張したが、Su-25の首席設計士ウラジーミル・ババクはSu-25が空対空ミサイルでボーイング777を墜落させたかもしれないとのロシア側の主張を否定した。2015年、ベリングキャット(報道記者による事実確認の検証サイト)はMoDが使用していたのと同じ地域かつ時間の衛星写真を購入し、MoDが古い写真(2014年5月と6月)を使ってウクライナ側のブーク発射台が攻撃後に取り除かれたかのように見せる編集がなされていたと主張した。オランダ安全委員会の発表した報告書で、空対空ミサイル攻撃は事故原因から除外された。 7月23日、親ロシア派ボストーク大隊の司令官アレクサンドル・ホダコフスキーは分離主義者が航空機を撃墜するのに使ったと米国が指摘した種類の対空ミサイルを持っていることを認め、その存在の証拠を消すためロシアに送り返された可能性があると述べた。後に彼は間違って引用されたと自身のコメントを撤回し、反政府勢力は決してブークを所持していないと主張した。2014年11月、彼はあらためて分離主義者が当時ブークを所持していたと語るも、ルハーンシク出身の戦闘員の指揮下にあるその車両はMH17が墜落した時にドネツィクに向かう途上だったと主張した。その後、非難されることを避けるため撤回された。 7月28日、航空機が「大規模な爆発での減圧」を引き起こした榴散弾によって墜落したことがブラックボックス録音の分析で明らかになったと、ウクライナ保安職員が記者会見で発表した。オランダ当局は「時期尚早の発表」として、自分達はこの情報を提供していないと述べた。 9月8日、反政府勢力の支配地域でMH17墜落の当日にブーク発射台を見たというドンバスの民間人3名の証言を引用した新資料を英国放送協会 (BBC) が公表した。2人の目撃者は、発射台の操縦士と護衛車両の搭乗者がモスクワ訛りで話していたと語った。同日、ロシア人記者がMH17墜落事故の前後数日間にロシアとウクライナとを移動するブークの写真および動画の分析を公表した。彼によると、MH17撃墜に使用したと疑われる発射台の記章は、それを運んだ大型物資運搬車のナンバープレートも含めてロシア陸軍の防空部隊第53対空ミサイル旅団(ロシア語版)の所属であることが示唆された。 10月8日、ドイツ連邦情報局 (BND) 長官がMH17に関する報告書をドイツ議会委員会に提出した。同報告書には、親ロシア分離主義者が分捕ったウクライナのブークシステムを使ってMH17便を撃墜したと結論付けた詳細分析が掲載されていたほか、「ロシアはミサイルがウクライナ側の戦闘員によって発射され、ウクライナの戦闘機が旅客機の近くを飛行していたと主張しているがデタラメである」とも書かれていた。 2014年11月から2016年5月にかけて、英国に拠点を置く調査集団ベリングキャットはソーシャルメディアやその他のオープンソース情報の写真の調査に基づいて一連の主張をした。航空機を撃墜するために使われた発射台は、クルスクに拠点を置くロシアの第53対空ミサイル旅団のブークで、ドネツクからスニジネに輸送され攻撃当日にウクライナの分離主義者によって操縦されたもので、シリアル番号は332だという。 12月22日、オランダのRTL Nieuwsは反政府勢力の領土から発射されたミサイルによってMH17が撃墜されたを目撃したと語る匿名現地住民の声明を発表した。彼は撮影した写真をSBUに手渡した。12月24日、ロシア国営通信社RIAノーボスチは、自称DPRの指導者アレクサンドル・ザハルチェンコがウクライナのジェット機2機によってMH17が空から撃墜されたのを見たとの発言を引用した。 2015年1月、ドイツの調査団CORRECT!Vによって制作された報告書は、第53対空ミサイル旅団によって操縦されたブーク地対空ミサイルがMH17を撃墜したと結論付けた。他の状況証拠は、個別の発射台車両、操縦者名、それを輸送するトラック、ロシアとウクライナを通るとされるルートを特定し、その説を裏付ける様々な当事者によって別々に提示された。 2015年3月、ロイターはスニジネ近郊にいる目撃者の声明を発表し、約1.5km離れた畑から発射された時にブークロケットが村の上空を通過するのを見たと述べた。また、ウクライナの空爆を防ぐためにボーイング墜落事故当日に発射台がその地域に置かれたことを確認した分離主義戦闘員と称される目撃者からの証言を公表した[リンク切れ]。 2015年3月30日、ロシア・トゥデイはロイター通信が取材内容を改竄したと主張する地元住人のインタビューを掲載した。記事によれば、チェルヴォニー・ゾフテン (Chervonniy Zhovten) 村に住む58歳のピョートル・フェドートフ (Pyotr Fedotov) は3月12日にロイターの記者アントン・ズベレフ (Anton Zverev) から事件についてインタビューされた。フェドートフはミサイルがウクライナ政府軍の支配地域から発射されたと答えたが、ロイターに実際に掲載された記事ではフェドートフがオフレコで、「反政府軍からの報復が怖いので本当の事を言わなかったが、実はミサイルは反政府軍の支配地域から発射された。」と語った事にされていたとされる。フェドートフは後にロシア・トゥデイから取材を受けた際、「私達がボーイングについて話したとき、私は全てをそのまま説明した。」「私がオフレコで言ったとされることは、ジャーナリストによって捏造されたもので、全て嘘だ。オフレコではボーイングについて何も話さなかった。」「ロイターの記事の草稿は一度も見せられなかった。」「私は本当に驚いた」などと語った。ロシア・トゥデイは、この事件についてロイターに電子メールでコメントを求めたが、「本記事公開時点ではロイターからの返答は得られなかった。」としている。ロシア・トゥデイは、ロイターの記事はフェドートフ以外に他の3人の目撃証言を引用したが、ミサイルがどこから発射されたか場所を指し示したのはフェドートフだけであり、ロイターの記事は反政府軍からのミサイルがMH17便を撃墜したと証明していないと強く主張した。ロイターによる取材記事は削除されている[リンク切れ]。 2015年7月、ニューズ・コープ・オーストラリアは、墜落直後に現場で録画された17分間の動画コピーを公開した。公開された動画では、ロシアの支援を受けた反政府勢力が軍用機の残骸とパラシュートで降下した乗組員を発見することを期待して墜落現場に到着した様子が映っていた。 2016年5月、ストラトフォーは墜落の5時間前に撮影された衛星画像を公開し、そこにはロシアのブークシステムがトラックの荷台でマキイフカを通っていく様子が映っていた。このシンクタンクは、2014年7月15日にブークシステムがロシア国境からドネツィクに向かって移動し、MH17便が撃墜される数時間前の2014年7月17日午後に戻ったと結論づけた。
※この「墜落原因」の解説は、「マレーシア航空17便撃墜事件」の解説の一部です。
「墜落原因」を含む「マレーシア航空17便撃墜事件」の記事については、「マレーシア航空17便撃墜事件」の概要を参照ください。
- 墜落原因のページへのリンク