墜落事故発生、そして終焉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 06:40 UTC 版)
「バリュージェット航空」の記事における「墜落事故発生、そして終焉」の解説
1996年5月11日に、フロリダ州・マイアミ国際空港を離陸したバリュージェット航空592便(DC-9)は、同社が運航する旅客機から取り出された期限切れ酸素ボンベ(酸素発生装置)144本が、不適切に梱包された状態で積載され、それらが何らかの要因により作動し発火したことで機体が炎上。DC-9の貨物室はクラスDの機密性があり、仮に荷物から火災が発生してもすぐに酸素が無くなり自然に火災が収まる設計になっていたが、火災の原因となった荷物そのものが大量の酸素を発生させたことで、想定を超える温度の火災に発展し、離陸からわずか3分42秒という短時間で墜落。 機体はマイアミ空港近くの湿地帯エバーグレーズに墜落し、乗員5名、乗客105名全員が死亡する惨事となった。(バリュージェット航空592便墜落事故)この事故では同社の安全保安体制の不備が大きく糾弾され、FAAから運航停止処分を受けたが、そもそも本件が発生する8年前に、国家運輸安全委員会より出されていた航空機火災に関する勧告を連邦航空局が無視したことで、事故機に火災探知システムおよび消火システムが導入されず取り返しの付かない惨事に発展。それにより当時のアメリカ運輸省長官と、連邦航空局長官が職を失うことにもなった。また、この事故でFAAはゆきすぎた規制緩和による弊害を是正するため航空業界に対し安全対策の徹底をはかることになった。 その後バリュージェットは営業再開に際して安全対策を講じることを求められたが、失われた顧客を呼び戻すのは難しかったため、最終的には同じ格安航空会社であるエアトランを1997年11月に買収し、書類上はバリュージェットが存続会社になったが、いわゆる逆さ合併であり、バリュージェットの名称は消滅した。エアトランも2010年には格安航空会社大手のサウスウエスト航空に買収され、2014年にはサウスウエスト航空に吸収される形で消滅している。
※この「墜落事故発生、そして終焉」の解説は、「バリュージェット航空」の解説の一部です。
「墜落事故発生、そして終焉」を含む「バリュージェット航空」の記事については、「バリュージェット航空」の概要を参照ください。
- 墜落事故発生、そして終焉のページへのリンク