衛星画像
(衛星写真 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/06 22:51 UTC 版)
衛星画像(えいせいがぞう)とは、地球観測衛星に搭載されるセンサの観測データを画像化したものである。
なお、観測データの画像化には地球の自転による誤差を補正する必要があり、画像に利用する光(電磁波)の波長帯(バンド)によって種類がある。インターネットの衛星画像配信では、広域にナチュラルカラー合成画像を使用し、詳細部にトゥルーカラー合成画像を使用する傾向がある。
カラー合成の種類
トゥルーカラー合成
可視域のバンドを用いて画像化したもの。ディスプレイのRGBに対し,R:可視赤色域,G:可視緑色域,B:可視青色域の割り当てを行うカラー合成。
空気の層が写りこみ画像が青っぽくなるものもあるが、衛星を傾けずに真上から観測すると航空写真の色合いに近くなる。
可視域の3バンドをレベル補正して画像化する手順はデジタルカメラのRAW画像現像に似ている。ただし、可視域のセンサは反射光を利用しているため、雲の反射率の高さを考慮する必要がある。
赤外カラー合成
可視域と近赤外域のバンドを用いて画像化したもの。ディスプレイのRGBに対し,R:近赤外域,G:可視赤色域,B:可視緑色域の割り当てを行うカラー合成。 植生の部分が赤く表示される。
ナチュラルカラー合成
可視域と近赤外域のバンドを用いて画像化したもの。ディスプレイのRGBに対し,R:可視赤色域,G:近赤外域,B:可視緑色域の割り当てを行うカラー合成。 植生の部分がトゥルーカラー合成よりも鮮やかに緑色で表示される。植生の部分が自然な色合いのためナチュラルカラーと呼ばれる。客観的な評価になるため様々な表現方法がある。 不可視域のバンドを用いるため一部の色合いはおかしくなるが、アルゴリズムの進化により地表面の色合いはかなり自然に見えるようになった。
フォールスカラー合成
トゥルーカラー合成以外のカラー合成全てを意味する。上記の赤外カラー合成やナチュラルカラー合成も含む。衛星画像は近赤外域など可視域以外の光(電磁波)も観測することがほとんどなので,それを可視化すると自ずとフォールスカラー合成になる。 目的にあわせてセンサのデータを組み合わせて、適切と思われる色彩で画像化したもの。人間の見た目とは異なるためフォールスカラーと呼ばれる。 たとえば、赤外線とマイクロ波を組み合わせて緑地を強調表示して、植生状況を知る事ができる。
シュードカラー画像
単一のバンド,指数化画像などの明暗(グレースケール)を色の変化で表した画像であり,微妙な値の変化を色の違いとして強調できる。NDVI(正規化差植生指数)や熱赤外バンドの表現によく使われる。
歴史
1946年10月24日、アメリカのホワイトサンズ・ミサイル実験場から打ち上げられたV-2 No. 13によって、史上初の宇宙からの地球の写真が1.5秒ごとに1枚撮影された。しかし、衛星軌道ではなく最高高度105㎞に達する弾道軌道で宇宙から地球を撮影したものであった[1]。衛星軌道上から人工衛星による初の衛星写真撮影は、1959年8月7日に打ち上げられたアメリカのエクスプローラー6号によって行われた[2][3]。
月の写真は、1959年10月4日に打上げられたソビエト連邦のルナ3号によって、10月7日に初めて月の裏側の写真が撮影された[4]。
人による宇宙からの初の撮影は、1961年8月7日に打ち上げられたボストーク2号の乗組員ゲルマン・チトフが映画用35ミリフィルムで地球を撮影したものである[5]。
画像の入手
地球観測衛星や偵察衛星、商業衛星などから画像が入手される。
商業で販売している場合は、ライセンスを購入する必要がある[6][7]。
販売・提供組織
- アメリカ航空宇宙局(NASA) - NASA World Wind
- マクサー・テクノロジーズ
- Google(Google MapsやGoogle Earthのサービス開始は2005年[8]。)
- デジタルグローブ
- IHS マークイット
- スポット・イマージュ
- RapidEye
- Tellus[9]
冷戦終結後のアメリカの偵察衛星コロナ、KH-5、KH-6の取得した衛星画像の機密が1995年の大統領令『Executive Order 12951』で解除され[10]、商業や研究での活用が行われている。
また、ロシア側からも冷戦後に全世界へ販売が行われており、大きく3系統の販売経路があるとされる。ソビエト連邦の地球観測衛星Resurs-Fの系統、NPOエネルギアの系統、偵察衛星の画像を扱うSovinformsputnik(совинформспутник)の系統である[11]。
出典
- ^ a b Inc, mediagene (2023年8月24日). “人類による宇宙探索の足跡。宇宙から撮影された地球の歴史的写真9選”. www.gizmodo.jp. 2025年12月6日閲覧。
- ^ “Explorer 6 Satellite (Reconstructed Replica) | National Air and Space Museum”. airandspace.si.edu. 2025年12月6日閲覧。
- ^ “First Picture from Explorer VI Satellite”. NASA. 2009年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年12月6日閲覧。
- ^ “10月 7日 月探査機ルナ3号が月の裏側を撮影(1959年)”. ブルーバックス | 講談社 (2020年10月6日). 2025年12月6日閲覧。
- ^ Reichhardt, Tony. “The First Photographer in Space” (英語). Smithsonian Magazine. 2025年12月6日閲覧。
- ^ “衛星データ購入の落とし穴!初心者が戸惑いがちなポイント7選”. 宙畑. 2025年12月6日閲覧。
- ^ “超高解像度の衛星画像をサブスクで楽しむ! (2) 超高解像度の衛星画像をサブスク購入してみよう | TECH+(テックプラス)”. news.mynavi.jp (2022年7月20日). 2025年12月6日閲覧。
- ^ “アポロ計画にも影響を与えたリモートセンシングと地球の地図づくり”. 宙畑. 2025年12月6日閲覧。
- ^ 管理者 (2023年1月20日). “衛星データを無料で楽しむ!Tellus(テルース)の実力を知る | 経済産業省 METI Journal ONLINE”. journal.meti.go.jp. 2025年12月6日閲覧。
- ^
(英語) Executive Order 12951, ウィキソースより閲覧。 - ^ 「ロシアの衛星写真データ」『日本リモートセンシング学会誌』、doi:10.11440/rssj1981.14.173、2025年12月6日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Zoom EARTH 各配信サイトの衛星画像を切り替えて表示できる。まったく同じ衛星・時期の観測データが採用されていて色合いが違うことが分かる(Yahoo!のみトゥルーカラー)。
- USGS EROS Archive - Products Overview - 米国地質調査所の航空写真・衛星写真アーカイブ。冷戦時代に活躍したアメリカ製の偵察衛星コロナ (人工衛星)、KH-5、KH-9などが機密解除され、考古学研究などに活用されている。
衛星写真
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 07:28 UTC 版)
衛星写真1975年3月1993年5月 市倉ファーム開設前の写真。写真上側の川が加茂川。1975年当時は一面ミカンの果樹園であったが、これらは1986年までに耕作放棄され、久門が買い取った時には荒地となっていた。中央に縦走する狭い市道の西側(写真では左側)に市倉ファームは建設された。 市倉ファーム運営中の写真。写真中央下やや右の白長方形の建物が「まきば館」。上方では松山自動車道の建設工事が進む。久門の用地買収は、当初松山自動車道開通を睨んだ地上げだと勘違いされた。 1998年5月2010年4月 松山自動車道が開通した後の1998年の撮影。園内は大きな変化はないが、植樹された木々が1993年と比較すると大きく育っている。土砂災害に被災する前なので、駐車場脇のレストランはまだ建築されていない。 閉鎖後の写真。土砂災害で「まきば館」は消滅している。「まきば館」は写真中央下の高圧電線の鉄塔の脇にあった。右下の沢は土石流対策工事が完了している。駐車場脇に土砂災害後に「まきば館」の代替として建築されたレストランが見える。駐車場から少し離れた林の傍にある目立つ赤い屋根の建物が畜舎(写真中央やや左側)。畜舎のある林の反対側(下側)にあるピーマンを横にしたような平坦地が日本庭園で、庭園内の池が見える。2010年当時はまだ久門の個人所有地なので、園の様子が比較的保たれている。この1年後の2011年に売却され、農地化が進む。
※この「衛星写真」の解説は、「市倉ファーム」の解説の一部です。
「衛星写真」を含む「市倉ファーム」の記事については、「市倉ファーム」の概要を参照ください。
衛星写真と同じ種類の言葉
- 衛星写真のページへのリンク