衛星位置の把握
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 07:40 UTC 版)
「トランシット (人工衛星)」の記事における「衛星位置の把握」の解説
場所が正確に知られている地上局ネットワークはトランシット衛星の追跡を続けている。これらの地上局はドップラーシフトを測定し、標準テレプリンタ穴規格の5穴紙テープにデータが移される。このデータはメリーランド州ローレルの応用物理研究所の衛星コントロールセンターに送られ、商用および軍事用のテレプリンタネットワークに利用された。固定地上局のデータは、軌道上のトランシット衛星の軌道の位置情報を与える。ドップラーシフトを利用して地上局からの軌道上のトランシット衛星の位置を測定することは、地上の不明な位置を示すために既知の衛星の位置を利用することの単純な逆転であり、再びドップラーシフトが利用される。 典型的な地上基地は小型のかまぼこ型のクォンセット・ハットからなる。地上局の測定精度は地上局のマスタークロックの精度に依存する。マスタークロックはドリフトのため海軍の低周波VLF局につないだVLFレシーバを使って毎日チェックされた。 VLF信号の位相は送信機と受信機の間の進路の途中で翌日まで変化しない性質があり、このため発信機のドリフトを測定するために利用できた。 後にルビジウムやセシウムの原子時計が利用されるようになった。地上局は番号づけられており、たとえば019局は南極のマクマード基地だった。1970年代の大半で、地上局には大学院生や学部生が配置されており、概してテキサス大学オースティン校の電子工学科の生徒であった。基地局はニューメキシコ州立大学(英語版)、テキサス大学オースティン校、シチリア、日本、セーシェル、グリーンランドカーナークのチューレなどの場所におかれていた。グリーンランドと南極局は地軸の極に近い位置にあるため、極軌道を取っているトランシット衛星をすべて観測した。
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