反「インディアン・マスコット」運動とは? わかりやすく解説

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反「インディアン・マスコット」運動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 23:37 UTC 版)

シャーリーン・テッタース」の記事における「反「インディアン・マスコット」運動」の解説

1988年シャーリーンは、子供たちイリノイ大学開催されバスケットボール大学対抗試合に連れて行ったイリノイ大学のバスケットボール・チームは、「戦うイリニ族」という、実在インディアン部族である「イリノイ部族連邦」の名をチーム名にしていた。 シャーリーン親子試合観戦していると、ハーフタイムの羽の頭飾り着けて「インディアン風」の格好をした白人学生現れ、「イリニウェク酋長」という「インディアン・マスコット」を滑稽な仕草演じデタラメ踊り踊り始めたシャーリーン息子は、この滑稽な「イリニウェク酋長」を見て、なんとか笑おうとしていた。娘を見ると、観客席の中で身体を強張らせていた。子供たちのこの表情見た瞬間に、シャーリーンインディアン民族イメージ娯楽として使用する、この「インディアン・マスコット」と戦うことを誓った。 これ以来シャーリーンは自らのアート作品で「反インディアン・マスコット」を題材し、また全米各地講演行い、「エンターテインメントインディアンイメージ物品文化、及び霊的な様式真似事使用することが、人種差別なのだ」ということ人々訴え始めた。これに対し白人たちは「部族の名や文化が、国を代表するスポーツの、そのチームに因まれることは素晴らしい名誉と考えるべきである」と主張してきた。これにシャーリーンは「クリーブランド・インディアンス」の「ワフー酋長」や「ワシントン・レッドスキンズ」のチーム名を例に挙げ、こう反論している。 責任ある部族酋長マスコット仕立てて伝統衣装小間物飾り付け見世物にすることが「名誉や敬意私たちに払うことだ」とは到底思えません。酋長はどんな部族においても、高い敬意を受ける存在です。球場でこの敬意を受けるべき人物が「ニタニタ笑った漫画」にされたりインディアンにとって深い苦痛もたらすイメージチーム名にされている状況が、歓迎されるものとは思えません。インディアン人間です。マスコットではありません。私たち社会における「戦士」とは、平和と生命関わる存在です。 1992年、「コロンブス上陸500周年」のこの年に、インディアン権利団体アメリカインディアン運動」(AIM)は「インディアン・マスコット根絶のための全国組織スポーツメディアにおける人種差別全国連合」(NCRSM)を結成シャーリーンヴァーノン・ベルコート、マイク・ヘイニーら「AIM」の運動家とともにイリノイ大学バスケットボール会場の外で、「インディアン人間だ」とのプラカード掲げインディアン・マスコット、「イリニウェク酋長」に抗議する無言デモ行った。しかしデモ行進警察大学ファン襲撃を受け、彼らは揉みくちゃにされて暴行受けた同年シャーリーンは「アメリカインディアン国民会議」(NCAI)内に「人種正義のための事務所」を開設。アマ・プロ問わず全米スポーツチーム使用している「インディアン・マスコット撤廃のための抗議議論活発化させた。シャーリーンは、「レッドスキン」という言葉の由来について、こう説明している。 白人たちがインディアン大陸にやってきて戦争始めたとき、彼らは殺したインディアン数えるために死体荷馬車載せました。ですが殺したインディアンの数が多すぎたので、じきにこれは殺したインディアン首を切り落として、この首を載せて運ぶことになりました。それでも首が載せ切れないほどたくさん殺し続けたので、白人たちは馬車にたくさん積めるように、インディアン頭から皮を剥ぐことにしました。これが「レッドスキン」(赤い皮)の言葉始まりです。スポーツチームロゴデザインインディアン頭部使いインディアン大量虐殺にちなんだ名を着けることは、最もたちの悪い人種差別であり、インディアン民族対す現在進行中のジェノサイドなのですシャーリーンや「NSRSM」のヴァーノン・ベルコートインディアンたちの全国運動によって、数多くのプロ・アマのスポーツチームが「インディアン・マスコット」を廃止している。東ミシガン大学1991年に、校内チームの「ヒューロンズ」(ワイアンドット族のこと)を、「東ミシガン・イーグルス」に名称変更した一方で、高まる抗議の中、イリノイ大学いまだに「イリニウェク酋長」と「戦うイリニ族」の使用続けている。現在、シャーリーンや「NSRSM」が変更求め現役のプロ・アマのスポーツチームには、次のようなものがある。 オハイオ州アンダーソン高校」の「レッドスキンズジョージア州の「アトランタ・ブレーブスオハイオ州の「クリーブランド・インディアンス」、及び「ワフー酋長フロリダ州立大学の「セミノールズ」(セミノール族はこのチーム名マスコット使用許可している) ミシガン州の「マルケット・レッドメン」、及び「レッデテス」 アイダホ州サーモン高校の「サベージズ」(野蛮人ノースダコタ州立大学の「ファイティング・スー」(戦うスー族ワシントンDCの「ワシントン・レッドスキンズ一方アメリカインディアンから人間性剥ぎ取られ続けてます。彼らは羽根着け、顔を塗って詠唱しエンターテインメントとして私たち歴史使用して私たち将来を担う者たちの自尊心挫くのです。

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反「インディアン・マスコット」運動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 14:27 UTC 版)

スーザン・ショーン・ハルジョ」の記事における「反「インディアン・マスコット」運動」の解説

スーザンNFLの「ワシントン・レッドスキンズに対して、「レッドスキンズ」(赤い肌)のチーム名チームロゴが「インディアン文化卑しめている」として、その廃棄求めてヴァイン・デロリア・ジュニアやマテオ・ロメロらとともに1992年9月12日米国特許商標庁起こした訴訟の7人の原告団の一人として知られている。 全米フットボール協会訴訟に対して憲法修正第1条の「言論の自由」を盾にとった。特許商標庁審査員全員インディアン有利な判決下したが、最高裁判所インディアン敗訴判決下した特許商標庁はなおも、この案件再検討値するスーザンらに同意している。 現在、この訴訟は「Blackhorse et al v. Pro Football」として、インディアン若者たち原告となって引き継がれている、(→Harjo et al v. Pro Football, Inc.、Pro-Football, Inc. v. Harjo) スーザンたちは、オクラホマ大学インディアン・マスコットの「リトル・レッド」の使用廃止成功している。ダートマス大学の「インディアンズ」の名も、スーザンらの抗議によって変更されるなど、全米かなりの数の高校・大学が、「インディアン」に関連する名前マスコット使用廃絶している。1994年の「ロサンゼルスタイムズ」紙のインタビューで、スーザンはこうコメントしている。「こうした名称の変更には、本当に励まされます。それはアメリカ成長し人種差別に対して光を当て始めた本当に良い兆しです。」 スーザンインディアン民族ステレオタイプ像に対すもう一つ取り組み対象ハリウッド映画であり、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』、『ラスト・オブ・モヒカン』、『シャイアン』といった映画におけるインディアン描写に関して、「白人中心プレゼンテーション制作による、『インディアンらしさ』の押し付け偏見ステレオタイプ強化していく」として反対意見述べている。 「インディアンステレオタイプ」、つまり「高貴な野蛮人」だとか「姫」だとか「スコウ」、「凶暴な戦士」といった、ハリウッド映画におけるインディアン・イメージ固定化は、インディアン激しく批判抗議する対象である。 スーザンは『ダンス・ウィズ・ウルブズ』については、「『ダンス・ウィズ・ウルブス』が示したものは、『インディアン題材お金意味するということでした」と述べている。一方テレビドラマの『たどりつけばアラスカ』でのインディアン描かれ方は褒めている。先述の「ロサンゼルスタイムズ」紙のインタビューで、スーザンはこうコメントしている。 多く映画での問題は、未だに心根良く容姿良い白人ばかり出てくる」ということです。もうひとつインディアンについてです。彼らは我々を描く際にデタラメ言葉を話させます私たちは「コーンではなくメイズ」を食べます私たち歩きません。スキップする跳ね回るのです。私たちは「歌」とか「音楽ではなく、「詠唱」(チャント)します。私たち教会礼拝するではなく儀式行いますそのようなすべてが私たちとは程遠く似ても似つかないものになっていて、どの部分においても私たち当てはまらないものになってます。

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反「インディアン・マスコット」運動

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ヴァーノン・ベルコート」の記事における「反「インディアン・マスコット」運動」の解説

合衆国では20世紀入ってプロ・アマスポーツチーム多くが、インディアン民族イメージしたチーム名や、動物扱いしたマスコットキャラクター採用した。これらすべてがインディアンステレオタイプイメージに基づき、本来のインディアン文化とはかけ離れたのである多くインディアン団体個人が、この「インディアン・マスコット」はインディアン文化卑しめるものとして、その撤廃変更チーム関係者、州に要求してきた。ヴァーノンは、生涯通じてインディアン・マスコット」の撤廃運動に力を注いだインディアン運動家一人である。 1992年、「コロンブス上陸500周年」に当たるこの年に、ヴァーノンは「スポーツメディア人種差別に関する全国会議」(NCRSM)を結成しスーザン・ショーン・ハルジョシャーリーン・テッタースインディアン女性運動家と連携しナショナル・フットボール・リーグの「ワシントン・レッドスキンズ」や、「カンザスシティ・チーフス」、プロ野球メジャーリーグの「アトランタ・ブレーブス」と「クリーブランド・インディアンス」のオーナーに、その名称の変更インディアンマスコットキャラクター廃止訴えて激し抗議運動行った。 「インディアン・マスコット」を使用している多くチーム試合では、白人ファンたちが羽根飾りを頭に着け、顔をペイントし、太鼓を叩きトマホーク型の応援グッズ振り下ろす(「トマホーク・チョップ」という)応援が行われている。インディアン達は、「これらすべてが、インディアンの本来の文化とはかけ離れた侮辱的なのである」として、激し批判と抗議行っている。 この年、「ワシントン・レッドスキンズ」対「バッファロー・ビルズ」の「スーパーボウルXXVIゲーム」に合わせヴァーノン抗議団は球場集結してデモ行ったヴァーノンは2,000人以上の群衆前に演説行い、「レッドスキンズ」のジャック・ケント・クークオーナー、NFLコミッショナーのポール・タリアブーエを激しく叱責した。ヴァーノンはクークにこう抗議した。 あんたのフットボール・チームの名前は変えなければならない。もう羽根たくさんだ。もうペイントした顔もたくさんだ。そんな「チョップ」はもうここで止めるべきなんだ。 この年9月12日スーザン・ショーン・ハルジョヴァイン・デロリア・ジュニアら7人のインディアン運動家が、「ワシントン・レッドスキンズ」を相手取りチーム名変更要求して集団訴訟決行ヴァーノンら「NCRSM」も、この法廷闘争参加する連邦裁判官2003年にこの訴え却下している。 1994年、「インディアンス」の新球場ジェイコブス・フィールド完成合わせヴァーノンたちインディアン抗議者は「インディアンス」の名称変更と「ワフー酋長」の廃止要求し、「ワフー酋長」のマスコット人形燃やして抗議した。この廉で、ヴァーノン他4人のインディアンクリーブランド警察によって「加重放火」の罪で逮捕された。 1997年、「インディアンス」の本拠地球場でのワールドシリーズ合わせ、「ワフー酋長」に対す抗議デモ行い市警察逮捕された。この逮捕では初め告訴取り下げられ起訴されなかった。 ヴァーノンは、アメリカ黒人たちの初期公民権運動の中での妥協派を引き合い出し、「インディアン・マスコット」を容認するインディアン部族を「(白人の)砦に群がるインディアン」だとして批判している。ワシントン州スポーカン族が、マイナーリーグベースボールの「スポケーン・インディアンス」のチーム章の「S」のマークの羽を添えたことで、「インディアンス」のチーム名存続認めたことに対し、彼は死の前年2006年受けたインタビューで、次のように語っている。 私たち対す中傷者たちが言うことはいつもこうだ。「我々は、あなたに敬意表しております。」 だがそれは名誉ではない。私たち尋ねなければならない。「誰の名誉なのか?」と。 プリマスの岩でのピルグリム・ファーザーズの上陸から始まって、我々のうちのおよそ1600万人絶滅させられた。ワシントン州すべてのインディアンで、少女たちが鉱山町性奴隷として競売の上売られ少年たち牧場奴隷にされたのだ。 ロバート・ウォーリアー(オーセージ族イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校Ph.D)は、「AIM」とヴァーノン取り組みについて次のように述べている。 私は、インディアン共同体多数の人たちが、「反インディアン・マスコット運動成功している」と見ているとは思いません。「AIM」の行動には…、 間違いがあったし、彼らの行動対す多数批判があり、そしてその多くたしかにそうです。しかし、ヴァーノンと他の「AIM」の主導者たちがやってきたことは、他のインディアン団体がしてこなかった取り組みでした。…人々要求耳を傾け、手を差し伸べようとしたのです。

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