反「インディアン民族移動説」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 02:57 UTC 版)
「ヴァイン・デロリア・ジュニア」の記事における「反「インディアン民族移動説」」の解説
現在の人類学では「インディアンは中央アジアからベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸に住みついた民族である」との民族移動説が、白人主導のなか、定説のようにされている。 一方、すべてのインディアンの神話では、「かつて世界は一面、水に覆われていたが、やがて“亀の島”が現れ、そこから現れたインディアンが現在の人類の祖先になり、世界中に広がった」と正反対の内容となっている。 キリスト教の創造神話を学んだ神学者でもあるヴァインはこの定説に対し、インディアンの口承神話に基づいて激しく反論批判を行ったインディアンの一人である。ヴァインは「この人類移動説はインディアンの口承神話を否定するものであり、アジアからアメリカへのインディアンの移動などなかった」としている。 1995年、ヴァインは著書『Red Earth White Lies』(赤い大地、白い嘘)で、多くの考古学者も賛同するように、「移動説が挙げるような時代にベーリング海峡に陸の橋など決してなかった」と主張している。ヴァインは「陸の橋がなかったとすれば、船を使って渡ったのだろう」との反論に対しては、「船で渡るには民族移動というスケールは大きすぎる」と反論しており、「第四紀の大量絶滅が新参のインディアンによってもたらされた」との学説には、同じ時期に人間という狩人の到着があったユーラシア大陸でそのような例が見られないことを挙げて、「インディアンに対する人種差別である」として批判を行っている。
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