仮面ライダーキバの専用ビークル
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「仮面ライダーキバの登場仮面ライダー」の記事における「仮面ライダーキバの専用ビークル」の解説
素晴らしき青空の会が開発した、対ファンガイア用迎撃戦士システムで、「イクサシステム」とも呼ばれる。イクサの名は「Intercept X Attacker (未知なる脅威に対する迎撃戦士システム)」の略称である。 軍事目的に開発されたパワードスーツの設計思想を元に、ゆりの母親である茜たちが所属する人間工学研究所で対ファンガイア討伐用に回収、再設計し、開発した。嶋や素晴らしき青空の会の多岐に渡るコネクションの莫大な資産が完成までに投入され、1986年にロールアウトするものの、内部のソフトやメカが10回に渡ってバージョンアップを経て、「Ver.X」の現在に至る。 変身者は主に青空の会メンバーが務め、1986年では紅音也が装着することが多かった。2008年では名護啓介が主に使用している。その他の劇中でイクサに変身した人物は次狼、麻生ゆり、麻生恵、襟立健吾、ルーク、糸矢僚である。 変身に際しては、まずイクサベルトを腰に巻き、イクサナックルのマルチエレクトロターミナルを掌に押し当てる。その後イクサナックルをイクサベルトに差し込むと、「フィストオン」という電子音声とともにスーツが出現し、それを装着することで変身完了となる。なお、健吾だけはイクサナックルを靴に当てる異色の動作で変身していた。 全身の白い装甲イクサアーマーはダイヤモンドに匹敵する硬度8.522の超合金イクサプラチナで造られている。インナーのブラックアーマースーツは最強の合成繊維といわれる強化繊維カーボテックリネン製である。胸部の動力ユニットソルミラーは、内部にある次世代型電力駆動エンジンイクサエンジンで蓄積した電力を数百倍に高める。両肩に設けられた黄色のランプソルフラッシャーが放つ光は300万カンデラにおよび、光に弱いとされるファンガイアに対して強力な武器となる。各所に配置されている、円が3つ組み合わさった三角形のパーツはデルタアースと呼ばれ、過剰な電流を空中に放電して負担を軽減する機能がある。 音也の変身ポーズは、仮面ライダー1号をイメージしたものとなっている。 『仮面ライダーキバ』の1号ライダー「キバ」がファンタジックで生物的なデザインであったため、2号ライダーは人間が科学力で作り上げた存在に決まり、キバの「闇」に対する「光」となるような、白い聖職者のイメージが求められた。ただし科学といっても、当初は「中世からモンスターを退治してきた錬金術師的なヴァンパイアハンター」という構想に基づき、レトロな技術を用いるオカルティックな戦士が考えられていた。そのため初期デザインでは呪いや髑髏のモチーフが盛り込まれていたのだが、子供たちが怖がらないように恐ろしげな意匠をひとつひとつ排除していった結果、オカルト要素は何ひとつ残らなくなってしまった。唯一初期から継承されたのは、キバのコウモリの翼に相対する「羽根」のモチーフである。 吸血鬼との対決を描くことから十字架というモチーフとなったが、宗教色は出せないため、十字架ではあるが十字架には見えないものであり、ライダーっぽさとして変形要素が採り入れられた。当初は黒いプロトタイプにする案もあったが、クロスシールドの開閉によって違いを表現し、22年の時を経て初めて未完成だったマスクが開くという進化感を演出するものとなったが、登場順が逆となり、現代編で初登場となってしまった。 また、『仮面ライダーカブト』の「下からせり上がってくる角」や『仮面ライダー電王』の「顔の上のレールを移動する電仮面」と、従来作で顔面に関連するギミックが続いたことから、本作品でもライダーのマスクに仕掛けを施すことになったのだが、キバのマスクに変形要素はないため、その役割は2号ライダーに回ってきた。キバがウエイクアップで右脚を開くように、2号ライダー「イクサ」は顔面のシャッターが開閉して2つのモードを移行するようになったのである。 胸部のソルミラーは、「ヴァンパイアは鏡に映らない」という伝承にちなんでデザインされた。また全身のデルタアースは、もともと紫外線を照射するライトのイメージだった。なおデザイン時の色の塗り間違いで、白を基本とするはずの指のうち人差し指と中指だけが黒くなっているが、「引き金を引かねばならない穢れた指」という意味を込めて、そのまま採用された。 モード セーブモード 仮面ライダーイクサの第1形態。頭部の精密機器を保護するクロスシールドは閉じており、顔面を覆っている。稼動に際して消費する電力はバーストモード時の約60%であり、エネルギーの急激な流入によるスーツの自壊を防ぐ。 主にイクサシステムが稼動を開始した1986年において活動しており、「プロトイクサ」とも呼ばれた。最初期のバージョンは不完全なシステムであったため装着者の肉体に著しい負担をかける欠点があり、屈強なウルフェン族の次狼ですら入院してしまうほどだった。しかし麻生ゆりはこの欠点を逆手に取り、わざとルークにイクサを奪わせることで、変身に伴う大ダメージを与えることに成功した。 バーストモード 仮面ライダーイクサの第2形態。1986年から10回のアップデートを重ねることで、2008年に使用可能となった。 イクサの開発思想を完全に実現した形態であり、セーブモード時よりも高い戦闘能力を発揮するが、エネルギーの消費が大きく、装着者や内部コンピュータへの負担はゼロにできておらず、30分以上の連続使用は命の危険を伴う。 変身に際しては、いったんセーブモード状態のスーツを装着する。それからクロスシールドを開放して赤い複眼ハンティング・グラスを露出させ、最後に赤いオーラを放って変身完了となる。なお2008年の時点では任意のタイミングでモードを切り替えられるようになっているが、いずれの変身者もスーツを装着すると即座にバーストモードとなることが多かった。 ツール イクサナックル 仮面ライダーイクサへの変身に用いられるジェネレーター発動キー。マルチエレクトロターミナルに触れた対象がイクサシステムに適合するか否かを解析し、適合と判断した場合はスーツを装着させる。 装着者の体調やスーツの状態を常に把握しており、戦闘時にアドバイスを行う非人間型サポートロボットでもある。 さらに近接格闘用の電磁ナックルウエポンとしても使用可能であり、特に1986年においてはイクサ唯一の武器であった。情報解析用のカメラアナライズアイからは衝撃波を放つことができ、変身前にも使用された。 1986年から2008年に至るまでバージョンアップが繰り返されており、外見こそ当初から変化がないものの、中身はまったくの別物になっている。内部スペックは以下の通り。 1986年仕様2008年仕様バージョンXバージョンXI内蔵HDD 50GB 20TB 非公開 内蔵メモリ 10MB 80GB OS IXA-OS-PLT-01 IXA-OS-10.2 マザーボード IXAS-00086 IXA-080127 CPU 80 MHz/HI-BRAIN-X 7 GHz/MACH-BRAIN-RX-IV DUAL 仮面ライダーキバがキックを強く打ち出したキャラクターだったため、イクサはパンチに着目することになり、ナックル系の武器を使用することは当初から決まっていた。両手に2つのナックルを装備する案もあったのだが、それではフエッスルを持てなくなってしまうため、ナックルは1個に絞られた。 また構想段階では、ナックルに人工知能を搭載してしゃべるようにすることが検討されていたが、生きているキバットのキャラクター性にはとても勝てないために廃案となり、実際の劇中では武器としての側面が強調されている。 イクサナックルが発する電子音声は合成ではなく、声優の声を機械音のように加工した物である。劇中では1986年と2008年で若干音声が異なり、1986年版のほうが音が低めになっているが、玩具では再現されていない。 イクサフエッスル イクサベルトの両サイドには、仮面ライダーキバと同様に各種のフエッスルが装備されている。これらはキバの力を嶋が分析してイクサに転用したものである。 なかでも3つのフェイクフエッスルは、キバが持つオリジナルのフエッスルを模倣した物であり、本物と同様の周波数を出す。ナックルフエッスル 右腰にある、ブロウクン・ファングを発動するための銀色のフエッスル。 1986年に装備されていたのは、このフエッスルのみである。造形は羽根飾りがモチーフ。 カリバーフエッスル 右腰にある、イクサ・ジャッジメントを発動するための金色のフエッスル。先端の造形はイクサナックルの顔のように見える部分、側面はビスがモチーフである。 パワードフエッスル 右腰にある、パワードイクサーを召喚するための白いフエッスル。側面の造形はギアの噛み合わせがモチーフである。 ガルルフェイクフエッスル 左腰にある、ガルルセイバーを召喚するための青いフエッスル。 劇中ではキバが召喚したガルルセイバーを奪い取るのに使われた。 バッシャーフェイクフエッスル 左腰にある、バッシャーマグナムを召喚するための緑のフエッスル。 ドッガフェイクフエッスル 左腰にある、ドッガハンマーを召喚するための紫のフエッスル。 イクサカリバー イクサ専用の万能武器。2形態に変化することで遠距離から近距離までの戦闘に対応できる汎用性の高さが特徴で、仮面ライダーライジングイクサに強化変身した後も、新たに追加されたイクサライザーと併用された。ガンモード 銃形態。ファンガイアが苦手とする純銀物質を含んだエネルギー弾シルバーバレットを、秒間30発連射できる。 グリップ下に伸びるエネルギーマガジンには、ひとつにつきシルバーバレット120発を生成できるエネルギーバレットを、最大20ブロックまで装填できる。1ブロック分のエネルギーを撃ち終えると、エネルギーは下のバレットから上のバレットへと自動で転移装填される。ただしすべてのエネルギーを撃ち尽くしてしまうと、20ブロックをまとめて全部交換しなくてはならない。 カリバーモード 剣形態。グリップ内に収納されたエネルギーバレットから、鍔元のエナジーコアが流動エネルギーを取り込んで増幅し、刀身を走るエナジーラインに沿って先端まで送り込む。 持ち手に近い銀の刃ミラーブレードは、秒間3万回の高速振動を起こして切れ味を鋭くする。切っ先の赤い長剣ブラッディエッジは特殊金属ブラッディメタル製で、ファンガイアの表皮に化学反応を起こして溶解させると同時に、エネルギーを吸収して弱らせる。 必殺技 ブロウクン・ファング イクサベルトにナックルフエッスルを読み込むことで、イクサナックルに瞬間電圧5億ボルトのエネルギーを一点集中させ、相手を殴って粉砕する。 イクサ・ジャッジメント イクサベルトにカリバーフエッスルを読み込むことで、イクサカリバー カリバーモードの剣先に光のエネルギーを集中させて敵を一刀両断にする。 発動時には胸のソルミラーに太陽の紋章が浮かびあがり、弱いファンガイアならばその光だけで灰に変えてしまうという。
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