車椅子 種類

車椅子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/03/31 10:03 UTC 版)

種類

競技用の車椅子。通常の車椅子では考えられていない、激しい負荷が発生することが多いので、基本的にオーダーメイドとなる。
陸上競技用/2007年ボストンマラソン優勝者
介助用ハンドルとブレーキを備えた車いす

普通型

自走式もしくは自操式ともいう。車いすの主輪外側にあるハンドリムを搭乗者自身が操作して、前進・後退・方向転換を行う。後輪のサイズは20インチ~25インチ程度。身体状況に応じて選択されるが、動作性などから大径のものを選択するユーザーも多い。

スポーツ型(競技用)

フレーム・車輪にカーボンチタンなど、競技用自転車(→ロードレーサー)と同様に軽量・高剛性な素材・技術を導入し、車いすで行う各スポーツに特化させた様々な形状をもつ。
主なものは、室内競技用(車いすバスケットボールバドミントン)、車いすテニス用、車いす陸上競技用(トラック、車いすマラソン)、スキー用(シットスキー/チェアスキー)など。
タイヤ破損時の交換を容易にするため、クイックリリースシステムが搭載されている。
また、専用に強化された固定式フレームの剛性・駆動効率は一般の車いすとは比較にならないほど高い。

介助用車いす

身体障害者福祉法では車いす手押し型と呼ばれる[要出典]。常に介助者が後方からグリップ(ハンドル)を押して操作する為、車輪にハンドリムは備えない。16インチ程度の小さめな車輪を備えるものが多いが、段差乗り越えなど屋外での移動を考慮して20インチ以上の車輪を備える場合もある。駐車するためのブレーキとは別に、自転車と同様のブレーキを備える事が多い。

片麻痺者用車いす

通常、車いすというものは両腕の操作で駆動させるものではあるが、脳卒中による片麻痺、あるいはその他疾病により、片手のみ、片手片足、もしくは足のみが健常である人であっても自操できるようにしたものである。
ダブルハンドリム方式
健常側の主輪に通常のハンドリムの外側に2本目のハンドリム(直径がひとまわり小さい)が設置されていて、このハンドリムを回すと反対側の主輪を駆動させることが出来る。2本のハンドリムを同時に動かすと直進するのだが、当然ながら片手で両輪を動かすこととなり、かなりの腕力が必要である。
レバー駆動方式
健常側に両主輪に繋がったレバーが設置してあり、レバーを前方へ倒すと少し前進する。連続して前進するには船を漕ぐ要領で「倒す・起こす」を繰り返します。バックもレバーを後ろへ倒せば可能である。方向転換する時は曲がりたい方向へレバーを傾けつつ倒すと出来る仕組みになっている。ギア比を考慮してあるタイプでは、少ない力でも駆動する。
低床・足漕ぎ型
片麻痺障害がある場合、片手片足が健常という方も見受けられる。そのような場合に健常側の手足を併用して駆動力に使用するタイプである。座面高さを足が床に付くよう低めに設計し、フットレストを片側のみ立てて(取り外せるようにしたものもある)使用する。蹴りの後方へのストロークを稼ぐため座面下のクロスバーの位置を通常より後方にずらした設計になっているものや、キャスターの動きが足に当たらないように左右のキャスターの間隔(トレッド)を広くした設計のものもある。
また、このタイプは足の筋力自体は十分あるが、不随意運動によりバランスが悪く歩行時に転倒の危険がある場合、あるいは腕力だけでは十分な駆動力の得られない四肢障害のある障害者が、脚力併用で使用している例もある。

リクライニング型・チルト型

特徴としては背もたれ部分が頭部まで延長した形になっている。多くは介助型もしくは電動型である。また、背面を大きく後方へ倒すことになるので、バランスを保つため後輪が普通型のものより後方に位置することになりホイルベースが長くなるので、屋内での取り回しなどに苦労する場合がある。これを防止する目的で、通常のホイルベース長のフレームのティッピングバー付近に補助輪をつけたタイプもある。車いす自体も大きくなり、重量も嵩み、特にティルト型はその機構が邪魔をして折り畳めない物もあり、車への積み込みが困難となりうる。見た目の特徴として、介助用ハンドルにレバーが2本(1本は普通の介助型車椅子にもある介助用ブレーキレバー、もう1本が座面もしくは背もたれの傾斜時に握るレバーであり、見分けるために両者は色違いとなっている)存在する。

リクライニング型とは背もたれ部分を後方へ倒すことが出来るようにしたもの。背中や腰の伸展により座面に掛かる体重を分散させ、座位時間の延長を促す目的や、ベルトなどで固定して座位を保っている利用者の胸部・腹部等への圧迫を一時的に逃す目的で使用する。また腰や股関節の障礙により完全には背中を起こせないため普通の車椅子に座れない者にも用いる。以前は離床を促すためによく使われたが、実際には背面を倒すだけでは姿勢くずれを助長させやすいことが指摘されている。とくに臀部(おしり)へ前後方向の負荷がかかることにより、組織が引っ張られたままとなり褥瘡(床ずれ)を誘発することがあるので、背もたれ角度を調節し終わったら正しい座位となっているか確認することが重要である。フットサポートの角度調節ができるもの(背もたれ角度と連動式のものもある)も多く、背もたれを完全に倒すことでフルフラットとする機能が付いたものは、長時間の座位保持が難しい利用者には休憩の度にベッドへ移乗する必要がなくなり介護の負担軽減も見込まれる。
チルト(ティルト)型とは座面と背面の相互角を『ある角度』に保ったまま斜傾調整できる機能を備えたもの。筋力低下・体幹の変形・麻痺・不随意運動などにより長時間端座位(ベッドなどの端に両脚を下ろして腰掛けた状態)がとれず、姿勢のくずれが起きやすい人に適用する。ロッキングチェアのように重力を利用して、長時間の安楽な座位姿勢をとることが可能となる。寝たきり防止や手足の拘縮予防も期待でき、余暇活動へも参加しやすく、利用者へのメリットは大きい。座にかかる圧力をチルトによって背に逃がす目的で使用することも多く、その場合のチルト角は30度以下では座にかかる圧力が背に逃げきらないので、30度以上のチルト角度が必要となる。
股関節への圧迫開放のためリクライニングで背もたれ角度を変え、なお且つティルトを使って座面圧低下を狙うための、ティルト&リクライニング型というものもある。

スタンドアップ車いす(起立機構つき車いす)

起立姿勢をとることが出来る車いす。リハビリに使用する「傾斜起立台」(起立姿勢が取り難い人の体をベルトで板に固定して起立姿勢をとる器具)と車いすを合体させたような形であり、通常は普通に車いすとして使い、立ち上がる姿勢が必要になった時(仕事・買い物・リハビリなど)、適宜立ち上がり姿勢をとることが出来る。フットレスト部・背もたれ部にベルトで体を固定し、手動もしくは電動による操作でフットレスト・座面・背もたれが駆動し起立状態まで体を持ち上げる。本体の車いすは手動と電動のものがある。立ち上がることで身体に与える好影響は、下肢中心に大いにあり、起立訓練は理学療法の場で頻繁に行われている。関節可動域の確保や骨萎縮、起立性低血圧などの廃用症候群に効果があるといわれているが、車いす使用者の場合、日常生活において手の届く範囲が限られることと、ものに接近しづらい点が問題としてあげられるが、これらの問題について有効であると思われる。

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注釈

  1. ^ 常用漢字外だったのは2010年11月30日まで。

出典

  1. ^ 道路交通法第二条の11号の3
  2. ^ 道路交通法第二条の第3項
  3. ^ ここでいう一般的なものとはJIS規格(規格番号JIS T 9201)で定められている「手動車いす」のことで、車いす型式分類における「自走用標準型車いす」や「介助用標準型車いす」などのこと
  4. ^ JIS規格(JIS T 9203)で定められているもの
  5. ^ JIS規格(JIS T 9208)では「ハンドル形電動車いす」と呼ばれる。
  6. ^ a b 車いすのはじまりは? - つくばみらい市 社会福祉協議会
  7. ^ 車椅子の歴史 海外編 - 株式会社ジェー・シー・アイ
  8. ^ 車椅子の歴史 日本編 - 株式会社ジェー・シー・アイ
  9. ^ 障害者自立支援法第七十六条
  10. ^ 介護保険法施行令第三条の二
  11. ^ “電動車いす、誤使用などで死亡事故多発”. TBS. (2013年9月12日). http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2012905.html 2013年9月12日閲覧。 
  12. ^ 金属探知機に反応しない竹製車椅子を開発 - 産業技術総合研究所、2010年12月21日







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