トグル機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 01:43 UTC 版)
トグル機構は二つのリンクと一つのスライダーから構成されるリンク機構の一種であり、機械要素のひとつである。一般的なリンク機構の目的は多くの場合、機械の運動を一定のパターンに束縛するためのものであり、伝達要素として力を伝えるが、てこのように機構それ自体で力を変換するために使われるわけではない。トグル機構は倍力機構である点が特徴である。
原理

右図で、関節Aは固定されており、Cは固定されていない。また、BはスライダーとしてGの表面上を左右に移動できる。節
右写真はトグル機構を用いた締め付け用クランプである。このようなクランプは各種の加工現場においてワーク(加工対象物)を固定する目的などによく用いられる。
ナックルプレスもトグル機構の応用の一つである。また大砲のネジ式閉鎖機を締めつけるための機構としても使われている [4]。 近年では、トグル機構を利用した建築用制震装置も実用化されている [5]。
脚注と参考文献
- ^ “からくり治具の素:倍力構造−1” (Japanese). エンジニアのための技術講座. MISUMI. pp. ローコストオートメーション講座 第92回 (2002年12月3日). 2010年11月21日閲覧。
- ^ “からくり治具の素:倍力構造−2” (Japanese). エンジニアのための技術講座. MISUMI. pp. ローコストオートメーション講座 第93回 (2002年12月10日). 2010年11月21日閲覧。
- ^ 齋藤次郎 (1976). 機構学のアプローチ. 技能ブックス15. 大河出版. pp. 152-153. ISBN 4-88661-415-9
- ^ 伊藤茂, ed (1983). メカニズムの事典. 理工学社. pp. 47. ISBN 4-84452006-7
- ^ 加藤元,大塚功一,江原栄次 (2003). “てこの原理で地震を制する,〜トグル機構を用いた建築用制震装置”. 川田技報 (川田工業株式会社) 22: 88-89 2010年11月21日閲覧。.
- “基本的な機械要素演習” (PDF) (Japanese). 職業訓練機構. 2010年11月21日閲覧。
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