海岸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/01 16:02 UTC 版)
分類・種類
様々な分類法がある。
ひとつは、海岸の材質によって、「砂浜」「磯浜(磯)」などと分類する方法がある。 砂浜とは砂でできた海岸である。「磯」や「磯浜」と呼ばれるのは、岩礁性の海岸である。
また、海岸の地形をその成因によって分類し、沈水海岸と離水海岸に分けることもできる[4]。沈水海岸とは地盤沈降によるもの、離水海岸とは海底隆起によるもの。
海面の変化に影響されないものを「中性海岸」と分類する。デルタ海岸や干潟、珊瑚礁などがこれに分類される。
地形によって分類することも可能である。
他に人工的に生みだされた海岸、例えば、埋立地の海岸、人工的に造成した海岸などを特に「人工海岸」と分類する。
なお、海岸地帯の土地は満潮線・干潮線との関係に着目し、「潮上帯」「潮間帯」「潮下帯」に分類することも行われている。
沈水海岸と離水海岸
- 沈水海岸(英: Submergent coastline)
- 地盤沈降により、相対的に海面が上昇したものを沈水海岸という[4]。
- 河川などによって削られた地形に海が入り込むために、海岸付近で急激に深くなったり、岸近くに思わぬ暗礁があったりと海岸線が複雑になることが多い。海岸は硬い岩石からなり、岩石が露出し、山地が海岸に迫る。このような海岸は岩礁海岸や磯浜海岸とよばれ、一般には磯(いそ)とも呼ばれる。地形ではリアス式海岸や多島海、フィヨルド、三角江、断層海岸などがこれに分類される。例として三陸海岸や瀬戸内海、スカンディナビア半島のフィヨルド地帯が挙げられる。
- 離水海岸(英: Emergent coastline)
- 逆に海底が隆起し、相対的に海面が下降したものが離水海岸である[4]。
- 海岸線は平坦、遠浅で、海岸は地層が凝固していない砂からなる砂浜海岸となることが多い。地形では沿岸州、潟湖(ラグーン)、砂州・砂嘴、砂丘、陸繋島・陸繋砂州(トンボロ)、海岸平野や海岸段丘・海食崖・海食棚(波食台)がこれに分類される。例として千葉県九十九里浜、鹿児島県吹上浜などが挙げられる。
海岸線
陸と海との境界の「線」は海岸線(かいがんせん)と呼ばれる。汀線(ていせん)ともいう。
海面は潮汐とともに上下し、潮差の大きい地方では、1日のうちでも周期的に大きく変動する。満潮時の境界線を高潮海岸線または満潮汀線[1]とよび、地形図で用いられる。干潮時の海岸線は低潮海岸線あるいは干潮汀線[1]とよんで、海図に描かれる。
海岸線は、波による侵食、堆積作用、地殻運動による隆起と沈降、海水準変化などによってその位置が変化しやすい[5][リンク切れ][6][リンク切れ]。
各国の海岸線の長さに関しては国の海岸線の長さ順リストを参照。
なお、島嶼国家である日本は海岸線が長く、その合計は3万5000キロに達しており、アメリカ合衆国の1.5倍、中華人民共和国の2倍の海岸線を保有している[7][8]。
- ^ a b c “海岸 > 渚にまつわるetc > 用語集”. 茨城県. 茨城県. 2020年5月9日閲覧。
- ^ a b ミシマ社: 松本健一『海岸線の歴史』p.26-p.27
- ^ [1]
- ^ a b c “海岸工学 講義スライド 第2回(海岸形状と港湾構造物)” (PPT). 山口大学工学部社会建設工学科水工学研究室. 2020年5月9日閲覧。
- ^ 「かいがん‐せん【海岸線】」 大辞泉[リンク切れ]
- ^ 豊島吉則 「海岸線(かいがんせん)」 日本大百科全書(小学館)[リンク切れ]
- ^ ミシマ社: 松本健一『海岸線の歴史』p.18
- ^ ミシマ社: 松本健一『海岸線の歴史』p.30
- ^ “沿岸海域土地条件図 地形区分等”. www.gsi.go.jp. 国土地理院. 2020年5月9日閲覧。
海岸と同じ種類の言葉
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