中ソ論争とは? わかりやすく解説

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ちゅうソ‐ろんそう〔‐ロンサウ〕【中ソ論争】

読み方:ちゅうそろんそう

中国ソ連の両共産党間の国際共産主義運動原則などをめぐる論争1956年スターリン批判平和共存路線発端として、1960年ごろから公然化。国家間政治的対立へと発展し1969年には国境での武力衝突起こったが、1980年代入って鎮静化した。


中ソ対立

(中ソ論争 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/10 15:50 UTC 版)

ソ連共産党ニキータ・フルシチョフ第一書記(右)と中国共産党毛沢東党主席

中ソ対立(ちゅうソたいりつ、ロシア語: Советско–китайский раскол中国語: 中苏交恶英語: Sino-Soviet split)は、1956年から1960年にかけて表面化した中華人民共和国ソビエト連邦の対立状態である。始めは政党間の理論、路線対立だったが、次第にイデオロギー軍事政治に至るまで広がった。

主な事件

対立の始まり

軍事的対立と米中接近

関係好転とソ連崩壊

東側諸国への影響

中ソ対立と東側諸国
赤=ソビエト連邦及びソビエト連邦に与した東側諸国(第三世界の諸国を含む)
黄色=中華人民共和国及び中華人民共和国に与した東側諸国(アルバニア社会主義人民共和国民主カンボジア
黒=ソビエト連邦と中華人民共和国の両者にも与しなかった東側諸国(ユーゴスラビア社会主義連邦共和国北朝鮮

中ソ対立が、東側諸国内部の関係に及ぼした影響を一枚の地図に図示するならば右図のようになるが、実際には各国の立場は微妙なニュアンスと時代ごとの変化を含んでいる。以下、代表的な国を例示する。

中国と友好し、ソ連と敵対。1968年にワルシャワ条約機構を脱退。1971年にはアルバニア決議を出して、中華民国を国際連合から追放させる。1976年の毛沢東の死後は中国とも敵対し(中ア対立)、事実上鎖国的な孤立政策を取る。
1948年にソ連と対立しコミンフォルムを除名処分。非同盟諸国の有力国家となり、1977年にヨシップ・ブロズ・チトー大統領は中国を訪問した。
1968年のプラハの春では、ワルシャワ条約機構軍の軍事介入を非難するなど、ソ連とは距離を取って西側に接近しており、中ソ対立最中の1969年にニコラエ・チャウシェスク国家評議会議長が中国を訪問、1978年には華国鋒がルーマニアを訪問するなど、中国とも一定の外交関係を有していた。
金日成統治下の北朝鮮は、中ソ双方と等距離の友好外交を行った。
ベトナム戦争では、ホー・チ・ミン率いるベトナム民主共和国(北ベトナム)が、ソ連と中国の両国から双方から援助を受けた。しかし、ベトナム戦争が終結し、1976年に南北ベトナムが統一されると(ベトナム社会主義共和国の成立)、1979年のカンボジア侵攻と中越戦争で中国と敵対し、それ以降も中国との領土紛争が起こって敵対する一方、ソ連との友好は維持された。ソ連崩壊後の現在でも、ベトナムと中国は南シナ海の領有権問題で対立している。
ポル・ポト政権(民主カンボジア)は親中ヘン・サムリン政権(カンプチア人民共和国)は親ソ
アメリカとの対立によりソ連に接近。中国とは友好も敵対もせず。しかし、1966年に「カストロ首相、中共を激しく非難」という記事が毎日新聞に大きく掲載されていることなどから、やはり当時はキューバもソ連に与しており、中国との関係は悪かったようである。
  • その他

日本の左翼党派の立場

日中共産党の関係#中ソ対立と日中共産党の関係を参照
反スターリン主義の立場から、中ソを全面否定。
反スターリン主義の立場から、中ソを全面否定するが、中国総路線の「虚偽性の暴露」のための理論闘争を展開しなければならないと主張。
帝国主義の評価の点で、中国のほうが正しいとした。しかし、中国共産党には、世界革命論が欠落しているとも主張。
平和共存を支持するとした。中ソ論争の評価に対しては、中ソ論争が帝国主義者に利用されないよう、留意すべきであると主張。
ソ連を支持。
ソ連労働者国家無条件擁護・官僚制打倒を主張。

脚注

  1. ^ 世相風俗観察会『現代世相風俗史年表:1945-2008』河出書房新社、2009年3月、145頁。ISBN 9784309225043 
  2. ^ a b 清水、2003年,87頁
  3. ^ a b 清水、2003年,88頁
  4. ^ 清水、2003年,88 - 89頁

参考文献

関連文献

関連項目

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