フリーの活動家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 13:38 UTC 版)
「GUNSLINGER GIRL」の記事における「フリーの活動家」の解説
ジャコモ=ダンテ(Jacomo [Giacomo] Dante) クローチェ事件の主犯で、ジャンとジョゼの復讐の相手。少年の頃からの活動家として名を知られており、18歳のときにイタリア北部のヴィチェンツァのアメリカ軍キャンプで起こした極左テロが最初だとされている。逮捕された翌年に拘置所から脱走。1993年に海軍のミサイル駆逐艦を攻撃。1999年には極右勢力の環境大臣の誘拐を主導したとされる。 五共和国派の協力者になる以前は、理由は不明だが、エジプト軍に拘束されていた。エジプト海軍の巡視艇ディムヤートで地中海を護送されている最中に、ピノッキオとジョン・ドゥに救出される。ジャコモは特に救出されることを望んではいなかったが、五共和国派の極右勢力の一人クリスティアーノからクローチェ検事の殺害の依頼を受けて五共和国派への協力に同意し、クローチェ事件を起こした。その後長らく逃亡してアフリカに潜伏していたが、新たなテロを引き起こすためイタリアへ舞い戻った。 過去に右翼でも左翼でも活動していたことから、当局は無政府主義者とみているが、アレッサンドロは彼の行動は闘争に対する才能の自己顕示の行動だと見ている。ジャコモ自身もまた、特定の思想を持たず自分の目的は闘争そのものだとしている。目的の達成のためなら人種民族などに拘らない。リーダー性とカリスマ性を持っており、主義主張を異とするも目的を同じくする者らを五共和国派の垣根を超えて各派を統べる。新トリノ原発ではジャンとリコ、さらにジュリアと戦って敗北し、重症を負って逮捕された。取り調べでは容疑を認め裁判に掛けられるも、ジャコモを担ぐ新右翼の勢力がジャコモの開放を狙って活動を始めている。 イブラヒム・アシク (Ibrahim Asik) ジャコモ=ダンテの右腕となる黒人活動家。中東の地図にも載らないような小国、その中でもさらに小さな少数民族の出身。イギリスの名門大学に留学しており、コンピュータの専門知識に通じ、アレッサンドロとはトーマス・マコーリーの詩を諳んじて問答をするなど、豊富な教養を持つ。 本来は無関係の五共和国派の戦いに参加する理由は、彼の祖国の民族問題によるもので、事の正否に関わらず「自分の名が知れれば故郷の運動も注目される」と判断したためである。ジャコモとはアフリカで知り合い、その常軌を逸した人柄に魅了され、彼のような人物にならなければ世界を変えることはできないと考えて片腕となった。五共和国派は黒人を差別しているが、ジャコモがアシクを使用する理由を訊かれた際、彼はアシクが器用だからだと説明している。 新トリノ原発事件においては、司令室に立てこもり、五共和国派の戦闘を支援した。また、ジャコモから渡された核弾頭を司令室に持ち込んでおり、司令室まで侵攻された場合は自爆する算段であった。しかし、対峙したアレッサンドロに心の迷いを見抜かれ、彼に素性を見事に言い当てられたことで一瞬の隙を突かれて取り押さえられた。その後、アレッサンドロとの取引に応じてクリスティアーノの情報を彼に渡し、エマとともに進撃してきたイタリア陸軍の包囲網を掻い潜って無事脱出した。事件後の消息については、本編では描かれていない。 フランカ (Franca) 声 - 横山智佐 / 平田絵里子 「フランコとフランカ」として有名なフリーの爆弾テロリストの女。本名はカテリーナで、フラスカーティの農園なども営む裕福な家庭の生まれ。パトリツィアとは大学の友人同士で、当時ローマの警官だったマルコーを紹介した。冤罪で投獄された父を救い出すため、中途半端を嫌って大学を(休学ではなく)中退し、何度も裁判に挑んだが何も進展せず、父は不審な獄中死を遂げた。父親の名誉回復と政府への復讐、そして世の中を変えるために活動家となる。活動家になるに際しパトリツィアには事後にその経緯を明かした。活動に加わるために活動家に接触するも、たらい回しされた末に厄介払いでフランコを紹介された。フランコを訪ね、生きる情熱を失っていたフランコを焚き付けてコンビを組む。フランカという偽名についてはアニメ版にて、フランコが爆弾仲間であるニノらに紹介した際に名前を訊かれてフランコが咄嗟に名付けたシーンがある。 クリスティアーノの依頼を受け、フランコと共に五共和国派に与することとなる。最初の依頼はスペイン広場での無差別爆破テロで使う爆弾の製造で、一般人を巻き込むのは自らの主義に反するとして偽物の爆弾を渡そうとするが、爆破計画が漏れたことで爆弾の引渡しは行われなかった。次にメッシーナ海峡横断橋の建設中止のための活動を指示され、クリスティアーノの飼う殺し屋ピノッキオと組ませられる。合流した三人は横断橋爆破を計画するが、公社など体制側の執拗な妨害に遭い、計画は難航する。アニメ版では、度重なる失敗の責任を負わされたクリスティアーノが組織内で失脚することを知らされたフランカは、彼を救うため拙速ながら実験橋の橋脚を爆破しようとするが、ジョゼとヘンリエッタに妨害され不十分な結果に終わる。翌日、ピノッキオはクリスティアーノを助けに屋敷へ向かい、フランカとフランコは逡巡するが結局彼を追うことに決める。屋敷へ急行した二人は公社に捕まったクリスティアーノを門前で奪還して車に乗せ逃走を試みるが、運転をしていたフランカがアンジェリカに狙撃されて致命傷を負い、車ごと崖から川に転落した。生還したクリスティアーノによると死亡とのこと。 目的のためには手段を選ばない活動を良しとせず、無関係な人を巻き込まない主義に徹した。場合によっては他のテロリストに対し、依頼された爆弾の偽物を渡そうとしたり、当局に通報したりもしている。自分らを目撃した少女の殺害を提案したピノッキオを言い含めたり、負傷したピノッキオを気遣い手当てしたり、苦しんでいる妊婦を助けようとして公社作戦1課に身柄を拘束され、拷問を受けながらも妊婦が変装であることを確認したりと、本質は心優しい女性である。 フランコ (Franco) 声 - 園岡新太郎 / 安元洋貴 「フランコとフランカ」として有名なフリーの爆弾テロリストで身長190cmの男。祖父は爆弾作りの名人として有名で、その手伝いをしていたことから爆弾作りのその腕前は知られている。しかし、今では精巧な爆弾ではなく携帯電話で起爆させる簡単な爆弾が重用されているとして、嫌気がさしている。 爆弾作りの教えを請いに来たカテリーナを疎ましく思っていたが焚き付けられ、フランカという偽名を与えて仲間とする。フランカとの個人的な関係ははっきりと描かれていない。フランカはピノッキオに対しフランコのことを相棒、ボディーガード、爆弾作りの師匠と紹介している。またフランコは、ピノッキオに対しフランカの恋人であることを否定し、フランカは目的を失った自分に対し目的を与えてくれる存在としている。しかしアニメ版では二人が抱擁するシーンがある。 クリスティアーノ救出の際、銃撃するために飛び出してきたリコをフランカは避けようとしたが、フランコがハンドルを奪ってそれを阻止し、リコを轢かせた(漫画では倒れたリコをさらに銃撃している)。クリスティアーノを奪還して車に乗せ逃走するが、フランカが撃たれたことにより車ごと崖から川に転落した。生還したクリスティアーノによると死亡とのこと。 ニノ・フェレッティ (Nino Ferretti) 声 - なし / 関俊彦 ベルガモ・アルタ(ベルガモ旧市街)の出身。表の世界ではアンティークショップ「ベルッティ道具店」に勤務する修理工をしている活動家。元トリノ工科大学(イタリア語版)の学生。ジョゼからヘンリエッタに贈られた万華鏡をリコが壊してしまったことで修理を依頼される。店主からは腕を見込まれていたが、修理工としての使命感はあまり持っていないと説明している。 裏の世界ではかつては爆弾作りの名人で、仲間からも一目置かれる過激な爆弾テロ犯だったが、活動に疑問を持つようになってある日を境に慎重で流血を好まない誘拐専門の活動家になった(アニメでは一緒に活動していた兄の死がきっかけとされている)。それ以降、活動家仲間からは「走れなくなったチベタン・テリア」(作中では俊敏だがおとなしいチベットの牧畜犬あるいは観賞用の犬と説明されている)と蔑まれている。メッシーナ海峡横断橋会社のイザベラ・ダンジェロ理事長を誘拐する計画のリーダーに指名され準備していたが、慎重なニノに苛立った仲間たちが独断で作戦を決行し失敗、彼はその責任を取るとして姿をくらませた。誘拐の準備中、フランカがニノに爆弾作りを頼みに来るが、彼は彼女に復讐の虚しさを語った(アニメでは失敗後に列車で去る場面になっている)。以降、本編に再登場することはなく、消息は不明。 エンリコ・ペルディーニ (Enrico Perdini) 活動家。元「赤い旅団」系極左テロリストで、共和国広場爆弾テロほか4件の実行犯。無政府主義者で、活動資金が出るなら政治色は左右を問わない。フランカとフランコに依頼していた爆弾をローマ郊外のオスティアで受け取ることになっていたが、エンリコの独断でローマで引き渡すこととなった。スペイン広場で無差別爆破テロを行う予定で、その経歴からフランカは良い顔をせず偽物を渡す予定だった。しかし、前の晩に公社による手入れでエンリコは逮捕された。
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