バンディッツ東京(ヤマキ自工サッカー部)
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「俺たちのフィールド」の記事における「バンディッツ東京(ヤマキ自工サッカー部)」の解説
日本リーグ時代から続く名門クラブ。本拠地は東京。日本リーグ時代は高杉貫一がエースとして活躍。Jリーグ創設に際し、Jリーグ準会員加盟は行ったものの、親会社のヤマキ自工はJFLで十分だという程度の熱意しかなくJFLからのスタートを余儀なくされる。ヤマキ自工の意志は現場に反映され、スタジアムや補強というハード・ソフト両面での整備が出遅れる事となる。主人公・高杉和也が留学から帰国すると、和也の知っているヤマキの姿は無く、やる気の無い集団と化していた。以下の選手の他に、騎馬や磯野もプレー。Jリーグ昇格に尽力した。昇格時にクラブ名をバンディッツ東京に変更。「山賊」の意で、ユニフォームとフラッグのデザインは連載時、読者より応募されたものから採用された。ディフェンスに関しては日本代表監督・鹿野からも「Jリーグで1、2を誇る」と述べられている。 ヤマキ自工の名前は週刊少年サンデーの編集者だった八巻和弘、及びヤマハ発動機サッカー部(現:ジュビロ磐田)をヒントとしているのではないかと言われている(村枝はジュビロ磐田と中山雅史のファンで、ジュビロ磐田のJ昇格時に少年サンデー誌上に中山を題材にした読み切り漫画を描いたことがある)。 石川 亨(いしかわ とおる) ヤマキ自工のキャプテン。ポジションはフォワード、ディフェンダー。 かつて貫一とツートップを組んでいた事もある古参選手。事実上の初登場はアルゼンチン編が終了してナビスコカップ編冒頭だが、和也たちが少年サッカークラブに所属していた時も貫一と共に試合に出場している。 和也に昔とは違い活気の無いヤマキ自工には入団しない方がいいと忠告するために高杉家を訪れる。しかし和也や拓馬の入団をきっかけに再度Jリーグ入りを目指す。なお和也が入団後はディフェンダーとして守備を統率した。特に秀でた面が無いため地味な存在だが、その温厚で誠実な人柄からチームメイトには慕われている。 バンディッツがJ昇格後は現役引退し監督に就任した。妻と1男1女がいる。 桜場 慎二(さくらば しんじ) ポジションはフォワード。自他共に認めるごっつぁんゴーラー。 ヤマキ自工時代からの古参選手の一人で、帰国後の和也のプレーや人柄に触発されひたむきさを取り戻す。トリッキーなポジショニングでJリーグ昇格後も得点を重ね日本人選手で得点ランキング3位に入り日本代表に選出される。完全な努力型であるため、決定的な場面でミスもするが(「桜バカー!」とサポーターに野次られたこともある。味方である和也のシュートやゲームメイクによる決定的な得点を潰したこともある)、その努力で運をも引き寄せるところに魅力があるキャラクター。実際実力がないわけではなく、リザーブ・ドッグス戦や韓国代表戦では和也とのコンビネーションで決定機も演出している。また、明るい性格でムードメーカーの役割も担う。97年W杯予選のサウジアラビア戦で決定的な4点目(現実の97年W杯予選のW杯出場を決めたゴールシーンにそっくりである)をゲットする。W杯本選のアルゼンチン戦に先発出場し、夢を信じ倒れるまで走りつづけた姿は、和也のフィジカルコンディションを覚醒させる遠因となった。作者は彼について連載終了後、「和也に次ぐリザーブ・ドッグズと旧代表の橋渡し役」と特集を組んだ雑誌でコメントしている。 土黒 貴之(つちぐろ たかゆき) ポジションはボランチ。 ヤマキ自工時代からの古参選手の一人で、皮肉屋な一面もあるが、冷静な性格。桜場と仲がよく、いいコンビである。桜場が代表に選出された時には「惑星直列並みの奇跡」と言いつつ「惑星直列のないヤツもごまんといるんだからな」とショックを受けつつ桜庭を励ましており、予感させるが代表に選出はされなかった。本編で希少な車を運転する登場人物の1人。 間 慶悟(はざま けいご) ポジションはゴールキーパー。 JFLヤマキ自工時代からの古参選手の一人で、恵まれた体格を生かし数々のピンチを防ぐ。冷静な面もあるが、激昂しやすくチームメイトとも喧嘩をしてしまう。低迷していたヤマキに嫌気が指し移籍を考えていたが、和也の加入によって変貌していく仲間達に希望を見出し、ヤマキ自工上層部がJ加盟を取り消す意志を知る事で逆に移籍を封印しチームの為に奮起する。Jリーグに昇格し、石川が引退した後はバンディッツのキャプテンを務めた。熱くなりやすい性格が災いし、レッドカードを掲示されたこともある(その際、彼の進言でバンディッツが、控え登録の選手の中にサブキーパーを一人も登録していなかった事が発覚した)。レッドカードで退場したためキーパーを出来る選手がいないと言うトラブルになってしまった。土黒曰く「ミサイルぶち込んでも壊れそうにない」桜庭からは「病気しているのを見た事が無い」と言われており、その両名からは「存在が非常識」と言われた。退場後はハーフタイムに自ら後半の作戦を提案した。ちなみに酒が飲めなかったり、アイドルのファン?だったりする一面もある。 西合志 恵(にしごうし めぐみ) ポジションはフォワード。 JFLヤマキ自工時代からの古参選手の一人。ただし初登場は博多デルフィネス戦で、足の故障のために退場した拓馬の代わりに出場。ポストプレイヤーでフィジカルが強く当たり負けしない。後の濱田ほど無口ではないが、寡黙で喋る時は「な、な、なんかじっとしていられなくて」などと一番初めの言葉を2,3回くらい言うのが特徴である。 エジムンド・ロッシャ ポジションはディフェンダー(左サイドバック)。 J昇格後、バンディッツ東京にレンタル移籍した選手。ブラジルのサテライトクラスだったが和也もレベルの高さは認めている。来日時には、ニークがバンディッツの選手寮に姿を現した時と同じような出迎えを受けた。Jリーグ編の博多デルフィネス戦ではニークのワンマンプレイを庇う桜場を他のディフェンス陣と一緒にスパイクで叩くなど、割とチームにも馴染んでいる模様。当初はローン移籍だったが、加入から2年過ぎた98年W杯予選から本大会にかけての時期でもバンディッツに所属している。 ビラルド・ジルバ ポジションはミッドフィルダー(サイドハーフ)。 Jリーグ昇格後、バンディッツ東京にレンタル移籍した選手。彼もまたブラジルのサテライトクラスだったが和也もレベルの高さは認めている。無口で濱田同様本編では一度もセリフがない。Jリーグ編のヴェルディ戦では1点をゲットする姿が描かれている。こちらも98年W杯本大会の時期までバンディッツに所属している模様。 レジャストロニーク・ユーリ ポジションはディフェンダー(リベロ)。通称「ニーク」。 Jリーグ昇格後、バンディッツ東京に移籍したウズベキスタン代表のセンターバック。代表ではキャプテンを務める実力者。来日当初は日本のサッカーを侮っており、あまりのワンマンプレーに和也を含んだバンディッツ東京の面々と大乱闘になってしまった。また、来日には別の理由があったため心を閉ざしていたが、和也を始めとするチームメイトとの交流を通して次第に心を開いていく。ソ連崩壊後の混乱からウズベキスタン国籍を選択した経緯もあって、Jリーグ編のセレッソ大阪戦では、ロシア代表のビクトル、ディミトリ、シェイキンらとは因縁の対決となった。1997年アジア最終予選ではウズベキスタン代表として和也のいる日本代表と戦う。Jリーグ編における和也と並ぶもう1人の主人公である。はじめは日本語は全く分からなかったようだが、後にカタコト(カタカナ表記)で話すようになる。 98年W杯予選ではウズベキスタン代表として日本代表と戦い、敗れている。その際にユニフォーム交換をしようとした和也に対して、「ナイスゲームとは言えない」「俺の国が泣いている」と悲痛な表情で断り、代表選手としての責任感の強さを見せている。 尾瀬 バンディッツの選手寮の寮長兼賄い。寮に住み込んでおり、本編に家族は登場しないが、既婚者である。貫一らがいた強い時代のヤマキを知る数少ない人物である。言葉遣いはやや乱暴だがかつてのヤマキに対する思いは強く、昔に戻って欲しいと願う。なお、料理の腕は拓郎が気に入るところを見ると超一級。自称「ヤマキのサポン(ー)ターを生業にしている」であり、志を同じくするサポーターに振舞うように用意しているのか、試合の観戦に弁当を持参している。 八巻 玉緒(やまき たまお) バンディッツ東京のメインスポンサー「ヤマキ自動車工業」の社長令嬢。初登場時は高校生1年生であり、98年W杯予選には高校の卒業旅行を兼ねて観戦に訪れている。彼女自身は普通の女の子だが社長令嬢という育ちにコンプレックスを抱いていた。和也にスポンサーサイドにJ昇格の意志がないことを伝えて、和也を激昂させてしまう。しかしヤマキの試合に興味を持ったらしく、その後何度も試合を観にいく。この時に愛子とも顔見知りになっている。初対面では印象の悪かった和也に自分を普通に扱ってくれる存在と好意を持ち始め、また自分のコンプレックスも友人との確執から和解を経て解消しヤマキのJリーグ昇格のきっかけ作りにもなる。後に97年W杯最終予選にも現地まで友人と駆けつけ、和也を食事に誘うなど積極的な一面も見せたがイラン戦後に愛子の日本を(和也を)信じた強さに微妙な三角関係から身を引く。ナビスコカップ編の最重要キャラの1人。作者は連載時コミックスで「お嬢様、という設定をどう描くか悩んだ」という。 八巻 光蔵(やまき こうぞう) 「ヤマキ自動車工業」の社長。Jリーグ発足当時は「ヤマキ自工」をJリーグ準加盟はさせたものの、経営の視点からJリーグに昇格をさせる必要は全くないと判断していたが、同チーム選手の熱意や娘の玉緒の変化をきっかけとして「ヤマキ自工サッカー部」をJ昇格させることを決意する。ナビスコカップ編ではやや嫌味な登場人物のようにも見えるが、スポーツマンガでは多くの場合は主要人物の感情的な視点から語られるプロスポーツの話(これは当然本編では和也達選手の視点になる)をメインスポンサーの経営的な視点から語っている登場人物として、ストーリーに厚みを持たせたナビスコカップ編の最重要キャラの1人である。なお、後に和也をCM出演させたこともある。
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