テンマの協力者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 01:58 UTC 版)
「MONSTER (漫画)」の記事における「テンマの協力者」の解説
ヴォルフガング・グリマー / ノイマイヤー 声 - 田中秀幸 / 幼少期 - 河原木志穂 フリージャーナリスト。1954年生まれ。東ドイツに存在していたと言われる謎の孤児院・511キンダーハイムで行われた非人道的な教育等を追及している人物。ドイツ統一前はジャーナリストという表向きで、世界各地でスパイ活動をしていた。自身も511キンダーハイム出身で、14歳以前の記憶が殆ど無い。名前はその孤児院で付けられたものであり、本名は最後まで不明のまま。普段は常に穏やかな笑顔で、一見人が良さそうで簡単に騙せそうだが、自分の感情を自然に表現することが出来ず、日常的な場面での表情は、状況に応じてどのような表情をすべきかを学んだ結果でしかない。また冤罪が蔓延する社会で過ごしたことなどから、一目で人の嘘などが見抜け、偶然会ったテンマが冤罪で追われていると確信し、逃げる手伝いをしたことから縁を持つ。スパイ時代に妻子を持つが、息子の死を機に家庭が破綻。息子の死を前にどう反応すべきか分からない彼に、妻は「あなたの心の中には何もない」と言って去っていった。 窮地に陥ったり激しい怒りに駆られると、突如として痩身の外見からは想像もつかない超絶的な力と凶暴性を発揮し、敵対する人間を殴り殺す。正気に戻った時、その記憶は無い。自身は、孤児院で昔見たアニメになぞらえて、この別人格を“超人シュタイナー”と呼んでいる。ボナパルタによると人格改造実験の中で見られた症例の一つで、この症状が見られた子供の殆どは自殺しており、彼のように40歳過ぎまで生き延びたのは奇跡的な例であるという。 チェコで511キンダーハイムについて独自に調査を進めていたが、それはヨハンの生い立ちを知り関わることでもあった。成果を横取りしようとする旧チェコスロバキア秘密警察と対峙しつつ調査を継続するものの、ヨハンの妨害によりその核心には後一歩というところで届かなかった。その過程でヨハンによる一連の殺人事件に関わり、その容疑者となっていたスークの疑いを晴らすため、自分が真犯人であるとの手紙を送り、警察に追われる身となった。テンマと別行動をとってからは、独自にフランツ・ボナパルタの調査を進め、その所在を突き止めることに成功。ルンゲと同時期に、ルーエンハイムでボナパルタ本人を発見する。グリマーはボナパルタを裁きの場に引き出す為、町で虐殺を繰り広げるヨハンやその部下達からボナパルタを守ろうとする。殺し屋達相手に説得も試みるが、少女が射殺されるのを目の当たりにし、怒りを爆発させる。結果、“超人シュタイナー”ではなく自らの意思でヨハンの部下達を倒すが、自らも瀕死の重傷を負う。駆けつけたテンマとボナパルタの前で、失われた感情を取り戻し、息を引き取る。その死を見てボナパルタは過去に自分が行った行為を涙ながら深く悔いた。 ディーター 声 - 竹内順子 511キンダーハイムの元スタッフだった里親のハルトマン(声 - 矢島正明)に虐待を受けていたところをテンマに助けられた少年。テンマを慕って旅に同行する。サッカー好きで、テンマからもらったサッカーボールを常に持っている。 テンマにはあまり感情を出したりしないが、何があっても付いて行こうとし、テンマ以外にはその愛情を素直に表現する。フランクフルトでは、トルコ人街を火災から守るため奮闘した。 ヤコプ・マウラー 声 - 秋元羊介 ハイデルベルク・ポスト新聞社の記者。テンマは中年夫婦連続殺人事件にかかわる9年前の新聞記事を探すために訪れる。テンマの話を信じておらず邪険に扱うが、テンマの必死な姿を見て資料室を貸す。ヘビースモーカーでテンマに吸いすぎと注意を受ける。仕事第一で家庭をおろそかにしていたため、妻は娘を連れて実家に帰ってしまう。その後資料が見つかりテンマと共にニナが暮らすフォルトナー夫妻の家に向かう。テンマと別れる際「ちゃんと生きて帰ってくるんだ。そうしたらな煙草やめてやるよ。」とテンマを送り出すが、テンマがニナを連れて帰ってきた時には何者かに殺害されていた。 ヒューゴー・ベルンハルト 声 - 山野史人 歴戦の傭兵で、東南アジアの戦線などで活躍。ドイツの郊外に射撃訓練所を構え、逃亡潜伏中のテンマが銃の扱いを身につけるために訪れる。軍人時代にミャンマー人女性を射殺、その娘(声 - 田中真知子)を養女として引き取る。テンマが訓練所を去った後、ルンゲから取調べを受ける。その際、テンマの射撃の腕に関しては「実戦で力を発揮できるかどうかは別として、技術面では満点。なんといっても集中力が抜群」と評する。テンマに訓練をつけていくうちにその人柄を知ったためか、行き先について問われた時は黙秘した。また養女である少女はヒューゴーに心を開いていなかったが、テンマと過ごしていくうちに感情を取り戻し、ヒューゴーにも心を開くようになった。 オットー・ヘッケル 声 - 安原義人 金にがめついこそ泥。シュプリンガー夫妻殺人事件でテンマと出会い、逃走中のテンマにもぐりの医者の仕事を紹介する。料理が得意。後半からは全く出番が無かったが、最終話で再登場し、南フランスにいた双子の母親を探し出す手助けをした。 Dr.シューマン 声 - 小林勝彦 ディーターを連れたテンマがたどりついた村の老医師。小さな村の医療を一手に引受ており、その熱心さもあって村人に慕われている。不在中の診療所で患者を手当てしたテンマを追い、知り合う。大学病院時代には院長の派閥に取り入って院長の娘と結婚までしたものの、出世主義が過ぎたために妻の体調の悪化を見過ごし死なせてしまった過去を持つ。テンマの正体に気づきかけたハインツ(村出身の警官/声 - 宮本充)からかばい、密かに想うペトラ(ハインツの母/声 - 谷育子)の診察の手助けをさせた。クモ膜下出血だったペトラをテンマが手術する中、指名手配中であることを確信して応援を呼んだハインツと取引きして、包囲を解かせる。テンマの腕と人格を認め、村に留まってもらうよう懇願するが、意思固く旅立つテンマの無事をディーターに託して見送る。 ルーディ・ギーレン 声 - 菅生隆之 凶悪犯罪者の精神分析を行なう犯罪心理学者。テンマとは大学の同級生。常に大学トップの成績を保っていたが、テンマが転校してきてからその座を奪われ、以来テンマに対して嫉妬心、コンプレックスを抱く。そんな因縁もあって、初めはテンマの主張する“怪物”ヨハンが、テンマのもう一つの人格なのではないかと疑い警察と罠を張るが、テンマの話から過去のわだかまりが解けて、警察の包囲網から逃がす。後にヨハンが実在する事と怪物であることを悟り、ヨハンの追求とテンマ救済に尽力する。 一度結婚していたが、妻は犯罪者の精神分析にのめり込む彼に嫌気が差し、離婚して家を出て行ったため現在は独身。事件後、ヨハン事件について『怪物への道』という著書を刊行し、大ベストセラーとなった。 ユーリウス・ライヒワイン 声 - 永井一郎 精神分析医。1937年生まれ。ギーレンの大学時代の恩師であり、現在は心理療法センターを開いている。元国境警察の警察医だった経歴も持ち、空手と柔道の有段者。 クライアントで友人でもあったリヒァルトの死を不審に思い、その原因を探る内にヨハンの存在を知る。そのためにロベルトに命を狙われるが、テンマに救われる。テンマの意図とヨハンの怪物性を悟り、彼を殺人犯にしないためとヨハンを追い詰めるために、ギーレン、ニナらと共にテンマ支援チームの中核として尽力する。 フリッツ・ヴァーデマン 声 - 大林隆介 「冤罪晴らしの達人」と評される辣腕弁護士。逮捕されたテンマの弁護を請け負う。父親のシュテファンはドイツ人追放で故郷を追われたドイツ系チェコ人であり、西ドイツでスパイ容疑で禁固刑を受け、1972年に獄死。そのせいで幼少期からスパイの子供として奇異な目で見られる。その後の裁判で父親の事件は冤罪と立証し、一躍時の人となる。学生時代に父親は本当に東ドイツ側のスパイだった決定的証拠を見つけ、深い苦悩を抱き、以来人を信用することが出来なくなった。また父親はボナパルタと親交があり、“赤いバラの屋敷”の実験にも関わったと思われていたが、スークと共に担当した朗読会の証人への事情聴取で父親が証人へ「虹の彼方に、きっといい所がある。」「君もこんな所から早く逃げろ」と語っていた事実を知り、真意に触れて心を救われる。後にテンマは勿論、死んだグリマーの潔白をも完全に証明した。物語の途中で妻との間の子供が生まれる。
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