イントロダクションの記載例とは? わかりやすく解説

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イントロダクションの記載例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 06:31 UTC 版)

IMRAD」の記事における「イントロダクションの記載例」の解説

表.イントロダクションの記載例(和文)及び英訳原文(Original text)英訳(English translation)備考(Notes)1 無血清の条件であっても10%血清含有培地用い従来培養方法匹敵するようなX細胞培養手法見出したので報告するWe are reporting because we discovered a method for the serum-free cultivation of X cells. Even though this is a serum-free cultivation method, it is comparable to the conventional cultivation method, which uses a medium containing 10% serum. 研究の成果一言でまとめた一文が、イントロダクション冒頭書かれることがよくある2 X細胞は、ヒト骨髄から採取される体性幹細胞である。 X cells are somatic stem cells that are collected from human bone marrow. 研究対象がどんなものなのかを、由来という観点から説明している。 3 X細胞は、軟骨神経分化することが知られており、自家移植治療、(患者から採取した細胞培養後に同じ患者へと戻す治療法)において有用性期待されるIt is know that X cells differentiate into cartilage and nerves, and they are expected to be of use in autograph treatments (in other words, treatment in which cells are collected from a patient and then returned to the same patient after cultivation). 研究対象どのようなのであるかを、「どう(世の中の)役立つのか」から説明している。 4 X細胞無血清/低血清培地培養する方法が、徐々に開発されつつある。 Methods for cultivating X cells in serum-free or low-serum media are gradually being developed. 関連する先行研究動向一言まとめている。 5 例えば、戸らはDMEM培地増殖因子A,B,Cを所定割合加えた培地において、X細胞は、3継代目まではDMEM培地10%ウシ胎児血清FBS)を加えた条件とほぼ同程度増殖速度増殖することを見出したFor example, Tomatsu et.al reported that, in a DMEM medium which included the designated ratio of growth factors A, B, and C, X cells proliferated, up to the third subculture, at a growth speed roughly equal to that of conditions in which 10% fetal bovine serum (FBS) is added to the DMEM medium. 「戸」は架空学者名。“et.al”は“その他”という意味。DMENは実在する有名な基礎培地。 6 雨宮らは、MCDBとDMEMとを1:1の比率混合した培地基礎培地とすることが望ましいことを見出した。 Amamiya et.al reported that it is preferable to use a mixed medium of equal parts MCDB and DMEM as a basal medium. 「雨宮」も架空学者名。#5併せてみるとこの研究先行研究流れとして「戸らの研究雨宮らの研究」という一つ流れがあることがわかるであろう。研究というのは、「先行研究設定条件少しだけ変えてみて、どのような結果になるのか」という積み重ねである。注意すべきは、「戸」と「雨宮」の人間的な評価ならないようすべきということである。即ち、「戸研究改良版雨宮研究」であるいう文脈性を与えるが、不注意な書き方をして「雨宮は戸のまねをしてちょっとよくやった」、「戸より雨宮のほうがすぐれている。」というような、先行研究実行者不快感与えるような価値判断入らないように細心の注意すべきである 7 また小倉石原は、10%ウシ胎児血清FBS)を6010分間処理したものをDMEM培地加えた培地では、DMEM培地に何も加えない場合と同様、X細胞は1継代待たず死滅することを報告したAlso, Ogura and Ishihara reported that, in a DMEM medium into which 10% fetal bovine serum (FBS) treated at 60 for ten minutes was added, X cells died out before the first subculture, the same as in a DMEM medium to which nothing had been added小倉」も「石原」も架空研究者である。小倉は、戸雨宮とは異な流れから、この問題研究していることが判る小倉研究は、あまりポジティブ結果ないよう見えるが、「あまりうまくいかなかった」ということ重要な意味を持つ場合には重要な論文になる場合もある。 8 瀬らは、小倉らと同様のFBS60度で10分間処理したものを、DMEM培地に、10%濃度となるように加えた培地」に対し、戸らと同様の組成増殖因子A,B,Cを添加した場合、3継代以降における増殖速度においても、戸らや雨宮らの結果比べ大幅な改善見出せることを示している。 Minase et.al indicated that, compared with the results of Tomatsu et.al and Amamiya et.al, major improvements are detectable even in growth speed from the third subculture when growth factors A, B, and C are added with the same composition as Tomatsu et.al in contrast with the same DMEM medium used by Ogura et.al in which 10% FBS treated at 60 for ten minutes was added. 「瀬」も架空研究者である。大学大学院入試の「考察問題風に書けば「戸雨宮小倉瀬の研究比較したときにどのようなことがいえるか考察せよ」のような問題が、問題意識にあることが判る。こういった問題意識から導かれる仮説検証するために実験が行われ、実験結果併せて考察組み立てられるのである。 9 しかしながら瀬らの条件においても、X細胞の3継代以降における増殖速度は、加熱処理加えない10%FBSを含む培地比べ劣っている言わざるを得ないHowever, we have to say that the growth speed of X cells from the third subculture is inferior compared with a medium including 10% FBS that has not been heat treated, even under the conditions of Minase et.al. 10上の先行研究踏まえると、特に3継代以降における増殖速度は、60度で10分間理に熱変性し、失活する高分子タンパク成分濃度支配されることが示唆される。 The aforementioned prior research suggests that the growth speed from the third subculture in particular is controlled by the concentration of devitalizing protein ingredients in macromolecules for which heat denaturation occurs when treating at 60 for ten minutes. あまり具体的ではないが、#8の「考察問題」の簡潔な答えがここに書かれている11 一方最近竹達らにより、培養中の細胞の状態を、無染色の状態でも画像処理にてリアルタイムモニタリングする効率良い培養細胞モニタリング手法開発された。 On the other hand, recently Taketatsu et.al developed an effective method for monitoring cultivating cells that allows real-time monitoring of cells status during cultivation through image processing even when no dye is used. 「竹達」も架空研究者である。自分研究デザインをするうえで、手法面で重要な貢献のある研究(要は手法パクった研究)も適宜引用される12 竹達らの手法によると、培養中の細胞のコンフルエンシーとバイアビリティー生存率)がそれぞれ何%であるかが、リアルタイムで非侵襲測定可能である。 Using the method of Taketatsu et.al, it is possible to measure the percentage of confluency and viability of cells during cultivation (survival rate) noninvasively in real-time. 何故竹達の手法を採用したのかを述べている。 13 そこで、本研究では、6010分間理に熱変性し、失活する高分子タンパク成分のうち、どの成分必須であるかを、竹達らの培養細胞モニタリング手法にて観察することにした。 Therefore, in this study, we chose to observe which of the ingredients in the devitalizing protein ingredients in macromolecules for which heat denaturation occurs when treating at 60 for ten minutes are essential using the cell cultivation monitoring method from Taketatsu et.al. 本研究目的簡潔に述べている。 14 意外にも、主だった高分子血清タンパク成分ヒト血清同程度濃度加えたとしても、X細胞培養は困難であったしかしながら血清タンパクのうち、M,Nが重要な役割演じているようであったSurprisingly, the cultivation of X cells was difficult even when adding serum protein ingredients in the main macromolecules at the same concentration level as in human serum.However, it seems that, among them, the serum protein M and N seems to play key role. #11答えクリアカットでない理由一つがここであろう示唆されよう。筆者らは「血清成分熱変性で壊さなければ大量に成長因子加えるような真似はしなくてもよいのでは」ぐらいに考えていたのであろうが(という設定なのだが)…。“主だったというのも歯切れが悪い。多分、大それた仮説言えるほどまでの完全な実験はできていないのだろうと示唆される。しかし、その状況であっても重要な知見があれば、論文にして、いち早く公表する価値があるのだ。また、この論文結果吟味するに当たり、何を根拠に「血清タンパクのうち、M,Nが重要な役割演じているようであった。」と考えたのかについては、注視すべきであろう15 そこで、さらに、前記のM,Nに加え、戸らが見出した増殖因子A,B,Cも培地中に加えたところ、10%FBS(非加熱)と同程度効果得られた。 Then, when we further added growth factors A, B, and C reported by Tomatsu et.al into the medium in addition to the serum protein ingredients M and N, we were able to achieve results comparable to 10% FBS (unheated) . これが、一番の主結果である。恐らくは、「A,B,Cでも、「“主だった”と決めつけた血清成分でもない未知の、熱に弱い成分」が、本当重要なのだが、それがなかったとしても「A,B,Cや、“主だった血清成分」を適切な濃度生理濃度とは異なる)で添加すればうまくいくということ言いたいであろう(という設定)である。 16 しかしながら至適なM,Nの濃度は、M,Nのヒト血清中の濃度よりも2高かった。さらに、成功した条件、即ち高濃度のM,Nの存在下では、好適なA,B,Cの濃度は、戸らによって示され濃度とも異なったHowever, optimal concentration of M and N are two orders of magnitude higher than the concentration in the human blood thereof. Furthermore, on the succeeded condition that is under existence of the high concentration M and N, suitable concentration of A,B, and C are not similar to that of reported by Tomatsu, et al. 17 さらに、上記組成培地にて培養したX細胞が、軟骨分化することにも成功したAdditionally, we also succeeded that X cells cultivated in medium with the aforementioned composition differentiate into cartilage. これは、「本来の目的軟骨作る)にも使えたよ」ということ言いたいのだろう。 注:上記の表に記載の文は、飽く迄学術論文におけるイントロダクション書き方」を例示するために記載されたものである原文英訳共、架空設定に基づく架空結果である。(Abovementioned table is solely intended to a illustrate how to write Introduction in academic paper. All descriptions of both Original text(column 1) and English translation (column 1) of the abovementioned tabl are based on hypothetical data.) ◆論文の中で使われる疑問詞節」についてさて、上述の表に記載された例において、本論文の課題目的)を述べている文(#13)において、「疑問詞節」が用いられていることに注意されたい論文において、課題目的論点を明確化したい際には疑問詞節を用いた文(疑問詞から始まる名詞節文中主語or目的語/補語or前置詞の目的語いずれか位置置かれた文)がよく出てくる。また、他の人の論文が何に取り組んだのかを一言説明したい場合上記の例では使っていないが)にも、疑問詞節がよくつかわれる。しかしながら中学以来お馴染み限られたパタン(例え後述例3寧化や、例4の“no matter how〜”のパタン)を除き解説充実しているとは言い難いため関連表現補足する。 以下の例1,例2は、CDCニュースルーム(パブリックドメイン属す文書 )からの引用。 [例1] As we learn more about Ebola, we understand how it spreads, we understand how it presents, we understand how to treat it, and we understand what can be done to prevent and control it better.(エボラについて知るにつれ、我々はこの病気どのように広がるかや、どのようにしてこの病気治療するかや、よりよくこの病気予防するためは何ができるかを理解した。) [例2(原文ママ)]These kits consist of a thermometer, health education materials, information about how to contact the local health department or health care providers, a card to show if they become ill, and seek care.(これらのキット温度計健康に関す教育資料どのようにすれば地域健康管理部門医療機関連絡できるかを示した情報病気になったときに、病気になったことと治療求めていることを示すためのカード含まれている。) このような場合疑問詞節の内部構造自体平叙文語順となっていることに注意論文においても、質疑においても疑問詞節を用いた文の殆どは平叙文([例1]も[例2]も平叙文)である。疑問詞説が疑問文になる場合については、中学以来[例3]のようなパタンをよく見たと思うが、疑問詞節内は疑問文語順(Where is the bank?)とは異なっていることに注意。 [例3(論文では使わない)]Can you tell me where the bank is ?(郵便局がどこにあるか教えてください 問3参照) [例4(論文ではあまり使われない)]No matter how hard you try to protect others, there's no gratitude.(どんなにあなたが他の人を守るために一生懸命頑張ったとして、何の感謝の気持ち得られません。/英文は より引用) 以下のような、「疑問詞不定詞句」のパタンは、「疑問詞“節”を用いた文」ではないが併せて理解しておくとよいであろう。 [例5]The problem is when to start a treatment.(いつ治療開始するかが問題だ。/参考また、他の類例として、(whether厳密に疑問詞ではいため以下の[例5-7]は疑問詞節ではないが、)whether導かれる名詞句名詞節文中主語or目的語or補語or前置詞の目的語いずれか位置置かれた文もアカデミック英語にはよく出てくることにも注意のこと。中学以来例7(アカデミック英語ではくつかわれるとは言い難い)のパタン(「〜かどうかは私にはどうでもよい」)はなじみがあると思うが、それ以外解説充実しているとは言い難いため補足する。 [例6]Activity of protein kinase RIPK3 determines whether cells die by necroptosis or apoptosis.(タンパク質リン酸化酵素であるRIPK3は、ネクローシス細胞死に至るか、アポトーシス細胞死に至るかを決める。/英文は より引用) [例7]Besides, an air conditioner for a vehicle that detects a malfunction caused by characteristic deterioration of a humidity sensor depending upon whether or not a humidity detection signal is varied in a state where the humidity in the vehicle is varied (as, for example, immediately after starting a dehumidifying operation) has been disclosed.加えて車両内湿度変化させた際(例えば、すぐに除湿運転を開始した後等)に、湿度検出信号の状態に変化生じか否か用いて湿度センサ特性劣化起因する故障検出する車載エアコン開示されている。/英文は より引用) [例8(論文では使わない)]It makes no difference to me whether he comes or not.(彼が来ても来なくてもどうでもよい)

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