その他の器官とは? わかりやすく解説

その他の器官

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 06:02 UTC 版)

魚類用語」の記事における「その他の器官」の解説

耳石(じせき、英: otolith) または 平衡石へいこうせき、英: statolith)、聴石(ちょうせき前庭囊内にある固形物主として炭酸カルシウム形成され平衡を保つのに役立つ。前庭囊は平衡胞基本構造保持し内壁一部が平行斑となって耳石がこれに接触する扁平石、礫石星状石3種類がある。種によって形が違い、種の特徴となる。また耳石には幅の広い不透明帯と狭い透明帯同心円状配列される。これは個体成長停滞する時期有機質沈着少なく透明化することにより形成される。これによってできた紋は年齢日齢査定用いられる耳石には日周輪(にっしゅうりん、日輪にちりん、英: daily ring)が示され仔稚魚の齢が分かるようになったイシモチ耳石は特に大きく、名前(石持)の由来となっている。扁平石(へんぺいせき) 内耳球形囊にある耳石。普通は耳石のなかで最大。単に耳石といった場合扁平石を指す 礫石れきせき内耳卵形囊にある耳石星状石せいじょうせき) 内耳の壺囊にある耳石球形囊球形嚢きゅうけいのう、英: saccule) または 球囊(球嚢、きゅうのう)、小囊小嚢しょうのう、羅: sacculus) 内耳膜迷路一部で、平衡覚受容器受容細胞は垂直の面上に並ぶ。垂直の運動に対して働く。ヌタウナギでは球形囊分離せずヤツメウナギでは分化する有毛細胞大部分支持細胞から分泌され平衡石膜(平衡砂膜)で覆われ、この平衡石膜に対す重力が常に刺激となっている。静止時でも刺激が加わるため姿勢を保つために重要な役割果たしている。魚類のこの平衡石は矢(英: sagitta)と呼ばれる哺乳類蝸牛球形囊基礎部に由来する卵形囊卵形嚢らんけいのう、英: ctricle) または 通囊(通嚢、つうのう、羅: utriculus球形囊と同じ機能持ち構造的に類似している。受容細胞水平面位置する水平面上の運動に対して働く。ヌタウナギでは卵形囊分離せずヤツメウナギでは分化する視葉(しよう、英: optic lobe) 脳の中央背部にあり、視覚中枢嗅葉きゅうよう、英: olfactory lobe) 脳の前部端脳)にある膨れた部分嗅覚中枢上生体じょうせいたい、英: epiphysis嗅葉後方にある棒状物。光やホルモン分泌関係している。 終脳しゅうのう、英: end-brain, telencephalon) または 端脳たんのう脊椎動物において、前脳前半分に由来する部位円口類終脳嗅葉として発生する。 唇(くちびる、英: lip) または 口唇こうしんヤツメウナギアンモシーテス幼生口の上下にある襞状構造上下唇という。また、軟骨魚類の上下顎付随する襞も「lip」と呼ばれる上唇じょうしん、英: upper lipアンモシーテス幼生口器背側縁を成す襞状の構造下唇(かしん、英: lower lipアンモシーテス幼生口器腹側縁を成す襞状の構造皮褶ひしゅう皮膚が皺のように盛り上がってできる筋のこと。 唇褶しんしゅう、英: labial foldサメ類の口角付近にある襞。 皮弁(ひべん、英: dermal flap体表突き出た皮膚の突出物。舌状リボン状、分枝状などがある。ミノアンコウの幼魚全身著しく長い皮弁が覆う。 追星おいぼし、英: pearl organ) または 真珠器(しんじゅき) 繁殖期にできる、表皮肥厚してできた真珠様の白い突起多くは雄の前頭部(鰓蓋)、胸鰭腹鰭出現する。種によって出現する場所は異なる。雌に現れる種もあるが、雄のようには発達しない頭部追星繁殖期の雄の闘争の際武器として使用されるコイ科、カトストムス科、アユ一部スズキ目みられる真珠器(しんじゅき、英: pearl organコイ科追星表皮細胞肥厚突出しその外面角質化し細胞層が覆う。狭義にはこれのみを真珠器という。 接触器せっしょくき、英: contact organ河口域生息するメダカ類(Fundulus)の追星角質層はなく内部石灰化した硬部を備える。 婚姻器こんいんき、英: nuptial organ角質層石灰化した硬部もない。雄性ホルモン支配下にある二次性徴で、生殖腺除去した雄では現れない。 吸盤きゅうばん、英: sucker他物吸着する装置ハゼ科ウバウオ科にある腹面吸盤腹鰭変形物、コバンザメ吸盤は第1背鰭変形物である。 膜蓋(まくがい) 吸盤になっているハゼ類の腹鰭左右にある連結させている膜のこと。 擬餌状体(ぎじじょうたい、イリシウム、英: illicium) または エスカ(英: esca疑似餌カエルアンコウ科擬餌状体)、ルアー(英: lureアンコウ類などの吻上にある誘引突起先端にある膨らんだ部分。これを動かして餌となる生物引き寄せるここから発光物質放出する種もある。タイコウボウダルマのルアーには眼のような一対小黒斑と付属肢見え糸状物を備えエビ似せている。 誘引突起ゆういんとっき) または 第1背鰭だいいちせびれきょく)、吻上ふんじょうきょく、カエルアンコウ科誘引突起アンコウ類などの頭の背面にある突起。これを振って先端擬餌状体が生きているように見せかける背鰭第1変化したもの。タイコウボウダルマなども持つ。 皮膚腺ひふせん、英: dermal gland) または 皮腺(ひせん) 脊椎動物皮膚線は魚類両生類哺乳類によく発達する魚類皮膚腺単細胞性または多細胞性粘液腺(英: mucous gland)で粘液分泌する。また一部鰭棘毒腺があり、深海魚発光腺にも皮膚腺属するものがある。 粘液孔ねんえきこう) ヌタウナギ類体表にある。 粘液囊粘液嚢ねんえきのう、英: mucilage sacヌタウナギ類において表皮中の単細胞粘液腺のほかに体側の各体節ごとに存在する多細胞性粘液腺。糸細胞しさいぼう、英: thread cell)という特異な細胞からなり細胞内の長さcm、幅1-3μm粘液糸(ねんえきし、英: mucous thread)を大量粘液とともに放出して水中粘液網を貼り、捕食防御使われる塩類腺えんるいせん、英: salt gland) または 直腸腺(ちょくちょうせん) 海産軟骨魚類などにある塩化ナトリウム分泌腺。その他爬虫類鳥類が持つ。塩化ナトリウム海水よりも濃い溶液として排出する軟骨魚類では直腸腺という。シーラカンス硬骨魚類だが、直腸腺を持つ。分泌細胞ミトコンドリア富み構造哺乳類尿細管細胞似ている尾部神経分泌系(びぶしんけいぶんぴつけい、英: caudal neurosecretory system魚類脊椎骨末端付近に分布する神経分泌細胞細胞体軸索軸索末梢部を含む尾部下垂体系の総称マンボウ科ヨウジウオ科を除く硬骨魚類板鰓類存在し、全頭類には知られていない板鰓類チョウザメ類には分泌細胞はあっても尾部下垂体存在しない背刀はいとう、英: dorsal blade) テンガンムネエソ、ムネエソモドキなどムネエソ類の背鰭基部前方にある。 体輪たいりんヨウジウオ科の体はかたい体輪覆われている。 軀幹輪躯幹輪、くかんりん軀幹部を覆う体輪尾輪(びりん) 尾部を覆う体輪凹窩(おうか) サメ類の尾鰭付け根凹みのこと。 欠刻けっこく、英: notch切れ込み。特にサメ尾鰭上葉先端付近にある切れ込みを指す。 発電器官はつでんきかん、英: electric organ) または 電気器官(でんききかん発電魚発電力を持つ器官筋肉または軸索分化して形成されるシビレエイやアイゲンマニアなどでは頭の両側デンキウナギデンキナマズでは軀幹部ガンギエイでは尾部にある。短い時間間隔で自らの周囲電場形成し、その電場乱れ感知して餌や外敵存在を知るのに利用されるデンキウナギでは終板電位相応するシナプス電位とこれに続く活動電位発生によって神経支配面は外側が-70mVになり他の面では静止電位保たれ外側が+80mVなので1つの電函を挟んで150mVの電位発生するデンキウナギ電気柱は5000-6000の電函が同方向直列的に繋がっているので、活動電位同期し発生すると600-860Vの電圧発生させる。なお活動電位持続神経や筋と同じくミリ秒オーダーである。 シナプス電位だけで活動電位発生しないものもおり、電気柱構成する電函の数も数十場合から数千にもわたるので、全起電力は1-3Vのものから、ミシマオコゼ類約5V、シビレエイ類では30-80V、デンキナマズでは400-450V、デンキウナギでは600-860Vにも及び、まちまちである。デンキナマズのものは皮膚の腺組織分化したもので、電函の起電力方向が逆である(頭部がマイナス、尾部プラス)。サックス器官(-きかん、英: Sachs organデンキウナギが600-860Vの起電力発電器官とは別に、体の後部持っている起電力の弱い発電器官構成する電函の起電力は主器官起電力と同じ(百数十mV)だが、各電函の間隔大きい。方向探知機発信機としての機能を持つと考えられている。 電函(でんかん、英: electroplaque) または 電気板(でんきばん、英: electroplate) 発電器官最小単位シンシチウム多数集まり電気柱形成。電函の一側面神経支配密に受けており、この神経伝達物質アセチルコリンである。 電気柱でんきちゅう) 電函が積み重なってできたもの。多数電気柱が平行に並んで1個の発電器官形成する(とげ、英: spine体表突き出た骨質隆起で、先端尖ったもの。鰭棘ききょくネコザメ背鰭や、エイ尾棘など。 上膊棘じょうはくきょく、英: humeral spine胸鰭基底の上付近体表突き出たアンコウの上は多尖頭、メダマアンコウの上は2尖頭キアンコウの上は単尖頭である(尖頭参照)。 擬棘ぎきょくタラ科魚類額棘がっきょくカサゴ類などの頭部背面にあるのうち、前頭骨隆起両眼の間にみられる隆起)の後端にある頸棘頚棘けいきょくカサゴ類などの頭部にある頭部背面頭頂骨隆起後方位置する耳棘じきょくカサゴ類などの頭部にある鼻棘(びきょく) カサゴ類などの頭部にある翼棘(よくきょく) ガンギエイ類などの胸鰭にある眼前棘がんぜんきょく) カサゴ類などの頭部にある眼上棘がんじょうきょく) カサゴ類などの頭部にある眼後棘がんこうきょく) カサゴ類などの頭部にある眼部棘(がんぶきょくガンギエイ類などの眼付近にある項部棘こうぶきょくガンギエイ類などの項部にある肩帯部棘けんたいぶきょくガンギエイ類などの肩帯部にある尾部棘(びぶきょくガンギエイ類の腰帯後部から第1背鰭までの背中線上にある眼窩後棘がんかこうきょく) カサゴ類などの頭部にある上擬鎖骨棘じょうぎこつきょくカサゴ類などの上鎖骨付近にある上後側頭棘じょうこうそくとうきょく) カサゴ類などの頭部にある下後側頭棘(かこうそくとうきょくカサゴ類などの頭部にある後側頭骨棘こうそくとうこつきょく) ムネエソ類などの頭部にある前鰓蓋骨棘ぜんさいがいこつきょく) カサゴ類ムネエソ類などの頭部にある前部腹縁棘(ぜんぶふくえんきょく) ムネエソ類などの腹部にある後部腹縁棘(こうぶふくえんきょく) ムネエソ類などの腹部にある離棘(りきょく) 臀鰭前方にある小アジ類には2本の離棘みられる尾棘(びきょく、英: tail-spine) エイ類の尾部生えている尾棘両端鋸歯縁となり毒腺を持つ。一般にアカエイトビエイツバクロエイなど尾部背中線上にあるものをいうガンギエイにあるものは尾部棘区別する出鰓血管しゅっさけっかん、英: efferent branchial vessel酸素得た動脈血から心臓または全身に送る血管解剖学上は静脈さいじょうみゃく、英: branchial vein側静脈そくじょうみゃく、英: lateral vein、羅: vena laterails) 魚類のみにある体側筋中から静脈血心臓へ導く左右1対の血管。その走行中に腹鰭からくる腸骨静脈及び胸鰭からの鎖骨下静脈を受けキュヴィエ管合し、それが心臓の静脈洞に開く。

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その他の器官

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/16 01:28 UTC 版)

蠕動」の記事における「その他の器官」の解説

消化管以外に、胆管尿管卵管その他の分泌管などで見られる下等動物や、高等動物でも胚では、心臓拍動蠕動によってなされる

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