その他の回路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 13:38 UTC 版)
精度の高いアナログ-デジタル変換回路などはクロック信号として矩形波ではなく正弦波を使う。これは矩形波が高い周波数の倍音成分を含んでいてアナログ回路に干渉し、ノイズを発生する原因となるためである。このような正弦波クロックは差動信号とされることが多い。このような信号はスルー・レートが2倍であり、同じ電圧範囲のシングルエンド信号に比べてタイミングの不確実さが半分になるためである。差動信号の電磁放射は単一線の場合より弱くなる。代わりに1本の線を電源の線と接地の線で挟むという技法が使える。 CMOS回路では、ゲートの静電容量は連続的に帯電と放電を繰り返す。キャパシタ(コンデンサ)はエネルギーを発散させないが、駆動トランジスタがエネルギーを浪費する。可逆計算では、コイルを使えばそのエネルギーの浪費を抑えることができるが、一般にコイルをIC上に形成すると大きな面積を必要とする。 また、コンピュータのハードウェアやオペレーティングシステム (OS) の時計機能(年月日時分秒を計測する、一般の時計と同様の機能)のこともクロックということがある。そのようなハードウェアを特にRTC(俗にCMOSクロック)と言う。市販のパソコンのRTCは発振子および周辺回路の精度が一般の時計のようには高くないため、またOSではパソコンの汎用のクロック利用して計測しているために、どちらも一般の時計に比べて誤差が生じやすい。このため、時刻が合っていることが重要な場合は、NTPなどで定期的に補正を行う必要がある。また、起動時にはOSはRTCから時刻を取得するため、再起動前にRTCを正確な時刻に合わせたり、シャットダウン時間が長い場合は起動時にRTCの長期的な誤差傾向を考慮して補正する(Linuxのhwclockコマンド)ものもある。
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