シビレエイとは? わかりやすく解説

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しびれ‐えい〔‐えひ〕【××鱝】

読み方:しびれえい

エイ目シビレエイ科の海水魚浅海砂泥底にすむ。全長30センチ。体は扁平な円形背面褐色不規則な暗色斑があり、体の中央に一対発電器をもつ。南日本分布


麻痺鱝

読み方:シビレエイ(shibireei)

シビレエイ科の海水魚


シビレエイ

学名Narke japonica 英名:Electric ray
地方名デンキウオテシバリ 
脊椎動物門軟骨魚綱エイ目−シビレエイ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
シビレエイの名の通り、体盤の左右に空豆状の発電器官持っているのが特徴。体は円盤状で、背びれ一つある。腹びれ前半部は体盤の後方重なっていて、その下に隠れている。背面に黒い小さな斑点を持つものが多い。 発電器官5060ボルト電気起こし小魚底生動物感電マヒさせて食べる。 胎生5月頃に4〜6匹の胎仔を産む。 長崎県下では底曳網定置網などで獲れているが、肉が柔らかいので食用にはならない理科授業発電器官観察使われる程度

分布:本州中部東シナ海中国フィリピン 大きさ:35cm
漁法:  食べ方: 

痺鱝

読み方:シビレエイ(shibireei)

シビレエイ科の海水魚

学名 Narke japonica


電鱏

読み方:シビレエイ(shibireei)

シビレエイ科の海水魚

学名 Narke japonica


麻痺鱝

読み方:シビレエイ(shibireei)

シビレエイ科の海水魚

学名 Narke japonica


麻魚

読み方:シビレエイ(shibireei)

シビレエイ科の海水魚

学名 Narke japonica


シビレエイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/05 14:21 UTC 版)

シビレエイ
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
亜綱 : 板鰓亜綱 Elasmobranchii
: シビレエイ目 Torpediniformes
: シビレエイ科 Narkidae
: シビレエイ属 Narke
: シビレエイ N. japonica
学名
Narke japonica
(Temminck & Schlegel, 1850)
シノニム
  • Torpedo japonica Temminck & Schlegel, 1850
英名
Japanese sleeper ray
分布[1]

シビレエイ (痺鱝、痺鱏、麻魚[2][3]、木勺鯆[4]Narke japonica) は、シビレエイ科に分類されるエイの一種。南日本から中国にかけての北西太平洋に分布する。砂地に生息する底魚であり、防御のために発電器官から電撃を生み出す。

分類

科学的に知られているシビレエイの最初の標本は、19世紀にドイツの博物学者であるフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトハインリヒ・ビュルゲルによって日本から収集された4個体のものであった。標本は剥製にされ、ライデン国立自然史博物館に保管された。そのうちの3つは「Narcine spec. (タイワンシビレエイ属の一種)」とラベル付けされた。もう1つは「Narcine timlei (タイワンシビレエイ)」とラベル付けされた[5]。この標本はコンラート・ヤコブ・テミンクヘルマン・シュレーゲルによる『Fauna Japonica (日本動物誌)』における記載の基礎となった[6]。テミンクとシュレーゲルは、本種を Torpedo 属の Astrape 亜属に分類した。後の著者は、AstrapeNarke と同義にした[7]。1947年、Marinus Boesemanは4つの標本を再検査し、体長27センチメートルの個体を種のレクトタイプとして指定した[5]。Japanese electric rayやJapanese spotted torpedoとも呼ばれる[8]。ネムリシビレエイとは形態的に類似しており、同種であると考える研究者もいる[9]

形態

相模湾で捕獲された個体のイラスト。この個体は斑点が両面にある珍しいものだった。

体盤はほぼ円形で、わずかに横長である。頭部の両側には大きな発電器官があり、外からは見えない。目は小さく突き出ており、その後方には噴水孔がある。噴水孔は顕著に盛り上がっており、縁は滑らかである。鼻孔は小さく、互いに近接している。鼻孔の間には皮褶があり、口と重なっている。突き出た口は短い横線を形作り、深い溝で囲まれている。各顎には25列未満の歯列があり、帯状に配置されている。歯は小さく、基部は楕円形で、歯冠は尖っている。腹面には5対の短い鰓裂がある[7][10]

腹鰭は大きく幅広で、縁が凸状となっており、胸鰭の下から始まる。雄のクラスパーは太く、腹鰭の縁は超えない。尾は短く厚く、両側に皮褶がある。腹鰭の後ろには丸い背鰭が1基ある。尾鰭は大きくほぼ対称で、角は丸い。皮膚は柔らかく、皮歯は無い。背面は赤みがかった色から濃い茶色で、腹面は淡い茶色。無地の個体が多いが、背側、まれに腹側に斑点が入る場合もある。全長は最大40センチメートル[7][10][11]

分布と生息地

国内では若狭湾以南の日本海沿岸、福島県以南の太平洋岸、東シナ海に分布。国外では朝鮮半島南部、台湾中国沿岸に分布[12]。海岸付近から大陸棚まで、岩礁の近くの砂地に多く生息する。生息水深は155メートル未満で、伊豆半島沖では水深12 - 23メートルに生息している[11]

生態

ナヌカザメはシビレエイの捕食者である。
川原慶賀の作品。

あまり活動的ではなく、海底に埋まっていることが多い。30 - 80ボルトの電気を発生させ、ナヌカザメなどの捕食者を追い払う[11]。電気器官はゼリー状の物質で満たされた筋線維由来の特殊な細胞である電気細胞で構成されている。電気細胞は垂直の柱状に積み重なっており、各電気器官は多くの電気柱から成る。この配置は基本的に並列回路のように機能する[13]底生無脊椎動物を捕食する[8]。シビレエイの寄生虫は多節条虫亜綱の Anteropora japonica (yamaguti, 1934) Subhapradha, 1955 がある[14][15]

繁殖様式は胎生で、発生中のは最初は卵黄によって栄養を与えられ、後に母親が作り出す組織栄養物(「子宮乳」)によって栄養を与えられる。雌は初夏に最大5尾の仔を産む。出生時の体長は10センチメートルで、成魚よりも色が明るく均一である[10][11]。雄は体長23 - 37センチメートル、雌は約35センチメートルで性成熟する[7]

人との関わり

電撃が人間の命を脅かすことは無い[7]カメラに触れられると反応してカメラポートに背中をこするという観察例があり、攻撃された場合に積極的に身を守る可能性がある。飼育環境にはあまり適応しない。本種を含めたシビレエイ類は、電気器官に豊富なイオンチャネルアセチルコリン受容体があり、人間の神経系のモデルとして機能するため、生物医学研究で使用されている[16]

具体的なデータは存在しないが、分布域の全体でトロール網やその他の底漁具で混獲されると考えられている。流通することは少ないため放されるが、その後の生存率は低いとされる。東アジア沖での漁業活動を考慮して、国際自然保護連合(IUCN)は本種を危急種としている[1]

プラトンの対話篇『メノン』ではソクラテスの行き詰まり(アポリア)に導く論法が「シビレエイ」に喩えられている。

脚注

  1. ^ a b c Rigby, C.L.; Chen, X.; Ebert, D.A.; Herman, K.; Ho, H.; Hsu, H.; Zhang, J. (2021). Narke japonica. IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T201629258A201629674. doi:10.2305/IUCN.UK.2021-2.RLTS.T201629258A201629674.en. https://www.iucnredlist.org/species/201629258/201629674 2021年11月20日閲覧。. 
  2. ^ 『三省堂難読漢字辞典』三省堂、2009年。 
  3. ^ 普及版, 動植物名よみかた辞典. “麻魚(シビレエイ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. DIGITALIO. 2024年12月10日閲覧。
  4. ^ 『日本難訓難語大辞典』遊子館、2007年。 
  5. ^ a b Boeseman, M. (1947). “Revision of the fishes collected by Burger and Von Siebold in Japan”. Zoologische Mededelingen 28: 1–242. 
  6. ^ Temminck, C.J.; Schlegel, H. (1850). Fauna Japonica, sive descriptio animalium quae in itinere per Japoniam suscepto annis 1823–30 collegit, notis observationibus et adumbrationibus illustravit P. F. de Siebold (Pisces). Regis Auspiciis Editce. p. 307 
  7. ^ a b c d e Compagno, L.J.V.; Last, P.R. (1999). “Torpedinidae: Narkidae”. In Carpenter, K.E.; Niem, V.H.. FAO Identification Guide for Fishery Purposes: The Living Marine Resources of the Western Central Pacific. Food and Agricultural Organization of the United Nations. pp. 1443–1446. ISBN 92-5-104302-7 
  8. ^ a b Narke japonica, Japanese sleeper ray”. FishBase. 2024年4月17日閲覧。
  9. ^ Compagno, L.J.V.; Heemstra, P.C. (2007). “Electrolux addisoni, a new genus and species of electric ray from the east coast of South Africa (Rajiformes: Torpedinoidei: Narkidae), with a review of torpedinoid taxonomy”. Smithiana Bulletin 7: 15–49. 
  10. ^ a b c Garman, S. (September 1913). “The Plagiostomia (sharks, skates, and rays)”. Memoirs of the Museum of Comparative Zoology 36: 1–515. doi:10.5962/bhl.title.43732. https://www.biodiversitylibrary.org/bibliography/43732. 
  11. ^ a b c d Michael, S.W. (1993). Reef Sharks & Rays of the World. Sea Challengers. p. 82. ISBN 0-930118-18-9 
  12. ^ 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』45頁
  13. ^ Kawashima, T; Igarashi, M; Sasaki, H (2004). “An anatomical study of an electric organ and its nerve supply in the electric ray (Torpedinidae Narke japonica)”. Anatomia, Histologia, Embryologia 33 (5): 294–298. doi:10.1111/j.1439-0264.2004.00552.x. PMID 15352883. 
  14. ^ Yamaguti, S. (1934). “Studies on the Helminth fauna of Japan. Part 4. Cestodes of fishes”. Japanese Journal of Zoology 6: 1–112. 
  15. ^ Subhapradha (1955). “Cestode parasites of fishes of Madras Coast”. Indian Journal of Helminthology 7 (2): 41–132. 
  16. ^ Ishizuka, T.; Saisu, H.; Suzuki, T.; Kirino, Y.; Abe, T. (1997). “Molecular cloning of synaphins/complexins, cytosolic proteins involved in transmitter release, in the electric organ of an electric ray (Narke japonica)”. Neuroscience Letters 232 (2): 107–110. doi:10.1016/S0304-3940(97)00586-7. PMID 9302098. 

参考文献

関連項目



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