シビレとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 食べ物 > 料理 > 肉料理 > シビレの意味・解説 

しびれ【×痺れ】

読み方:しびれ

しびれること。からだの全部または一部正常な感覚失われ、自由がきかなくなる状態。一時的な神経の圧迫血行障害などによって起こることが多く短時間回復する


シビレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/11 08:55 UTC 版)

仔牛のシビレの部位
マッシュルームリゾット、リードヴォーのソテー添え
リードヴォーのフライパースニッププチトマト黒トリュフのはさみ揚げ

シビレ: sweetbread)はウシヒツジブタなどの胸腺(きょうせん、: thymus)や膵臓(すいぞう、: pancreas)を意味する料理用語である。白い色[注 1]でフワッとして柔らかく滑らかな食感と繊細な味わいがあり、特にフランス料理: ris de veauリードヴォー)やイタリア料理: animella、アニメッラ)などで食材として珍重される。

語源

日本語の「シビレ」は、英語の"sweetbread"[注 2]が転訛した言葉である。英語の"sweetbread"の語源は古英語に遡る。"sweet"は「快い風味」を意味する古英語の"swete"や"sweete"に由来し[1]、"bread"は「肉」を意味する古英語の"brad"に由来する[2]広島市では"Sweetbread"が訛って「スイビリン」と呼ばれる。

胸腺

哺乳類の胸腺はリンパ球を成熟させて免疫機能を高める臓器で、成長期に発達し、成熟するにつれて次第に衰退して脂肪に換わる。胸腺のシビレは通常は生後1年以内の未成熟の個体から採取される。成熟したウシやヒツジは胸腺が衰退しているため、個体差はあるものの通常は成熟したものからは胸腺はほとんどとれない。 胸腺は胸部の首の近くにあり、管とメンブレン(膜)で互いに繋がった心臓側胸腺(heart sweetbread)と喉側胸腺(throat sweetbread)の2つの部位があり、塊状の心臓側胸腺が円筒状の喉側胸腺に囲まれた構造をしている。心臓側胸腺と喉側胸腺はどちらも食べられるが、味や食感がより繊細な心臓側胸腺の方が一般に珍重され、値段も高い[3]仔牛子羊の胸腺はフランス料理ではそれぞれリードヴォー(ris de veau)、リーダニョー(ris d'agneau)と呼ばれ珍重される。

膵臓

膵臓は膵液と呼ばれる消化液を分泌する球状の臓器で胃の近くにあり、通常は胸腺よりも大きい。膵臓のシビレはドモともいい、英語では"stomach sweetbread"(胃シビレ)という。味は胸腺のシビレに比べてこってりしている[4]。 定義上膵臓をシビレに含めるべきかどうかについては議論もあるが[注 3]、フランス料理百科事典のラルース・ガストロノミックなど多くの文献が「シビレは胸腺と膵臓である」としている[5]

使い方

西洋料理では、シビレは通常まず冷塩水または冷水にさらし[注 4]、ミルクまたは水でさっとポーチし、水気を切って冷ましてから表面の脂肪層やメンブレン、スジ(筋)を取り除き、パン粉をまぶしてカリッと揚げるのが一般的な調理法である。シビレはバーベキューや網焼きなどグリルにも合うほか、詰め物やパテなどの材料としても人気がある。

日本では、ウシやブタのシビレがもつ煮ホルモン焼きなどのもつ料理の材料として用いられる。

カツレツ

シビレのカツレツは代表的なシビレ料理である。 イギリスヴィクトリア女王の料理長だったチャールズ・フランカテッリが書いた料理人の手引書にはシビレのカツレツの作り方が次のように説明されている[6]

  1. シビレを冷水に数時間さらして色が白~淡いピンク色になるまで血抜きをする。
  2. さっと湯通しする。
  3. 水気を切り、冷めたらメンブレンやスジを取り除き薄切りにする。
  4. 胡椒をして、卵黄を塗ってパン粉をまぶす。
  5. 溶かしバターに軽く浸してもう一度パン粉をまぶし、たたいて形を整える。
  6. バターを溶かしたソテーパンに入れて両面を炒める。
  7. 照りよく仕上げて皿に盛り、中央に適当な野菜を添えて彩り、アルマンドソースベシャメルソースグレイビーなどを適量周りに流す。

脚注

  1. ^ 一般に若い個体、特に乳のみで育てた草を食べる前の個体のシビレは色が白に近く、成熟するにつれてピンク色が濃くなる。
  2. ^ 英語の名詞としては通常複数形の"sweetbreads"の形で用いられる。"sweetbreads"をカナで表記すると「スイートブレッズ」になるが、英語の音調をつけた発音はむしろ「シビレ」に近い。
  3. ^ 料理界のアカデミー賞ともいわれるジェイムズ・ベアード賞を受賞したフランス料理のマスターシェフであるフィリップ・ブロらは「膵臓はシビレに含めない」としている。なお、甲状腺や扁桃腺はシビレに含めない。
  4. ^ 水にビネガーワインを加えて酸性にすることを勧める専門家が多い。

参考文献

  1. ^ オンライン語源辞典 "Sweet"の項(英語)
  2. ^ オンライン語源辞典 "Brawn"の項(英語)
  3. ^ フードネットワークドットコム "Sweetbreads"の項(英語)
  4. ^ ワイズギーク "Sweetbreads"の項(英語)
  5. ^ メイヴンの今日の言葉 "Sweetbread"の項(英語)
  6. ^ チャールズ・フランカテッリ "The Cook's Guide"1868年版 シビレのカツレツ (英語)

関連項目


シビレ(胸腺と膵臓)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 18:46 UTC 版)

牛肉」の記事における「シビレ(胸腺膵臓)」の解説

胸腺膵臓の部位語源は英語の sweetbread が日本語風に訛ったと言われている。特に区別する場合、シビレは胸腺のみを指し膵臓はグレンスと呼ぶことが多い。

※この「シビレ(胸腺と膵臓)」の解説は、「牛肉」の解説の一部です。
「シビレ(胸腺と膵臓)」を含む「牛肉」の記事については、「牛肉」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「シビレ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「シビレ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シビレ」の関連用語

シビレのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シビレのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシビレ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの牛肉 (改訂履歴)、モテ虫王者カブトキング (改訂履歴)、トップルジップ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS