成型肉
食肉加工で生じた屑肉を集めて固め、食用に適する大きさに整えた肉のこと。細切れの肉片を寄せ集め、増粘剤「カラギーナン」などを接着剤に使用してある程度のサイズにされる。
成形肉の味や品質全般は通常に食肉に比べるべくもないが、原料は肉であるため一応の風味が楽しめる。もともとが屑肉であるため、安価で流通する。そのため、成型肉を通常の肉と偽って提供する店舗や販売業者が出てきて食品偽装問題に発展することもある。
成型肉の加工に使用される接着剤は、いくつか種類があるが、ものによってはアレルギーを引き起こす可能性がある。
2012年初頭には、米国で量産されている低品質の成型肉、通称「ピンクスライム」が英国メディアに取り上げられ、欧米を中心に物議を醸した。米国内の学校給食や大手ファストフード店でも一般的に使用されたいたが、一連の報道を背景に使用を取りやめると宣言する企業が相次いだ。
成型肉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/11 20:22 UTC 版)
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成型肉(せいけいにく、成形肉とも)は、細かい屑肉や内臓肉を軟化剤で柔らかくして結着剤で固め、圧力を加えることで形状を整えた食肉。牛肉の赤身に牛脂や食品添加物などを注射した、「インジェクション加工」と呼ばれる処理を施した肉は含まれない(分類としては加工肉となる)。
圧着肉もしくは結着肉とも呼ぶ。
概要
- 軟化剤や結着剤には、主に牛乳由来のカゼインナトリウム、カラギーナン、アルギル酸塩、アルカリ製剤などが使用されている。
- 日本食肉加工協議会に加盟する工場で製造された成型肉は「雪華肉」というブランドで販売されている。なお、日本食肉加工協議会は名称こそ日本食肉加工協会・日本食肉協議会と類似しているが、異なる組織である。
- 成型やインジェクション加工は、低価格の水産加工品でも行われることがある。
問題点
アレルギーの問題
食中毒の問題
- 複数の工程を経て細かくした肉を混ぜ合わせるため、腸管出血性大腸菌(O157など)の食中毒菌が肉の内部に入り込みやすい。普通のステーキは、サーロインやヒレなど牛の筋肉に相当する部分が使われ、O157などの食中毒菌はたとえ存在したとしても肉の内部には存在せず、仮に肉の表面に菌がいたとしても食べる時に表面を焼けば菌は死滅する(普通のステーキ肉がレアで食べられるのはこのため)。しかし、成型肉は肉の内部に菌が入っている可能性があり、肉の表面を焼いただけでは菌は死滅しないため、成型肉を加熱不十分な状態で食べると食中毒を起こす。
- 2009年には、ステーキレストランチェーン「ペッパーランチ」で、成型肉を使用した「角切りステーキ」の加熱不足から、病原性大腸菌による食中毒が発生している。
- 食品衛生法では成型肉を提供する場合、十分な加熱が必要と表示するよう義務づけている。
不当表示の問題
- 成型肉自体は「農林物資の規格化等に関する法律」に基づいた合法的なものではあるが、一般の認知度の低さやイメージの問題から、一部の店では無表示もしくは「ステーキ」として客に提供されることがあり、その場合は違法表示と見なされて法律による罰則の対象になる[1]。
- 日本フードサービス協会は会員の外食企業に、「やわらか加工」「霜降り加工」などの表現を勧めている。
- 2005年11月15日、公正取引委員会はレストランチェーン「フォルクス」に対し、「牛の生肉の切り身であるかのように表示していたが、実際には牛の成型肉であった。」として、排除命令を行った[2]。
関連項目
脚注
出典
- ^ Q1 「サイコロステーキ(結着肉)」の名称はどのように表示したらよいですか。(東京都福祉保健局)
- ^ 『株式会社フォルクスに対する排除命令について』(プレスリリース)公正取引委員会、2005年11月18日 。「あたかも,当該料理に使用している肉は,牛の生肉の切り身であるかのように表示していたが,実際には,牛の成型肉(牛の生肉,脂身等を人工的に結着し,形状を整えたもの)であった。」
外部リンク
成型肉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 09:07 UTC 版)
安価で形状が不定のくず肉などに脂肪を加え、結着剤で固め成型したもの。カルビやハラミ、キューブ状のものはサイコロステーキなどの名称で、一般の精肉に混じって販売されている。外食チェーン店などで不当表示がしばしば問題になる。
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成型肉と同じ種類の言葉
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