ネズミの尾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 08:32 UTC 版)
「アウグスト・ヴァイスマン」の記事における「ネズミの尾」の解説
ヴァイスマンは限られた細胞学の知識と、全体的に言えば間違っている部分が多かった生殖質論を基礎に研究を行った。彼は1,500匹のマウスの尾を20世代にわたって切除し、ラマルク遺伝が存在しないことを「証明した」と現代のテキストでもしばしば引用される。実際には「人工的に切除した親から生まれた5世代901匹の子どもたちはみな尾やその他の器官に何の異常も認められなかった」と述べている。ヴァイスマンは自身の実験の限界に気付いており、親の欠損を受け継ぐ子孫がいるという主張があったために実験に乗り出したのだと明らかにしている。彼は尾を人工的に切除された親が子に影響を与えるという主張を支持する証拠がないと述べた。 しかしラマルクや当時の他のラマルク主義者が要求したのは必要性や意思、意思を通して得られる特徴の遺伝や環境である。ヴァイスマンの実験はこれらとは関係がなかった。哲学者アンリ・ベルクソンは1944年に著書『Creative evolution』でヴァイスマンの実験に対して、ラマルキズムが否定されていないことを解説した。 オーストラリアの免疫学者テッド・スティールはヴァイスマンの結論に異議を唱えた。これはネオ・ラマルキズムと呼ばれている。
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