あ‐うん【×阿×吽/×阿×呍】
阿吽
阿吽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 06:58 UTC 版)

阿吽(あうん、サンスクリット語: अहूँ、a-hūṃ)は、仏教の真言の一つ。「阿呍」とも表記する。
意味
古代インドのサンスクリットの悉曇文字(梵字)において、a(阿)は全く妨げのない状態で口を大きく開いたときの音、m(hūṃ、吽)は口を完全に閉じたときの音である[1]。悉曇文字の字母の配列は、口を大きく開いたa(阿)から始まり、口を完全に閉じたm(hūṃ、吽)で終わっており、そこから「阿吽」は宇宙の始まりから終わりまでを表す言葉とされた[1]。宇宙のほかにも、a(阿)を真実や求道心に、m(hūṃ、吽)を智慧や涅槃にたとえる場合もある。
阿吽は宗教的な像にも取り入れられ、口を開けた阿形(あぎょう)と口を閉じた吽形(うんぎょう)の一対の像は、神社の狛犬(本来は獅子と狛犬の一対)などにみられる[1]。また、寺社の金剛力士像(仁王像)や沖縄のシーサーなどにも口を開けた阿形と口を閉じた吽形がみられる。
-
獅子阿形
-
狛犬吽形
-
法隆寺中門金剛力士(阿形)
-
法隆寺中門金剛力士(吽形)
日本語では2人の人物が呼吸まで合わせるように共に行動しているさまを阿吽の呼吸、阿吽の仲などと呼ぶ。
出典
関連項目
- 密教
- ΑΩ
- 虚構
- 場の空気
- 同調現象 - 非言語コミュニケーション
- ATOUN - 社名の由来
- 阿・吽 - おかざき真里による漫画作品。空海と最澄を描いている。
- 阿吽之息
- オウム真理教 - 教団名の由来
外部リンク
阿吽(あうん)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/23 08:45 UTC 版)
鞍馬寺の毘沙門天が清白屋に用がある際に使わす二匹の虎。恵慈の料理が大好物だが、大喰らいのため、恵慈からは少々煙たがられている。毘沙門天を祀る古刹にはそれぞれ別の個体が存在しているらしく、神楽坂の善国寺には鞍馬とはまた違った阿吽が棲みついている。胡蝶は「あーちゃん、うんちゃん」と言って可愛がってる。京都の阿吽は胡蝶達の元へ使いに出る時は一般の猫のサイズ、神楽坂の阿吽は大きい虎のまま。
※この「阿吽(あうん)」の解説は、「玄椿」の解説の一部です。
「阿吽(あうん)」を含む「玄椿」の記事については、「玄椿」の概要を参照ください。
阿吽
出典:『Wiktionary』 (2018/02/16 19:21 UTC 版)
名詞
阿吽(あうん)
- 「阿」は梵語の十二母韻の初韻で開声、「吽」は閉口の終声で合声。これが字音の最初と最後にあることにより両極を意味し、一切の文字・音響は、この二つの間にあり、また万有もすべてこの二つの間に包摂されるといわれる。
- (仏教) 「阿」は万有発生の根源、理体。「吽」は万有終極の究竟、智徳。法界の始と終。
- (仏教) 「阿」は平等、理界の胎蔵界大日如来、「吽」は差別、智界の金剛界大日如来。平等と差別。
- (仏教) 「阿」は大日如来の種字、「吽」は金剛薩睡の種字。
- (仏教) 「阿」は菩提、「吽」は涅槃。
- (仏教) 人の息の出入り。呼吸。「阿」は出息で暖気、胎蔵界の理。「吽」は入息で冷気、金剛界の智。
- 物を相対、対比すること。
- 阿吽の二天、阿吽の二王のこと。又、寺社の前に、口を開いたのと閉じたのと二つの石獅子・狛犬などを配したもの。
- 息を詰めあるいは掛け声をかけて力を籠めるさま。
語源
- >> 「阿吽」を含む用語の索引
- 阿吽のページへのリンク