ロリータ・ファッションの愛好家とは? わかりやすく解説

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ロリータ・ファッションの愛好家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 05:46 UTC 版)

ロリータ・ファッション」の記事における「ロリータ・ファッションの愛好家」の解説

現在「ロリータ」と呼ばれる愛好家ファッション原型は、1970年代前半から1980年代後半にかけて存在していた「MILK」の愛好家オリーブ少女、ナゴムギャルであり、これら「少女」を彷彿とさせるファッションやそれらを好む「少女的」な人々を「ロリータ・ファッション」「ロリータ少女」「ロリータ」と呼んでいた可能性もあるが、当時の「ロリータ・ファッション」という言葉指していたのは「装い振る舞い少女的である」というような大雑把なもので、現在のような「典型的なスタイル」や「様式」はなかった模様である。しかし、嶽本野ばら1980年代当時からロリータスタイルの定義がちゃんとあったと証言しているので真偽不明である。 ファッションジャンルとして明確に把握され区別された「ロリータ・ファッションスタイル登場し始めたのは1990年代初頭からと推測される一般に広く知られ流行」と認識されるようになったのは、1994年2004年であるが、1994年にロリータロビンちゃんやナゴムギャルにより広まった原色系のロリータ・ファッションスタイルと、2004年下妻物語影響認知され現代的なロリータ・ファッションスタイル微妙に異なる。 このファッション亜流ではないか思われるゴシック・アンド・ロリータファッションには、「ロリータ傍系である」という説と「1990年代中頃ゴシックファッション影響受けたヴィジュアル系バンドのバンドコスから生まれたゴシック傍系である)」という2つの説があり、真偽不明である。しかし「1990年代中頃のバンドコスから派生した。」との説には、大槻ケンヂのように「1980年代からその原型存在していた。」と「1990年代中頃説」に異論を唱える者がいる(宝野アリカ異論唱えた訳ではないが、自分自身1980年代ゴシック&ロリータ着て街を歩いていた、と「人造美女は可能か?」で記述している)。そのためゴスロリロリータ傍系思われているが、「ロリータパンク」や「クラシカルロリータ」と比較してゴスロリロリータ傍系の中では別格扱いされており、愛好家だけではなく一般人からも特別視されているようである(詳細ゴシック・アンド・ロリータの#ストリート・ファッションとしてのルーツ参照)。 また、最近メディアで一括りに「ゴスロリ」と称されてしまうことも多々あり、さらに酷い場合には、所謂アキバブームで有名となったメイド服混同されることもある。ロリータ・ファッション女性ゴシック・アンド・ロリータメイド服などのコスプレ混同されることを好まない者が多い コスプレとはコスチュームプレイ略語で、仮装によってあるキャラクターなりきる演じることを指すが、その中でロリータ・ファッションも「非日常への変身衣装」として扱われることがあるコスプレコスプレイヤー)用として製造されロリータ服は「非日常への変身衣装」であり、ファッション性愛好家好みよりも、コスプレとしての実用性コスプレイヤー好みコスプレ感覚)が重視されており、そのため視覚的な分かりやすさが求められており、「ロリータ」と分かりやすくするために、実物よりも特徴大味極端なデザイン多く男性の性嗜好満足させる類になると、露出増えデフォルメ目立ってくる。そのため、ロリータ・ファッションを「非日常への変身衣装」としてではなく、「ファッション」として愛する人間は「仮装」「コスプレ」と形容されることを嫌う。 また慶應義塾大学出版会の「人造美女は可能か?」において執筆者1人である宝野アリカが、ゴスロリメイド別物であり、ゴスロリ愛好者メイドとの混同を嫌うと説明したことがある宝野アリカによればゴスロリコスプレという図式出来上がってしまったのはメイド喫茶ウエイトレスメディアで大きく取り上げられた頃からであり、宝野アリカ初めメイド見たのはテレビ報道番組特集からであるが、「どこかゴシック&ロリータ風」と言いつつも、猫耳をつけたメイド服女性カメラ向けられポーズをとる姿などを見て、「安っぽいお気楽妄想と、勘違いとで溢れていた。」「思わず突っ込み入れてしまいたくなる。」など、当時2006年頃)かなり動揺していた様子本の内容からも窺えるまた、当時ゴシック&ロリータ少女に、メイドさんとか萌え子ちゃんなどと声を掛ける男性が後を絶たなかったようで、ゴシック&ロリータ達はそういった性的な目線屈辱的に感じていたようである。 また、人造美女は可能か?」のシンポジウム宝野アリカメイド服女装 したパネラー1人である慶応義塾大学文学部教授荻野アンナに、「人造美女製造者としては、軽々しく男に傅くメイド認められません。」と発言しメイド人造美女である人形別物であると説明した事があり、男の欲望そのまま表現するメイドと、自主的に生身のまま人形目指すゴスロリ少女とは別物であると話したまた、宝野アリカは「男にとってもメイド美女より、人造美女を傅かせる方が、よほど密度が濃いはずです」とも言っている。 なお、コスプレメイド姿と並んで人気があるのが巫女装束だが、朝日新聞出版神田明神監修の「巫女さん入門 初級編」には現役巫女コスプレ巫女についてどう思うかインタビューしている箇所がある。ロリータ・ファッションの愛好家はコスプレ混同されることを嫌うが、巫女同様にコスプレ巫女現役巫女混同されることを嫌っているようである。神田明神巫女(をまとめるリーダーによれば彼女はアニメなどに登場する巫女装束はなんとも思わないが、コスプレをしている人をみると「変な格好をしているな」と違和感覚えるらしい。しかし、あくまでもコスプレ違って当たり前という認識があり、コスプレ巫女きちんとした着付けをしている方が、コスプレではなくなってしまうため、「自分たちも、(他者に)そういううな目見られるではないか」と嫌に感じるそうである。(その一方正し着付けアドバイスをしたくなることもあるようだ。)ロリータきちんとしていないコスプレ用のロリータ服と自分たちの着ている服が混同されることを嫌がるが、巫女きちんとしたコスプレをされると混同されるではないか心配になるようである。従って、仮にコスプレ用のロリータ服が極端なデザイン辞めきちんとした造りになったとしても、神田明神巫女同じよう反応に変わる可能性があり、ロリータコスプレロリータ服を嫌っている要因デザイン性悪さよりも「「コスプレ用のロリータ」と「実際ロリータ・ファッション」が他者混同されること」にあるのではないか思われるまた、嶽本野ばらは「パッチワーク」でロリータ日常ではなく特別な日のためにあるお洋服晴れ着」と呼んでいる箇所がある。しかし、「Fetish」ではお洒落でもあり正装でもあると説明していたり、あやふやな部分あるようにも見受けられる一方、「セカイと私とロリータファッション」の著者松浦は「ロリータファッションコスチュームプレイもあるロールをなぞる一種の「ごっこ」遊び性質帯びたゲームには違いないと書いており、ロリータコスプレ範疇に入る「メイドさん」もその洋服まとって街にでれば「ファッション」になり、「生活」「日常」になるとも書いている。しかし、メイドさんは「特定の屋敷内で働く使用人」という仕事従事するさいのユニフォームであり、彼女らは「余暇時間」はメイドではない。なのでメイドさんロリータよりも非日常的ゲームの要素強くストリートファッション進出しにくい、と書いている。それに反してロリータは「華やかなドレス着たお嬢さま」(「お姫様」、「前近代ヨーロッパ少女」という記述もある。)などのより広汎イメージ持っており、このイメージあいまいな大きさが、ロリータファッションにまで拡張することを可能にしていると書いている。 しかし、「ロリータ衣装道楽」は前述のようにコスプレデザイン性極端さ指摘し、ロリーファッションの愛好家コスプレ形容されることを嫌う、と明言している。また、宝野アリカコスプレ一環としてゴスロリメイドについて、「全否定する訳ではない」「彼らの中にも私の歌を聞いてくれる子がいると思えば、姉のような気持ち見守る寛容さだって持ち合わせている」とコスプレ側に配慮しつつも、「かつての友、アリス末裔たちこそを愛する」と続け、「インチキナースや制服アニメキャラクター衣装と共に売られるゴスロリ服の化繊レースやごわついた布地に、けして高潔孤独な思想包み込めはしない」と「ロリータ衣装道楽」と同様にコスプレ服のデザイン性悪さ指摘した。 なので、恐らくはロリータ愛好家コスプレ形容されることを嫌っているものの、ロリータコスプレファッションなのか、それとも「セカイと私とロリータファッション」が言うようにその両方性質帯びているのかは愛好家の間でも意見分かれているようである(電撃文庫伏見つかさの「十三番目のアリス2」で戦闘メイド悠里キャラクター設定見た電撃編集が「ゴスロリじゃないじゃん」と発言しており(この作品には九条院アリスといった、ゴスロリ設定キャラクターが多い。)、結果的に悠里キャラクター設定通ったが、2006年頃の電撃文庫編集部内には「ゴスロリメイド別物」という認識があった模様である)。 ロリータ愛好家は「萌え」などの異性からの性的な視線に対して冷たい態度をとることがある理由は、たとえそれが親し異性であっても異性性的な目線からの「それはかわいくないと思うな。」「こっちの方がいいと思うな。」という言葉に、人間揺れやすいため、ロリータ制限してまったり抑圧されたりすることを意識しているからである。また、こういった「異性にもてること」や「学校勤務先環境」などの拘束から解き放たれたいという感覚や、自分意図しない方向性で見る視線入り込んでくることで感じる、ある種の面倒さのためでもある。これは女性だけではなく男性のロリータ・ファッションの愛好家も感じているようで、例え嶽本野ばら著作で「手料理作る女性の裏側にある欲望批判していたり、恋人好みファッションや、あまり好きではないのに友達ファッション真似てしまう人などは乙女とはいえないとも言っている。なお、嶽本野ばら作中執拗に直接的な描写をしているが、これは野ばらジョルジュ・バタイユ著作エロティシズム」で書かれた死とエロティシズムの関係に感銘を受け、やや考え方変わった影響よるもので、意外に嶽本野ばら思春期の頃は性への欲望憎んでいたそうである。また、嶽本野ばらは「Gothic&Lolita Bible vol.1」で元祖ロリータとして戸川純紹介している。松浦によれば戸川演じロリータはいつも性を求めているのだが、それと同時に純潔」を演じることに対す凶暴性をも秘めているまた、戸川思春期少女アンドロイド娼婦などのモチーフ繰り返し書いている。また、嶽本野ばらの「それいぬ」には乙女性欲について書いている章があり、嶽本野ばらによれば乙女にも万人同じく性欲はあるのだが、立派な乙女場合性欲ストレートな形を持って放出されず、現実観念狭間乙女性欲迷宮駆け巡るのだそうである。 主に10代から20代若い女性が着るファッション認識されているが、ギャルや、モード系さらには森ガールなどのロリータ以外の若者服にも見られるように、中には30代から40代さらにはそれ以上年齢層人間好んで着る場合があり、その場合はクラシカルロリータが、派手な装飾少ないため人気集まりやすい。 また、ロリータ・ファッション愛好者は、ロリータ・ファッション卒業した後も、個性的な服装続け場合がよくあり、流行りモダン着物のような大正ロマンな趣のあるレトロなファッション・ロリータ要素殆どない純粋なゴシックファッション・ヴィヴィアン・ウエストウッドのスーツなどのトラッド服装・「マダム」と称されるような、フェイクファー多用したフェティッシュかつゴージャスな服装・またはエミリーテンプルキュートやミルクのようなロリータ要素のあるカジュアルや、カントリーテーストのピンクハウス移行しやすい。 また、男性にもロリータ・ファッション愛好者存在しており、代表的な人物MANA嶽本野ばらである。男性ロリータ・ファッション愛好者場合、完全な女装で、なおかつコスプレではなくファッションとしてロリータ楽しんでいる場合と、嶽本野ばらのようにロリータブランドの服を男性向け着こなしている場合があり、メンズ・スカート用いることもある。なお、嶽本野ばら著作「それいぬ」において、自分はよくホモセクシャル同性愛者)と間違えられるが、れっきとした異性愛者であると書いている(野ばらはそう思われても構わないが、弁明すべきなのか困っていた)。 なお、ロリータ・ファッション要素取り入れた子供服存在するものの、それらはコンセプト似た系統である姫系や、ピンクハウス同様、別の要素のあるドレスなどにロリータ服の要素取り入れたものにすぎず、シャーリーテンプルなどに代表されるロリータ要素ある子供服は、ロリータ・ファッションとは形状・デザイン細部異なりヘッドドレスボンネット等は使用されない。 さらに、一部パーティー用にコスプレ向けの安価なデザインの服を「ゴスロリ着物ドレス」「ロリータ子供服」と称して販売するケースもあり、注意が必要である。そのため、子供服を親が自作するケースままあるピアノの発表会などで少女が着るような服ともされるが、それらはまた服の意匠など細部異なる。さらにはビスク・ドールといったアンティークドールのようなファッションであるともいわれるが、いわゆる西洋ビスクドールドレスネグリジェのようにウエスト強調しない、ゆったりとしたベビー服一般的であり、ロリータ服のシルエットとはまた異なる。 また、ロリータ・ファッションのイメージソースは西洋由来のものであるといわれることもあるが、姫カットパニエ膨らんだ鳥かご型のスカートなどは「それいゆ」などの日本少女雑誌でも好まれ要素であり、そういった日本少女雑誌や、大正時代少女向け雑誌イラストなど参考にされている可能性がある。 ロリータ・ファッション様々な少女イメージ重なって生まれた服装であると言える

※この「ロリータ・ファッションの愛好家」の解説は、「ロリータ・ファッション」の解説の一部です。
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