デウスシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 19:35 UTC 版)
波動存在 高次元の波動。宇宙が始まる以前の無の空間を占めている波。ビッグバンにより波動が拡散すると宇宙が生まれる。デウスとゾハルの連結起動実験において四次元宇宙に波が零れ落ち、三次元物質であるゾハルに取り込まれた。降臨した波動は連結起動実験を見ていた少年アベルの観測によって定義付けられた。アベルの母への回帰願望によりゾハル内の生体素子のプログラム「エレハイム」にアベルへの母性を持った波動存在の意思が宿り、波動はゾハルという三次元物質の肉体の檻に閉じ込められ、高次元への帰還を果たそうという波動存在の望みは接触したアベルに託された。このため接触者とエレハイムとミァンは、ゾハルを経由せずに事象変移が可能。 恒星間戦略統合兵器デウスシステム 星間戦争を終結に導くために開発された戦略級兵器システム。生体兵器デウスと戦略制圧艦メルカバー、及びデウスが生産・制御し破壊活動やメルカバー防衛を行う大量の機動端末兵器群で構成される自動戦闘システムで、生体電脳カドモニがシステム全体を統括する。また事象変移機関ゾハルを動力源としているため活動に限界がない。ゾハルとデウスシステムの連結起動実験中、両機構が暴走。実験が行われた惑星ミクタムの工業衛星を破壊し、更にミクタムに降下して破壊活動を行い甚大極まりない被害が発生させた。その為、デウスを数部位に分解し、生存者120万人と共に恒星間移民船エルドリッジに載せ、事故原因を調査すべくある星に向かわせていたが、デウスが再起動しエルドリッヂのシステムを掌握した為、艦長の判断によりエルドリッジは墜落することになった。 生体兵器デウス デウスシステムの戦闘の司令塔。生体電脳カドモニの命令の範囲内で自律行動して機動端末兵器群を制御する。またデウスそのものも惑星を壊滅させるほどの戦闘能力を持つ。ほとんどが生体パーツでできており、ゾハルからエネルギー供給を受け、有機物・無機物を取り込んで自己修復や機動端末兵器の生産を行う。また学習機能を持っており成長・進化により能力を向上させる。完全体では、デウスの高次元エネルギーが非物質ながら目に見える形となり端末の役割を果たせるようになっており、4つあることから四柱神と呼ばれる。それぞれの名称はハールート、マールート、メタトロン、サンダルフォン。成体になったデウスは両手首から突起が伸びており、左側には悪魔、右側には天使の姿をした攻撃端末がついている。 デウスとはラテン語で「神」を意味する言葉。 恒星間戦略制圧母艦メルカバー デウスシステムを搭載する母艦。恒星間移動が可能。障壁<ゲート>による防御フィールドと主砲と機動端末兵器群により防衛要塞としての戦闘能力も持つ。ソラリスとシェバトの大戦時にガゼル法院が建造したメルカバーはソフィアが乗るエクスカリバー1番艦の特攻により墜落。カレルレンがソラリス北西のテランエリアに建造したメルカバーはカレルレンの研究所もそのまま組み込んであり、ラムサスを培養した場所などもある。ユグドラシルIVとエクスカリバー2番艦により沈黙したかに見えたが、星そのものを取り込んで惑星サイズの機動要塞になろうとした。 メルカバーとはヘブライ語で「天の車」と言う意味であり、『ゼノサーガ エピソードI』のラストダンジョンである天の車もメルカバーに似た形状をしている他、「プロト・メルカバー」の別名を持つ。 機動端末兵器群 デウスが生産・制御して破壊活動とメルカバーの防衛を行う大量の機動兵器。エルドリッジで運搬されていたデウスシステムの機動端末兵器群の残存していたものの一部が、ゾハルと不完全接触した接触者ラカンの手により起動、世界を蹂躙してディアボロス軍団と呼ばれた。ソラリスはこれらにヒトを加工した生体部品を加えて、より高性能な機動端末兵器群を作り出すM計画を画策する。復活後のデウスシステムで用いられた機動端末兵器はエーテルが使えるように進化したヒトとナノマシンを材料にした為、エーテル能力と強力な自己修復機能を持ち、アイオーンと呼ばれる。アイオーンの戦闘力は初期型機動端末兵器より遥かに高く、それぞれ1体1体がギア・バーラー級の戦闘能力を持つ。アイオーンの姿は材料となったヒトの意識が影響している。 ディアボロスはギリシャ語で「悪魔」、アイオーンは古代ギリシア語で「ある期間の時間(時代や世紀、人の生涯など)」をそれぞれ意味する言葉。 障壁〈ゲート〉 絶対客観空間による防御フィールド。戦略制圧艦メルカバーに応用されていた。ゾハルが可能性事象を傾けた際に、ある瞬間の空間が事象の傾きによって時間的厚みを持ったもの。敵適性が存在しない瞬間が瞬間後にまで厚みを持って留まっているため、この空間には干渉も侵入も不可能。ソラリスはこれを応用してソラリス本土を隠し、歪曲空間によって地上をいくつかの地域に分断した。ソラリス本土が墜落後、陸地が増えたように見えるのは障壁で分断された地域と普通に行き来可能になった為。ゲートキーパーと呼ばれる装置を使えば障壁を突破できる。また、重力干渉によって時空に干渉すれば突破可能。スタインのアルカンシェルが使ったエーテル障壁と障壁<ゲート>は別物。また空間への干渉を利用することにより目隠しするだけでなく、ワープなどにも応用が可能。 スレイブジェネレーター デウスシステムの兵器で使われていたジェネレーター。ゾハルにエネルギーを要求して供給を受ける。ヒトの文明はこれを発掘して利用しているので、ギア・アーサーは間接的に機動端末兵器群のレプリカと言える。 生体電脳カドモニ ゾハルの瞳の部分に埋め込まれたゾハル制御とデウスシステム統御を行う生体コンピュータ。デウスはカドモニの選択範疇内で自律行動する。論理演算を行うフラーレン素子と不確定演算を行う生体素子の二院合議制で構成される。生体素子はアニマ、アニムス、ペルソナで構成され、生体素子維持プラントなども備わっている。 アニマの器 ゾハルの子機的機能を果たす生体電脳カドモニの生体素子。不安定なゾハルを補って安定させる。アニマの器と融合した機動兵器はスレイブジェネレーターの他にアニマの器によるゾハルへのアクセス権を得て出力が上昇する。また精神感応方式で稼動して、装甲などの構成物質にも変化がある。ダン・ヨセフ・ガド・アシェル・ゼブルン・ユダ・ディナ・ルベン・シメオン・レビ・イサカル・ナフタリの12個がある。 アニムス 生体電脳カドモニの生体素子。主に兵器管制などを行う。また近接防衛が必要なときはアニマとアニムスが機動端末兵器と融合して、デウスの強力な近接防御用端末になる。全てのアニマに対応して全アニムスを統括するアニムス1個と、それぞれ別個のアニマに対応した12個の計13個のアニムスがある。カインとガゼル法院たち13人のアニムス原体は13個のアニムスからミァン・ハッワーによりヒト型に作り変えられた。アニムスはアニマやスレイブジェネレーターと違ってゾハルにアクセスする機能を持たない。 ヒト デウス復活の部品となるため原初の時代に作られた構築人種(スファラディー)。アニムス原体を元に生体素子維持プラントで多くのヒト原体が作られて繁殖によりヒトが増えていった。ヒトはゲーティアの小鍵発動によって本来の部品としての機能に適したスファル人に変異するようできている。また福音の刻までにデウスが復活できない場合は、ヒトを部品として復活する計画そのものを失敗とみなして、ゾハルの信号によって全人類が崩壊して滅びるようタイムリミットも組み込まれている。本来はアニムス同様にゾハルにアクセスする機能を持たないが、ヒトの中にはいつしかゾハルからエネルギーを得てエーテルを使える者が現われるようになった。アニムスである原初のヒトから作られたためアニムス因子を持っているが、500年前の崩壊の日以降、滅びかかった人類を存続させると共にガゼル法院の肉体に調整するための高いアニマ同調率を持つヒトを作るために、再度アニムス因子がヒトに組み込まれている。 ペルソナ カドモニのメイン素子。フラーレン素子との合議制ではあるもののデウスシステムの意思決定の中核。開発経緯は謎が多い。接触によりアベルの母への回帰願望に決定付けられた波動存在の意思が宿り、基幹プログラム「エレハイム」の中に接触者への母性を持つ。波動存在の意思が宿ったペルソナはバイオプラントにて女性型に生成された。デウス修復プログラムである「システムハッワー」によりミァン・ハッワーとして起動。生体素子維持プラントでアニムス原体とヒト原体を作ったのち、プラント内に戻って命令遂行の為のミァンと、接触者の対存在としてのエレハイムに自らを分化させた。ミァン・ハッワー自身の肉体は始まりの地の生体素子維持プラント内に残されている。ヒトの女性は基本的に全員ミァン化の因子を備えており、ミァンが死ぬと誰かがミァンとして記憶も引き継いで覚醒してデウスのより良い復活というプログラムを遂行する。 福音の刻(ふくいんのとき) デウス自己復元プログラム終了の時。デウス復活計画のタイムリミットによるプログラム終了。その時を迎えると計画失敗として、事象変移が起こって全てのヒトが消滅してしまう。具体的な期限はゲーム中および諸々の設定資料には記述されていないが、ガゼル法院は年月を重ねすぎたことを気にしており、もはや時間がないとも言っている。 デウス復活によるプログラム終了。デウスは復活した後、ヒトがいずれ障害にならないように滅亡させる。
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