ソユーズ
英語:Soyuz
ロシア連邦が保有する有人宇宙船。旧ソ連時代から「ソユーズ計画」として開発が進められている。2011年現在の型は2002年に初飛行を行った「ソユーズTMA」である。
ソユーズ本体は3人乗りで、米国スペースシャトルなどに比べると非常に小さい。機体は高い完成度を持つとされ、国際宇宙ステーション(ISS)と地球との間で人員輸送に用いられる他、既に宇宙観光などの商業用途にも使用されている。
2011年6月7日には、日本人宇宙飛行士・古川聡が搭乗する「ソユーズTMA02M」が、カザフスタンの発射台から打ち上げられた。打ち上げは成功し、予定された軌道に乗った。ソユーズは国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングなどのミッションを行う。
関連サイト:
ソユーズ宇宙船について - 宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター
ソユーズ【(ロシア)Soyuz】
読み方:そゆーず
ロシアの二〜三人乗りの有人宇宙船の名。第19号が1975年に米国アポロ宇宙船とのドッキングに成功。旧ソ連時代に有人月着陸を目的として1960年代後半に開発されたが実現せず、1986年以降は宇宙ステーションとの往復に利用されている。
[補説] ソユーズ宇宙船は、人工衛星や宇宙ステーションとドッキングする開口部を備えた軌道モジュール、打ち上げや帰還時に乗員が搭乗する帰還モジュール、通信機器や軌道制御エンジンを搭載した機器・推進モジュールから構成される。ICBMを基に開発された3段式のA-2ロケットによって打ち上げられ、地球に戻るのは帰還モジュールのみ。ソユーズの帰還モジュールはパラシュートで陸上に着地する。
ソユーズ
名称:ソユーズ(ソユーズ、ソユーズL、ソユーズU、ソユーズU2、ソユーズM)(Soyuz)
打ち上げ国名・機関:ロシア(CIS)
開発機関・会社:ソ連科学アカデミー
打ち上げ場所:バイコヌール宇宙基地
運用開始年:1964年10月12日(ボスホート1号)
1957年、ロシア(旧ソ連)は人類史上初めての人工衛星スプートニク1号を打ち上げ、世界をおどろかせました。アメリカとの宇宙レースを、以後しばらくの間、ロシアがリードできたのにはある工夫がありました。一挙に大きなロケットを作るのではなく、ナチス・ドイツ占領後に手に入れたV−2号の技術を応用した比較的小型のロケットを、横に束ねてやろうというのです。
ソユーズ・ロケットは、1964年、ガガーリンによる世界初の有人宇宙飛行を実現したボストーク・ロケットの改良型で、アメリカではそれぞれA-2(SL-4)、A-1(SL-3)と呼ばれています。どちらも有人宇宙船からとった愛称ですが、ソユーズ・クラスの改良型は1967年に1号が初飛行した有人宇宙船ソユーズよりも以前、1964年に初飛行した有人宇宙船ボスホート号や、試験的にはさらに前からも使われていました。
1.どんな形をし、どんな性能を持っているの?
1段目は、発射時の燃料を含む総重量は101t、直径2.95m、全長27.8m、4基のエンジン総推力101.633t。ゼロ段に相当するブースターは各重量42.75t、直径2.68m、全長19.6mで、1段目と同じ燃料構成のエンジン4基の各推力は101t。2段目は、直径2.66m、全長6.74m、総重量25.4tで、推力30.408t。0~2段すべて、燃料は液体酸素を酸化剤、ケロシンを燃料とする液体ロケットです。
全体の打ち上げ時総重量は297.4t、積載物(ペイロード)収容部をのぞく全長34.54m、直径2.95m、発射時の実効推力は411t。高度200kmの軌道に、7.05tのペイロードを運ぶことができます。
2.打上げや飛行の順序はどうなっているの?
0段のブースターは発射後118秒噴射し切り離されます。その後も1段目は噴射をつづけ、286秒間の噴射後、2段目ならびにペイロードから分離されます。2段目は250秒間の噴射ののちに、ペイロードを分離します。
3.どんなものを打ち上げたの?
ボスホートやソユーズに加え、さまざまな科学衛星、軍事用偵察衛星などに使われ、現在も、中規模の積載物(ペイロード)打上げの主力となっています。
5.この他に、同じシリーズでどんな機種があるの?
L,U、U2、Mなどのバリエーションがあります。L型はソ連時代の有人月飛行計画用に作られた着陸船の地球軌道飛行実験に使われました。U、U2は、1段・2段の性能を向上、打ち上げ重量の向上をはかったものですが製造ラインの問題から、1996年に生産が中止され、現在、ミール宇宙ステーションへの補給などには旧式のソユーズが使われています。M型は現在、開発中で、さらに打上げ能力が高まることから、高い緯度にあるため今までは機能が制限されていた、ロシア本国内の発射基地プレセツクの活用が期待されています。
ソユーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 05:44 UTC 版)
ソユーズ(ロシア語: Союз, 英語: Soyuz)は、ソビエト連邦およびロシア連邦の1~3人乗り有人宇宙船である。2人乗りボスホート宇宙船に続くもので、ソ連の有人月旅行計画のために製作されたが、結局有人月旅行計画は実現されなかった。当初はソ連の宇宙ステーション「サリュート」や「ミール」への連絡に使用され、登場から50年以上経た21世紀でも、国際宇宙ステーション (ISS) へアクセスする有人往復宇宙船、およびステーションからの緊急時の脱出・帰還用として、現役で使用されている。
- ^ a b 安居院 文男 (2007年4月17日). “宇宙空間では、ケロシンは使わない=JAXAのご指摘”. PJ News 2010年6月20日閲覧。
- ^ Commercial Launch America (PDF)
- ^ 宇宙飛行士になれるのはどんな人? NASAの選考責任者に聞く - ナショナルジオグラフィック
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- ^ “ボストチヌイの新宇宙基地、初の打上げは2015年”. sorae.jp (2010年4月13日). 2015年4月22日閲覧。
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- ^ a b c “前澤友作氏、ISSへ 民間人の宇宙旅行を可能にしたお金の事情”. 毎日新聞 (2021年12月8日). 2021年12月9日閲覧。
- ^ “ロシア女優と監督、ISSに到着 宇宙で初の映画撮影へ”. AFP通信 (2021年10月6日). 2021年12月9日閲覧。
- ^ “古川さん、カザフ草原に帰還…宇宙滞在167日”. 読売新聞 (2011年11月22日). 2011年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月23日閲覧。
- ^ “国際宇宙ステーションへのクルー交代/ソユーズ宇宙船交換ミッション(31S)”. JAXA (2012年11月19日). 2012年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月19日閲覧。
- ^ "宇宙船ソユーズ:打ち上げ失敗 飛行士2人緊急脱出". 毎日新聞. 2018年10月12日. 2018年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月11日閲覧。
- ^ “Soyuz MS-11 Blasts Off to ISS From Baikonur Cosmodrome (VIDEO) - Sputnik International”. sputniknews.com. (2018年12月3日)
- ^ “Soyuz arrives at ISS on first manned mission since October failure” (英語). AFP. (2018年12月3日). オリジナルの2018年12月4日時点におけるアーカイブ。 2018年12月3日閲覧。
- ^ “Soyuz-FG launches Soyuz MS-11 - YouTube”. youtube.com. (2018年12月3日)
- ^ “【速報・更新中】ISSにドッキング中のソユーズ宇宙船から冷却材とみられる物質が漏洩 船外活動中止”. sorae (2022年12月15日). 2022年12月15日閲覧。
ソユーズ(名無し)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 04:51 UTC 版)
「Dr.STONE」の記事における「ソユーズ(名無し)」の解説
スキンヘッドで頭に大きな傷のある男性。幼いころに石神村に拾われ本名を隠し、名無しとして生きてきた。身長179センチメートル。O型。
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ソユーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 22:40 UTC 版)
詳細は「ソユーズ」を参照 1963年に、コロリョフが初めて月探査ミッションのため地球軌道上で組み立て用に使用する3人乗りのソユーズ宇宙船を提案した。コロリョフはソユーズの開発を延期してボスホートに取り組むようにとのニキータ・フルシチョフソビエト首相の圧力を受け、後に宇宙ステーションと月探査ミッションのためにソユーズを開発することが許可された。コロリョフは、先端に十分なミッション中の居住空間を備えた軌道乗員モジュールを取り付けた小型で軽量の釣鐘型再突入カプセルを採用した。機械モジュールは2枚の太陽電池パネルで発電し、推進システムのエンジンを搭載する。7K-OK型(英語版)は地球軌道用に直径2.17 m、全長2.24 m、内容積4.00 m3で重量2,810 kgで設計された。重量1,100 kgの球形の軌道船は直径2.25 mで、ドッキングプローブ込みの全長が3.45 mで、内容積は5.00 m3だった。宇宙船全体の重量は6,560 kgとなった。 コロリョフの死後に、1967年から1971年にかけてこのタイプの宇宙船10機が有人飛行した。宇宙での最初の死亡事故(ソユーズ1号)に始まり、宇宙での最初の複数人死亡事故(ソユーズ11号)で同タイプは幕を閉じた。コロリョフは月探査ミッションに向けた重量9,850 kgの7K-L0K型(英語版)も開発していたが、有人で飛行することはなかった。 その後もロシアはソユーズの開発を継続し、今日でも使用している。
※この「ソユーズ」の解説は、「宇宙カプセル」の解説の一部です。
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ソユーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/07/10 11:12 UTC 版)
かつてのソビエト連邦は、2度の惨事と1度のあわやの惨事に苦しんだ。3度とも、脱軌道と再突入時のカプセルに関するものであった。ソユーズ1号では、パラシュートが開かずカプセルが300mphを超える速度で地面に衝突し、宇宙飛行士のウラジーミル・コマロフが死亡した。ソユーズ5号では、サービスモジュールの分離に失敗したためカプセルが逆の端から大気圏に突入し、あわや惨事となるところであった。幸運なことに、サービスモジュールは大気圏で燃えて降下モジュールから離れ、カプセルは通常の状態に戻った。 ソユーズ11号では、最終降下中に気圧を均一にするためのバルブが宇宙空間にいる間に開いてしまい、宇宙服を着ていなかった3名の宇宙飛行士が酸欠により死亡した。続くソユーズ12号からソユーズ40号では3人目の座席を気圧制御に利用するため乗組員が2人となり、ソユーズTで座席は3つに戻った。
※この「ソユーズ」の解説は、「再突入カプセル」の解説の一部です。
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「ソユーズ」の例文・使い方・用例・文例
- ソユーズという,ソビエトの宇宙船
- スペースシャトルは近いうちに引退するため,ロシアのソユーズが現役で再使用可能な唯一の有人宇宙船になる見込みだ。
- ロシアの宇宙船「ソユーズTMA-17」が2009年12月21日,カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。
- 12月23日,宇宙船ソユーズがISSにドッキングし,野口さんや米国とロシア出身の2人の乗組員はISSに乗り込んで5か月のミッションを開始した。
- 6月2日,野口聡(そう)一(いち)さんと他の宇宙飛行士2人がロシアの宇宙船「ソユーズTMA-17」で宇宙から帰還した。
- ソユーズ宇宙船は日本時間の6月2日午前9時ごろにISSから分離した。
- 古川さんと他の2人の宇宙飛行士が乗ったロシアのソユーズ宇宙船は,6月8日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地を飛び立った。
- ソユーズ宇宙船は6月10日に国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。
- スペースシャトルの役割は今後,ロシアの宇宙船ソユーズおよび,日本やヨーロッパの無人補給機によって果たされる。
- 3人の宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船のカプセルはカザフスタンの雪に覆われた平原に無事着陸した。
- 11月22日の早朝,ソユーズは地上約100キロの大気圏に突入した。
- 星(ほし)出(で)彰(あき)彦(ひこ)さん(43)と他の2人の宇宙飛行士を乗せたロシアのソユーズ宇宙船が7月15日,カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられた。
- 約9分後,ソユーズは打ち上げロケットから分離し,指定の軌道に乗った。
- 7月17日,ソユーズはISSとのドッキングに成功し,約2時間半後,3人の飛行士はISSに移動した。
- 若(わか)田(た)光(こう)一(いち)さんと2人の同僚宇宙飛行士は,11月7日,ソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。
- トーチはその後ソユーズ宇宙船で地球に戻された。
- 彼らはロシアの宇宙船「ソユーズ」でカザフスタンに着陸した。
- 大西さんとあと2人の乗組員,ロシアのアナトーリ・イヴァニシンさんと米国のケイト・ルビンズさんは,ロシアのソユーズ宇宙船でカザフスタン中部の大草原地帯に着陸した。
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