『将太の寿司〜全国大会編〜』の寿司職人たち
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坂田利人(さかた としひと) 回転寿司(作中では一貫して「100円寿司」と呼称される)「力寿司」に勤務する大阪府代表。幼い頃に両親が離婚し寂しい思いをしていた際に、同店の親方に励まされたのを切っ掛けに寿司の道へ入った。10年にもわたる地道な修業経験に裏打ちされた技術や精神は伊達ではなく、包丁技、早握りが得意で1回戦の早握り勝負では大年寺と共に最高記録を打ち立てた。子供にも手軽に食べてもらえる100円寿司の職人であることを誇りに思っている。子供が大好きで、子供達からの支持も厚い。全国大会では当初修業経験の少ない将太を見下すような言動が目立ったが将太の実力を見て考えを改め、その後は良い好敵手の一人となる。自身が勤務する寿司店の存続が危ぶまれた時には将太や、慎吾も含めトリオを組んで大王寿司との寿司対決に挑んだり、準決勝で兵庫を訪れた将太の応援に駆けつけ食材探しに同行するなど度々協力関係を築いた。四回戦では切島傀と対決。応援に来た子供の一人が交通事故で重傷を負い、輸血に協力したボロボロの身体で己の寿司職人生命を賭けて挑むが力及ばず敗退した。 切島傀に敗れて宣言通り寿司職人を辞めると包丁を差し出すが、切島傀には包丁を折られた挙句「寿司職人を辞める必要もない。クズの客相手にクズの寿司を作り続けろ。」と嘲笑されて悔し涙にくれ、傍で見ていた将太も怒りを爆発させた。決勝戦では仕事をしながら将太の勝負を見ており、寿司職人を続けている。最終話では、巴寿司の新装開店に合わせて小樽に来ていた。 高田早苗(たかだ さなえ) デパートの地下食品売り場で持ち帰り専門の寿司店「寿司仙」に勤務する福岡県代表で決勝進出者の一人。宮崎県出身だが、15歳から福岡に上京。現在は福岡暮らしの方が長いため「オイは──」「ばってん」「──とよ」など、福岡の方言を使う。「高田」は親戚の苗字で、旧姓は「宮下」。完全な独学で寿司握りを習得した変わり者だが、「漬け込み」の技術は相当に高い(特に沖漬けは、食べた将太が、佐治が加藤以蔵戦で披露し圧勝した海老の沖漬けより上だと感じたほど)。決勝ではピリピリした雰囲気の他3名と違って飄々とした雰囲気で誰とも特に敵対するような言動もなく、「こういうのは祭り。みんなで楽しく盛り上げていきましょう。」と笑い飛ばし、得意分野を生かして最後まで食らいついていた。 かつては家族を助けるべく、“ラッシュ高田”という名前でボクシングで世界チャンピオンを目指していたが、不運なパンチで目を痛め、引退を余儀なくされた過去を持つ。 女性のような名前のために、将太は決勝の相手を対面し名前の書かれた札を見るまで笹寿司四包丁の紅一点ではないかと勘違いしていた。 切島傀(きりしま かい) 北海道「笹寿司」の代表で、予選を只一人満点で通過した(将太や佐治、大年寺が出場したのとは別ブロック)。笹寿司四包丁以上に笹木が本命と目して後援する職人で、決勝進出者の一人。名前は坂田戦で初めて判明した。針麻酔を使い食材を仮死状態にすることで、その鮮度を最高の状態に保つことが出来、殻を剥き頭を外したエビの生命を保たせたり、生きて泳ぐマグロにさえも、直接針を打ち込んで活け作りにしてしまう「瞬殺鮪」(しゅんさつしび)という得意技がある。気性は極めて荒く、氷のような目をしており、将太に敵意をむき出しにする。 額に大きな傷跡が残っており、名前が不明だった頃は「傷の男」という通称で呼ばれていた。 当初は「切島傀」であると思われていたが、飛男と将太の調べによって、弟「切島由太(きりしま ゆうた)」の身体に兄「切島傀」の人格が同居している多重人格者ということが明らかになった。彼らは長崎の寿司割烹「きりしま」に伝わる針麻酔の奥義継承に兄弟揃って挑戦するものの失敗、その際に傀は由太の目の前で父親を道連れに入水自殺してしまった。兄の無念を感じとった由太は「切島傀」を身体に宿し、家を飛び出して独自に修業を続けていた。 決勝にて「人を支配する寿司」を否定した将太の「人を幸せにする寿司」に敗れ腕の腱を切ろうとするが、そんな由太の前に幽霊として傀が現れて、「俺達が目指すべきは関口将太のような人を幸せにする寿司作りだ」と彼を導き、切島傀から本来の切島由太に戻って、幼馴染・天宮万里子と共に新たにやり直すこととなる。将太と佐治の決勝戦は万里子と共にテレビ観戦しており、将太の優勝が決まった時には笑顔を見せていた。 課題用として提供した1枚500万円の皿を故意に割る、アサクサノリの養殖場にガソリンを撒いたうえで火を放つなどの重犯罪を行っているがそれに関して法的処罰が描かれることはなかった。 叶崎精二郎(鋼の精二郎/かのうざき せいじろう) 笹寿司四包丁の一人で、「小竹寿司」から参加する高知代表。二回戦で将太と対戦。「おんしゃ──」「──やきに」など高知県の方言が特徴。最初は将太に対して挑発的な言動をしていたが、勝負の中で自分と互角以上に渡り合う将太を気に入り、敗北後は将太との対戦で将太が材料を手に入れられないよう手を回していた笹寿司と決別。 性格は豪放磊落そのもので、全国大会1回戦では第2課題までで合格点を取った事で第3課題以降をサボり、笹木の「店を取り上げる」という脅しにも殴りつけたうえで「熨斗つけてくれてやる」と返している。また、裏工作の多い笹寿司にあって卑怯戦術とは縁がなく、むしろ笹寿司の裏工作を知って自分も使用素材を変えるなど、正々堂々とした勝負を重んじる。 「鋼の精二郎」の異名は高い包丁技術と焼き物の技術を習得していることの現れである。目にも止まらぬ速さで繰り出される必殺技・秘包丁カマイタチは、切り口の滑らかさから醤油が全て弾かれるほど鋭利な切れ味を持つ。その気風の良さから地元では多くのファンを持ち、女性ファンからは黄色い声援が飛ぶ。 武市半平(包丁修羅/たけち はんぺい) 笹寿司四包丁の一人。「包丁修羅」の異名を持つ。会話では少々どもりが交じる。三回戦で外国人向け寿司創作勝負で世界三大珍味を使った寿司を握る(その際、隆々とした筋肉を発揮した「修羅の包丁」を使用し、高価な材料は自身の武器ではないと心の中で語っている)が、フォアグラ以上の美味さを持つアンキモの握りを作った大年寺に敗れる。 悪人ではなく、卑怯な手段を使う事に対して難色を示すが、大年寺には「汚れた包丁」呼ばわりされて卑怯者扱いされてしまった。 加藤以蔵(包丁鬼/かとう いぞう) 笹寿司四包丁の一人。四包丁では首領格と呼ばれ、さらに「包丁鬼」の異名を持つ。四回戦の3番勝負で佐治から圧倒的な1勝を挙げるが、最後は甘海老の沖漬けという離れ業をした佐治に敗れ、クビになった。彼が佐治との甘海老勝負の際に笹木に依頼した「エビの住んでいる環境を自然のままに再現する」特注の水槽は、人手や金が桁違いにかかる点を除けばかつて東京大会で将太が下山との勝負で取った方法と同じようなものだが、将太は加藤の会話を聞いて「また金にものを言わせて卑怯な事を!」と憤っていた。 四包丁の女 笹寿司四包丁・最後の一人にして紅一点。武市半平と大年寺の勝負に際し、大年寺を電車のホームに突き落としたその後将太は本人と出会い名を知るまで彼女が「高田早苗」だと勘違いし、福岡の市場で見かけ、その確信を高めた(実際それまでのどこかで脱落しているのだが)。が、後はぱったりと登場しなくなり、連載が完結した後も名前や素性は明らかにされなかった(この点は単行本ラストで、作者自身もネタにしている)。 月岡アキラ(つきおか あきら) 新潟県代表の職人。関口将太の全国大会第三回戦の相手。 幼少の頃、実の親から折檻を受け続け家出する。長岡で浮浪者同然になったところを、伝説の寿司職人「握り克」こと岡田克郎に見込まれ、寿司職人を目指すことになる。岡田に仕込まれただけあって、トップクラスの技術を持ち、「神の右手」と称する僅か0.01gの狂いもなく酢飯を握ることができる技術を持つ。 当初は「自らがのし上がるために全国大会に勝ち上がる」という野心を自らの理念としていたため、将太との最初の勝負で引き分けた際には岡田を一度見捨てたが(心臓発作を起こした際にも冷たく突き放すような言い方をしていた)、二度目の勝負で蟹の握りの欠点を見抜けず敗北した際に岡田と和解、2人で心の寿司作りを目指すようになる。
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