φとは? わかりやすく解説

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ファイ

別表記:Φ

「ファイ」とは、ギリシア文字の第21番目の文字であり、数学や電磁気学の記として多く用いられる字である。

「ファイ」とは・「ファイ」の意味

「ファイ」はもっぱらギリシア文字の「Φ」を指す。「Φ」は「ファイ」または「フィー」とカナ表記される。英語における読み方は「phi(ファイ)」である。

ロシア語などで用いられる文字体系である「キリル文字」の「Ф(エフ)」は、ギリシア語の「Φ(ファイ)」に由来する字である。

アラビア語では、実際の戦闘行為の結果で得られた戦利品を意味する「ガニーマ」と対立する言葉として、戦闘行為がなく獲得した戦利品を意味する「fay'(ファイ)」がある。

量子力学において、物理量は演算子で表されるが、原子や分子、原子核や素粒子の状態を表すために用いられる座標の関数を波動関数という。「Φ(ファイ)」は「ψ(プサイ)」とともに波動関数を表す記号である。

物質を構成する主な素粒子のひとつで第二世代のクォークであるストレンジクォークと、その反クォークからなる素粒子を「Φ(ファイ)中間子」という。

数学記号では「黄金数(golden number)」を「Φ(ファイ)」という。「黄金数(golden number)」とは、近似値1:1.618、約5:8の黄金比を指し、安定的で美しい比率とされる貴金属比の一つである。パルテノン神殿を建築した人物として知られている古代ギリシャの彫刻家フェイディアスの頭文字をとったものである。黄金比は「τ(タウ)」を用いる場合もあり、二次方程式 x2 − x − 1 = 0 の正の解である。

数学では要素(元)を一つももたない集合を空集合(empty set)といい、空集合の記号は「∅」で表す。「∅」は、ノルウェー語などで用いられるアルファベットの「Ø(スラッシュ付きオー)」に由来するものである。空集合の記号は「Φ(ファイ)」と間違えられることもあるが、文字の形は似ていても表す意味は全く関係がないものなので、用いる際には注意が必要である。

「ファイ」とは、設計図などで鋼管やパイプなど円形状の物の直径を表す記号を指す。主に円形状の製品の寸法を示すものであるが、工学や建築学でも使用される。建築では杭や丸鋼(鉄筋)などの円形状の空間や物の寸法を表現する時に用いられる。正式には「ファイ」という読み方であるが「マル」とも呼ばれる。記号を記す位置に決まった位置はなく、業界によって長さを表す数字の前や後に記される。また、mmやcmなどの単位も表記されないが、図面の標準単位がmmなので、mm単位で解釈することが一般的である。半径を示す記号には「R」が用いられる。

電気では、電源関係の相数を表す記号として「Φ(ファイ)」が用いられる。ひとつの電気回路に一つの電流が流れている単相を1Φ(ファイ)、ひとつの電気回路に3つの電流が流れている三相を3Φ(ファイ)と表す。

電磁気学では、磁場の強さに透磁率を掛けたものを磁束密度といい、磁束密度に面積を掛けたものを磁束という。磁束とは、磁力線を束にしたようなもので、「Φ(ファイ)」で示す。

「ファイ」とは、韓国で2013年に公開された映画「ファイ 悪魔に育てられた少年(原題:화이: 괴물을 삼킨 아이)」における主人公の少年の名前である。「ファイ 悪魔に育てられた少年」は、2002年の初監督作品「地球を守れ!」で第40回大鐘賞新人監督賞など数々の新人監督賞を受賞したチャン・ジュナン監督による監督第2作目の作品。5人の凶悪犯に育てられた少年「ファイ」の壮絶な運命を描いたサスペンス・アクション映画である。

主人公「ファイ」は撮影当時15歳だったヨ・ジングが演じ、その演技は高い評価を得て第34回青龍映画賞、第33回韓国映画評論家協会賞など、数多くの新人男優賞を受賞している。「ファイ 悪魔に育てられた少年」は、韓国では観客動員数が240万人を突破するなど大ヒットを記録した。

Φ

別表記:フィー、ファイ、ファー

「Φ」とは、磁束・角度のことを意味するギリシア文字表現である。

「Φ」とは・「Φ」の意味

「Φ(ふぁい)」とは、ギリシア文字の第21番目の文字で、「角度」「磁束」などを表す文字である。「Φ」は多くの分野で使用されている文字であり、その使われている分野によって何を表すことが多いかを認識しておく必要がある。

物理学、特に電磁気学においては、「Φ」は磁束を表す。磁束とは、その場における磁界の強さ、及び方向を線の束で表したもので、線1本を1Wbで表す。磁場の強さ(H)に透磁率(μ)をかけたものを磁束密度と言い、この磁束密度に面積をかけたものを磁束という。磁束密度は大きさと方向を持つベクトル量であるのに対し、磁束は大きさのみを表し、方向を持たないスカラー量である。この時、磁束密度と面積は直交している必要がある。
一般に、磁束密度がBの一様な磁場において、それに垂直な面積Sの部分の磁束は、Φ = BSで表される。

建築図面においては、JIS(日本工業規格)において、直径を意味する。後述するようにこの記号は「ファイ」と読むが、建築図面で使用されるときはしばしば慣用的に「マル」「パイ」と呼ばれることもある。建築図面での標準単位はmmであるため、「100Φ」もしくは「Φ100」と表記されていれば、それは100mmの直径を意味することとなる。ここで、Φを記載する位置は業界によっての傾向などはあるものの特に定まった記載法があるわけではない。
Φは、「円の寸法補助記号」として用いられるが、JISにおいては「円の形が分かる形状に寸法を入れる場合は寸法補助記号の「Φ」を省略する」ことになっている。しかし、実務上は読み手に対して認識の違いを与えないために円の形が分かる形状にも「Φ」をつけているケースは良く見られる。
また、パイプなどの物質は外径と内径が存在するが、Φは直径の中でも特に「外径」の直径を表す事が多い。しかし、例えば設備用配管などでは内径を表すケースも見受けられる。丸鋼の様にそもそも内径が存在しない物に関しては外径を表す。

数学においては「Φ」は非常によく利用されている文字である。
例えば、幾何学においては、球面座標系において方位角(偏角)を表すためにΦが使用される。
球面座標系とは、3次元ユークリッド空間に定まる座標系の一つで、動径座標と二つの角度座標で表される極座標系である。3次元座標を表すためには、直角座標である x, y, z を使うのが一般的ではあるが、例えば原子の電子分布など、原点からの距離が重要となる場合は動径r、極角(天頂角)Θ、方位角(偏角)Φを用いた極座標が用いられることが多い。ここで、Φの定義域は0 ≤ Φ< 2πとなる。
また、オイラーのトーシェント関数においてもΦは用いられる。
オイラーのトーシェント関数とは、正の整数nに対して、nと互いに素である1以上n以下の自然数の個数 Φ(n) を与える数論的関数Φである。ここでのΦは慣例的に使われており、そこからオイラーのΦ関数、またはオイラーの関数と呼ばれることもある。
また、しばしば「Φは空集合を意味する」と言われることがあるが、これは正確には間違いである。数学において空集合を表す記号は「∅」であるが、「∅」はコンピューターの変換で出にくいため、使いやすく、形も似ている代替例として「Φ」が多用され、定着したという背景がある。よって、空集合を表す記号は正確には「Φ」ではない。

化学においては、共有結合の一種の名前としてΦが使われ、「Φ結合」という形で用いられている。
Φ結合は、結合軸からみた軌道の対称性は通常の6つ葉型f軌道と同じということから命名されたもので、f原子軌道の重なりにより形成される高次結合とされている。

「Φ」の読み方

「Φ」は、「ファイ」もしくは「ファー」と読む。「フィー」と読んでいる文献も見受けられる。

ファイ【Φ/φ/phi】

読み方:ふぁい

1 ギリシャ文字の第21字。

2 〈Φ〉電磁気学で磁束を表す記号。

3 〈φ〉φ中間子の記号。

4 〈φ〉量子力学でψとともに波動関数を表す記号。


φ(ふぁい)

【別称】パイ
直径を表す記号。たとえばφ35mmのフロントフォークといったら直径が35mmのフォークのこと。JIS規格では「マル」と発音するが、バイク業界では「ファイ」または「パイ」と呼ぶこと多い。
【関連用語】キャブレター フロントフォーク

Φ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/05/04 17:30 UTC 版)

ギリシア文字
Αα アルファ Νν ニュー
Ββ ベータ Ξξ クサイ
Γγ ガンマ Οο オミクロン
Δδ デルタ Ππ パイ
Εε エプシロン Ρρ ロー
Ζζ ゼータ Σσς シグマ
Ηη イータ Ττ タウ
Θθ シータ Υυ ウプシロン
Ιι イオタ Φφ ファイ
Κκ カッパ Χχ カイ
Λλ ラムダ Ψψ プサイ
Μμ ミュー Ωω オメガ
使われなくなった文字

()
ディガンマ サン
ヘータ ショー
ギリシアの数字
スティグマ
()
サンピ

()
コッパ

Φ, φ(ファイ[1]、フィー[2]、ピー[1]、古代ギリシア語: φεῖ ペー、ギリシア語: φι フィ、英語: phi [faɪ] ファイ)は、ギリシア文字の第21番目の文字。ギリシア数字の数価は500。

キリル文字のФはこの文字に由来する。

音声

古代ギリシア語では無声両唇破裂音の帯気音 /pʰ/、現代ギリシア語では無声唇歯摩擦音 /f/ を表す。摩擦音への変化がいつごろ起きたかは正確にはわからないが、ビザンチン時代には摩擦音になっていたようである[3]。

英語の子音 ph(/f/)や、ラテン語の子音 ph(/pʰ/)は、古代ギリシア語の φ に由来する[4](例: 哲学を意味する philosophy, philosophia は φιλοσοφία に由来する)。

英語圏の学者が古代の φ を読むときも /f/ で読む場合が多い[5][6][7]。

日本の西洋古典学では、「ファ行」と「パ行」の二通りが使われており、表記揺れの一因になっている[8][9](例: オルフェウスとオルペウス、ペルセフォネとペルセポネ)[9]。ファ行が現代ギリシア語や英語に近いのに対し、パ行は古典期のギリシア語に近い[10]。 ファ行なら π(/p/)と区別できるが、パ行では区別できない[10]。

起源

古代ギリシア語には3つの帯気音 /pʰ tʰ kʰ/ があった。このうち/tʰ/にはフェニキア文字を転用することができたが(θ)、それ以外は適当なフェニキア文字が存在しなかった。クレタ島およびその周辺のテーラー、メーロスでは文字を追加せず、/pʰ/ の音は単に「Π」と書くか、または「ΠΗ」の2文字で表記したが[11]、それ以外の地域では新たに「Φ」の字を追加した。

この文字の起源については議論が分かれる。古代の文字名称はペー(φεῖ)で、この名は明らかに「π」からの類推によってつけられた[12]。紀元前4世紀の末に ει は /iː/ と発音されるようになり、その影響で文字名称も φῖ とされることが普通になった。近代西洋諸言語の名はそれにもとづく[12]。

記号としての使用

  • 大文字の「Φ」は、
  • 小文字の「φ」()- 製図で直径を表す記号。呼び方は「まる」または「ふぁい」。誤って「パイ」と読まれることがある。
  • 0または (斜線つきゼロ)- アマチュア無線でコールサインに使われる(ゼロ)を表記する。

符号位置

Unicodeでは小文字の「φ」に U+03C6 (GREEK SMALL LETTER PHI)と U+03D5 (GREEK PHI SYMBOL) の2つの符号位置が割り当てられている。Unicodeバージョン3.0以降は、前者が一筆書きの、後者が丸に斜線を引いたの字形に対応するが、それ以前は割り当てが逆だった。この変更は現代ギリシア語において一筆書きのが通常用いられる字形であることによる。フォントによっては古いバージョンのUnicodeに従い逆の字形になっていることがある[13]。

JIS X 0213では小文字のファイは1-6-53にあり、例示字形は丸に斜線の形になっているが、U+03C6の方に対応することになっている。

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Φ U+03A6 1-6-21 &Phi;
&#x3A6;
&#934;
φ U+03C6 1-6-53 &phi;
&#x3C6;
&#966;
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
ϕ U+03D5 - &#x3D5;
&#981;
GREEK PHI SYMBOL

TeXでは\phiで丸に斜線のを、 \varphiで一筆書きのを表す。

脚注

  1. 1 2 堀川宏『しっかり学ぶ初級古典ギリシャ語』ベレ出版、2021年。ISBN 978-4-86064-643-1。9頁。
  2. ↑ 風間喜代三、平凡社、改訂新版 世界大百科事典『ギリシア文字』 - コトバンク
  3. ↑ Allen (1987) pp.18-26
  4. ↑ 辻野匠「学名(ラテン語)のカナ表記についての試論」『地質ニュース』第675号、実業公報社、2010年11月、63頁。
  5. ↑ Donald J. Mastronarde. “Pronunciation Guide”. atticgreek.org. 2025年6月18日閲覧。
  6. ↑ David K. Jordan. “Jordan: Pronouncing Ancient Greek”. pages.ucsd.edu. 2025年6月18日閲覧。
  7. ↑ William A. Johnson. “Pronunciation”. people.duke.edu. 2025年6月18日閲覧。
  8. ↑ “2025/05/17 固有名詞の日本語表記について”. clsoc.jp. 日本西洋古典学会. 2025年12月19日閲覧。
  9. 1 2 レナル・ソレル 著、脇本由佳 訳『オルフェウス教』白水社〈文庫クセジュ〉、2003年。 ISBN 978-4560058633。163頁(訳者あとがき)。
  10. 1 2 逸身喜一郎『ギリシャ・ラテン文学 韻文の系譜をたどる15章』研究社、2018年。 ISBN 9784327510015。420頁。
  11. ↑ Threatte (1996) p.272
  12. 1 2 Allen (1987) p.170
  13. ↑ “Representative Glyphs for Greek Phi” (PDF). UTR #25: Unicode support for mathematics

参考文献

  • W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558 
  • Leslie Threatte (1996). “The Greek Alphabet”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. pp. 271-280. ISBN 0195079930 



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