将棋用語一覧 ぬ

将棋用語一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/14 08:51 UTC 版)

抜く
  1. 飛車・角・香車の利きを止めていた駒が動いたことで(飛車・角・香車で)ある駒が取れる状態になり、その駒をただで取ること。「素抜く」ともいう。
  2. 対局者甲の王手が乙の玉と乙の重要な駒の両取りになって、(乙の玉を守る手の後で)甲が乙の重要な駒をただで取ること。
ぬるぬる
玉の逃げ道(特に上部への逃げ道)がきわどく通っていて、(ウナギのように)なかなか捕まらない様子。

捻り合い(ねじりあい)
中盤から終盤において、研究が進んでおらず優劣不明な、非常に難解で緊迫した局面。〈例〉「先手の構想はうまく行かなかったが、なんとか捻り合いに持ち込んだ」
根絶やし(ねだやし)
有利な局面で、次に相手になにも継続攻撃できないような受け。またそうした指し手およびそうした指し手順ばかりを指して相手になにもできないようにすること。類似語に「友達をなくす手」がある。
ネット将棋
パソコン・インターネット回線を通じて行われる対局。オンライン対局などとも。ネット将棋の対義語の、従来の盤をはさんで向かい合っての対局はリアル将棋と呼んで区分していることもある。

ノータイム
持ち時間を使うことなくすぐに指すこと。
ノーガード
主には飛車先を守らずに指す戦術。通常は飛車先交換に来た際の反撃を狙っている。
脳内盤(のうないばん)
将棋の一局で次の一手・最善手を読んでいる状態や、詰将棋の手順を考える際に使われる盤。脳内に盤があるかのように頭の中だけで将棋の駒を自由に動かすさまを指してこのようにいわれる。
逃れている
「うまく玉が逃げればつまない」を言い換えた語。詰みの可能性がある局面について用いる。〈例〉「この順は打歩詰めで逃れていますね」
残す
相手の攻めがぎりぎりで決定打に至らず、なんとか勝ちになること。「余す」とも[1]
残っている(のこっている)
  1. 「直近ではほかの手の対応のために出てこないが、厄介な手をされる余地がある」ことを「○○が残っている」という。<例>「4四歩たたきから攻める筋が残っているので後手はどこで受けに回るかというところ」
  2. 「残している」と同義。正しく逃げれば、かろうじて詰まないことを指す。
覗く(のぞく)
角を動かして他の筋に利かせること。
伸ばす
歩を前進させること。「突く」とは違い、駒組み段階でまだ他の歩などとぶつからない時に言う。「伸びすぎる」と言う場合は、伸ばした歩が取られてしまったりキズになっていることを指す。
(手が)伸びる
ある手を指したとき、その先に発展性が見込めること。

VS(バーサス)
一対一で行う研究会
敗勢
形勢が非常に不利な局面。
敗着
直接的に負ける原因となった悪手。ただし、明確な敗着が無く、いくつかの緩手や疑問手で決する局も多い[1]
はいよる
「すりよる」に同じ。
入る、入らない
  1. 局面の展開の中で、ある手を指しうるタイミングが数パターンあるとき、その手がのちに有効にはたらくタイミングである、または相手がシンプルに応じざるを得ないタイミングであることを「入る」といい、手抜きされたり、うまい切り返しがあったりしてそれを指さないほうがよいタイミングであることを「入らない」という。〈例〉「1五歩が入らなくなることを懸念して早めに突き捨てたが、感想戦では相手はもっとあとでも取るとのことだった」
  2. 中盤に入るまでの手順の中で、手数的にある手を指す手が間に合うことを「入る」、間に合わないことを「入らない」という。また序盤~中盤の途中で、展開に強く影響するような焦点となる手が指されている場合を「入っている」、指されていない場合を「入っていない」という。〈例〉「歩突きが入っているとしかけが成立する」
剥がす(はがす)
相手の囲いで要となる駒(特に金・銀)を盤上から無くすこと[1]
はさみ将棋
将棋ゲームのひとつで、歩兵の駒一種類を使って行われる将棋。相手の駒を自分の駒で挟んだら取ることができる。
端(はし)
1筋あるいは9筋のこと。「端攻め」と言えば、端の方から攻めること。
端角
角行を定位置から盤の端筋、先手なら8八から9七、後手なら2二から1三に移動させた角の姿。角をこうして活用する戦法を端角戦法という。
端玉(はしぎょく)
盤の端つまり1筋や9筋に位置するもしくは追われて端に詰められた玉形。ただし穴熊のような1一や9九の地点のものではなく、香車の上に位置するものをいう。
端歩(はしふ)
盤の端つまり1筋や9筋にある歩。
弾く(はじく)
玉に迫ってきた大駒に当てる形で指し、大駒は逃げるしか手のない状態のこと。特に囲いを補強する金や銀を打つこと。
走り駒
特定の方向に何マスでも動かせる(ただし飛び越えられない)駒のこと。具体的には、(本将棋では)香車、角(馬)、飛車(竜)が該当する。
走る
飛車(竜)あるいは香車が数段前進すること[1]
端を詰める(取る)
1筋または9筋について、対局者のどちらかの歩が、1五または9五を占め、位をとること。
パス
  1. 指す意味が無く、無駄な手のこと。〈例〉「一手パスしたが、結局大差をつけて勝った」
  2. 将棋には他のターン制のゲームで言う「一手休み」は無いが、「手を渡す」と同様の用法で使う。〈例〉「一手パスして様子を見る」
はずす
  1. 玉に迫っている相手の駒を、手の流れの中でスムーズに除去すること。時に「抜く」と同義。〈例〉「5四銀から王手で金をはずせる順があるので後手よしだ」
  2. 「研究/定跡/(戦法名) をはずす」で用いて、既存の想定された展開にならないように意図的に別の手をさすことをいう。〈例〉「お、三間飛車はずして矢倉ですか。」
裸玉(はだかぎょく)
  1. 王の周りに駒がなく、無防備の状態。終盤戦で相手の攻めにより囲いを完全に破壊された場合などに起こる。
  2. 駒落ちの極端な例で、上手が玉以外の全ての駒を落とすもの(19枚落ち)。
働き(はたらき)
盤上の駒の機能や作用、利き具合。
81Dojo(はちじゅういちどうじょう)
日本将棋連盟後援のオンライン対局サイト。
八枚落ち(はちまいおち)
上手が八枚落として行われる駒落ち戦で、上手は玉と金、歩のみ。
ハッチを閉める
玉を穴熊に囲うときに、玉の小鬢(コビン)を塞ぐこと。銀であることが圧倒的に多い。
初手合い(はつてあい)
公式戦において初めて対局する組み合わせ。
八方桂(はっぽうけい)
桂馬がチェスナイトのように後ろや横など八方に利く特別ルールで行われる将棋。四枚落ちの際に上手がこれを採用して指すことがある。
離れ駒(はなれごま)
味方の駒との連携がなく、孤立している状態の駒。高美濃から銀冠に組み替える際に生じる離れ駒などが有名。
離れる
浮くと同義。駒の利きがなくなること。
跳ね違い
相手と自分の桂馬の利きが重なった時、相手の桂馬を取らない方へ自分の桂馬を動かすこと。
跳ねる
桂馬が動くこと。桂跳ねも参照。
羽生世代
羽生善治と同年代の棋士。この世代が棋界の歴代成績が特出している。
羽生マジック
羽生善治が指す、通常思い浮かばない妙手を表した言葉。
はまる
  1. 相手が圧倒的に有利になるような(一見普通そうな)手順に入る危険な手を指してしまうこと。
  2. 相手の研究の想定通りの手を指したことで、序盤から中盤はじめにかけて相手に圧倒的に優位な状態を築かれること。
はめる
研究通りの展開に持ちこんで知識量の差で大優勢を築くこと。アマチュアが口頭で用いる俗語的な用語。 〈例〉「ああ研究ではめられたー」「いや定跡ですよこれ」
嵌め手、ハメ手
「ひっかけ」の手。厳しい狙いがあるものの、それを看破されると容易に不利になる手。
速い
詰めろ、必至、王手などがかかるまでの手数が少ない様子。
バランスを取る
穴熊など戦法によっては玉の囲いとしては固いが陣形としてはバランスが良いわけではない。このため、陣形的に駒の配置バランスを重視した指し方をする将棋もある。またこの他に、局面に応じた攻めと受けを心がけることにも使用される。
早石田(はやいしだ)
開始早々いきなり決戦となる石田流。嵌め手や奇襲戦法によく分類がなされる。
早囲い(はやがこい)
玉の囲いが通常よりも早く完成することで、この名がある囲いには、壁囲い矢倉早囲いなどが有名。
早繰り銀(はやくりぎん)
居飛車で右銀を千鳥銀の要領で早くに敵陣に繰り出す戦法。先手なら4筋→3筋→2筋、後手なら6筋→7筋→8筋と繰り出す。
早仕掛け(はやじかけ)
急戦奇襲戦法などでの仕掛けを特に早仕掛と呼んでいるが、特に対振り飛車の舟囲い居飛車急戦での3五歩早仕掛けや4五歩早仕掛けなどが有名。
早見え(はやみえ)
指し手が早くかつ多く読めるというより、どう指すのがよいのか迷いやすい局面でも、早く指し手が決断できて着手できる場合にこう呼ばれる。
早指し(はやさし)
1.指し手が速いこと。指し手を決めるまでの時間が短いこと。対義語は「長考」。2.持ち時間の少ない将棋。秒読みでの将棋。
早逃げ(はやにげ)
王手をかけられる直前の段階で、玉を安全なマス目に移動させておくこと。これに関する格言としては「玉の早逃げ八手の得あり」がある[10]
早投げ(はやなげ)
少ない手数しか指していない状態で投了すること。少し形勢を損ねただけで投了すること。
腹(はら)
玉の真横のこと。玉頭と並ぶ急所であり、そこに打つ銀もしくは金を腹銀(はらぎん)、腹金(はらきん)と呼ぶ。銀は王手にはならないが、玉の逃げ道を縛る重要な一手となる。
払う
相手の邪魔な駒を取ること。放置しておくとやっかいな駒を除去したりすること。
バラす
相手の玉を囲っている駒と自分の攻め駒とを清算して、相手の玉を裸にすること。「清算する」と同義。その後に相手の玉を寄せるための準備である場合が多い。
張り付く
金・銀(成銀)・と金・成桂・成香を相手の囲いの駒に当てる。
盤覆い(ばんおおい)
5寸将棋盤をしまっておくときにかぶせておく覆い。
盤外戦術、盤外戦(ばんがいせん)
ある対局に際して、盤上攻防以外のことで相手の動揺を誘う心理作戦で優位に立とうとすること。
半香(はんきょう)
将棋の手合割の一つで、平手と香落ちの2番1組のこと。平香交じりともいう。主に昭和戦前まで平手と香落ちの中間の段位差に相当する物として行われていた。
盤上(ばんじょう)
将棋盤の盤面や対局中の状態。〈例〉「盤上この一手」「皆様本日も盤上の攻防をお楽しみください」
盤側(ばんそく)
タイトル戦などでの対局中に関わる周囲の人々を表す言葉。
番勝負(ばんしょうぶ)
将棋でもタイトル戦などや棋戦の決勝などで採用されている、数番指して先に何勝した方が勝ちという勝敗決定形式。
番太郎駒(ばんたろうこま)
草書体の駒で、山形県天童市で生産されている。
反省する(はんせいする)
ある手順を読んでそれを実行しようとしたが、相手の応手や表情からこちらが悪くなる手順に入ってしまうことに途中で気づいたため、形勢を多少悪くすることを覚悟して、さしあたり必要な手をさす〈例〉「ここで詰めろをかけようとしたが、角の王手で抜く筋があったので反省して玉をかわした」
パンツを脱ぐ
穴熊囲いを形成している桂馬が動くこと。例えば先手の居飛車穴熊なら▲8九が元の位置から▲9七や▲7七に跳ねて動くこと[1]。穴熊囲いで、守備の桂馬を動かせる、またはその動かない桂馬を取って玉に迫ることを「パンツを脱がす」という。
反発(はんぱつ)
相手の攻めを受けた時に、守備一辺倒にならずに攻め返すこと。
半分返し(はんぶんかえし)
指し手を決める際の目安時間において、相手の長考で持ち時間をリードした際にその半分まで考えても有利として、相手の考慮時間の半分くらいの時間で着手を返すこと。

注釈

  1. ^ 『日本将棋用語事典』p.7では、味の良し悪しはそれぞれ0.5ポイントくらいのプラスまたはマイナスがある、ともしている。
  2. ^ 本来の日本語としては「歩で叩く」の方が自然だが、将棋界では「歩を(使って)叩く」と言う習慣がある

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al 『日本将棋用語事典』
  2. ^ a b c d e f g 『将棋語辞典』
  3. ^ 『日本将棋用語事典』p.23
  4. ^ 『日本将棋用語事典』についてはこの項目の他、p.47「緩手」も参照。
  5. ^ 羽生善治が2010年度NHK杯テレビ将棋トーナメントに解説役として出演した際に説明。
  6. ^ 『日本将棋用語事典』p.69
  7. ^ 「あ!駒柱できました」2度の出現に解説陣「珍しいですね」 広瀬章人八段は「これはきっと“使われる”(笑)」/将棋・ABEMAトーナメント”. ABEMAニュース. 2023年5月30日閲覧。
  8. ^ 羽生善治氏が説く、「三手の読み」で未来を切り開く方法”. ログミー. 2013年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月9日閲覧。
  9. ^ 『日本将棋用語事典』 pp.92-93 「痺れました」、「痺れる」
  10. ^ a b 松下 1970, p. 24.
  11. ^ 修司, 相崎. “72歳現役棋士、桐山清澄九段に聞く「中原誠さんとの東西決戦で嵐になった日」のこと | 観る将棋、読む将棋”. 文春オンライン. 2020年7月30日閲覧。
  12. ^ 松下 1970, p. 26.
  13. ^ 将棋 多面指しでプロと交流”. ニュース和歌山 (2017年11月18日). 2018年3月9日閲覧。
  14. ^ 藤井聡太20歳「はっきり苦しい」王座戦で八冠ロード窮地→「毒まんじゅう」サク裂…《評価値6%》から大逆転の「6四銀」はナゼすごい?”. NumberWeb. 2023年6月27日閲覧。
  15. ^ タイトル100期か無冠転落か。羽生竜王VS広瀬八段、竜王戦七番勝負の展望は?(両者インタビューあり)|将棋コラム|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2019年6月10日閲覧。





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