舞台での存在感、表現の場の広がり(2016年 - 2020年)
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「三浦春馬」の記事における「舞台での存在感、表現の場の広がり(2016年 - 2020年)」の解説
2016年、シンディ・ローパーが全曲作詞作曲し2013年のトニー賞で6部門を受賞した大ヒットブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』日本版 に主演。三浦は本作を2013年にニューヨークで見て衝撃を受け、「日本版が上演されることになったら絶対に自分が演じたい」と熱望し、役に合った肉体改造もしてオーディションを受けてこのドラァグクイーン・ローラ役を射止めた。全公演、即日完売。連日スタンディングオベーションの嵐が続き、第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞。後に「初演が幕を閉じた瞬間から、再演するつもりだった」「転機となった作品」と語っている。2019年によりパワーアップして再演を果たし、再び大成功を収めた。 2017年、3度目の大河出演となる『おんな城主 直虎』で井伊直親役を好演。この後「土曜ナイトドラマ」の記念すべき第1弾作品として制作されたコメディ『オトナ高校』(テレビ朝日) に主演。前作と正反対の、今までに無い突き抜けたコミカルな演技は「新境地」と話題となった。また、この年にロンドンへ2ヵ月間の短期留学を行っている。 2018年4月より、紀行番組『世界はほしいモノにあふれてる』(NHK総合)で司会を担当。また、史上初のTBS・テレビ東京・WOWOWの3局横断、Paraviオリジナルドラマ『tourist ツーリスト』に全話出演。Paraviでは三浦が演じる天久真目線のオリジナルバージョンが独占配信されるなど新たな形態も話題となった作品である。ドラマ撮影では初となるオール海外ロケに臨み(バンコク・台北・ホーチミン)、念願の英語の台詞にも挑戦した。映画ではヒット作『銀魂2』で重要人物である伊東鴨太郎役を演じ、原作に忠実なビジュアルや美しい殺陣、演技力が絶賛された。なお、同年6月22日にインスタグラムの公式アカウントを開設。初回の挨拶は英語・韓国語・中国語(簡体字、繁体字)の4ヶ国語でメッセージが投稿され、スタートから4時間でフォロワーが7万人を超えた。 2019年1月より舞台『罪と罰』に主演。2015年に出演した『地獄のオルフェウス』でもタッグを組み、三浦の才能を高く評価していた世界的演出家のフィリップ・ブリーンは、難役・主人公ラスコーリニコフについて「この役を演じてもらいたいと思う俳優は、世界中どこを探しても三浦春馬以外は考えられない」と語っている。本作終演の2か月後に開幕した『キンキーブーツ』(再演)に主演。この2作で、2019年度の「WOWOW presents〜勝手に演劇大賞」の男優賞を受賞した。なお、『罪と罰』はストレートプレイ部門、『キンキーブーツ』はミュージカル部門の作品賞も各々受賞する快挙となった。 同年6月より「ポール・スミス」ブランド初の日本におけるメンズ ブランドアンバサダーに就任。 同年7月よりドラマ『TWO WEEKS』(フジテレビ)に主演、初の父親役を演じた。8月に本作の主題歌「Fight for your heart」で歌手デビュー。この1stシングルを「FNSうたの夏まつり」(フジテレビ系)生放送で初披露したところ、ハイトーンボイスによるこれまでにない魅力、圧倒的なダンスや俳優ならではの表現力は見る者を驚愕させ、本業の歌手たちも圧倒するほどであったという。出演後はTwitterのトレンドワードの上位に「#三浦春馬」が挙がるほど、新たな三浦の一面に注目が集まった。 同年同月、韓国ソウルにおいて過去最大規模(世界61カ国から270作品が出品)で開催された「ソウルドラマアワード(英語版)2019」で、アジアで精力的に活躍し大きな影響力を持つ俳優に与えられる「アジアスター賞」を受賞。英語でスピーチを行った。また、台湾にて自身初のファンミーティングを開催、700人の現地ファンが集まった。 2020年1月、エミー賞・グラミー賞・トニー賞を受賞しアカデミー賞にもノミネートされた全米ミュージカル界のスーパースターであるシンシア・エリヴォ(英語版)のコンサートに、海外ドラマ「glee」等で世界的な人気を誇るマシュー・モリソンと共にスペシャルゲストとして共演。英語で歌唱し、シンシアやマシューへのインタビューも通訳無しで行っている。また、2月にはアミューズのファン感謝祭、通称「ハンサム」の15周年記念ライブに“レジェンドハンサム”としてサプライズ出演した。 同年3月には、アンドリュー・ロイド=ウェバー日本初演作品『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド〜汚れなき瞳〜(英語版)』に主演。本作品はロンドン・ウェストエンドにて1000回を超えるロングランを記録し、劇中歌「No Matter What」は世界18カ国でヒットチャート1位、プラチナディスクを獲得した感動大作であったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により初日が2週間後ろ倒しになり、千秋楽が繰り上げとなるほか地方公演も全公演中止、計53公演中11公演の上演という結果になった。 同年4月5日、自身の30歳の誕生日に、著書『日本製』『日本製+Documentary PHOTO BOOK 2019-2020』2冊を同時出版。408ページもの大作である『日本製』は、三浦が約5年かけて全国47都道府県を巡り日本文化・伝統・歴史・産業などを学んだ軌跡であり、初のドキュメンタリー写真集はこの1年間真剣に取り組んできた作品の舞台裏・自身の成長を記録したいという思いから刊行。経済学者の田中秀臣と、経済アナリストの森永康平は「この本(『日本製』)は決して旅行のお供、あるいは人気俳優のタレント本とかそういった気楽に読める内容ではない極めて本格的な教養本」であり「”日本発見”というのにふさわしい1冊」と評価している。発売日からわずか2週間で重版となり、後にオリコン年間本ランキング(ジャンル別)のTOP10にもランクインした(「#死去の影響」項も参照)。 同年6月、インスタグラムのフォロワー数が100万人突破。 2020年7月18日死去(詳しくは「#死去」の項を参照)。 同年7月23日、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』公開。前作『コンフィデンスマンJP ロマンス編』から三浦が演じたジェシー役は、スピンオフ作品を期待する声が上がるほどの人気キャラクターであった。訃報の5日後であった初日舞台挨拶では出演者各々が三浦に言及。本作は土日2日間で動員28万6000人、興収4億500万円のヒットとなった。 翌7月24日、2ndシングル「Night Diver」のミュージック・ビデオ(MV)が公開。同日夜には『ミュージックステーション 3時間半SP』(テレビ朝日系)の同曲を生放送で初公開する予定だった。MVの再生回数は公開からわずか1日半で600万回を超え、29日時点で1000万回を記録。 同年8月15日、NHKドラマ『太陽の子』放送。本作はギャラクシー賞のテレビ部門9月度月間賞を受賞。「純朴さと狂気を併せ持った主人公を演じる柳楽優弥の演技力、対照的な三浦春馬の端正さと有村架純の強さ、田中裕子のすごみも素晴らしかった」と講評された。 同年8月26日、2ndシングル「Night Diver」リリース。自身が初めて作詞作曲を手がけた「You&I」、また初回限定盤DVDにはミュージック・ビデオ(MV)3作目として「YOU」 スタジオアコースティックライブVer.も収録。オリコンチャートの8月25日付デイリーシングルランキングで売上15万213枚を記録し初登場2位となったほか、10月度プラチナディスクに認定。デジタル配信では「You&I」が1.3万DLを記録し、8月26日付「オリコンデイリーデジタルシングル(単曲)ランキング」で初登場1位を獲得。同じく同CDの収録曲「ONE」は1.3万DLで2位、先行配信されていた「Night Diver」は1.2万DLで3位となり、2ndシングルに収録されている全3曲がTOP3を占める形となった。 同年9月、最後のドラマ出演作品であるTBS系火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』放送(詳しくは「#死去の影響」項を参照)。 2020年秋には、自身初のショーケースライブ 「 Haruma Miura "Show Case Live 2020"(仮)」が東京と大阪で開催予定と発表されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて開催は中止。配信での開催予定となっていた。 2020年12月 - 2021年1月には、新作オリジナルミュージカル『The Illusionist - イリュージョニスト - 』の上演、併せて世界初演キャストとして三浦春馬の主演(タイトル・ロール)が決定していた。原作はピューリッツァー賞受賞作家スティーヴン・ミルハウザーによる短編小説「Eisenheim the Illusionist(幻影師、アイゼンハイム)」で、エドワード・ノートン主演で映画化もされた話題作。演劇プロデューサーでウエストエンドのヒットメーカーとして名高いマイケル・ハリソンが企画、プロデューサーのスティーヴンのほか、脚本はピーター・ドゥーシャン、音楽はマイケル・ブルース、演出は『タイタニック』を手がけたトム・サザーランド(英語版)と、英国演劇界一流の実力派スタッフが揃っており、2019年秋には日本でクリエイティブスタッフとメインキャストによるワークショップ(ストーリーや役柄、歌やシーンのディスカッションなど)を開催していた。三浦は「驚きを何度もくれる台本を読み、記憶に残りつい口ずさんでしまう楽曲を聴き、新たな名作のクリエーションに立ち会える事、身が引き締まる思い」「親切で豊かな創造性を持ち合わせたトム・サザーランドさんの力強い指揮のもと、スタッフキャスト一丸となって日本から皆様に愛され続けるミュージカルを作って行きます!」と語り、2020年6月8日には公式HPやメインビジュアルなど情報解禁、三浦を配したフライヤーも配布されていた。 2020年12月11日に、自身初の時代劇主演映画『天外者』が公開。幕末から明治初期に活躍した偉人・五代友厚の物語を映画化した作品(タイトル・ロール)で、2013年に『五代友厚プロジェクト』としてスタート、撮影は2019年中に終了していた。「五代さんを演じた期間はとても充実していたし、三浦春馬という俳優としても、ひとりの男性としてもベストを尽くすことが出来たと、胸を張って言える作品になった」と語っている。公開初日はTwitterのトレンドに「#天外者」がランクインし、公開から3日間で11万7959人を動員、興行収入は1億6653万7600円の大ヒットスタートとなった。また、上映劇場は26劇場が追加となり計229館での公開となった(「#死去の影響」項も参照)。 2021年3月12日に、映画『ブレイブ ‐群青戦記-』公開。主人公を導く徳川家康役で出演。また、同年に映画『太陽の子』の公開も予定されていた。
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