物語の舞台・劇中の地名
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アトム連邦 「黒いおおかみの挑戦」などに登場する、キーン指令が所属する架空の国家。強力な軍隊を保有しているが、悪人たちの繰り出す兵器の前に手も足も出ないことが多い。なお、シリーズを通してアトム連邦の国内で展開した話は一話もなく、大抵は軍隊が日本などほかの土地に出向いて活動する。 チエノ科学研究所 「黒いおおかみの挑戦」などに登場する、様々な研究・分析設備を備えたチエノ博士の自宅兼研究所。シリーズを通して博士の妻子などの存在は確認されないが、「海へび大帝の猛襲」などで職員や研究室のメンバーが数人登場している。屋上にヘリポートがあり、はやぶさ号が着陸することも可能。王子たちの地上における拠点で、ハナさんもよく食事をごちそうになっている。「不死身のハイドラ」では、厚さ30センチの鋼鉄の扉を備えた地下室が登場。バラバラ状態から再生したハイドラの襲撃からハナさんが避難したものの、難なく扉を破られてしまった。 おおかみ島 「黒いおおかみの挑戦」に登場。日本領海にある島で、近づいた船は高潮によって必ず沈められてしまうため、近隣の漁民から恐れられていた。実は黒いおおかみ一味の秘密基地で、岩山の外見も一味のメンバーが被る覆面と同じ形をしている。調査のため近づいたはやぶさ号を機関砲や大量のロケット魚雷で攻撃するも、初披露の飛行能力で回避された。直後にはやぶさ号のメーター安全機が未知の危険を知らせたため、「今にあの島を徹底的に調べる」と誓って王子は退却した。しかし、その後戦いの舞台が地中海沿岸に移ったため、最後までおおかみ島基地は再登場しなかった。 死海沿岸 「黒いおおかみの挑戦」に登場。黒いおおかみ一味の根拠地で、潜水艦Z2号などの兵器類を作れる大工場やチエノ博士らが囚われた古城が存在する。キーン指令は隙を見て水に飛び込んで脱走しようとしたが、死海の特性(塩分が異常に濃いため、生物の体が浮いてしまう)ゆえに失敗した。 地中海の軍港 「黒いおおかみの挑戦」に登場。黒いおおかみを攻撃するための艦隊が集合していたが、一味の潜水艦Z1号の攻撃を受けて壊滅した。その直後現れたはやぶさ号と、首領の帰還命令を無視したZ1号の戦いの舞台となる。 カイン王国 「黒いおおかみの挑戦」「海へび大帝の猛襲」に登場した、王子兄妹の故郷。海底人の王国だが住人は水中呼吸はできない。いかなる経緯で生まれた国なのかなど、詳細は全く不明。はやぶさ号を作れる超科学力を持っているが、潜水艦隊は海へび大帝の戦力の前に手も足も出なかった。海へび大帝の手によって一度壊滅した後、物語ラストで再建された旨が伝えられた。 ミンダナオ海溝 「海へび大帝の猛襲」に登場。深さ一万m以上の海溝で、カイン王国を攻撃した魚雷の発射地点としてザイル博士が割り出した。実は海へび大帝の根城の海底要塞があり、出動した潜水艦隊は大帝の擁する潜水艇部隊の前に全滅した。終盤で海溝の近海に国連軍の精鋭部隊が集結し、海へび大帝の軍との最終決戦の舞台となった。 海へび大帝の海底要塞 「海へび大帝の猛襲」に登場。先述のミンダナオ海溝に存在する。囚われた国王を取り戻しに来たはやぶさ号が近づくと、磁気機雷源や巨人ロボットR1号で応戦した。はやぶさ号の魚雷を受けて外壁に穴があくも、魚雷は爆発しなかった。しかしそれは王子の乗り込んだ人間魚雷であり、結果国王とザイル博士を取り戻されてしまった。 東京湾 「海へび大帝の猛襲」などに登場。海へびのような大怪物が出現し、漁船などが被害を受けていた。その正体は海へび大帝の海龍戦艦シー・ドラゴンで、襲われた海上保安庁の巡視船「くろしお」は遠隔操縦で船を襲う幽霊船にされてしまった。その後「鉄の獅子の襲来」でも、鉄の獅子の侵略兵器ゴルゴンに上陸され大きな被害を受けた。 防衛庁 「海へび大帝の猛襲」などに登場。日本を狙う海へび大帝の猛威に対抗するため、チエノ博士らと対策会議を開く。その数日後、アトム連邦での会議から戻ってきたチエノ博士が、連邦軍と国連軍の協力を得られたことを演説していた。「鉄の獅子の襲来」でも、チエノ博士らが鉄の獅子対策会議を開いており、アトム連邦の代表が艦隊出動を提案していた。 北極 「赤いサソリの恐怖」に登場。日本初の原子力潜水艦あけぼの号が北極横断の旅に出て、無事に北極点に到達したのも束の間、謎の戦車(赤いサソリの豆タンク)の襲撃を受けてしまう。はやぶさ号は豆タンク撃破後、北極に戻って調査するも、今度は赤いサソリと豆タンクの集団に出くわしてしまう。 ブルー・ランド 「赤いサソリの恐怖」に登場した、北極近海にある島。サソリの麻酔電波で気絶した王子が自動操縦装置を作動させ、結果はやぶさ号が不時着した場所。見渡す限りの荒野で、南のほうにある町は赤いサソリの襲撃で廃墟と化していた。 東京 「赤いサソリの恐怖」などに登場。北極から来たサソリ艦隊の猛威に対し、日本政府は国民に立ち退き命令を出した。結果、大都会東京もゴーストタウンと化してしまう。その後はすっかりサソリに占領されてしまい、対サソリ研究を続けるために研究所にとどまるチエノ博士、赤いサソリを写真に撮ろうとするハナさん、彼らと合流した王子とチマ、そして一人取り残されてサソリに追われていた少年の五人だけが残った。その後「海の王子の復活」などでも侵略者の攻撃を受けて火の海になったりしている。 チエノ博士の研究所(その2) 「赤いサソリの恐怖」などに登場した、先述の研究所とは別の施設。博士の別荘もしくは別邸らしい。こちらは都内のビルの一室で、地下に研究施設(後述)を備える。「はやぶさ号を撃墜せよ」では脱獄囚に逃げ込まれ、庭に停めておいたはやぶさ号を乗り逃げされてしまった。 地下研究所 「赤いサソリの恐怖」でサソリ艦隊に日本が占領された際に、博士とハナさんが避難した研究施設。その後王子兄妹と、赤いサソリに追われていた少年が合流。いわゆる地下シェルターの機能を兼ね備えており、地下50mに存在、博士いわく扉は「原爆にもびくともしない」らしい。地上の様子をうかがうレーダーや監視カメラ、研究のための設備を備える。内部はかなり規模が大きく、地中潜行して襲ってきた豆タンクとはやぶさ号が対峙してもなお空間に余裕があった。最終的にサソリの地下ミサイル攻撃で崩壊の危機に瀕したため、博士と少年は排気口から脱出した。 マワイ群島 「赤いサソリの恐怖」で登場した、太平洋の島。謎の巨大戦闘機を追ってはやぶさ号が着陸した。アトム連邦の地下秘密基地があり、毎日二百機のジェット機が作り出せる生産能力を持った工場が存在する。結果3,000機の大型ジェット機を擁する、サソリ艦隊に対する人類反撃の拠点となった。地名はマウイ島とハワイのもじり。 南太平洋 「鉄の獅子の襲来」に登場。頻発する海難事件に際して「波間に巨大な獅子が現れ、船を引き寄せ飲み込む」という噂が広まっていた。事件の取材に向かったハナさんの船も襲われ、そして同じく調査に向かったはやぶさ号は鉄の獅子のライオン溶鉱炉と遭遇する。 ライオン島 「鉄の獅子の襲来」に登場。太平洋のどこかにある人工島で巨大な要塞になっている。接近してきたはやぶさ号に対しては熱戦や機銃、対空砲、戦闘機隊で応戦するも返り討ちにあう。しかし最後に発射したサーベル弾ははやぶさ号の機体を何本も貫通し、さらに塗られていた毒で海の王子を昏倒させ、撤退させる威力を示した。その後飛来してきた偽はやぶさ号の編隊を撃墜したところ、チエノ博士が開発した食鉄虫の集団に襲われ、要塞の砲身や手下のロボットが消滅したり表面にいくつも穴をあけられてしまったりの被害を被る。これに対し鉄の獅子は全砲口からの放水で食鉄虫を洗い流して対応した。鉄の獅子がライオン戦艦とともに倒されたあと、この要塞がどうなったかは不明。 サンデー・ニュース社 「鉄の獅子の襲来」などに登場した、ハナさんの勤務先。社会部でハナさんが鉄の獅子に襲われた武勇伝を語っていたところ、海上警察のライオン島攻撃予定の一報が入り、ハナさんはチエノ博士に連絡した。「海の王子の復活」では頻発する火山の斜め噴火の取材のため、デスクは空腹のハナさんをこき使った。ハナさん曰く「うちの部署は人使いが荒いなぁ」。なお、「怪人電光人間」にてハナさんは「サンデー・タイムス記者」と名乗っていた。海外に支局を持つ程度の規模の新聞社ではあるようで、「プロトンの海底都市」のラストではカイロ支局の名前が出た。名称は連載誌の『週刊少年サンデー』から。 海上警察 「鉄の獅子の襲来」に登場。海上保安庁や海上自衛隊とは別の組織。日本近海の警察活動を司る存在で、強力な艦隊を保有しているらしい。鉄の獅子のライオン島に対して艦隊で攻撃を加える決定を下した。ということは、ライオン島は日本の領海に侵入していたか、限りなく接近していたことになる。ハナさんから先述の一報を受けたチエノ博士は、本部に出向いて長官と副長に出撃延期を訴える。しかし訴えは届かず海上警察艦隊はロボット戦艦の艦隊と交戦、敗北してしまった。 病院 「鉄の獅子の襲来」に登場。前述したサーベル弾の毒で倒れた海の王子が入院した、都内の病院。王子は面会謝絶の重体でありチマや博士も面会できなかったが、それは実は王子に頼まれた院長の仕掛けた偽装だった。冒頭で倒れたハナさん(実は空腹だった)が担ぎ込まれた病院と同一かは不明。 ロンドン 「恐竜帝国の決戦」に登場。アフリカで恐竜を見たという探検家スカンレーにインタビューするため、ハナさんが彼のアパートを訪ねる。しかし人間嫌いの偏屈を地で行くスカンレーに銃撃で追い払われてしまった。 アフリカ・コンゴ河流域 「恐竜帝国の決戦」に登場。ハナさんがスカンレーの証言を確かめようと、飛行機をチャーターして向かった場所。そこでハナさんは恐竜(恐竜戦車)を目撃。直後、恐竜の頭部から放たれた光線でパイロットが石化してしまったため、ハナさんはパラシュートで脱出した。 アデン 「恐竜帝国の決戦」に登場した、イエメンの都市。はやぶさ号の目の前で飛行機が墜落、それをきっかけに王子たちはアデン国際ホテルで国連調査団長シラベール博士と出会う。王子たちと調査団が共同作戦をとることになったため、チエノ博士ははやぶさ号を改造、マジックスキンを取り付ける。そして王子たちは街でスカンレーの手の込んだ誘導に乗り、彼を調査団に加えることになる。三日後、空港から調査団の大型飛行機とはやぶさ号が飛び立った。 バンサ市 「恐竜帝国の決戦」に登場。アフリカに潜入した王子たちが空港に着陸した都市。スピーカーでの呼びかけに誰も応じず、調べてみると恐竜の化石光線によって、人から犬からすべての住人が石のように固まっていた。その様子に恐慌や混乱がなく、食事など日常生活の風景のままだった。そして調査団は、火を吐く翼手竜(プテラノドン)の一団に襲われた。 ジャングル 「恐竜帝国の決戦」に登場。バンサ市を後にした一団がテントを張った場所。王子と見張りを交代したハナさんを、調査団のメンバー五人が襲撃。アフリカから帰るためにはやぶさ号を乗り逃げされてしまった。
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