物語の舞台・香港
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 15:01 UTC 版)
「沈香屑 第一炉香」の記事における「物語の舞台・香港」の解説
本作では香港が舞台になっている。張愛玲は香港を物語の舞台にすることが多くある。なぜ張愛玲は香港に舞台を何度も登場させたのか。天津在住の幼いころの数年間と、香港大学に留学していた時期を除いて張愛玲は上海にずっと暮らしていた。また、本人にも上海人の意識は強烈で、「到底是上海人」(やっぱり上海人)という作品から顕著である。また、小説集『伝奇』(1944年出版)の前段で「私は上海人のために1冊の香港の物語を描いた」として、7編の作品を挙げている。このうち香港が舞台になっているのは4作品である。上海人の観点で香港を観察したという。こんなにも張愛玲の作品に香港が出てくるのは上海での今までの生活ととても対照的だったからであり、画期的なものであったという。イギリス植民地であった香港での学生生活は風土や習慣、感性の在りどころなど、これまでの生活と大きな変化であったからというのも、一つの理由である。
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